2018年11月29日公開
2018年11月29日更新
紀子の食卓は怖い?映画のあらすじや感想をネタバレ考察【自殺サークル続編】
園子温監督映画「紀子の食卓」は怖い?映画のあらすじや感想をネタバレ考察します。園子温監督の映画「自殺サークル」の続編としても話題の「紀子の食卓」は実は吉高由里子のデビュー作でもある、何かと話題の映画です。その内容の怖さや救いのなさ、また共感できる!との感想から公開から年月が経った今でもファンが多いこの作品の魅力に迫ります。ネタバレもありますので、これから観たいと考えている方は要注意です。
目次
紀子の食卓が怖いと話題に?その真相に迫る!
園子温監督作品の映画「紀子の食卓」が非常に怖い、共感する、救いがないと話題になっています。今回はそんな話題の映画「紀子の食卓」について徹底的に調査してみました。もう観られた方は自分の感想と同じだったかの確認に、あらすじを忘れてしまった、という方に向けて、映画「紀子の食卓」のあらすじやストーリーにも触れておりますのでこの記事を読んでみてください。
紀子の食卓の吉高由里子などの映画キャストを紹介!
島原紀子/吹石一恵
吹石一恵(ふきいしかずえ)さん。「紀子の食卓」のタイトルにも入っている島原紀子という名前で、小中高と広報部(及び新聞部)となり高校では編集長を担当する高校2年生で17歳の役を務めます。
吹石一恵さんは2015年9月28日、シンガーソングライターで俳優の福山雅治と結婚したことでも話題となりました。子役から活躍されており、大人気ドラマ「ラブジェネレーション」や映画では「ひみつのアッコちゃん」、「永遠の0」と演技の幅も広く多くのタイトルで活躍しています。
島原ユカ/吉高由里子
吉高由里子(よしたかゆりこ)さん。紀子の1歳年下の妹で紀子と同じ高校の1年生の島原ユカ役を演じます。小説のように空想で物を書くことが好きで、周りの人を見て冷静に人を分析しているタイプの落ち着いた役柄です。
吉高由里子さんは2017年に放映されていた人気ドラマ「東京タラレバ娘」で多くの女性から共感を得て人気が急上昇しました。この映画『紀子の食卓』で第28回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞したのがデビュー作となります。NHK連続テレビ小説『花子とアン』でヒロイン役に抜擢さたり『第65回NHK紅白歌合戦』で紅組司会を務めたりと幅広い年代に人気の女優さんです。
島原徹三/光石研
光石研(みついし けん)さん。あらすじの上では紀子の父役でローカルネタを扱う地元の新聞記者兼編集長を演じます。
光石研さんは、1978年から活躍されている俳優で、癖のある役からおっとりとした役まで、多様なキャラクターを演じられる名脇役の1人として活躍されています。NHK連続テレビ小説や大河ドラマをはじめ様々なドラマで出演をされており実力の高さを発揮しています。
島原妙子/宮田早苗
宮田早苗(みやたさなえ)さん。紀子の母で専業主婦の役で、朗らかで優しい性格だったが、娘2人の家出を機に自分を責めるようになる心情の変化を見事に演じています。
宮田早苗さんは様々なドラマや映画で活躍しており、映画「おくりびと」やドラマ「ナースのお仕事」など人気作にも出演しています。泣けると話題になったcm、ニビシ醤油による“母の手料理の、涙が出るような美味しさ”を描いたCMが大変話題となりました。
クミコ/つぐみ
つぐみさん。サイト利用者の少女たちに丁寧な助言をするなど、サイト仲間6人のまとめ役となる姉御肌な役です。生まれた直後に上野駅のコインロッカーの54番の中に捨てられた暗い過去を持つあらすじの中でかなり重要な役柄を演じます。
つぐみさんは映画を中心に様々なメディアで活躍する女優です。有名映画監督の行定勲さんの作品「贅沢な骨」では主演を務め、麻生久美子さんと共演をしています。また、園子温監督作品には多く呼ばれており「紀子の食卓」以降「エクステ」や「地獄でなぜ悪い」などに出演されています。
