貞子vs伽椰子のあらすじをネタバレまとめ!衝撃の結末・感想や続編について考察

2016年、ジャパニーズホラーの二大勢力が超激突!?そんな夢のようなホラー映画『貞子vs伽椰子』の衝撃的な結末をはじめ、ネタバレを含みつつあらすじを紹介します。「ビデオを見たら7日後に必ず死ぬ」…『リング』の「貞子」と、「その家に入ったら必ず死ぬ」…『呪怨』の「伽倻子」。『貞子vs伽椰子』の怖いもの頂上決戦カードはどちらに軍配が上がるのか?『貞子vs伽椰子』続編はあるのか…?斜め上をゆく異質な面白さをもつ『貞子vs伽椰子』をあらすじから紐解く考察とSNSの感想も併せての徹底解析しましょう。

貞子vs伽椰子のあらすじをネタバレまとめ!衝撃の結末・感想や続編について考察のイメージ

目次

  1. 貞子vs伽椰子のあらすじをネタバレ紹介!結末や感想も紹介!
  2. 貞子vs伽椰子とは?
  3. 貞子vs伽椰子のあらすじをネタバレ紹介!
  4. 貞子vs伽椰子の結末をネタバレ紹介!
  5. 貞子と伽椰子の強さを比較検証!
  6. 貞子vs伽椰子を観た人の感想や評価を紹介!
  7. 貞子vs伽椰子のあらすじネタバレまとめ!

貞子vs伽椰子のあらすじをネタバレ紹介!結末や感想も紹介!

超常クリーチャー大決戦映画は皆さんお好きですか?本日はジャパニーズホラーの横綱とも言える『リング』と『呪怨』から貞子と伽倻子が激突するホラー大戦映画『貞子vs伽椰子』の斜め上から襲い来る魅力を、ネタバレを交えつつあらすじと結末、気になる感想などを一挙にご紹介いたします。

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貞子vs伽椰子とは?

『貞子vs伽椰子』とは、2016年に公開されたいわゆるクロスオーバー映画で、なんとジャパニーズホラーの火付け役とも言われる中田秀夫監督の『リング』と清水崇監督の『呪怨』から恐ろしい呪いの根源である山村貞子と佐伯伽倻子が大激突するという大胆な内容になっています。

白石晃士監督がメガホンを取り「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!」という予告編のセリフや型破りな結末や広告手法がSNSなどでネタバレを介す事なくブレイクし感想ツイートなどが多く拡散されました。

また、主題歌を『聖飢魔II』が担当し、公開前挨拶や特別生放送などではデーモン閣下がレフェリーを務めて両者の意気込みを聞くなど世紀末的な風景が展開されるなどただのホラー映画ではない斜め上から攻めたトリッキーな作品になっています。

Tips:白石晃士監督

白石晃士監督は、1997年の『暴力人間』でひろしま映像展98で企画脚本賞・撮影賞を受賞し、その後も独特の世界観をつくり続けている映画監督です。『ノロイ』(2005年)や『オカルト』(2009年)、『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズ(2012年~)などモキュメンタリー形式でホラー映画を撮ることにかなり秀でており、『貞子vs伽椰子』でもその細やか且つ大胆な作風は活かされています。

『貞子vs伽椰子』はただお互いの作品の設定やネタバレを全てしてしまうわけでなく、敢えて核心のネタバレを避けて両方の作品を観るきっかけになるようなあらすじの導線が敷かれ、白石監督らしい結末をもってバランスをとっています。25年以上の時を経てついに禁断のバーサス系クロスオーバー映画に踏み出した両作品の背景などもおさらいしつつ、次章のあらすじや感想もお楽しみください。

微ネタバレありTips:『リング』

1998年の1月に『リング』は中田秀夫監督によって映画化されて以降、『貞子vs伽椰子』も含めると3カ国で10本の映画が作られ続けたジャパニーズホラーブームの火付け役的シリーズです。「呪いのビデオを観た者は7日後に必ず死ぬ」という死のチェーンメールに近い文脈で語られる不気味な世界観と、死亡条件の明確なルールが存在するなどミステリー要素の多い展開や暗澹とした結末は多くのファンから支持を得ています。

