2018年08月07日公開
2018年08月07日更新
エイリアンコヴェナントのネタバレあらすじ!ラストや疑問点・伏線も考察
エイリアンコヴェナントはエイリアン・シリーズの前日譚として企画されたトリロジーの第2弾です。前作から11年が経過し、人類は他の惑星への植民を計画、植民船コヴェナント号で人類が生存可能な惑星オリガエ6を目指していました。ショウ博士とアンドロイドのデイビッドはどうなったのか?前作プロメテウスのネタバレがエイリアンコヴェナントで明らかになります。またエイリアンコヴェナントもエイリアン・シリーズのネタバレになっています。今回はこのエイリアンコヴェナントのネタバレあらすじを中心に紹介します。
目次
エイリアンコヴェナントのあらすじをネタバレ!ラストや疑問点・伏線も考察
リドリー・スコット監督の大ヒット作であるエイリアン・シリーズの前日譚となるプロメテウスを始めとしたトリロジーの第2弾として2017年に公開されたエイリアンコヴェナントは、トリロジーの3番目にあたる作品です。今回は、このエイリアンコヴェナントの謎と伏線、そして衝撃のラストについてネタバレ解説していきます。
エイリアンコヴェナントはプロメテウスの続編!
エイリアンコヴェナントは前作プロメテウスから11年後の世界が舞台です。ラストでエンジニアの母星へと旅立ったショウ博士とデイビッドは果たしてどうなったのか、このエイリアンコヴェナントで謎が明らかになります。プロメテウスではエンジニアと名付けられた異星人のDNAが人類の起源であり、DNAの遺伝情報は人類とエンジニアで一致することが判明しました。
プロメテウス号の乗員達は、エンジニア達が意図的に地球に自らのDNAを送り込み、同じ遺伝情報を持つ人類を作り出したのは、エンジニア達が作った生物兵器の実験台にするためであり、地球上にLV-223へと導く痕跡を残していったのは、人類を呼び寄せる為と気付きます。謎を解明するため、エンジニアの宇宙船でショウ博士とデイビッドが旅立つラストでプロメテウスは終わります。
エイリアンコヴェナントのあらすじをネタバレ!
ここでは、エイリアンコヴェナントのあらすじをラスト直前までネタバレ解説します。プロメテウスから11年後、人類は移民船コヴェナント号で人類が生息可能とされている惑星 オリガエ6へ向かっていました。コヴェナント号には乗組員15人と入植者2千人、1千体以上の人間の胎芽が積まれていました。このコヴェナント号に謎の信号が届き、発信元の謎の惑星へ調査にむかいます。そこでは恐ろしい実験が行われていました。
あらすじ1.人間そっくりのアンドロイドが製造されている時代
エイリアンコヴェナントは、前作のプロメテウスでも登場したアンドロイド、ディビッドが起動するシーンから始まります。ウェイランド社の創設者、ピーター・ウェイランドと対面した男性型アンドロイドは、身けれんジェロのダビデ像を目にし、自らをディビッドと名付けます。この時代には、人間と遜色のない見た目と機能を持つアンドロイドが製造されていました。
あらすじ2.エイリアンコヴェナントの時代には人類は他の惑星へと植民を開始していた
ディビッドが製造されプロメテウス号の探査に同行しショウ博士と共にエンジニアの母星へと旅立ったラストから11年後、人類は宇宙に植民地を求めるようになっていました。移民船コヴェナント号にはコールドスリープ中の管理を行うウォルターという男性型アンドロイドと、船長、科学者、護衛隊員などで構成された乗務員、1千体の入植者、人間の胎芽が積まれており、移民船はオリガエ6という惑星を目指していました。
あらすじ3.衝撃波で植民船が大破
航行中のある日、コヴェナント号を突如発生したニュートリノの衝撃波が襲いました。コヴェナント号は甚大な被害を被ります。火災が発生し、船長のブランソンはコールドスリープのカプセル内で死亡してしまいます。彼の妻であり、人類移住計画の責任者であるダニエルズは悲嘆にくれるのでした。コヴェナント号の乗務員は全てカップルで構成されていました。船長の死亡により、副船長のオラムが船長になりました。