決壊ダム/安藤玉恵
安藤玉恵(あんどうたまえ)さん。『レンタル家族』で疑似家族を演じる後輩たちに、それぞれの役割の重要性について力説する明るくていなせな性格の役を演じます。
安藤玉恵さんは劇団出身の実力派女優で、多くの映画やドラマで活躍されています。映画「探偵はBARにいる」シリーズや、蒼井優さんが主演を務める「百万円と苦虫女」にも出演されています。
みかん/三津谷葉子
三津谷葉子(みつやようこ)さん。紀子の小学校時代の友達で、地元のイメクラ嬢の役を演じます。派手な服装といつも元気で少々軽い語り口の役柄です。あらすじ以上に印象的な登場が視聴者の心に残ったという感想が多くあります。
三津谷葉子さんは『週刊ヤングジャンプ』、『ビッグコミックスピリッツ』、『週刊ヤングサンデー』、『週刊ヤングマガジン』の週刊漫画誌すべてで表紙を飾るなどグラビアでも人気を博した女優です。多くのドラマや映画に出演されており、2006年公開の映画「東京大学物語」では主演を務めています。
池田/並樹史朗
並樹史朗(なみきしろう)さん。父、徹三の知人の役で、徹三に頼まれて彼の代わりに島原家の父役で『レンタル家族』を利用する役です。
並樹史朗さんは、様々な映画やドラマで活躍されるベテラン俳優です。連続テレビ小説「おしん」で人気をはくし、最近ではダイワハウス工業のCMなどが話題となりました。
良/藤間宇宙
藤間宇宙(とうま そら)さん。ユカの高校のクラスメイトを演じます。ユカと親しくしており、ユカが珍しくはしゃぐシーンではしゃがれます。作中で起きた新宿駅の集団自殺の話を交えながら家出した話をする、重要なシーンです。
藤間宇宙さんは映画やドラマなどに出演している俳優です。『独立少年合唱団』においてヨコハマ映画祭と高崎映画祭で、最優秀新人賞を受賞するなど今後が楽しみな方です。他にもラジオで2012年より放送している長寿番組「岡村洋一のシネマストリート」のレポーターとしても幅広く活躍しています。
ひげの男/手塚とおる
手塚 とおる(てづか とおる)さん。『レンタル家族』の依頼者の1人で中年の一人暮らしをする男を演じます。長髪に無精ひげで清潔感がなく、食べ終わったカップ麺や空き缶などのゴミが部屋には溢れています。ギャンブル好きで典型的なダメ男です。
手塚とおるさんは映画からドラマ、舞台までこなす実力派俳優です。最近では乃木坂46の「バレッタ」のPVに出演しているなど、一度は画面で目にしたことがあるかもしれません。他にも「シン・ゴジラ」や「20世紀少年」などの話題作にも出演しております。
廃人5号/渡辺奈緒子
渡辺 奈緒子(わたなべ なおこ)さん。廃墟ドットコムの住人の1人。サイトでは、紀子たちと親しくやり取りをしています。『レンタル家族』の仕事もしている。いつもセーラー服を着ている役です。
渡辺奈緒子さんは、2002年「第2回クラリオンWebアイドルコンテスト」にてグランプリを受賞し、2006年に映画『東京大学物語』で映画デビューをしています。その後『リアル鬼ごっこ』、『シルク』、『アウトレイジ』などの有名映画作品に出演しました。
深夜/小貫華子
小貫華子(おぬきはなこ)さん。廃墟ドットコムの住人の1人。サイトでは、紀子たちと親しくやり取りをしています。『レンタル家族』の仕事もしている。こちらもいつもセーラー服を着ている役です。
小貫華子さんは現在は既に芸能界を引退されている方です。実は、この方超人気俳優の佐藤隆太さんがご結婚をした相手なのではないか、と噂をされている方になります。佐藤隆太さんは一般女性とご結婚されたとのことで、奥様を公表していませんが、年齢の一致や、過去に共演されていたこと、目撃情報があったことなどからそう言われています。
紀子の食卓の映画あらすじをネタバレ!
