鬱映画のおすすめランキング!気分が落ち込むバッドエンド洋画・邦画まとめ

しんみりとした後読感や強烈な胸糞の悪さが、トラウマとして心を抉る鬱映画。今回はその「鬱映画」をテーマに、洋画と邦画のおすすめ鬱映画をランキング形式でまとめていきます!気になるランキングの順位や、邦画と洋画の鬱映画の方向性の違いとは…?日本ではお馴染みの"あの"作品たちや、日本と海外での評価の差も含めてまとめてご紹介しますので、ご自身にあった鬱映画のテーマ性を探してみてください。

鬱映画のおすすめランキング!気分が落ち込むバッドエンド洋画・邦画まとめのイメージ

目次

  1. 鬱映画の洋画おすすめランキングTOP20~11
  2. 鬱映画の洋画おすすめランキングTOP10~4
  3. 鬱映画の洋画おすすめランキングTOP3
  4. 鬱映画の日本邦画おすすめランキングTOP20~11
  5. 鬱映画の日本邦画おすすめランキングTOP10~4
  6. 鬱映画の日本邦画おすすめランキングTOP3
  7. 鬱映画のおすすめランキングまとめ

鬱映画の洋画おすすめランキングTOP20~11

この章では、洋画方面の鬱映画のなかでもまだ鬱度は浅く、しんみりとした雰囲気の強い作品から驚きの衝撃作まで10本をセレクトしてご紹介!日本ではあまり知られていないタイトルもありますが海外では人気の高い作品もまとめておすすめしていきます。

鬱映画の洋画おすすめランキング20位:それでも夜は明ける

19世紀の黒人奴隷の苦難と決断がテーマとなっている2014年のスティーブ・マックイーン監督の映画『それでも夜は明ける』は、第86回アカデミー賞作品賞をはじめ、数々の賞を受賞したことで知られています。しかし、ただの感動作品ではないのが『それでも夜は明ける』の非常に重要なポイントです。

鬱映画の所以としてファンに愛されている秘密はエンドロールに隠されています。テーマ性の重さもさることながら実在した人物の末路をエンドロールで紹介することで、乗り越えたと思った運命の先に待つ暗澹とした世界を垣間見ることになるでしょう。

鬱映画の洋画おすすめランキング19位:海の上のピアニスト

しんみりとした鬱映画として評価が高いのは『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989)でもおなじみのジュゼッペ・トルナトーレ監督の作品『海の上のピアニスト』です。トルナトーレ監督のもつ人間の温かみと芸術への偏屈なまでのこだわりをそのままに、しっとりとしたラストシーンの遣る瀬無さに涙する人は多いのではないでしょうか?

海の上で産まれた鬼才のピアニストの生涯を描ききっている『海の上のピアニスト』は、憂鬱な気分を自浄するように添えられた美しい画面構成をもっているのも特徴です。これもまた『海の上のピアニスト』の鬱エンディングを強烈に心に刻み込むポイントになっています。

鬱映画の洋画おすすめランキング18位:シャッターアイランド

真相がわかると鬱になるタイプの鬱なミステリー映画が世の中にはあります。その代表的な作品はマーティン・スコセッシ監督の2010年作『シャッターアイランド』です。精神病棟という陰鬱な地盤にミステリー要素を込めて謎を解いてゆく楽しみと同時に「解かなければよかった!」と思わせるような鬱な展開も用意されているのです。

刑事として事件に踏み入るつもりが精神病院の謎に引き込まれていきパンドラの箱を開けてしまう…このようなどんでん返し系の要素は、『シックス・センス』(1999)などを代表として、鬱映画にもよくみられる傾向でもあります。

鬱映画の洋画おすすめランキング17位:サイレントヒル

日本の人気ホラーゲーム『SILENT HILL』を映画化した作品のエンディングが本編以上に鬱だという評価が挙がっています。それがクリストフ・ガンズ監督の2006年の映画『サイレントヒル』です。原作ゲームを大胆にアレンジし「母と子の愛情」をテーマに据えることでゲームとはまた違った鬱な世界観を浸透させました。

特にエンディングの伏線回収の秀逸さや世界観の再現度などゲームファンでも頷いてしまうアレンジが鬱映画としての評価を確固たるものにしていると言えるでしょう。

鬱映画の洋画おすすめランキング16位:息もできない

韓国映画の心を抉るノスタルジックな作品たちはまとめて列挙すれば書き尽くせないほど国際的にも人気な特徴になっています。そのなかから1作、至極の鬱映画を紹介しましょう。それはヤン・イクチュン監督の『息もできない』です。予告からもうっすらと透けてみえる屈折した人間関係と、屈折しているからこそ応援したくなる脚本が目を惹きます。