あらすじ4.カントリーロードを歌う信号とネタバレ
損傷したコヴェナント号の修復作業が始まりました。船外作業を行っていたテネシーの通信機が歌うような謎の信号を受信し、その発信源を突き止めると、それはオリガエ6よりも近く、人類が移住可能な惑星から発信されている事がわかりました。ダニエルズは反対しましたが、事故の事もあり、オラム船長はこの謎の惑星の調査を決定しました。調査隊が編成され、彼らはこの謎の惑星に着陸しました。実はこれは罠だったのです。
あらすじ5.巨大な宇宙船の発見
調査隊はオラム船長、ダニエルズ、アンドロイドのウォルター、生物学者カリン、科学者ファリスの6名と、護衛隊員のロープ、コール、ハレット、レドワード、ローゼンタール、アンカーの11名+アンドロイド1名で構成されました。着陸した調査隊は2班に分かれ、カリンとレドワードが別動隊として行動を共にする事になりました。オラム船長達はカントリーロードの曲を信号として発信していた朽ちた宇宙船を発見するのでした。
あらすじ6.エイリアンコヴェナントとプロメテウスがリンクするドッグ・タグの謎とネタバレ
オラム船長達が発見した朽ちた宇宙船の中には、11年前に消息不明になったプロメテウス号のエリザベス・ショウ博士の写真と、彼女のドッグ・タグが残されていました。歌うような謎の信号を発信していたのはショウ博士とデイビッドがLV-223からエンジニア達の母星に向かう為にプロメテウスのラストで乗船した宇宙船だったのです。この時点でショウ博士の痕跡がない事がネタバレのヒントになります。
あらすじ7.黒い胞子とネオモーフ
2人で調査を行っていたカリンとレドワードは、生物調査を行っていました。調査中に黒いキノコのようなものから黒い胞子の様な物が飛び出し、レドワードの耳から侵入しましたが、誰もそれに気づきませんでした。やがてレドワードは体調を崩し苦しみ始めた為、カリンは調査を中止しレドワードと着陸船へと引き返しました。その頃宇宙船を調べていたハレットの鼻の穴にも同じ胞子が入り込んでいました。
あらすじ8.燃える着陸船
レドワードをカリンは医療室へと運びましたが、そこで彼女はレドワードの背中でうごめく何かを発見します。未知の感染症ではないかと騒ぎレドワードの吐血を浴びてしまったカリンは医療室から出すように助けを求めますが、ファリスはレドワードと共に医療室に閉じ込めてしまいます。レドワードの背中から何かが飛び出し、彼は絶命してしまいました。
レドワードの背中を突き破り出現したのは異形の生物、ネオモーフでした。カリンはネオモーフに襲われてしまいます。更にネオモーフはファリスを襲おうとガラスを破って医療室を飛び出します。ファリスはネオモーフにショットガンで応戦しますが、誤って可燃物のタンクを撃ってしまい着陸船は炎上してしまいました。ネタバレですがこのネオモーフはエイリアンシリーズのチェストバスターとは違い成体に近い形をしたエイリアンです。
あらすじ9.対面する2人のウォルター
ファリスの連絡により、他のメンバーも着陸船に向かいますが、目の前で着陸船は爆発してしまい、ファリスも死亡してしまいます。ハレットからもネオモーフが出現し、ハレットは絶命、ネオモーフは何処かへと去ってしまいます。調査メンバーはコヴェナント号に連絡を取ろうとしますが嵐の影響で失敗してしまいます。そして再びネオモーフが現れダニエルズに襲い掛かります。
ウォルターが咄嗟にダニエルズを庇い、ダニエルズは助かりますがウォルターはネオモーフに左手首を食いちぎられてしまいます。そして更にアンカーに襲い掛かり殺害してしまいます。一斉射撃で一体のネオモーフは退治しましたが、もう一匹がローゼンタールに襲い掛かります。絶体絶命のピンチにどこからか穿孔弾が撃ち込まれ、ネオモーフは退却しました。そして閃光弾を撃った男はウォルターそっくりの容姿をしていました。
あらすじ10.研究施設
閃光弾を撃ったフードをかぶった男の正体はショウ博士と共に行方不明になっていたアンドロイド、ディビッドでした。彼は無数の黒い死体が転がった広間を抜け、調査隊メンバーを自分の研究室へと案内しました。そして、LV-223で起きたこと、ショウ博士と共にこの星へと宇宙船でやってきたことなどを話すのでした。後々のネタバレとなりますが、この時点でディビッドは嘘をついています。
