スリザリンは嫌だと言われる理由は？寮の特徴や歴代生徒まとめ【ハリーポッター】

ハリーポッターとは、イギリスの作家J・K・ローリングによる児童文学作品です。ハリーポッターは魔法の存在する世界を描いた壮大なファンタジー作品で、児童文学作品でありながら子供は勿論大人まで世界中で多くの人に愛されました。

小説は第1作目の「ハリーポッターと賢者の石」から「ハリー・ポッターと死の秘宝 」まで7作品あり、第1作目で主人公のハリーが魔法学校のホグワーツへ入学。その後、1シリーズごとにハリーの1年間の学校の生活や、宿敵との戦い、冒険を描いています。

2001年からは映画かもされ、日本は勿論世界中で大ヒットしました。小説は世界で5億冊以上が発行されており、2018年12月の時点で史上最も売れたシリーズ作品となっています。今回はそんなハリーポッターの世界から、彼らが通う魔法学校「ホグワーツ」に登場する「スリザリン」という寮について詳しくご紹介していきます。

ハリーポッターの世界では、子どもたちは魔法学校へ通います。ハリーが通ったのは「ホグワーツ」という魔法学校で、学校の中には4つの寮が存在します。寮の名前はそれぞれ「グリフィンドール」、「ハッフルパフ」、「レイブンクロー」、「スリザリン」となっており、ホグワーツ創設に関わった偉大な魔法使いの名前からつけられています。

4つの寮にはそれぞれ特徴があり、主人公のハリーや彼の仲間たちがいる寮が「グリフィンドール」、創設者はゴドリック・グリフィンドールでシンボルはライオンでミネルバ・マクゴナガルが寮監を務めています。勇猛果敢な生徒が多く、ハリーの他、ロンやハーマイオニー、若き日のダンブルドアもこの寮でした。

「ハッフルパフ」は創設者ヘルガ・ハッフルパフでシンボルはアナグマ、寮監はポモーナ・スプラウトが務めています。創設者のハッフルパフが血筋や能力で差別をしなかったことから、多くの人を受け入れる優しく誠実な人柄を求める寮となっています。セドリック・ディゴリーやニンファドーラ・トンクスがここの出身です。

「レイブンクロー」は創設者がロウェナ・レイブンクローでシンボルは鷲ですが、映画ではカラスに変更されています。寮監はフィリウス・フリットウィックが担当。知性を求める傾向にあり、知性の高い生徒が多いのですが、個性や癖の強い生徒も多く、生徒同士でもめ事が起こることもしばしばあるようです。ルナーやチョウ・チャンなどがここの寮で暮らしていました。

「スリザリン」は創設者がサラザール・スリザリン、シンボルは蛇、寮監はセブルス・スネイプが務めています。創設者のスリザリンが「蛇語、機知に富む才知、断固たる決意、やや規則を無視する傾向」を求めたため、狡猾で野心の強い生徒が多数いるのが特徴です。ハリーと対立し合うドラコ・マルフォイがこの寮で暮らしています。

初めてホグワーツを訪れた生徒たちは、その資質や性格に応じて適した寮に振り分けられます。その際、生徒たちを寮に振り分けるのに用いるのが「組分け帽子」です。見た目は先の尖った茶色い古びた帽子ですが、4人の寮の創設者たちの魔法が吹き込まれており、言葉を話すことができます。

生徒が組分け帽子を被ると、即座にその資質を見抜き最適な寮に振り分けられます。ハリーはその資質から、グリフィンドールかスリザリンの2つを勧められたのですが「スリザリンは嫌だ」と言ったため、本人の希望でグリフィンドールとなりました。組分け帽子は資質以外に生徒の意見を尊重するケースもあるようです。

ロンの寮が決まった時、組分け帽子はロンの頭の上に乗る前にその資質を見抜いていました。生徒によっては被る前からその資質を見抜いてしまうという能力もあるようです。生徒たちは寮が決まると、1年生から7年生まで、7年間をそれぞれの寮で暮らすこととなります。

組分けの際にハリーが思わず「スリザリンは嫌だ」と言ったように、スリザリンは4つの寮の中では嫌われ者の傾向にあります。その理由の1つに純血以外の魔法使いを認めないという特徴があり、これには創設者のスリザリンが「選ばれし血筋のモノ、魔法族の者のみに魔法を教えるべきだ」と主張したことが背景にあります。