かなりの豪華キャストで送る映画「紀子の食卓」ですが、一体どのような映画になっているのでしょうか。映画の概要やあらすじについて調査していきます。公式サイト以上のあらすじのネタバレはありません。
海外でも大きな話題に
映画「紀子の食卓」は、園子温監督作品で大きな物議を醸し出した02年公開の映画『自殺サークル』で描いた"ネット自殺"の真相に迫る作品となっています。その衝撃的な内容から、2005年に第40回カルロヴィヴァリ国際映画祭<チェコ>コンペティション特別表彰・国際シネクラブ連盟ドンキホーテ賞受賞など、海外の映画祭でも大きな賞賛を浴びました。
園子温監督の「家族」のあり方にメスを入れる作品
映画「紀子の食卓」は、数々の問題作を世に出し、国内外問わず高い評価を受ける園子温監督が、現代社会における家族に焦点を当てた作品となっています。日常的風景の中で、それぞれが一家団欒をしている仲のいい家族を演じて成り立っている見てくれだけの家族。そのウソを暴き、既に崩壊している現代家族の姿を浮き彫りにした衝撃の"ホームドラマ"となっています。
「紀子の食卓」のあらすじ
田舎に住む17才の女子高校生「紀子」が人間関係に辟易とし、家出をし東京へ出てゆくことから物語は始まります。東京に出た紀子は"廃墟ドットコム"というサイトで知り合ったハンドルネーム「上野駅54」と落ち合うために上野駅へ。そこでクミコという上野駅のロッカーに捨てられていたコインロッカーベイビーの過去を持つ女の子と出会います。
紀子は、クミコが経営する「レンタル家族」の一員として、「ミツコ」と名乗り偽りの家族の中で娘の役割を演じ始めます。そうした中で、紀子は本物の家族との関係や、本当の自分との関係について感じたり考えたりします。
その頃、新宿駅8番線プラットホームから女子高生54人が飛び込んだことをきっかけに、紀子の妹「ユカ」は姉が54人の中にいるのではと思い自らも消えるように東京へ向かいます。そして姉を探していく中で、「レンタル家族」の存在を知ったユカも、その「ヨウコ」として一員となり入り浸っていくようになります。
娘二人の失踪を機に精神を病み、命を捨ててしまう母。一人残された父の鐵三は、荒れた生活を送りますが、ある日を境に娘たちが残した手がかりを元に、娘を取り戻すための捜索に乗り出します。
女子高生でいい娘を演じてきた女子高生二人の家出をきっかけに、壊れていく家族、全くの他人と家族を演じる中で構築し直される家族と自分自身という人間の関係性や意味、そしてその答えが見つからずに模索し苦しむ人間の心理を見事に描いている作品と話題になっています。
紀子の食卓の映画のラストをネタバレ!
「紀子の食卓」の最後。崩壊した家族はどうなるのか?
そんな映画「紀子の食卓」の気になる結末はどうなるのでしょうか。ここからはネタバレになってしまいますので、読み進めたい方だけ続きお読みください。
ここから映画のネタバレの内容になります。ネタバレが問題ない方は続きをお読みください。
レンタル家族で関係のない人間と家族を演じることを繰り返していく二人は、ある日レンタル家族のメンバーとして再会します。1年間近く洗脳を受けていた二人は、再会後もあくまでも「ミツコ」と「ヨウコ」として振る舞い、レンタル家族の依頼主の家へ向かいます。しかし、そこには以前二人が住んでいた実家と瓜二つの内装、道具の部屋だったのです。
実は、父・徹三が、娘たちの行方を追って調査し、クミコが所属する会社が『レンタル家族』という業務を行っていることを突き止めます。そして娘達を取り戻す計画を立て知人の池田に協力を依頼し、自宅によく似た物件を東京で探してそこに自宅から家財道具を運び込み、自宅を完璧なまでに再現し『レンタル家族』のサービスで紀子とユカとクミコを選び、4人で島原家を演じることにしたのです。
そして、隠れていた徹三が登場し、娘たちの前へ姿を現します。あくまでも役になりきり「私の名前はミツコ」と言い張る紀子と予期せぬ突然の再会に言葉も出ないユカ、そして「お前たちのお父さんだよ」と言って娘達の名前を呼ぶ父と、3人の修羅場と化します。混乱した父はナイフを持って暴れまわり、ボディガード役の青年たちに殴られます。
ふと気づくと、そこには血まみれのナイフを持って佇む父の姿が。そこにクミコが帰ってきて、何事もなかったかのように家族ごっこを再会し、紀子もユカもそれに続きますが、そこでクミコが父に自分を殺せと迫り再び修羅場に。それを止めに入ったユカの提案で「レンタル家族」を延長し、父徹三と紀子とユカとクミコで”すき焼き”を囲みいわゆる幸せな一家団欒を演じます。映画タイトル「紀子の食卓」を表す印象的なシーンとなります。
そして父徹三が、「もう一度やり直そう、こっから」といい3人は改めて家族ごっこではなく、”本当の家族”に戻ります。戻ったように見えたのです。ハッピーエンドかと思えるような映像と共に流れるユカの語りが入ります。ユカはあくまでも「レンタル家族」の延長として役割を演じていただけで、本当の自由を、本当の自分との”関わり”を探して夜、家を抜け出し姿をくらませるのでした。
紀子の食卓の映画を観た感想とは?