調査隊メンバーはコヴェナント号と連絡が取れるようになるまで、研究室に避難していることにしました。一方、コヴェナント号に残っていたメンバーも、通信可能な高度までコヴェナント号を下げる事ができず、救助に向かえずにいました。そんな中、水場に行ったローゼンタールがなかなか戻らないことを不審に思ったオラフは無残な姿で殺害されているローゼンタールと、ネオモーフと心を通わそうとしているディビッドを発見します。
あらすじ11.エイリアン・エッグ
オラム船長はデイビッドの行動は全て罠だったと察しネオモーフを射殺します。そしてディビッドに銃口を突き付けて全てを白状させるのでした。ディビッドの研究の最終結果としてエイリアンの卵、エイリアン・エッグを見せます。それをのぞき込んだオラム船長はそこから飛び出したフェイスハガーに張り付かれてしまいます。フェイスハガーによって幼体を産み付けられたオラムの背中を破ってチェストバスターが登場します。
あらすじ12.フェイス・ハガー登場!残酷な実験の犠牲者は?
プロメテウスのラストから11年後、ディビッドはこの惑星に着陸し、エンジニアが作り出した黒い液体の入ったアンプルを宇宙船からばら撒き、エンジニアと動物を全滅させました。そして黒い液体を用いた遺伝子操作をエンジニアやネオモーフの身体で繰り返し、完璧な生命体を創造しようとしていたのでした。黒い胞子も実験結果の1つであり、ディビッドはショウ博士の体ですら宿主として利用し、エイリアン達を作っていました。
ディビッドの目論見に気付いたウォルターはディビッドに詰め寄りますが機能停止されてしまいます。その頃ダニエルズはコヴェナント号との通信に成功していました。仲間を呼ぶために研究施設へ向かったロープとコールはローゼンタールとオラムの遺体を発見します。
ロープはフェイスハガーに襲われ酸によって顔に大きな損傷を負い、コールはプロトモーフによって殺害されてしまいます。ここでロープが襲われても助かっている事が後々のネタバレに繋がります。フェイスハガーはエイリアンシリーズ第一作から、胸を破って出てくるチェストバスターを寄生させる存在だからです。
あらすじ13.ウォルターVSデイビッド!死闘の行方は?
信号で人類を呼び寄せ更なる宿主にするというディビッドの計画に、研究資料を見ていたダニエルズも気付きました。その時、ダニエルズにディビッドが襲い掛かりますが、機能停止したはずのウォルターによって救われたのでした。改良型であるウォルターはバックアップにより復帰できるようになっていたのです。ウォルターとディビッドのアンドロイド同士の闘いの間にダニエルズとローブは研究施設を脱出しウォルターと合流しました。
3人は作業船に乗って救助にきたテネシーと合流しますが、そこにプロトモーフが襲い掛かります。プロトモーフは作業船に乗り込んできました。ダニエルズは船外に出てプロトモーフと戦いテネシーと連携してエイリアンを撃退することに成功し、無事コヴェナント号へ帰還できたのでした。
あらすじ14.救援要請を行うも
ダニエルズ達はコヴェナント号に帰還しますが、コヴェナント号のAI、マザーによって正体不明の生体反応を感知したという警報が発せられました。ダニエルズとテネシーは医療室に向かいますが、ロープは既に胸を突き破られ死亡していました。ロープはフェイスハガーに襲撃された時にゼノモーフを産みつけられていたのでした。誕生したゼノモーフは排水溝伝いに移動し、シャワー室にいたリックスとアップワースを殺害してしまいます。
あらすじ15.ネオモーフと最後の闘い
ダニエルズとテネシーは、監視室のウォルターのサポートを受けながらゼノモーフをテラフォーミング・ベイに誘い出し、隔壁を開いたことで船外に吸い出された車両をぶつけ、ゼノモーフを宇宙空間へと放出するのでした。こうしてエイリアンの脅威は去り、コヴェナント号は助かったかのように思われました。
あらすじ16.大団円?