魔法使いには代々魔法使いを輩出する純血の一族と、魔法を使えない人間の血が混じる一族がいます。稀に人間同士が結婚しても魔法を使える子供が生まれるというケースもあり、ハーマイオニーがそうです。スリザリンは「純血」以外の血族を酷く嫌い、純血以外の魔法使いを見下し馬鹿にすることが嫌だと言われる理由の1つとされています。

スリザリンには有能は魔法使いが多いのですが、その多くが闇の魔法使いとなっています。闇の魔法使いとは魔法界を支配しようとする一派で、彼らは自分たちが認めないものを暴力を用いてまで排除しようとする危険な思考の持ち主たちです。

闇の魔法使いの中心にはハリーの宿敵であるヴォルデモートがおり、闇の魔法使いたちは彼に仕え、彼を崇拝しています。彼らは目的のためならば人を殺害することさえ躊躇わないような人物ばかり。このように悪名高い魔法使いを多く輩出していることもスリザリンが嫌だと言われる要因となっています。

スリザリンの寮に入る生徒たちは、スリザリンの求める思想のせいか狡猾で意地の悪い生徒が多く集まる傾向にあります。わかりやすのはドラコで、ハリーを目の敵にしては意地悪を繰り返しています。また、前述のように悪名高い魔法使いが多く、彼らの中にはあまり褒められた性格ではない者が多数います。

意地の悪い生徒ばかりというわけではありませんが、ひねくれていたりずる賢い性格の生徒が多いのも1つの特徴です。これもスリザリンの寮が生徒から嫌だと思われる要因の1つとなっています。ハリーが第一印象で「嫌だ」と思ってしまったのも無理はなかったのかもしれません。

多くの生徒たちから嫌だと思われているスリザリンですが、その創設者はどんな人物だったのでしょう。前述の記事でも少しだけご紹介しましたが、フルネームはサラザール・スリザリンといいます。彼は純血に拘り、選ばれた者のみに魔法を教えるべきだ、という意見を尊重しており、他の寮の創設者である3人の魔法使いと対立していました。

その対立が元で学校を去ることとなったスリザリン。彼は学校を去る前に校内に秘密の部屋を作り、そこにバジリスクを住まわせました。この部屋を作った目的は魔法を使えない人間から生まれた魔法使いたちを一掃するためで、彼は学校を去った後もその信念を貫こうとしたようです。その後、スリザリンは亡くなり、彼の信念を反映させた部屋だけが残りました。

スリザリンの寮のシンボルは蛇です。これは創設者のスリザリンが蛇語を操ることができたことに由来しています。蛇語はハリーポッターの世界ではパーセルダンクと呼ばれ、蛇語を話すことのできる人のことをパーセルマウスと呼びます。

パーセルマウスの人々のほとんどはスリザリンの子孫だと言われており、ヴォルデモートは彼の直系の子孫に当たります。ハリーもパーセルダンクを使えますが、彼はヴォルデモートと対峙した際にその能力の一部が使えるようになったという経緯があるため、ハリーに関してはスリザリンの血縁とは無関係のパーセルマウスということになります。

スリザリンの寮のシンボルカラーは緑色と銀色です。寮の旗もその色にのっとって作られており、深い落ち着いた緑色をベースに、中央部分には銀色の蛇があしらわれています。他にも、生徒たちが着用する制服や、付属品など、いろいろなものにこの色が使われています。

ハリーポッターに登場する生徒たちが羽織っているローブは、基本黒色をしているため一見同じものに見えます。そして、裏地がそれぞれの寮を代表する色となっており、スリザリンは裏側が緑色です。襟の部分だけ裏地が見えるように設計されており、その色でどの寮に属しているのかすぐにわかるようになっています。

また、ローブには胸元にそれぞれの寮のシンボルが入っていますので、そちらでも見分けることも可能です。スリザリンの場合は緑色に銀の蛇をあしらったシンボルがついています。また、付属品としてネクタイやマフラーが用意されており、ネクタイ、マフラーともに2色を使った縞模様になっています。

寮にはそれぞれ寮監を務める教師がおり、スリザリンの寮ではセブルス・スネイプが寮監を務めていました。スネイプはホグワーツの中で闇の魔術を教える教師で、一見すると陰気で暗く底意地の悪い教師というイメージです。作中でも実際にハリーやハーマイオニー、ネビルに対して意地の悪い態度を見せています。