その映画の中核を担う存在が「山村貞子」であり、彼女は生前その身を狂わせることになった念能力を用いながら死後もビデオを観た者を「あるルールに従い」確実に呪い殺していくのです。なお、海外版だと名前が韓国版は「パク・ウンソ」、アメリカ版は「サマラ・モーガン」と変化しますが、「本質」は変わっておらずその「本質」こそが彼女をより不気味な存在にしているのです。

微ネタバレありTips:『呪怨』

一方、『呪怨』は2000年8月の清水崇監督以降、映画6本、ビデオ2本、そして任天堂Wiiのゲームソフトなど幅広い媒体で愛され続けるジャパニーズホラーの代表作のひとつになっているシリーズです。「呪われた家に訪れた者は死ぬ」という禁足地系のホラー様式になっており、1度踏み込んだら何処までも追い詰められる恐怖感や特徴的な奇声やポーズなど生理的嫌悪感を煽る強烈なホラー作品になっています。

その呪いの発端が、恋愛事情から心を病み、息子共々非業の死を遂げたことで死後家ごと祟り恐ろしい死霊と化した「佐伯伽倻子」なのです。彼女はウィリアム・フリードキンの『エクソシスト』に登場する悪魔のような奇声をあげながらじわじわと近付き人々を発狂させたり、物理的に肉体を破壊するなどかなりグロテスクな方法で最悪の結末を齎す凶悪な呪いの持ち主です。

Tips:貞子VS伽椰子 総選恐

また、『貞子vs伽椰子』は公開前に独特なイベントを開催したことでも主にSNSで話題騒然となりました。その名も「貞子VS伽椰子 総選恐」。内容は総裁選挙に似た投票式のもので、それぞれアピール動画を投稿してこれでもかという突き抜け方でファンを楽しませ、公開への期待を高めていきました。

貞子のアピール動画では、通訳者に語らせる形で「呪いで日本を元気にする」というパワーワードを用い、「積極性がない」「海外進出をしていない」という煽りで伽椰子の根暗さと作品展開力を煽って人々に強みをアピールしました。また、ネタバレスレスレの演出を入れることで動画自体にヒントを残すなどのやり口も憎い演出になっているのです。

伽倻子もまた、通訳を通じて「VHSは古い」「絆が足りない」など、かなり大真面目なトーンで家族のコミュニケーションが足りないと対抗している貞子を煽っていくポーズを見せました。時折挟まれる俊雄の猫声による返しもまたシュールさを誘う動画でもあります。このように『貞子vs伽椰子』では、前情報や広報の方向性もまたただのホラーで終わらせない様相を見せているのです。

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貞子vs伽椰子のあらすじをネタバレ紹介!

ネタバレありあらすじ:「古いVHS」の呪い

物語は、『リング』ファン必見の不穏なシーンの後、親友である上野夏美(佐津川愛美)にビデオのダビングを頼まれた倉橋有里(山本美月)の視点から始まります。彼女はVHSのダビングを行うためにリサイクルショップへ赴きなにやら曰く付きらしいビデオデッキを入手するのです。ビデオデッキは電源を繋ぐと「古いVHS」を吐き出します。まさにここで早速、死のフラグが立つことになるのです。

一方で、大学の講義では都市伝説のひとつとして「呪いのビデオ」と「恐怖のミーム」の関係が紹介されており、友里と夏美は興味本位と恐怖とを天秤にかけながらもつい出来心で「古いDHS」を再生し夏美がその餌食になってしまうのでした。勿論ここで、井戸や髪の長い人物、そして不可思議な着信など『リング』シリーズおなじみの展開が起こるのも忘れません。ただし、『貞子vs伽椰子』ではタイムリミットが2日に変更されています。