崩壊した家庭で生きるひとりの娘と、同じく崩壊した家庭のなかでチンピラになるしかなかった男の悲しい出会いと心の交流という構図に対して衝撃的な真相とそこから導き出されてしまうエンディングが強烈だという感想が後を絶ちません。

鬱映画の洋画おすすめランキング15位:アンチクライスト

鬱映画もノスタルジックに振り切れすぎると賛否両論となる傾向がありますがその最たる作品として有名なのはラース・フォン・トリアー監督の『アンチクライスト』でしょう。北欧映画独特の静かな世界観のなかで狂気的なやり取りを行う夫婦が描かれる様はトラウマになった方も多いのではないでしょうか?

実際にデンマーク本国での大ヒットに対してアメリカでの評価は非常にセンシティブな結果になり、上映を打ち切るシアターもあったと言います。ラース・フォン・トリアー監督の鬱映画はこのランキングまとめ記事でもいくつか紹介していますがそのなかでもかなり尖った作品であると言えます。

Tips:ラース・フォン・トリアーの鬱三部作

『アンチクライスト』、『メランコリア』、『ニンフォマニアック』をまとめて「欝三部作」と呼ぶことがあります。他にもラース・フォン・トリアー監督は独特の世界観で鬱映画と称されるノスタルジックな作品を多数撮っており、『奇跡の海』(1997)や後ほど登場する『ダンサーインザダーク』など鬱映画ファンなら必ず通る監督だとも言われています。

彼の作品についてよく知りたい場合は、2017年に洋泉社が出版した『別冊映画秘宝 鬱な映画』をご覧になってみるのも楽しいでしょう。解説を読み解くことで北欧映画のもつ陰鬱さの正体を知ることができるかもしれません。ここではピックアップしきれなかった多くの名作もまとめられています。

鬱映画の洋画おすすめランキング14位:我等の生涯の最良の年

日本ではあまり鬱映画に含まれませんが、海外では非常に人気の高い鬱映画があります。それは、第二次世界大戦の帰還兵たちを描いたウィリアム・ワイラー監督の『我等の生涯の最良の年』です。なんと、終戦直後の1946年11月に公開された作品で、実際に心を傷つけられた帰還兵や待っていた家族など多くの人々にトラウマ級の哀愁を与えたセンセーショナルな作品でもあります。

当時のアカデミー賞最多記録となる9部門を受賞した社会派の大作でもあり、3人の主人公たちの数奇な運命を擦り切れた社会構造とともに描ききっています。

Tips:海外の方々から評価の高い鬱映画たち

英トータルフィルム誌のサイト「TotalFilm.com」のまとめによると、日本では鬱映画としてあまり認識されていない感動映画の類いも海外では有名な鬱映画としてピックアップされることがあります。

例えば、フランク・ダラボン監督の『グリーンマイル』(2000)や『キャバレー』(1972)などは国内では感動映画として知られているのではないでしょうか?日本の場合も例に漏れず配給会社の宣伝方法に依存しますが、国によって捉え方の共通認識が違うのも鬱映画の面白いポイントです。

鬱映画の洋画おすすめランキング13位:パンズラビリンス

鬱映画をまとめて紹介する際に王道としてよく挙がるのがギレルモ・デル・トロ監督の『パンズラビリンス』です。戦中の疎開児という屈折した過酷な環境におかれた少女の空想世界と現実の境目がどんどんと薄れてゆく様は美しいと同時に壮絶な陰鬱さを醸し出しています。スペイン映画的なノスタルジックに浸れる代表的な作品です。

また、第90回アカデミー賞では作品賞など4部門を受賞した同監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』にも美しいダークファンタジーのもつ陰鬱さが込められており、ギレルモ・デル・トロ監督のもつ薄暗く蠱惑的な世界を垣間見ることができるようになっているのです。これらは「鬱くしい」などとも表現されることがあります。

鬱映画の洋画おすすめランキング12位:ファニーゲーム

「人間が怖い」というキャッチフレーズがつけられた衝撃的な胸糞映画の代表格がミヒャエル・ハネケ監督の1997年の映画『ファニーゲーム』です。鬱映画のなかでも「顛末やそこに至るサスペンス要素を辿ると気が滅入る」タイプの映画に含まれます。