コヴェナント号の乗務員はテネシーとダニエルズ、そしてウォルターだけとなりました。移植民1000人と人間の胎芽2000個以上そして2人だけになってしまった乗務員を載せてコヴェナント号は再びオリガエ6と向かいます。ウォルターに航海を託し、2人はコールドスリープで眠りにつくのでした。
エイリアンコヴェナントの衝撃のラストをネタバレ紹介!
エイリアンコヴェナントはラストまで気が抜けません。穏やかな眠りにつき、物語は終焉を迎えたように見えましたが、最後の最後でとんでもないどんでん返しが待ち構えています。リドリー・スコット監督の作品、エイリアンシリーズでも衝撃のラストを迎える作品が多く、エイリアンコヴェナントもその例にもれず、恐ろしいラストが待ち構えています。
コヴェナント号は旅を再開する
出典: https://coub.com
エイリアンコヴェナントでは事故にあったり次々にエイリアンに襲撃されたりした結果、当初は14人いた乗務員も、ラストではわずか2人となってしまいます。改めてオリガエ6を目指す事になり、ダニエルズ達はコールドスリープ装置に入ります。そして到着まではアンドロイドのウォルターが任務を引き受ける事になります。ウォルターと会話をしながらダニエルズはゆっくりと眠りに落ちていきます。
あれは本当にウォルターなのか
あともう少しという時にダニエルズはふとウォルターの頬の傷に気が付きます。それはウォルターとデイビッドが研究施設で戦った時にデイビッドが負ったものでした。ウォルターとデイビッドはその後に入れ替わっていたのでした。そのことに気が付いたダニエルズはコールドスリープ装置を叩きますが、眠りに陥ってしまいます。
ディビッドはダニエルズがコールドスリープ状態になったことを確認すると、人間の胎芽が保存されているブースへと向かいました。保存されているキャビネットを一つ開けると、ディビッドは口の中に隠していたエイリアンの胚を2つ、その中に入れました。そして、ダニエルズとテネシー以外の乗務員はニュートリノの衝撃波により全員死亡という記録を残すのでした。
エイリアンコヴェナントの疑問点や伏線を考察!
プロメテウスで残された数々の謎が明らかになるとされたエイリアンコヴェナントですが、その物語の中で、新たな謎が出現しており、その謎が明らかになるためには3作目のエイリアンアウェイクニングを待たねばならないと言われています。ここでは主にプロメテウスで残された謎と、エイリアンコヴェナントの作品中で生じ、その後明らかになったものを中心に紹介いたします。
コヴェナントというタイトルのネタバレ考察
covenantは直訳すれば約束・契約という意味になりますが、このエイリアンコヴェナントでの使われ方ではむしろ宗教的な意味合いが色濃く、いわゆる神との契約という意味であるというのがファンの間で一致した考察です。旧約・新約聖書はそれぞれ、昔に神と結んだ契約、新しく神と結んだ契約という意味合いを持つものです。ではエイリアンコヴェナントでは何と契約したのでしょうか。
出典: http://time.com
エイリアンコヴェナントというタイトルには、新たな生命の創造主=デイビッドと契約を結ぶ、という意味が隠されています。また、コヴェナント号という名称は、旧約聖書でユダヤ人が神に示された約束の地を目指すという部分にちなみ、コヴェナント号が植民地にする予定のオリガエ6という約束の地を目指す事からつけられたのだろうというのがファンの間で多く見られる考察です。
エンジニアの思惑のネタバレ考察
エンジニアと人類が呼んでいる生命体は、地球上にDNAをばらまき自らと同じDNAを持つ人類を作り出し、それを使って生物兵器の実験を行おうとしていて、同じDNAを持つ人類で実験することで、その威力を正確に測りたかったのだろうという考察が多く見られました。エンジニア達は人類を誘き寄せるために、地球にエンジニアの実験施設があるLV-223という惑星を指し示す証拠を幾つも残していたのだという意見の考察です。
それに対し、エンジニアがDNAをばらまいたのは単なる実験で、知的好奇心から出た行為であるという考察も見られました。それはLV-223へと導く目印を作った時期が、DNAのばらまきから2000年経過している為、LV-223へ呼び寄せる計画とは無関係なものであるという考察です。この考察はエイリアンコヴェナントの物語の骨格となるものが聖書なのだろうという考えに基づいています。
旧約聖書では神は自らに似せて人間の男、アダムを作り出しました。それに対してエンジニアは自らのDNAと同じ遺伝情報を持つ人類を作り出しました。知恵の木の実を食べたアダムとイブは永遠の生命を失い、エデンから追放されますが、プロメテウスやエイリアンコヴェナントでは、エンジニアの与えた知恵、LV-223の位置を指し示す遺跡の証拠を得ることで、地球を出てエイリアンが出現する世界に向かいます。
ウォルターとデイビッドはどう違う?