ネタバレありあらすじ:「立ち入り禁止」の呪い

場面は切り替わるととある住宅地にフォーカスされます。そこには家族の転勤によりこの地に越してきた高木鈴花(玉城ティナ)の姿がありました。すぐ近くに「立ち入り禁止」の札がかかった廃墟のような一軒家があり、彼女は直感的に何か不気味さを感じ取ります。また、学校でもその「立ち入り禁止」の廃墟の噂はかなり悍ましい形で語り継がれていました。

曰く、「入居者がことごとく死に、またその家を訪れた者もまた呪われる家」。そんな死亡フラグの塊のような家を鈴花も危険視しますが、少し親しくなった近所の小学生がいじめられる形でその廃墟に近づくのを目撃し彼女はこの怪異に巻き込まれてしまうことになるのです。

『呪怨』ファンの皆さんならそっとほくそ笑んでしまうシリーズお馴染みの蟻地獄のような展開がここでも起きるのです。

ネタバレありあらすじ:「ビデオデッキ」の呪い

呪いのビデオを観てしまった友里と夏美は真相を知るべくリサイクルショップに向かいます。ビデオデッキの販売経路を辿ってみると、どうやらそのビデオデッキは死んだ人物の遺品であり、遺品を確認した人物もまた怪死を遂げた曰く付きのビデオデッキであることが発覚します。これもまた『リング』シリーズお馴染みの展開でもあります。

ネタバレありあらすじ:「教授」の呪い

恐怖を覚えた2人は、都市伝説などを研究している大学教授の森繁新一(甲本雅裕)を頼りますが、彼は根っからのいわゆる「貞子」ファンであり、自ら視聴し更にDVDを複製するなどかなりメタに近い行動をとるのです。また、友里と夏美に霊媒師の「法柳」を紹介し夏美への除霊を行います。

しかし、ここで呪いは変質し、除霊を行った法柳と執拗にその存在に触れようとした森繁を片鱗を見せた「山村貞子」は自殺させるという手段で屠り彼女たちに呪いと恐怖を深く植え付けるのでした。死の間際、法柳はより強力な霊媒師を呼び寄せると同時に、友里と夏美たちにこの呪いの恐ろしさを警告するのです。

ネタバレありあらすじ:「人伝て」の呪い

異常な状況に錯乱した夏美はビデオを視聴するきっかけをつくってしまった友里を詰り、もうひとつの解決方法としてまことしやかに語られる「他人に呪いのビデオを見せる」という方法を友里に強要します。罪悪感と危機感を持ってしまった友里はこの要求を飲み、自らビデオを視聴しますが、ここで助け舟のようにある人物が登場するのです。

それは不真面目そうなひょろ長い男性と赤いコートを着た盲目の少女…常盤経蔵(安藤政信)と珠緒(菊地麻衣)でした。彼らは法柳が呼び寄せた強力な霊媒師であり、白石晃士監督作品には欠かせない作品の案内人になるキーマンでもあります。彼らは友里と夏美の行動が問題解決に繋がっていないことを告げ、生き残る方法として「別の解決策」を提案することになるのです。

ネタバレありあらすじ:「拡散」の呪い

常盤経蔵と珠緒は珠緒の第六感を頼りに早速呪いの解決方法として例の「立ち入り禁止の家」に踏み込みます。なんと、その裏手には「欠けた古井戸」があり、その井戸を基点にして除霊の術を探っていたのです。ここで中を心配そうに眺める鈴花を目撃し、常盤経蔵と珠緒は近寄らないように警告を行います。

しかし、その一方でタイムリミットを迎える寸前だった夏美は自殺を図り、変質した貞子の呪いによって自殺すらも封じられそのまま縊り殺されてしまうのです。更には、恐怖のあまりに森繁がダビングしていたDVDのデータをネット上にアップロードして拡散しており、呪いの元を絶たねばあまりにも多くの人々が死に追いやられるということが発覚してしまいます。

自殺を封じるなどの行動は本来の『リング』シリーズのあらすじからいけばイレギュラーではありますが、ネットを介した拡散は海外版の『ザ・リング』などでも使われた方法でより強固に結末に向けた行動を促すエッセンスになっているのです。