しかし、実は物語上非常に重要な役割があり、ハリーポッターの中では影の主人公とも呼ばれていたスネイプ。スネイプは1960年の1月9日、マグルの父と魔女の母親から生まれました。ハリーの母親であるリリーとは彼が9歳の頃に知り合っています。

その後、ホグワーツに入学しスリザリンに入ったスネイプ。呪いや魔法薬学に対してずば抜けた知識と才能を持つ優秀な生徒でしたが、不器用で自己表現の下手だったスネイプには友達ができず、リリーだけが彼の友人でした。

スネイプはリリーに恋していましたが、リリーはハリーの父であるジェームズに恋をしており、スネイプの恋は叶うことはありませんでした。リリーとの心の距離が離れることに不安を抱いたスネイプは彼女に見て貰うには偉大な闇の魔法使いになるしかない、と強く思い込んで悪事に手を染めるようになっていきます。

学校を卒業した彼は死喰い人として「不死鳥の騎士団」のスパイをしていました。そこで、シビル・トレローニーの予言によりポッター一家の危機を知ったスネイプは、今度はダンブルドアのスパイとなりリリーを助けるために二重スパイとなりました。

しかし、彼の尽力も敵わずリリーは死亡。その後はリリーの残した形見である息子のハリーを守るために人生を捧げたのでした。ハリーに対してかつてのジェームズを思い出し憎く思うこともあったようですが、最後までハリーを守り抜きました。

寮にはゴーストが住み着いています。ゴーストは文字通り幽霊で、かつてその寮に属していたという過去を持つ者たちで、寮に来た生徒たちに助言を与えたりガイドをする役目などを担うことも。

スリザリンにいるゴーストは血みどろ男爵というゴーストで、他の寮にいるゴーストと比べて非常に不愛想なため、スリザリンの寮生を含む多くの生徒から恐れられています。悪戯好きのゴースト、ピーブスを唯一コントロールできるゴーストであり、生前はヘレナ・レイブンクローを死に至らしめた人物でもあります。

ここからはスリザリンの寮で暮らしていた歴代の生徒をご紹介します。有名な生徒もいますが、中には映画には登場していない原作だけの人物も登場します。

主人公のハリーと同じ学年で、ハリーのことを何かとライバル視しては突っかかって来る生徒です。純血の名家と言われるマルフォイ家に生まれたお坊ちゃまで、父親のルシウス・マルフォイは闇の魔法使いです。非常にプライドが高く高慢な性格をしており、いつもグラップとゴイルという2人の生徒を連れて歩いています。

物語を通じてのハリーの宿敵です。闇の魔法使いとして、魔法界を支配しようと企み目的のためならば残忍なことも平気でやってのける冷徹な心の持ち主です。本名はトム・マールヴォロ・リドルというのですが、彼はこの平凡な名を嫌い、アナグラムで自分の名を並び替えて「ヴォルデモート」と名乗るようになりました。

ドラコの腰巾着ともいえる生徒で、もう一人の生徒グレゴリー・ゴイルと共に常にドラコと行動を共にしていました。純血の魔法族クラッブ家の出身で、大きな体が特徴的です。闇の魔法使いの集団「死喰い人」の一員となり、ハリーたちとも戦いました。

ビンセント・クラッブと共に常にドラコに付き従い行動を共にしていた生徒で、作中ではクラッブとゴイルとセットにされることも多かった生徒です。クラッブと同じく大きな体が特徴的な生徒で、ドラコ、クラッブと共にハリーを襲撃したことも。最終的には悪霊の火を使いこなすことができず、死亡しています。

ハリーやドラコと同学年の女生徒で、ドラコにほのかに想いを寄せています。間違いなく純血の血族である、と言われるパーキンソン家の出身であり、原作ではあまり可愛げのない女の子として描かれています。ハーマイオニーとは敵対関係にあり、互いに互いのことを悪く言い合っています。

母は非常に美人で有名な人物で、7人の父がいたのですが全員亡くなっておりその都度保険金が入って来た、という理由から裕福な暮らしをしていた生徒です。高慢ちきな性格で、同じ寮のドラコに対しても、彼の父が逮捕された際に揶揄するなど微妙な関係にあったようです。