デイビッドはウェイランド社が開発したアンドロイドシリーズの究極ともいえる製品ですがウォルターは更にその後継機としてディビッドには無かった機能が搭載されています。その一つがバックアップ機能で機能停止をしてしまってもリロードすることで再起動やデータの継承が可能になっています。見た目も同じで、同じ系列の製品のためディビッドはウォルターを兄弟と呼びますが、性能や設定によってかなり違ったものになっています。
本編のネタバレ!デヴィットは頭と体をひき千切られたはずなのになぜ体があるのか?プロメテウスからの謎が明らかに
前作プロメテウスでディビッドはコールドスリープから目覚めたエンジニアによって胴体から頭と首を引き抜かれてしまいました。その状態でショウ博士と共にエンジニアの宇宙船に乗っていました。ところがエイリアンコヴェナントではしっかり繋がっています。それではいつ、ディビッドの首は胴体とつながったのでしょうか。
映画の前に公開されたtheCrossingというプロローグ映像で、その謎は解き明かされます。ショウ博士が宇宙船の中でディビッドの首をつなげるシーンが出てくるのです。同じ色のコード同士を繋げてほしい、といったようにディビッド自身の指示を受けながらショウ博士がつなぎ合わせていく様は見所です。そして、そこまでしてくれたショウ博士をディビッドは宿主として利用してしまうのです。
ディビッドのネーミングはダブルミーニング?聖書やAI等との対比から見るデイビッドの謎と考察
ディビッドという名前はユダヤ人に多くみられるもので、聖書に出てくるイスラエルの王、ダビデ王に由来しています。スタンリー・キューブリックとアーサー・C・クラークの2001年宇宙の旅の主人公、ボーマン船長もデイビッドです。この作品を元ネタとしたと言われているのが、1つはエイリアンコヴェナントの前作であるプロメテウスとエイリアンコヴェナントで、もう1つはスティーブン・スピルバーグのAIだと言われています。
2001年宇宙の旅では人工知能HAL-9000が暴走し人間を次々に殺害していきましたが、AIでは愛をインプットされた少年型のロボット、ディビッドが捨てられても人間に愛を求め続けるという切ないストーリーでした。それに対し、エイリアンコヴェナントのディビッドは修理してもらったショウ博士を寄生先として利用するなど、愛情や信頼よりも目的の遂行が至上の存在となっています。
エイリアンコヴェナントの考察として最も多く見られたのが、ディビッド自身が、ダビデ像を見て自分の名前を付けていることからその由来はダビデ王であるというものです。神に1度は見放されながらも放浪し戦ってついにはイスラエルを建国し王になったダビデ王と、エンジニアに1度は破壊されながらも宇宙を放浪しエンジニアと戦ってついには究極の生命体を生み出しその王となったディビッドという対比が多く考察されています。
エイリアンコヴェナントのラストでは、ディビッドは究極の生命体であると本人が称するエイリアンの胎芽を連れて新天地であるオリガエ6を目指すというラストになっています。これはダビデ王がイスラエルを目指した部分を模倣しているという考察が、ディビッド=ダビデ王説を唱える考察で共通するものでした。
ちなみに、スピルバーグのAIのラストは、ディビッドは一度機能停止してから2000年後、人類は滅び、代わりにロボットの王国が作られている世界で再起動します。ロボットであるディビッドは人間のモニカを母親として愛するとプログラミングされているため、人間のいない世界に絶望します。1日だけなら再生させる事が出来ると判り、再生されたモニカと1日過ごした後、モニカの死を見届けてディビッドも機能停止します。