映画「紀子の食卓」をみたみなさんの感想はいかがだったのか、Twitterなどでいろんな方の感想を調査してみました!
#人生が狂った映画
— セッキー (@wowmam_boogie) March 14, 2018
「紀子の食卓」
レンタル家族のあり方には、人がどれだけ日頃自分を演じ、偽りながら生きているかを痛感させられた。
そして何かを演じていた方が物事うまく行くという真理。#園子温#紀子の食卓#映画好きと繋がりたい pic.twitter.com/HpPX3OQVy0
「紀子の食卓」に出てくる「レンタル家族」の中で役割を演じる役者を自分自身に照らし合わせることで誰もが何かしらを演じて生きていることに気付かされたという感想は多くありました。世の中、誰でも100%自分が思うように生きている方はいないのかもしれません。また、それがこの映画「紀子の食卓」に共感の感想やファンを生んでいるのかもしれません。
『紀子の食卓』
— ひーちゃん🐻🚀🎩👶 (@kuragenifu_sen) September 1, 2018
田舎を飛び出し上京してきた紀子。サイトで出会ったクミコと、レンタル家族の仕事をすることに…。
自殺サークルの続編だが、テイストや深みが全然違う。幸せな家族とは。自分の役割とは。本当の自分とは。…観てたらこちらまで病みそうになりました。吉高さんの演技がとても良かった! pic.twitter.com/lfXLHuNwM0
ネタバレをせずに的確に感想を述べています。「紀子の食卓」は吹石さんが賞を受賞した映画となりますが、この作品でデビューした吉高さんの演技力の高さに驚いたという声は多くありました。
「紀子の食卓」を観ました。胸がいっぱいになって思わず涙しました。家出して虚構のレンタル家族を演じる娘、妻まで自殺し崩壊した家庭を取り戻そうとする父。とても深い映画です。「自殺サークル」を観てからの方が楽しめます。 pic.twitter.com/gB4sc6ClWI
— 河野麻実(かわのあさみ)@12/10-20展示 (@kawanoartasami2) November 27, 2018
映画「紀子の食卓」は園子温監督の「自殺サークル」を観てからの方がオススメだそうです。
映画は園子温さん監督の「紀子の食卓」が好きで、特に吉高由里子さん演じるユカが大好き。充実した高校生活を送っているように周りからは見えても、心の奥では逃げ出したいと思っていて、生まれ変わることを希望している。最後、ユカが朝の街を歩き出すシーン。一歩前に歩くことから始まる何かがある。
— ノン📀るべむじゃーの! (@non_rubemujaano) November 27, 2018
始終暗い印象を受ける映画「紀子の食卓」ではありますが、女子高校生のユカや紀子に共感する声は多くありました。また、ユカが本当は最後まで演じていて、それを振り切るために歩き出すラストに希望を見出す視聴者の方も多いようです。
紀子の食卓の映画あらすじや感想まとめ!
いかがだったでしょうか。今回は園子温監督作品の「紀子の食卓」について徹底的に調査してみました。ネタバレもありましたが、映像の撮り方や演出の仕方も評価の高い園子温監督の作品はネタバレしていても面白く観れるものになっていますので、まだ観ていない方は是非一度観てみてください。また、同監督作品の「自殺サークル」を観ていない方は「紀子の食卓」を見る前に観た方がいいようです。