また、1997年の作品はオーストラリア映画だったのですが、あまりの衝撃作っぷりにハリウッドでセルフリメイクがされ、2007年に『ファニーゲーム U.S.A.』として再度復活しています。

知らない隣人。噛み合わない会話。そして見せない構図などミヒャエル・ハネケ監督の美学が詰まった鬱映画として『ファニーゲーム』は日本でも愛されています。

鬱映画の洋画おすすめランキング11位:時計じかけのオレンジ

スタンリー・キューブリック監督の作品のなかでも一等尖った風刺性と胸糞悪い展開をもつ鬱映画に1973年の『時計じかけのオレンジ』があります。近未来のロンドンを舞台に不良少年たちの非行と彼らに待ち受ける社会の制裁を毒々しく描ききっています。

「2度と観たくない」と称される強烈なラストシーンや過激な表現はディストピア感を加速させており、スタンリー・キューブリック監督のSF感を非常によく反映しているのです。 テリー・ギリアム監督の『未来世紀ブラジル』(1986)と併せてディストピアSF映画として語られることも多いのが特徴です。

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鬱映画の洋画おすすめランキングTOP10~4

この章ではより凝縮された救いと絶望と陰鬱さの煮詰まった至極の10作品を紹介していきます。観たあとに心が掻きむしられるような作品を揃えましたので邦画のランキングとの傾向の差にも注目してお楽しみください。

鬱映画の洋画おすすめランキング10位:サクリファイス

鬱映画というジャンルを形作っていった巨匠のひとりにアンドレイ・タルコフスキー監督がいます。彼の作品のなかでも陰鬱で象徴的な作品が『サクリファイス』です。タルコフスキー監督のもつ終末世界と救いというテーマを独特な心理描写と流れる水たち、そして静かな運びが演出しています。

核戦争の予感と口の利けない子ども、そして狂った妻という身近な視界から徐々に滅びゆく世界への絶望と不安、そして遠くに広がる美しい情景がもつギャップ感は非常に強烈な印象をもって人々の心を鷲掴みにしているのです。

Tips:アンドレイ・タルコフスキーとノスタルジックな世界

『惑星ソラリス』(1972)などでも有名なタルコフスキー監督の作品は、どれも陰鬱で鬱映画としての完成度が高いと絶賛する意見は多く挙がっています。その静かななかに垣間見える滅びと救いの構造はロシア映画を代表する作風として今でも愛され、ノスタルジックな世界というと『ノスタルジア』(1983)のようなタルコフスキー監督の淡く暗くそして美しい世界観を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?

鬱映画の洋画おすすめランキング9位:ドッグヴィル

ラース・フォン・トリアー監督の映画のなかでもかなり特殊な舞台設定を用いている怪作があります。それが2003年の『ドッグヴィル』です。その設定の端から端まで救いのない構造とニコールキッドマン演じる主人公の言動は強烈な印象を与えています。

群衆の集団心理や隔絶、そして距離感を非常にシンプルな舞台装置で表しており、その歯に衣着せぬ表現のシャープさから異質な鬱映画として評価されているのです。

鬱映画の洋画おすすめランキング8位:ルワンダの涙

大虐殺と称される歴史的事件は多くありますがそのなかでも衝撃的なかたちで映画化されたのがマイケル・ケイトン=ジョーンズ監督が2005年に公開した『ルワンダの涙』です。1990年代に発生したルワンダ虐殺をもとに公立技術学校を舞台として描かれており原題の「Shooting Dogs」の名が心を抉るセンセーショナルな作品になっています。

国連の支援がありながらも止められなかったジェノサイドの実態と利権問題、そして集団心理をリアリティー満載に描いた作風とエンドロールで流れるそれぞれの登場人物の末路がより「犬を撃つしかできなかった」という強烈な絶望感を醸し出しているのです。

同じルワンダ虐殺を描いたテリー・ジョージ監督の『ホテルルワンダ』(2004)と併せてジェノサイドを題材としたルワンダの映画は鬱映画として日本でも強く心を抉っているのです。恐ろしいことに、フィクションを加味しても考えたくない人間の醜さがそこにはあります。