エイリアンコヴェナントはベースが聖書、特に旧約聖書であるという考察が多く見られ、その最も顕著な証拠がディビッドの名前や行動に現れているという考察がファンの間では定説になっています。2001年宇宙の旅、AI、エイリアンコヴェナントとプロメテウスは同じテーマを元にした4つの映画ですが、それぞれが異なる展開とラストを迎え、3人の監督が表現したいテーマもそれぞれ異なっています。
またディビッドはエイリアンコヴェナントの中で、自分はオズマンディアス、王の中の王であるという詩を朗読します。このオズマンディアスとは旧約聖書の出エジプト記でモーゼがユダヤの民を連れ出す事を許可したエジプトの王、ラムセス2世の事だと言われています。しかもディビッドはこの詩の作者をバイロンの作品だと思っていましたが、イギリスのシェリーという詩人の作品だとウォルターに指摘されています。
黒い胞子の謎とネタバレ
あらすじでも紹介しましたが、エイリアンの寄生方法として、冒頭では黒い胞子の様なものが体内に入るというものがあります。ディビッドがエンジニアの星に到達した時に、エンジニアの星の人間や動物をエイリアンの宿主と変えたのはアンプルに入った黒い液体なので、この黒い胞子は、どうやらディビッドの研究により生み出されたもののようです。
卵は何が生んでいる?
エイリアンコヴェナントにもこれまでのエイリアンシリーズにも出てくるエイリアンエッグが出現しますが、これはどのようにして作られたのでしょうか。エイリアン2で初登場したエイリアンクイーンはエイリアンエッグを生み出し、そこから生まれたフェイスハガーは生殖器官として働き、宿主に幼体であるチェストバスターを産み付けます。
エイリアンコヴェナントでは、エンジニアと動物を全滅させた黒い液体が元となった、胞子を放出するカビのような生物エッグサックが登場します。この胞子が人類の体内に侵入すると、ゼノモーフやエイリアンに登場したビッグチャップの形に近い白いネオモーフが出現します。ネオモーフは従来のチェストバスターと違い、どこを食い破って出てくるのかわかりません。
そしてディビッドはショウ博士を宿主としてエイリアンエッグを作り出し、そこからフェイスハガーが生まれるという生殖方法に進化させます。ここで、エイリアンエッグ→フェイスハガー→チェストバスター→蛹→ゼノモーフという流れが確立されます。ゼノモーフはエイリアンのビッグチャップ(長い頭という意味)と似ていますが、ビッグチャップは第1作にしか登場しておらず、目が有るなどの異なる特徴があります。
エイリアン2で出てきたエイリアンクイーンはエイリアンコヴェナントには出現しません。しかし、これよりも前の時代が舞台であるスピンオフ作品であるエイリアンVSプレデターでは、地球上にプレデターの成人儀礼であるエイリアンとの戦闘を行う施設が作られており、そこにはクィーンエイリアンが捕らわれていました。
2つの作品群を同じ時間軸での出来事と考えず、異なる時間軸での出来事とした方がいいというのがファンの間での見解です。エイリアンコヴェナントでのエイリアンエッグの生産者について考察してみると、ショウ博士を宿主として次々に作り出されているようです。その後、エイリアン2の頃までには、ゼノモーフの中で最も強いものがエイリアンクイーンとなり、エイリアンエッグを産卵し続けるようになるように進化しました。
エイリアンコヴェナントを見た人の感想や評価を紹介!