映画オリジナルの双子の姉妹です。第6章に当たる「謎のプリンス」と第7章に当たる「死の秘宝」に登場します。

かつてスリザリンの寮に属しており、ホグワーツの魔法薬学教師として登場します。スリザリンの中では珍しく、あまり純血に拘らず差別意識をほとんど持たない人物で、ダンブルドアからの信頼もあり評価の高い人物です。学生時代のトム・リドルと最も親しい教師でもありました。

原作のみ登場の人物です。姉にベラトリックス・レストレンジ、妹にドラコの母・ナルシッサ・マルフォイを持ちます。明確な表記はありませんが、出身からかつてスリザリンに属していたと思われます。ハリーの名付け親であったシリウス・ブラックと仲が良く、ハリーの味方についてくれました。

グリフィンドールはハリーや彼の親友・ロン、ハーマイオニーが所属している寮です。グリフィンドールへの組分けの際に重要視されるのは、勇気や騎士道、決断力といったもので勇猛果敢な生徒たちが集まる寮とされています。

大胆さを持ち合わせるということは勇猛である反面、無謀であったり時に暴走してしまうこともあります。実際、ハリーもかなり無茶をして周囲をハラハラさせたこともありますから、グリフィンドールの生徒は少しやんちゃなイメージもつきまといます。スネイプがハリーを嫌っていたのもこの部分で、彼はそれを無謀と捉えていました。

創設者のゴドリック・グリフィンドールはスリザリンの創設者、サラザール・スリザリンと対立しており、彼らはいつも競い合っていました。まるでハリーとドラコを見ているようですね。

ハッフルパフは寛容である、というのが大きな特徴です。そのため、組分けの際には際立った能力よりも勤勉であることや忠誠を誓えること、献身的であることなどが求められます。4大元素の中では大地との結びつきが強く、シンボルカラーの黄色は麦を、黒は大地を表現しています。

ハッフルパフの寮に属する生徒は友好的で穏やかなものが多く、そのためか劣等生や才能のない者が多いと思われがちです。しかし、実際には有能な魔法使いが多く著名な学者や占い師など才能あふれる魔法使いを輩出。競争とは縁がないことが多いですが、クィディッチの大会には力を入れています。

レイブンクローで重要視されるのは、知識や知恵で頭の良い賢い生徒たちが多いのが特徴的です。四台元素の内空気との結びつきがあり、寮のシンボルカラーである青と鷲で空を舞う鷲を表現。映画では空を舞うカラスを表現しています。

創設者であるロウェナ・レイブンクローは知性と同時に独創性も大切にしていました。そのため、レイブンクローには少々変わった魔法を使える生徒もいる様子。頭の良い生徒といえばハーマイオニーも代表に上がりますが、実際、組分け帽子はハーマイオニーをグリフィンドールとレイブンクローどちらに入れようか真剣に悩んでいました。

映画の中ではあまり良いイメージのないスリザリンとその生徒たち。有能な魔法使いが多い反面、狡猾であることや闇の魔法使いを輩出していること、ハリーが嫌だ、と感じるのも無理はなかったのかもしれません。では、実際にハリーポッターを見たユーザーはスリザリンをどのように見ているのでしょうか。

スリザリンの生徒たちがプライベートで付き合うならどんな付き合い方を好むのか、を想像してみた意見もありました。グリフィンドールの生徒たちは仲間意識が強いイメージで、スリザリンの生徒は個々の繋がりを大切にする、というイメージがあるようです。

作中では主人公のハリーがグリフィンドールに属していたこともあり、グリフィンドールが正義でスリザリンが悪役という立ち回りになることもしばしばありました。そこを冷静な目線から見た時、グリフィンドールに対する贔屓でスリザリンが可哀想では、という意見も見られました。

スリザリンの寮についての特徴や生徒たちの紹介、嫌だ、と思われてしまう理由についていかがだったでしょうか。スリザリンが闇の魔法使いを輩出していることや、狡猾な生徒が多いことから他の寮よりも嫌われがちなイメージもあるスリザリンですが、2015年に実際に大学生にインタビューをしたことがあります。

その結果、嫌だといった人は43%でスリザリンでも構わないという人は57%と意外な結果に。その理由として「狡猾と言われるけど、賢い生徒が多い」や「全てが悪い人なわけではない」というものが多く見られました。中にはスネイプファンやマルフォイのファンも。実際に自分が入るなら、どこがいいか、と考えてみてはいかがでしょうか？