鬱映画の洋画おすすめランキング7位:レクイエム・フォー・ドリーム

ドラッグの危険性をテーマにした映画のなかに2009年のイギリス映画雑誌「エンパイア」に「落ち込む映画」ランキング1位を記録した怪作があります。それはダーレン・アロノフスキー監督の2000年映画『レクイエム・フォー・ドリーム』です。ドラッグによって狂ってゆく親子と息子の恋人の3人の絶妙にすれ違い考えうる最も悲劇的なラストを迎える文句なしの鬱映画になっています。

ダーレン・アロノフスキー監督の得意とするジワジワと伏線を画面内に忍ばせて気付いた時には手遅れという絶望的な画面をつくってゆく手腕は破滅そのものを観たものに植え付け強烈な教訓を与えているのです。レーティングも子どもにこそ観て欲しいという理由で引き下げられたことでも有名で、その砂の城を崩していくようなセンス溢れる画面は悪夢そのものだと言えます。

鬱映画の洋画おすすめランキング6位:ミリオンダラー・ベイビー

「感動する鬱映画」というお題を出すと多くの人々が口にするタイトルがクリント・イーストウッド監督の『ミリオンダラー・ベイビー』です。第77回アカデミー賞作品賞受賞作品でもある2004年以降愛され続ける鬱映画で、感動と鬱とを両方とも味わえる名作として語り継がれています。

濃厚なヒューマンドラマを得意とするクリント・イーストウッド監督ならではの粗野ながら心揺さぶる台詞回しとどうしようもない人間らしい悲劇に対する選択の重さがファンの心を掴んで離さないのです。ランク外ですが、同様のベクトルで2008年の『グラン・トリノ』を鬱映画として挙げる人もいます。

鬱映画の洋画おすすめランキング5位:ダンサー・イン・ザ・ダーク

ラース・フォン・トリアー監督の作品を列挙してまとめる際に必ず誰もが口にする作品があります。それが鬱映画の金字塔である『ダンサー・イン・ザ・ダーク』です。多くの著名人に影響を与えた2000年の北欧映画のひとつであり、ビョークの美しい歌声と心が千切れそうになるすれ違い続ける群像劇が人々の心を釘付けにするのです。

ただの絶望だけでなく解釈のしようによってはメリーバッドエンドとしても受け止めることができる余裕をもったつくりはまさしくラース・フォン・トリアー監督のもつ想像力豊かな作風を反映したものであり、『奇跡の海』(1996)と『イディオッツ』(1998)とまとめて「黄金の心」3部作と呼ばれる自己犠牲と救済と愛に溢れた作品になっています。「黄金の心」シリーズはハンカチ必須とも言われています。

鬱映画の洋画おすすめランキング4位:ジョニーは戦場へ行った

戦争映画のなかでもほぼ最大限の人命の危うさや想像できうる限りの苦悩が詰め込まれている作品として鬱映画に数えられる作品がダルトン・トランボ監督の『ジョニーは戦場へ行った』です。四肢を失い、言葉を失ってなおも生き続けてしまうというまさしく生き地獄な環境で繰り広げられる物語は多くの人々に深いトラウマを残しています。

反戦映画は得てして陰鬱な結末が用意されていることが多いですが、『ジョニーは戦場へ行った』のそれはかなり凝縮された「どう足掻いても逃げられないもの」であり、それがより一層鬱映画としての地位を確固たるものにしているのだという意見は多くあります。感情移入しようとすればするほど絶望するシュチュエーションと展開に対して非常に重々しい心地がするというのです。

Thumbダンサーインザダークをネタバレ!あらすじをラスト・結末までまとめ | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]

鬱映画の洋画おすすめランキングTOP3

この章では数ある洋画のなかでもトップクラスに鬱になれる名作3本をご紹介しつつ傾向のまとめを行なっていきます。

3位:ミスト

鬱映画の話題になると必ずと言っていいほど名前があがる群像ホラー映画がフランク・ダラボン監督の『ミスト』です。「衝撃のラスト15分」という謳い文句に偽りない非常に強烈なエンディングをもっておりその中毒性からSNSなどでは度々他の人に鬱映画の代表格として勧めるムーブが目撃されます。

映画『ミスト』はスティーブンキングというアメリカの大作家の原作小説を映画化した作品ですが、フランク・ダラボン監督の手によって書き換えられたエンディングは原作以上の人間讃歌と鬱映画を鬱映画足らしめるオリジナルのエンディングが据えられています。これが非常に人気であり、カルト的なムーブを引き起こしているのです。また、群像劇としての完成度も絶望に一役買っています。