ネタバレありあらすじ:「後ろ姿」の呪い

一方、常盤経蔵と珠緒に警告を受けた鈴花でしたが、これも『呪怨』シリーズのお馴染みでもある「見知った人の後ろ姿」と「行方不明の噂」に冷ややかなものを感じつつも情が移り、よりにもよって真夜中に例の「立ち入り禁止の家」に足を踏み入れてしまうのです。これはもう呪い成立待った無しでしょう。

驚くべき歓迎と恐ろしい光景を目にした鈴花は叫び声をあげ、結果として自分の両親を家の呪いに晒してしまうことになります。本人も佐伯伽倻子とその息子の姿を見てしまい間一髪呪い殺される寸前に常盤経蔵と珠緒に助けられるのです。こうして異なるふたつの呪いを受けたヒロインたちの運命が霊能力者の手に委ねられます。

ネタバレありあらすじ:「対決」の呪い

どう見ても規模と深さが異なる呪いを一挙に引き受け絶望的な状況にも関わらず、常盤経蔵と珠緒は落ち着いています。鈴花と友里は不安に顔色を曇らせ緊張感は高まるなか、あの言葉が経蔵の口から放たれるのです。

飛び出すのは「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!」という例のセリフです。余談ながら実際に「ニコニコ動画」で生放送企画として『貞子vs伽椰子』が放映された際にこのシーンは特に盛り上がりをみせ、この映画がただのホラー映画でないことを視聴者に知らしめるトリッキーな一幕になっています。呪い返すにも近い邪道も邪道な方法を以って生存を図ろうとするのです。

いったいバケモノとバケモノをぶつけるとはどんな奇策なのか。このテンションと独特なノリを楽しむためにも先に白石監督の作品に登場する霊媒師とキーになる怪異を紹介した上で、その情報を元にしつつ次章で詳しくどのような文脈でその斜め上ホラーが成立したのかを解説していきましょう。もちろん、初見単品でも楽しめる展開になっていますのでご安心ください。

微ネタバレありTips:『ノロイ』の場合

堀光男という全身をアルミホイル状の物体で覆いブツブツと何かを呟いている男が、『ノロイ』(2005)には登場します。彼は感知能力に優れた霊能力者ですが実力はそこまでなくあくまでも啓示役として登場するのですが、同時に白石監督ワールドを広げるキーワードも明言化してくれます。

堀の口から明かされる超自然的な怪異こそが「霊体ミミズ」と「呪い電波」であり、この「霊体ミミズ」はネタバレを少ししてしまうと『ノロイ』だけでなくこの『貞子vs伽倻子』でもキーとなってくるとされる白石監督作品の象徴的な呪いの姿なのです。

微ネタバレありTips:『オカルト』の場合

正しくは霊媒師ではないですが、同じ文脈で江野祥平という人物が『オカルト』(2009)には登場します。この人物は、ドキュメンタリー作品を製作しようとする白石晃士ディレクターに世界の真理を観せる形でテロ活動を行い、そうして「別世界線」の「邪神」の存在を可視化しカメラに納めさせることに成功しました。

このように白石監督の作品のなかには「別世界線」という概念と「邪神」が公式に存在し、本作『貞子vs伽椰子』にも無限の可能性を内在させています。

微ネタバレありTips:『カルト』の場合

NEOという名前から斜め上をいった今作の経蔵に近い雰囲気の霊媒師が登場するのが『カルト』(2012)です。この作品はわかりやすく呪いにかかった登場人物のお祓い番組を撮るというモキュメンタリーに真打としてこのNEOが登場するのですが、最終的にただの怪異ではなくミミズのようにのたうつ「邪神」であったことが判明し完全に退治するのではなく次もまた出るというニュアンスの言葉を残して退散します。

この「邪神」や「霊体ミミズ」は同一ないしは似た怪異なのではないかと考察されています。また、ファンの間では『貞子vs伽椰子』やその続編が作られるならクロスオーバーで助けに来て欲しいという感想があがるほどキャラが立った霊能者になっています。つまるところ、霊媒師や被害者を群像として描きつつその奮闘を楽しむのも白石監督の作品を楽しむ鍵になっているのです。

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貞子vs伽椰子の結末をネタバレ紹介!