ここではエイリアンコヴェナントを見た人々の感想を傾向別に紹介します。エイリアンシリーズの熱烈なファン、プロメテウスから見た人、エイリアンコヴェナントとオデッセイの違いに驚く人等々、多くの人がエイリアンコヴェナントの独特な世界観について感想を語っています。
エイリアンシリーズを既に見ている人の感想の色々
エイリアンコヴェナントを見ている人は既にエイリアンシリーズのどれかを見ている人が多く、エイリアンコヴェナントで初めてエイリアンシリーズを見たという方の感想は見当たりませんでした。そして、多くの人が着目していたのはエイリアンのデザインでした。エイリアンシリーズの見所の一つであるエイリアンのデザインについての感想を集めました。
弟に借りてこいと言われて「エイリアンコヴェナント」昨日観たんだけど、弟の感想が『え、ちょ、エイリアン手足生えるの早すぎん?白いエイリアンかっこよくない』だけだったwアンドロイドへの言及なしw主役はエイリアンじゃなくAIか。 pic.twitter.com/n5jAvoU4YY
— ばんび (@Bambi_typeB) July 24, 2018
エイリアンコヴェナントで新しく登場したネオモーフは、従来のエイリアンシリーズのエイリアンとは異なり、チェストバスターという幼体を経ずに、不完全変態で成体に近い形状で現れます。色も白く、昆虫の孵化したばかりのようでもあり、これが新鮮に映ったようです。
エイリアン:コヴェナント観た感想。
— くろね/5日縁切り参り (@kaxyu23) August 4, 2018
エイリアンはやはり美しい。
結局はAIが知能を持つことが一番怖い。 pic.twitter.com/OpUDCVbHLT
プロメテウスを第1弾とするトリロジーは2001年宇宙の旅のオマージュであるAIの反乱という要素が強く、特にこのエイリアンコヴェナントではそれが前面に押し出される形になっています。AIが独自の言語を作り出した、などのAIの負の面を強調するようなニュースも聞かれる昨今では、ディビッドの恐怖がリアルに映ったようです。
先程、とある方のtweetで知った公式のプロモらしきもの。公式のスタッフは何かをキメていたのだろうか.......😳pic.twitter.com/HCAV2tiSJG#AlienCovenant #Alien #エイリアンコヴェナント#公式が病気
— StupidMonsterFreak (@daftmau54) May 17, 2017
エイリアンコヴェナントではプロメテウスよりも多種多様なエイリアンが登場しましたが、造形に携わったスタッフもかなりノリが良かったようです。苔の生すエイリアンやエイリアンのお寿司にはファンも驚かされていました。
プロメテウスとの関連をメインにエイリアンコヴェナントを語る
前作プロメテウスの続編という触れ込みであったため、プロメテウスを引き合いにだした感想を書いている人も多く見られました。プロメテウスが難解な作品であったぶん、エイリアンコヴェナントの雰囲気に違和感を感じる人、プロメテウスのラストで旅立ったディビッドの変貌ぶりに驚愕する人、エイリアンコヴェナントのラストではエイリアン第1作へにつなげるには足りないと感じてしまう人など、様々な感想が見られました。
「エイリアン:コヴェナント」を観たけれど、前作の「プロメテウス」と微妙に話が続かないような…。
— さちえ (@rest_time) August 5, 2018
エイリアンコヴェナントとプロメテウスの間に、エイリアンアウェイクニングという作品が挟まる予定になっており、更にエイリアンコヴェナントの後にも別なトリロジーが入ってから、エイリアン第1作目にストーリーがつながると、リドリー・スコット監督がインタビューで語っていたので、エイリアンコヴェナントだけでは繋がらないという感想がでてしまうようです。
2「エイリアンコヴェナント」…デヴィッド
— もっこす (@moccosmoco) July 18, 2018
私が見てきた中でも一番おぞましく恐ろしく美しいキャラクター
リドリースコットの最推し
どうやったらこんな厄災系アンドロイド思いつくの pic.twitter.com/bCyGsYStak
マイケル・ファスベンダーが演じるディビッドが美しく儚げな様子を見せており、プロメテウスでは命令に従って仕方なく行動していた様子だったので、エイリアンコヴェナントでの自発的な悪役っぷりに驚かされたファンが少なからず見られました。
#エイリアンコヴェナント の初期のストーリーボードに描かれたネオモーフは昆虫のようで、四肢も通常ではなかった。どちらかといえば『プロメテウス』のトリロバイトに近い。よく見ると触手まである。#AlienCovenant pic.twitter.com/S20WWbLguC
— ぬらり (@backward_raven) September 16, 2017
