蛇にピアスのシバ役俳優の井浦新がかっこいい!最後にアマを殺害した犯人?

2008年に蜷川幸雄監督のもと製作された映画『蛇にピアス』にシバ役として出演した井浦新さん。その独特さ際立った演技から、また役どころの彫師・シバは普段の井浦さんの雰囲気と真逆なことから、『蛇にピアス』という作品を通してシバ役の俳優・井浦新がかっこいいと再評価されています。井浦新は一体どんな役者なのか、そして『蛇にピアス』で彼が演じるシバはアマを殺害した犯人なのか。今回は映画『蛇にピアス』のあらすじや作品内容に触れつつ、シバ役を通して井浦新さんの魅力に迫っていきます。

蛇にピアスのシバ役俳優の井浦新がかっこいい!最後にアマを殺害した犯人?のイメージ

目次

  1. 蛇にピアスのシバ役俳優の井浦新がかっこいいと話題に!
  2. 蛇にピアスのキャストを紹介!
  3. 蛇にピアスのシバ役俳優の井浦新がかっこいい!
  4. 蛇にピアスのあらすじをネタバレ!
  5. 蛇にピアスで最後にアマを殺害した犯人はシバ?
  6. 蛇にピアスのシバ役俳優の井浦新についてまとめ!

蛇にピアスのシバ役俳優の井浦新がかっこいいと話題に!

俳優・モデルとして活躍し、その独特な雰囲気とストイックさで人気を集め、様々なメディアに露出が増えている井浦新さん。当時の「ARATA」名義で出演した映画『蛇にピアス』では、Sっ気の強過ぎる彫師・シバ役に挑戦し、ルイに刺青を施し、アマを殺害した犯人と目されるという、『蛇にピアス』という作品のキー・パーソンを見事に演じきりました。

『蛇にピアス』はその過激な描写から話題となった2008年公開の作品ですが、インタビューなどで垣間みられる井浦さんの落ち着いた物腰とは対照的に思える『蛇にピアス』彫師・シバのキャラクターとのギャップからか、その演技が再評価され、かっこいいと話題になっています。今回は、『蛇にピアス』の内容をなぞりつつ、そのシバ役である井浦新さんの魅力に迫っていきます。

蛇にピアスのキャストを紹介!

蛇にピアス 吉高由里子/ルイ

映画初主演作となった『蛇にピアス』。このとき吉高由里子さんは若干19歳と、女優としてはキャリアも浅く演技も荒削りでした。しかしそれがゆえか、『蛇にピアス』では大胆に繰り返されるオールヌードのSM的な濡れ場、刺青を施されるシーンなどを若さと度胸溢れる体当たりで演じきり、そのことが評価されて数々の新人賞を受賞しブレイクを果たします。

生きている実感を持てないルイ。そのルイは、アマとシバというふたりの男と出会い、その実感についての考察を深めます。ちなみに吉高さんは『蛇にピアス』のオーディションで監督の度肝を抜いたように並々ならぬ気合いで臨んでいたそうですが、『蛇にピアス』主演が決まった直後に交通事故に遭い重傷を追ったものの、驚異的な回復力で撮影に間に合わせたという逸話が残っています。

そのときに感じた死生観を、そのまま『蛇にピアス』という作品に持ち込んだようです。『蛇にピアス』が吉高由里子さんの映画主演デビュー作だったのと同じく、著者の金原ひとみさんにとっても『蛇にピアス』はデビュー作です。このとき若干19歳、瑞々しく若い感性がうまく共鳴し、映画『蛇にピアス』は完成されました。

蛇にピアス 高良健吾/アマ

ルイの恋仲役・アマを演じたのが俳優の高良健吾さん。『蛇にピアス』では、赤いモヒカン、顔には何と15個のピアス、そしてスプリット・タン(蛇の舌のように割れた舌)という、いそうでいない、衝撃的なビジュアルを披露しています。これらは実は特殊メイクだったようですが、あまりに似合っていたためか、『蛇にピアス』映画公開当時は本当に手を入れたのではという噂が出回ったようです。

アマはルイの言うことにはすべて従順に従っていましたが、シバと関係を持つという一面もあります。『蛇にピアス』ではとても純粋な役どころで、純粋だけに危うい、男の若さがよく表現されています。その点ではシバとは似通いながらも対照的であると言えます。

蛇にピアスではその他にも意外な豪華俳優陣が脇を固める

『蛇にピアス』においては、他にもタレントのあびる優さんやソニンさんなどが脇を固めます。そしてやはり蜷川幸雄監督のツテなのでしょうか、特別出演枠に市川亀治郎さん、唐沢寿明さん、井出らっきょさん、藤原竜也さん、小栗旬さんなど豪華俳優陣が顔見せしており、ルイ、アマ、シバ主要3人のキャラクターで展開する『蛇にピアス』のシンプルな物語に厚みを与えています。この層の厚さも、『蛇にピアス』の隠れた見どころです。

蛇にピアスのシバ役俳優の井浦新がかっこいい!

蛇にピアスのシバはどんな役柄?