さてここからは、『貞子vs伽椰子』というネーミングにふさわしい注目の「バケモノvsバケモノ」に至るあらすじと結末についての解説をネタバレをしつつ行なっていきましょう。いったい登場人物たちが何をし何が起きるのかネタバレがありますので未鑑賞の方はそっと飛ばすなどして自衛して頂きつつ楽しんでいってください。

結末超ネタバレありあらすじ:「パラドックス」の呪い

冒頭にもご解説した通り、貞子は「ビデオを観た者を確実に呪い殺す」怪異、そして伽倻子は「家に入った者を確実に呪い殺す」怪異です。ここに経蔵と珠緒は着目し、「呪われた元佐伯家の敷地内で呪いのビデオを再生する」というリスキーな策に出るのです。

当然、生者であれ死者であれ、ビデオが流れれば貞子はその光景を観た者と、呪いの執行を邪魔する者を殺しますし、伽椰子は家に入った時点で死亡フラグを成立させます。つまりここである矛盾が起きるのです。

「呪い殺す対象がお互いに同じ人物同じ位置同じ時間になってしまった場合、どちらが呪い殺すのか」。また、「呪い殺す者同士がその呪いの条件に合致した場合、どうなるのか?」。実に実験的な策ですが強力であるが故に有効にも感じられる説得力を世界観が持たせてしまっているシーンです。かくして、主人公たちの思惑通りに貞子の呪いのビデオを伽倻子の息子である「俊雄」が目撃したことで両者の呪いは成立します。

結末超ネタバレありあらすじ:「二虎競食」の呪い

実働班として家の内部に侵入した鈴花と友里に俊雄が牙を剥きますが、間一髪で持ち込んだテレビ画面から貞子が登場し「呪いの執行を阻止した」として俊雄を縊り殺します。そして、それが引き金になって今度は伽椰子が「(俊雄による)呪いの執行を阻止した」として貞子に襲いかかるべく例の不気味な声をあげながら登場し、なんとここでビデオテープを握りつぶしてしまうのです。

こうして、お互いに鈴花と友里を呪い殺す障害として、お互いを呪い合う関係となったふたりのホラーヒロインは貞子vs伽椰子の頂上決戦を開始するのです。

お互い不死性に近い能力と深い執着を持つ怪異が激突しお互いを毟り破壊しながら逃げる鈴花と友里を追って旧佐伯家の中を大乱闘し、そして裏庭の井戸に至ります。

結末超ネタバレありあらすじ:「融和」の呪い

外に待ち受けていた経蔵と珠緒。彼らは、「2人を井戸に引き摺り込み封印する」ことを試みます。しかし、元から強い念力を持つ貞子や地の利を完全に得ている伽倻子に大苦戦を強いられ、そしてついに人間側大ピンチという最悪の状態で貞子vs伽椰子の結末を迎えます。

それは一見成功にも見える井戸への封じ込めでした。しかし、次の瞬間に井戸から溢れ出したのはまるでミミズの群れのような醜く膨大に膨れあがったバケモノであり、珠緒は恐怖のあまりに平静を失い、経蔵もまた顔から余裕の色が消えます。そうして融和し生まれ落ちてしまった「呪い」がぎこちなく、そして胎児のように人型に変わってゆき画面に近付いていくシーンでこの映画の結末は途切れてしまうのです。

Tips:巨大な触手が意味するもの

結末を決定づける衝撃的なシーンとして巨大なミミズのようなものが登場しますが、この真意については「あれは霊体ミミズなのではないか?」という感想や「邪神降臨によって次の世界線が作られるのではないか」という考察がなされています。これに対するひとつの答えとして白石監督は『映画の生体解剖vs戦慄怪奇ファイル コワすぎ』に収録されている「触手」と「ホラー」の関係性を読むとより一層感想も深まるかもしれません。