海外の方々の間でも映画『ミスト』は原作小説の知名度と合間ってトップクラスに鬱な映画として認識されています。

2位:セブン

ミステリー映画のなかでもっとも鬱な映画と名高いのはデヴィッド・フィンチャー監督の『セブン』です。1995年にブラッドピットとモーガンフリーマンのキャストで公開されたサイコスリラー映画で、そのショッキングなシーン構成や驚愕のラストシーンから鬱映画の代表格になっています。

デヴィッド・フィンチャー監督と言えば、『ゴーン・ガール』(2014)などでもお馴染みの心理描写のエグさとシャープさが特徴ですが、「七つの大罪」をモチーフにした『セブン』はかの『シャイニング』をも上回る評価を得て国際的にトップクラスのシャープな名作映画として今でも愛されているのです。

海外の方々のなかでも映画『セブン』に対する非常に強いトラウマの声は多く確認でき、特にショッキングなシーンに対する強烈なインパクトとラストシーンの遣る瀬無さに対する感想は多く存在します。

1位:縞模様のパジャマの少年

戦争映画のなかでも全世界的に強烈な爪痕を遺した映画として名前が挙がるなかに『縞模様のパジャマの少年』は常に存在することでしょう。『縞模様のパジャマの少年』はマーク・ハーマン監督によって2008年に公開され、多くの人々が陰鬱とした遣る瀬無い顛末に涙しました。

第二次世界大戦のホロコーストという非常にセンセーショナルで重い題材に加え、まだ幼い子どもの視点で戦争を描いたこと。そして、子どもの視点だからこそ至ってしまう真実の重さに多くの人は鬱々とした衝撃と共に他の人にも観て欲しいと感じるのです。

海外の方も多く涙し思考停止に陥ったなどの感想を挙げており、差別や戦争が子どもに与える影響など様々な事柄を考えるきっかけとして教育の現場で用いられる例もあります。

Tips:鬱映画の洋画おすすめランキングまとめから観る傾向

海外の鬱映画を20作ここまでまとめて紹介いたしました。差別に立ち向かう人々の姿勢や後味の悪さや感動を伴うヒューマンドラマなどを、場面や作品舞台を問わず描いているのがわかります。また国によっても鬱映画のカラーは異なり、例えば北欧映画の暗く静かな雰囲気と韓国映画の感情にフォーカスするのを好む傾向など好みに合わせて様々選べる豊かな土壌があると言えます。

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鬱映画の日本邦画おすすめランキングTOP20~11

今度は日本国内の映画作品にフォーカスして20作品をまとめていきましょう。日本映画特有の鬱の表現にもご注目ください!

鬱映画の日本邦画おすすめランキング20位:青い春

松本大洋先生の漫画を豊田利晃監督が映画化した青春群像劇作品が『青い春』です。2002年公開の作品で非行に走る不良少年たちの心情と象徴的な行動が話題となりました。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの楽曲で彩られた作品と擦り切れた少年たちの言動は心に残ること間違いないでしょう。

鬱映画の日本邦画おすすめランキング19位:硫黄島からの手紙

正確には監督がクリントイーストウッド監督なので完全な邦画ではないのですが、それでも非常に多くの人々にトラウマを植えつけた戦争映画として2006年の『硫黄島からの手紙』は避けられないでしょう。第二次世界大戦の歴史をなぞる上でも、あるいは昭和史をなぞる上でも非常に高い評価を国内外から受けています。

戦争映画を娯楽化せずに重々しいトーンで描ききった『硫黄島からの手紙』は鬱映画としてだけではなく戦争映画としても評価が非常に高いのです。実際に第79回アカデミー賞をはじめ多くの賞を受賞したことからも質の高さが伺えます。

Tips:父親たちの星条旗

『硫黄島からの手紙』と併せて同監督の同年の戦争映画『父親たちの星条旗』を観ることでより遣る瀬無さや陰鬱さが増すという意見もあります。表裏一体の作品として企画されているので重なる部分を探しながら心抉られること間違いありません。

鬱映画の日本邦画おすすめランキング18位:リリイ・シュシュのすべて

日本映画らしさの非常に強い鬱映画としてよく名前が挙がるのが岩井俊二監督の『リリイ・シュシュのすべて』です。インターネット小説から映画化という流れを踏んだユニークな作品で、中学生である主人公の心の葛藤と陰鬱な展開が多くのファンの心を掴んで離しません。

日本独特の季節感の表現と主人公たちの精神を重ねるような描写は美しさを感じる方も少なくありません。これからまとめていくような強烈な鬱映画というパンチはないもののその奥深さから多くの人々に愛されています。