『蛇にピアス』の物語のなかで、ルイの舌にピアスを開け、刺青を入れるのが彫師のシバです。シバは、人間の粘膜に刺青を入れるときの痛みのような繊細さを感じさせる雰囲気を醸し出しながらも、Sっ気にまみれたバイ・セクシャルで、反面とても大胆で暴力的な側面を持ちあわせている役となっています。『蛇にピアス』におけるシバ役はとても難しそうな役ですが、だからこそ魅力的です。

『蛇にピアス』は尖った標題ですが、まず蛇にピアスを与えるのがこのシバの役割です。ルイ、アマそれぞれと関係を持ち、アマを殺してしまうと目される点では、『蛇にピアス』という作品においてある種主人公のルイより強烈な存在感を放ちます。

蛇にピアスのシバの魅力とは?

先述のとおり、『蛇にピアス』でシバのキャラクターからは繊細さと大胆さを兼ね備えているかのようなアンビバレントを見てとることができ、そこが何とも言えない魅力となって見るものを魅了します。佇まいや生き方においては、おびえる犬のような目に宿る繊細さと、何ものにも動じない遥か先を見据えた大胆さを。愛することにおいては、男性と、女性を。愛するものにおいては、大事にしたいほどの好意と、殺したいほどの嫌悪を。

シバはルイと関係を持つ以前から、同性のアマとも関係していました。『蛇にピアス』でアマ殺しの犯人と目されるキー・パーソンであるシバですが、強い拘りから連想される高い美意識と、その脆そうでも侵しがたい危うさが、『蛇にピアス』におけるシバの魅力のひとつでしょう。

蛇にピアスのシバ役以外の他の作品ではどんな役柄を?

『蛇にピアス』のシバ役の他にも、『ピンポン』のスマイル役から大河ドラマ『平清盛』の 崇徳上皇役まで、幅広く個性的なキャラクターを演じ分けているさまは、まさに変幻自在の素敵な役者さんです。『蛇にピアス』ひとつとってもそうですが、『蛇にピアス』以外の作品を鑑賞してみても、俳優としての、ひいてはひとりの人間としての引き出しの多さを感じさせてくれます。

ちなみに、『11・25自決の日 三島由起夫と若者たち』で三島由起夫を演じた際、極めて日本的な映画作品のエンドロールで主演に「ARATA」と流れることに違和感を覚えたご本人がいまの「井浦新」名義に変更を申し出たという、俳優としてのストイックさが滲み出た逸話は有名です。こういうところが、『蛇にピアス』のシバという役作りにおいてすでにあらわれていたのでしょう。

若い頃、モデル時代の井浦新さんからは、『蛇にピアス』のシバに見られるような妖しさや禍々しさは感じ取れません。『蛇にピアス』のシバのビジュアルとはとてもほど遠い、ひとことで言うと正統派の美少年です。

蛇にピアスのあらすじをネタバレ!

蛇にピアスについて

金原ひとみの同名のデビュー作品であり芥川賞作品を、奇才・蜷川幸雄監督が映画化したのが『蛇にピアス』です。『蛇にピアス』では10代の若者を中心とした性、暴力など過激な描写が多く描かれ、それを映画初主演の若き女優・吉高由里子さんが体当たりで演じたことで話題となりました。映画版『蛇にピアス』のキャッチコピーは「19歳、痛みだけがリアルなら 痛みすら、私の一部になればいい。」

『蛇にピアス』ではそのタイトルから連想されるように、刺青やピアッシング、暴力や性など、痛みを伴う描写が多く描かれている作品です。R–15指定とされています。そのなかでルイはぼんやり遠距離を、シバは細かくいくつか中距離をというふうに、どこか遠くの世界を見ている目をしているのです。

蛇にピアスのあらすじを紹介

『蛇にピアス』、その舞台は若者の街、渋谷。生きている実感が持てない19歳のルイの日常は、蛇の舌のようなスプリット・タンを持つアマとの出会いで動き出したかに見えました。アマの刺青とスプリット・タンに惹かれたルイは、それを施した彫師シバの店を訪ね、舌にピアスを開けます。人体に手を入れる痛み、またその過程に育成にも似た悦びを見出すルイは、急激にその世界に身を委ねていくことになります。

ある日、ルイと友人はふたりの暴力団の構成員に絡まれ、そのことに激高したアマは構成員のひとりを叩きのめします。二本の奥歯を抜き取りルイに捧げますが、純粋なのか歪んでいるのか、これがアマのルイに対する「愛の証」なのでした。アマとシバに惹かれるルイは、やがて自分の背中にも刺青を入れることを決意します。

ルイは彫師であるシバに、画竜点睛に倣い「瞳を入れない」麒麟と龍を描くことを依頼し、シバは見返りとしてルイに体を求めます。ルイはアマの存在がありながらも、刺青を彫り進めるたびに当たり前のようにそれを受け入れるのです。そのうち、アマが叩きのめした構成員が死んだ事実を知ったルイは、アマの逮捕を危惧し、髪を染めさせ、刺青を隠すため長袖を着させます。