『映画の生体解剖vs戦慄怪奇ファイル コワすぎ』では白石監督作品内での「触手」の意味や、ホラー映画史における「触手」の歴史を紐解くことで新しくも伝統的な恐怖のミームが爆誕した結末への解釈がインタビュー記事としてまとめられています。もしかしたら、地続きの世界線で新たなクロスオーバー続編が出るかもしれないのです。

結末超ネタバレありあらすじ:「結末」の呪い

ここで『貞子vs伽椰子』の「結末のあとの結末」、いわゆるホラー映画によくあるエンドロールに隠された秘密ともうひとつの結末について少しだけネタバレをチラ見せいたしましょう。まず流れ始めるのは軽快なイントロと共に始まる『聖飢魔II』の『呪いのシャ・ナ・ナ・ナ』とキャストロールです。

実はこの『呪いのシャ・ナ・ナ・ナ』は次章でもご紹介しますが、歌詞が貞子と伽倻子のバックボーンや意気込みを語るようなものになっています。1番の歌詞が伽倻子、2番が貞子という具合です。まず歌詞に耳を傾けると良いでしょう。そうしていると、次にスタッフロールが流れ始め…「あるもの」が映り「ある結末が確定する」のです。この「結末」については、敢えてネタバレを省きますので皆さん自身の目で確認してみてください。

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貞子と伽椰子の強さを比較検証!

この章では、ホラーかコメディか、熱狂的な斜め上方向への爆走を今もなお続けるふたりの怪異について「強さ」という面と属性を改めて確認していきましょう。実はこの『貞子vs伽椰子』、映画本編だけでない頂上決戦が舞台裏で繰り広げられているのです。真面目にも不真面目にもよくよく比較される代表的なジャパニーズホラーの怪異をネタバレを含みつつ感想や考察も交えて解説していきます。

不遇から産まれた「恐怖」のミーム、山村貞子

「くる〜きっとくる〜♪」のBGMでお馴染みの『リング』に登場する怪異は山村貞子という元は女優を目指し無垢に人生を謳歌する人物でした。しかし、彼女は母親から継いだ能力として強力な念能力を持ち、また美貌だけでなく半陽という望まないギフトを有していたために実の父親である伊熊平八郎に暴行された上に井戸に突き落とされ7日間それでも生き延びてしまったことで現世に恨みを抱くことになります。

映画版だと、直接手を下すような描写もみられますが彼女の強さはなんと言ってもその場にいなくても対象を念力や精神攻撃によって発狂あるいは心臓発作などの怪死に追いやる「恐怖」そのものの象徴であることです。また、ネタバレをすると『らせん』『リング0 バースデイ』で恐怖のミーム(概念)であることが明かされ「リングウイルス」の感染媒体そのものであるという禁じ手的設定が明らかになりました。

しかし物理力はもともとないため、『貞子vs伽椰子』では髪の毛などを用いた能力が追加変更されています。そういう意味ではダウングレードが起きていることは間違いなく、比較は困難を極める問題です。また、貞子はTwitterという彼女にとってはホームグラウンドである拡散し放題の場に陣取り丁寧な口調で人々を魅了しました。

自宅から恨み恨んで25年、佐伯伽倻子

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…」という奇声と逆ブリッジのような体勢で階段を降ってくる様は何処かで観たことがあるのではないでしょうか?そんなかなり印象的なホラーヒロインのひとりがこの『呪怨』シリーズの佐伯伽倻子です。

彼女は夫ではない男性への片思いの末に陰湿なストーカー行為を繰り返し、夫である佐伯剛雄に不貞を疑われ彼女にとっての細やかな幸せであった息子の俊雄と愛猫のマーを押入れに監禁され、最期には自身もゴミ袋に入れられる凄惨な死を経て怪異となりました。彼女の恐ろしさはその「因果律」に近い一度足を踏み入れた者を何処まで逃げてもどんな防備を固めても場や時を越えて自らの手で破壊しにいくその粘着性が挙げられます。