鬱映画の日本邦画おすすめランキング17位:告白

学校内で起きる陰鬱な事件を題材とした湊かなえ先生のミステリー映画を、2010年に中島哲也監督が映画化した鬱映画が『告白』です。題材のセンセーションさに加え中島哲也監督の手によるシャープな映像描写が強烈な記憶として観たものを魅了しました。

子どもの生命倫理などの問題や犯罪についてなど道理だけでは割り切れない問題にメスを入れていることでも非常に洗練された作品で、人によっては強烈なシーン構成のみ記憶に残っているという方もいるほど視覚的にもかなり尖った作品と言えます。

鬱映画の日本邦画おすすめランキング16位:凶悪

2013年に日本を震撼させた犯罪映画のひとつが白石和彌監督による『凶悪』です。ノンフィクション小説である『凶悪 -ある死刑囚の告発-』が原作となったことでも有名で主演の山田孝之はじめ登場するキャストの怪演も合間って多くの人々に恐怖と絶望を与えました。

特にピエール瀧さんとリリー・フランキーさんの演技は凶悪そのものであり、「同じ国で起きたことだと思いたくない」という意見が続出するほど真に迫った作品になっています。胸糞悪くなれる鬱映画としてはトップクラスだと言えるでしょう。

鬱映画の日本邦画おすすめランキング15位:パーフェクトブルー

今敏(こんさとし)監督の作品のなかでも曰く付きと言われているサイコホラー作品が1997年の『パーフェクトブルー』です。徐々に明かされていく真相やアイドルという立場ゆえの歪みなどを非常に深く言及しており、特に女性が観ると嫌悪感を覚えるという感想が存在するほど強烈なものになっています。

また、国内ではレーティングがR-15なものの海外では多くの国がR-18指定するほどの強烈な描写や精神病へのアプローチに対して賛否両論の声が挙がり、ダーレン・アロノフスキーの映画『レクイエム・フォー・ドリーム』でオマージュされるなど多くの人々に国を超えて影響を与えました。

鬱映画の日本邦画おすすめランキング14位:それでもボクはやってない

身近な痴漢の冤罪をテーマにした周防正行監督の映画が『それでもボクはやってない』です。裁判の制度について深く掘り下げた作品でもあり、特に男性の方々にとって袋小路のように絡んだ文脈が重くのしかかる映画になっています。

司法にまつわる鬱映画は多く存在しますが、エンディングまでの運びや法である以上逆らえないという無力感が強烈であるという意見は多くみられます。

鬱映画の日本邦画おすすめランキング13位:楢山節考

日本に古くから存在する「姥捨」をテーマとした歴史作品に深沢七郎さん原作の『楢山節考』があります。1958年には木下惠介監督が、1983年には今村昌平監督が映画化し、日本の集団心理の根底を描くような生々しい表現に多くの人々が心を抉られました。

集団心理からくる恐ろしさのなかでも日本らしい爪弾きの文化が描かれ、カンヌ映画祭で今村監督の『楢山節考』がパルム・ドールを受賞したほか、アメリカの映画評論サイトの選出した「日本映画歴代映画40」にも26位という好成績を記録しています。

鬱映画の日本邦画おすすめランキング12位:葛城事件

日本の鬱映画の大きな柱として君臨する「家族問題」に踏み込んだ作品のなかに赤堀雅秋監督の映画『葛城事件』があります。家族のもつしがらみや犯罪者への視座など社会問題に深く切り込んだ作風はまさに地獄めいたものとして人々に記憶されました。

特に「世間を気にする家族の目」という日本ならではの窮屈さと不理解さが鬱だと感じる意見は多く存在し、他人事ではない絶望感を感じさせているのです。

鬱映画の日本邦画おすすめランキング11位:紀子の食卓

崩壊していく家庭と明らかになっていく真実の鬱さ加減で人々を釘付けにしているのは2006年に園子温監督の手によって公開された『紀子の食卓』です。同監督の『自殺サークル』(2001)に間接的に続く作品でもあり、狂気的な描写と壊れていく日常に多くの人々が恐怖しました。

158分という日本映画では珍しい長編作品を2週間という短い期間に仕上げ切った鬼作でもあり、家庭を題材とした日本映画のなかでも異質な陰鬱さを前作である『自殺サークル』に引き続き放っています。

Thumb紀子の食卓は怖い?映画のあらすじや感想をネタバレ考察【自殺サークル続編】 | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]

鬱映画の日本邦画おすすめランキングTOP10~4

ここからはよりコアで日本らしい鬱映画を厳選して紹介していきます。描写の苛烈さや日本独特の琴線によって培われた鬱映画を是非ともお楽しみください!