シバの忠告をよそにルイはピアス穴を拡張していくことを楽しみますが、刺青の完成と同時にルイは自らの生きる意味を再び見失ってしまいます。このことから、自分にとって「生の実感=痛み」と気づいたルイは、自分のために男を殴り続けたアマと自分に殺意を持ったシバ、どちらかが自分を殺すのかという妄想を巡らすようになります。

警察がアマを重要参考人として捜索しはじめ、構成員が死んだことを知らないはずのそのアマが行方をくらまし、ルイは憔悴に憔悴を重ねます。捜索願を出そうにも、ルイはアマの本名さえ知らないのです。やがてアマはもの言わぬ死体となって発見されますが、ひどい暴行の跡が見られ、性器には希少なお香が挿されていました。

生きる気力を完全に失ったルイをシバは受け入れますが、その生活のなかでルイは、アマの陰部に挿されたお香、体に押し当てられた煙草から、シバの関与を確信することになります。ルイはアマから譲られた「愛の証」を砕いて飲み下しその体に取り込み、背中の麒麟と龍の瞳を完成させ、一方でスプリット・タンを完成させなかった(蛇にピアスをすることをやめた)ルイは、ピアスと刺青の意味を感じながら、渋谷の街に再び佇むのです。

蛇にピアスで最後にアマを殺害した犯人はシバ?

蛇にピアス シバがアマを殺した犯人なのか?

『蛇にピアス』劇中において、シバか、もしくは暴力団の報復なのか、誰がアマを殺した犯人なのかということは明らかにされてはいません。しかしアマの火傷跡のもととなる煙草の銘柄や性器に挿された希少なお香、また暴行を受けて亡くなったということから、ルイは次第にシバの深い関与を確信していくようになります。『蛇にピアス』では犯人が誰かということはさして重要ではないのですが、気になるところです。

蛇にピアス シバが犯人だとすれば殺害したその理由は?

アマの殺害にシバの関与を確信しても、ルイはそれを掘り下げようとはしません。それはシバへの愛ゆえなのか、アマに対する後ろめたさなのか、はたまたどうしていいか判断がつかないためなのかはわかりませんが、ルイは自分なりの答えの出し方をしていくことになります。ところで、シバが犯人だとした場合、その動機はいったいどういったものだったのでしょうか。可能性として考えられることをいくつか挙げてみます。

蛇にピアスにおいて、シバがアマを殺した犯人と考えられる理由の考察例

  • ルイを愛してしまったシバが、アマの存在を疎ましく思ったため。
  • バイ・セクシャルのシバの性行為が過激さを増し、やり過ぎて死に至らしめてしまった事故。
  • シバに単純に人を殺してみたいという欲求があり、暴力団の構成員を殺してしまったアマには行方不明になる理由がたまたまあったので都合がよかったため。
  • シバはアマのこともルイのことも支配してしまいたかったが、付き合いの長いアマをより深く支配したく、その支配を完成させたかったため。
  • また、シバにとってアマの代わりにルイという支配の対象ができたため。

いずれの理由も該当する可能性があり、またすべての理由が該当する可能性もあります。ですがいずれにせよ、とても歪んだ下世話な人間の欲求であるに他ならず、『蛇にピアス』原作においても映画においても、描かれる必要のないことなのかもしれません。はたまたルイの主観の反映に過ぎないのかもしれません。その判断は、『蛇にピアス』を鑑賞した受け取り手に委ねられています。

蛇にピアスを観たひとの感想と考察はさまざま

『蛇にピアス』劇中の誰に感情移入するか、で、誰が犯人なのかという解釈は大きく変わりそうです。さらにそこには多くの感情や要素が絡み合っているようにも見えますし、まったく何も関係がないと読み解くこともできます。犯人はまったく関係のない第三者であるかもしれません。

10代だからこそ、過激になるし、依存は肯定されます。『蛇にピアス』において、所有などのほかに、共依存は重要なテーマですが、『蛇にピアス』が示してくれているのは、依存は扱いようによっては決して悪いことではない、そういうことかもしれません。

『蛇にピアス』劇中の登場人物では、シバは圧倒的に人気なようです。また、当時はまだ井浦新さんと知られていない・気づかれていなかったことで、いまになって彼を通して『蛇にピアス』が掘り返され、意外な魅力ある側面に触れて再評価されているようです。

蛇にピアスのシバ役俳優の井浦新についてまとめ!

生きている実感を掴み切れず、残ったピアスの穴と刺青からその境にあった痛みに生の答えを見出したルイですが、『蛇にピアス』においてそれに気づかせてくれるきっかけとなったのがシバという役どころでした。『蛇にピアス』において割れた舌(スプリット・タン)は記号に過ぎず、ふたてに別れるその裂け目には、いつも痛みの記憶と実感がつきまとうのです。

言うなれば、常に「生きている」シバは力強くギラギラしており、灼熱の日差しの下むき出しに曝された皮膚のような脆さを深く印象づけてくれます。そんなシバのミステリアスなキャラクターに、井浦新さんというひとりの俳優の不思議と底なしを思わせる引き出しの多さが融合して、『蛇にピアス』のシバ役というキー・パーソンが完成されています。『蛇にピアス』はファンならずとも、ぜひ何度も鑑賞したい映画です。

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