また『貞子vs伽椰子』でも母子のタッグで追い詰め実際に鷲掴みにして屋根裏や押入れ、排水溝に引き摺り込むなど物理的損壊を多く齎すことに長け、貞子を相手取ってもその剛腕は振るわれました。ある意味、相手が物理であれば必ず殺せるという意味では貞子にも半分有効と言えるのかもしれません。

kayakowithtoshioさんの投稿
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彼女とその息子である俊雄はやはり主婦の嗜みか、Instagramにアカウントを構え奇声と共に穏やかな親子生活をアピールし、「もしかしたら」を予感させてくれています。

気になるどっちが強いかの考察

そんな2人が『貞子vs伽椰子』で激突するという事態に、ファンはネット上で考察を行い様々な予想を立てて拡散・口コミを自発的に広めながら本作公開を心待ちにする光景がSNSなどで見られました。ここでは少しその考察の一部をご紹介しましょう。

これはニコニコ動画で企画された2018年の夏の企画『夏のホラー作品・恐怖映像上映会』で行われたアンケートですが、ここでは「貞子優勢」の意見が多数あがっています。この点は白石監督のホラー観との合致によるものや原作小説で語られるカリスマ性も影響していると考察されていますが、やはり「人ではなかった者」の強さは不動なのかもしれません。

16: 名無しさん@おーぷん 2016/02/25(木)00:22:40 ID:Rbm
>>12
貞子の死亡自体は井戸に突き落とされた後の餓死
しかし死亡の後に世界に脅威を振るいだしたのは神(人類)が手助けして
違う形にシフトさせたからかもしれない、結果的には人類より高位な存在への進化

伽椰子は惨殺された呪い

14: 名無しさん@おーぷん 2016/02/25(木)00:20:42 ID:Rbm
貞子の呪いのビデオ
増殖の手助けをする事で貞子に認められると死を免れる事ができる
しかし、結果的に貞子を増殖させる事は人類の死に直結するので結果的に死ぬ

伽椰子
もう何やっても殺される

こる見ると伽椰子のが強そうではある

一方で、貞子がある種システマティックかつ限定的な条件の元発動する「恐怖の因果律」であるのに対して、問答無用の伽倻子の呪いは直接的な死を予感させ、互角以上にやり合えるのではないかという考察も存在します。

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貞子vs伽椰子を観た人の感想や評価を紹介!

ホラー映画としては斜め上からの刺客となり、笑いすら掻っ攫ったとされる『貞子vs伽椰子』の感想についてもネタバレを含みつつここでは紹介していきましょう。

無茶苦茶であるがゆえの化学反応と中毒性を挙げる感想は多く存在します。ギャグ映画だと言われる一方で、あの破天荒な行動力が好きというカルティックな高評価を得ているのです。この現象は白石監督の作品に多くみられ、続編があるのではないか?と思わせる世界観の繋がりも感じられているという感想もあります。

また、白石監督ならではの日常感と非日常的で尖ったセリフ回しなどがピリリと効いているという感想も随所で見られました。

同じくカルト的人気を誇るサメ映画のあの斜め上から攻めるエンターテイメント感は『貞子vs伽椰子』のラストシーンなどに通じるものがあるという感想も多く見受けられました。ただのホラーではない面白さはその爆発力にあるのかもしれません。

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貞子vs伽椰子のあらすじネタバレまとめ!

様々な媒体で独特な世界観を展開させパワーワードと疾走感に溢れる『貞子vs伽椰子』のネタバレやあらすじ、関連作品や感想の紹介はいかがでしたか?クロスオーバー作品でかつホラーものという難しい題材に斜め上のアンサーを叩きつけた強烈な作品の魅力が少しでも皆さんに「感染」したでしょうか?

また、『貞子vs伽椰子』の白石晃士監督の新作映画『恋のクレイジーロード』が絶賛公開中ですので、そちらもまたこれを機に観てみるのも楽しいかもしれません。こちらではバスというクローズドな空間で起きる犯罪と暴力についてまたしても疾走感抜群の展開が演出されています。『貞子vs伽椰子』でピタリと速度感がハマった方は是非こちらも視聴してみるといいでしょう。

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