鬱映画の日本邦画おすすめランキング10位:嫌われ松子の一生

軽やかなBGMとアップテンポなテンションから後読感の陰鬱さを与えている衝撃作に中島哲也監督の2006年の映画『嫌われ松子の一生』があります。予告映像からはとても明るい印象を受けますがその実多くの人々が生々しい陰鬱さに呆気を取られているのです。

特に予告や劇中音楽のポップさと見終わった際の落差に驚く声は多く、その奇妙なマッチングが癖になるという人もいます。

鬱映画の日本邦画おすすめランキング9位:東京物語

日本らしい家庭系の鬱映画の根幹にあたるような名作として1953年の『東京物語』を挙げる方は多く存在します。過激な表現も一切なしに誰しもが馴染みのある会話劇として繰り広げられる緩やかな悲劇は臓腑に染み渡る心地があると言えるでしょう。まさに哀愁という言葉がピッタリの小津安二郎監督の作品です。

「親と子の絆」という年齢層によっても捉え方の違ってくる絶妙なタッチは国内外問わず非常に評価が高く、1995年にアメリカのBBCが発表した「21世紀に残したい映画100本」の1本にノミネートされ今でもニューヨーク美術館に収蔵される名作なのです。

鬱映画の日本邦画おすすめランキング8位:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に

非常に独特な世界観によって社会現象まで巻き起こした鬱映画と言えば『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』は外せないでしょう。1997年に公開された本作はグロテスクなシーンはもちろんながらその難解で陰鬱な青少年を取り巻く世界観から「セカイ系」の代表作品としても今尚愛され続けています。

Tips:セカイ系

セカイ系とはインターネットの普及とともに定義されるようになった比較的新しいジャンル名称で、主に「ひとり語りの強烈な作品」「独特な世界観を持っている作品」などが列挙されます。その火付け役が『新世紀エヴァンゲリオン』であり、今なお広がり続けているジャンルです。

鬱映画の日本邦画おすすめランキング7位:先生を流産させる会

青少年の倫理観をテーマとした強烈な作品として2011年の内藤瑛亮の映画『先生を流産させる会』があります。本作を究極の鬱映画に昇華しているのはこれが「実在した事件」に基づいて脚色をしている点が大きく、多くの人々に生理的な嫌悪感と絶望を与えました。

非常に毒のある台詞回しの連続と「どこにでもいそうな人々」という印象が作用して狂気に震える人は少なくありません。また、実在事件と加害者の性別を逆転させるなどの脚色処理が余計に生々しさを生んでいるのです。

鬱映画の日本邦画おすすめランキング6位:野火

日本の戦争映画のなかでも非常に陰鬱で強烈な作品として国内外から高評価を受けているのが大岡昇平先生原作の『野火』です。1959年版は市川崑監督が、2014年版は塚本晋也監督(予告映像は2014年版)です。第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島を舞台に極限まで追い込まれたニンゲンの業の深さを感じられる鬱映画になっています。

1959年版も2014年版も非常に強烈な作品になっており、両作ともに国内外の様々な賞を受賞しています。2014年版は東京でも2館のみの公開にも関わらず満席に近い状態だったと言います。

鬱映画の日本邦画おすすめランキング5位:渇き。

家族の崩壊と青少年の狂気を別方面に突き抜けた作品として中島哲也監督の2014年作品『渇き。』があります。原作は深町秋生先生によるミステリー小説で、第3回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞でもあります。中島哲也監督のインパクト抜群の描写力で多くのファンが絶望とともに卒倒しました。

滑り落ちるように狂気に堕ちてゆく転がるような展開が「ジェットコースター鬱」「鬱くしい深淵の世界」などと称されるなど人々を魅了しているのです。

鬱映画の日本邦画おすすめランキング4位:淵に立つ

家庭崩壊映画のなかでも究極に救いがないと称されている日本映画は2016年の深田晃司監督の『淵に立つ』です。日仏合同制作作品でもある『淵に立つ』は、第69回カンヌ国際映画祭にて、「ある視点」部門の審査員賞を受賞など多くの賞を受賞し日本映画らしい狂気を世界に知らしめました。

表面上の平和を保った家庭がボロボロと崩れ落ちてゆく絶望感は日本映画のなかでも好まれる大きなテーマのひとつでありそのなかでもずば抜けて印象に残る容赦のない作品として『淵に立つ』はトラウマを残し続けているようです。

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鬱映画の日本邦画おすすめランキングTOP3

この章では最後に数ある邦画の鬱映画のなかから堂々トップ3を紹介していきます。特徴的な3作を海外の反応とともにまとめますので参考にしてみてください。

3位:火垂るの墓

スタジオジブリの数ある作品のなかでも破格の陰鬱さが描かれているアニメーション映画は1988年公開の『火垂るの墓』です。野坂昭如先生の同名短編小説を原作とした本作は「火垂る(ほたる)」の名の通り、空襲に襲われた神戸で幼い兄妹が命燃え尽きるまでを描いています。

公開年の関係で『となりのトトロ』と抱き合わせになったことも合間って多くの子どもたちを恐怖させトラウマとして深く心に残ったという感想を挙げる人々は後を絶ちません。まだ幼い青少年の行いに遣る瀬無さと無力感が積もる作品として日本のアニメーション映画史に残る1本となりました。

海外の方々の心にも深く刺さった作品であり、SNS上では日本のお土産として缶入りドロップを購入し火垂るの墓を思い出す光景が時折みられます。リアリティと説得力ある描写がひもじさや苦しさ、悲しみを国を越えて共感性を持たせているのです。

2位:誰も知らない

1988年に発生した巣鴨子供置き去り事件をモチーフに育児放棄という題材を大胆に描いた映画『誰も知らない』は日本の代表的な鬱映画の一角として不動の位置を保っています。是枝裕和監督の2004年公開の作品で子どもたちの健気さと遣る瀬無さ、生きることの危うさなど普遍的なテーマを必死に生きる様は涙なくては語れないでしょう。

小さな子どもたちの脆さとゆっくりと破滅していく儚さすらも愛してしまう傾向は日本映画特有の視座なのかもしれません。「親になると観られなくなる」という意見もあるほどありえないとは言い切れない身近な狂気に多くの人々が嗚咽するのです。

海外では公開された国も少なくコアな作品になっていますが観た人の心に刺さる作品になっているようです。主演の柳楽優弥が2004年度の第57回カンヌ国際映画祭にて史上最年少および日本人として初めての最優秀主演男優賞を獲得するなど世界に衝撃を与えた一作でもあります。

1位:冷たい熱帯魚

強烈なグロテスクシーンが日常に潜む映画として世界にも名を轟かす日本の鬱映画は『冷たい熱帯魚』です。園子温監督の作品のなかでもとびきりシャープな作品であり、国際的な賞は逃したもののそのインパクトの強さからトラウマ映画の筆頭となっています。

エログロナンセンスといった日本のアングラ映画を代表するような作品でもあり、レーティングもR-18指定になっています。日本を代表するパワフルで非常に鬱になる作品だと言えるでしょう。

海外の方々も園子温監督のアングラな世界観に対して「とてつもなく狂っている(crazy fuckin’ movie)」などの評価をしています。ただし、どうやら先述の海外の作品まとめでご紹介したような鬱映画の感想「泣ける」「心が砕ける」という感想は主流ではないようです。どちらかといえば海外ではゴアホラーとしての芸術度の高さを評価する意見が多く散見されています。

Tips:鬱映画の邦画おすすめランキングまとめから観る傾向

日本の鬱映画をここでは20作まとめてご紹介しましたが、日本映画における鬱な評価として家族や青少年時代といった身近な部分に鬱屈とした魅力を感じる点が非常に強い傾向としてあるようです。もちろん胸糞の悪くなるサスペンス映画も多く存在しますが、ただただそこにある風景の細やかな哀愁や、すぐ近くにあるお茶の間の狂気を浮き彫りにするセンスは日本映画の強みだと言えるのかもしれません。

Thumb冷たい熱帯魚は実話がモデル?実際の埼玉愛犬家連続殺人事件と映画あらすじを比較 | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]

鬱映画のおすすめランキングまとめ

「鬱映画」の古今東西の特集はいかがだったでしょうか?心を抉るショッキングなシーンから没入してしまうほどの静かな孤独感、そして涙なくしては語れない悲劇まで奥深いジャンル幅をもつ「鬱映画」のうちから気に入った傾向や作品を見出して掘り進めてみるのも面白いかもしれません。

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