長年のエイリアンファンにとって楽しみの1つであるエイリアンの造形ですが、撮影までにデザインの変更が何度かあったようで、制作時に作品イメージを表現したストーリーボードには、実際に撮影に使われたものとはかなり異なる部分も見られました。こういった制作過程もファンにとっては楽しみの1つのようです。
「エイリアン:コヴェナント」、期待したほどではなく。エンジニアの描写も少なくて不満。しかも、あの結末では「エイリアン」に繋がらない。で、「プロメテウス」を久しぶりに観た。自分的にはこちらの方が映像的にもストーリー的にも完成度が高い、と思う。
— cvlex (@cvlexjp) August 3, 2018
プロメテウスに比べると興行成績が今一つ振るわなかったエイリアンコヴェナントですが、作品の難解さを重視するか、娯楽作品としてのわかりやすさを楽しむかによって感想が二分しました。先にも述べましたが、エイリアンまでにはあと3本の作品が入る予定なので、繋がらないという感想が出てしまうようです。
プロメテウスとエイリアン コヴェナントは監督が冷静にやりたい放題してるから好き
— キンチャク❄️🍡 (@kinchaku_han) August 4, 2018
リドリー・スコット監督の制作スタイルそのものを楽しみ全てを作品として受け入れてしまう感想が、調べた中では圧倒的でした。エイリアン2でニュートとリプリーの心温まるラストを描いておきながらエイリアン3ではニュートが死亡していたのよりも更に最悪なショウ博士のその後が描かれるなど、受け入れがたい最悪の展開すらも、ファンにとってはいつも通り、監督のやりたいようにするのが一番だという意見が多く見られました。
リドリー・スコット監督のオデッセイとの比較
リドリー・スコット監督が2015年に公開したオデッセイ(the Martian)は、火星に1人残され、過酷な状況の中で生き延び、無事地球に生還する生物学者のマーク・ワトニーの物語です。何度も絶望の淵に立たされながらも冷静に生きる術を編み出す姿と、次々にエイリアンとその黒幕であるディビッドに殺されてしまうエイリアンコヴェナントの登場人物達とを比較する感想が多く見られました。
『オデッセイ』であれだけ人間讃歌を描いたリドリー・スコット監督が『エイリアン コヴェナント』で人類は全員バカ!滅びろ!マイケル・ファスベンダーだけが最高!!ってなったの本当に最高だった。
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) August 3, 2018
リドリー・スコット監督の作風はオデッセイの方がむしろ異端で、エイリアンコヴェナントでの、人類にとって最悪な展開が繰り返される残酷な展開の方がいつも通りだという感想が、昔からのファンに特に多く見られました。
リドリー・スコット監督って、人間という種の限界を冷静に見極めてる気がするんだよね。だから『オデッセイ』は各々が出来る範囲でベストを尽くす話になるし、『エイリアン:コヴェナント』だとその一線を踏み越えた者は破滅する
— クレイジーアーキテクト・カッツン (@kurogane_pl) August 3, 2018
一見、真反対の内容であるように見えても、オデッセイでもエイリアンコヴェナントなどのエイリアンシリーズでも、いずれもリドリー・スコット監督のスタンスはぶれておらず、冷静に人間について見極めているのだという感想もありました。
『オデッセイ』『プロメテウス』『エイリアン:コヴェナント』の3作品は全てリドリー・スコットシネマティックユニバースとして世界が繋がっている…(と、良いなぁと思っていつも観ています) pic.twitter.com/QORjHNTOJU
— HSMT🐹 (@ToratoraHsmt) August 3, 2018
オデッセイを見て感動してからリドリー・スコット監督の他の作品を見て驚愕したという感想も少なからず見られたのですが、リドリー・スコット監督の世界を複数の作品で味わっていくと、そこに広がっている共通する世界感に気付くという感想を持つ人も少なからずいました。
こんな見方があった⁉色々な視点からの感想
オデッセイとの比較、これまでのエイリアンシリーズとの比較の感想が多く見られた中、独自の視点で書かれた様々な感想が目を引きました。ディビッドとウォルターの関係に着目した人、次回作についてのやや茶化し気味な予想、そして純粋に映画のエイリアンの迫力に驚かされた人など、様々な感想を集めました。
エイリアン:コヴェナントでのファスベンダー同士の百合も頭に残るけどホラー映画のテンプレをド直球にやったり無駄に頑丈な主人公とか他の要素も色々おかしいから記憶に残り続けるんだよなぁ
— forest4ta (@Zebra_Forest) August 3, 2018
ホラーSF映画の先駆者の1人であるリドリー・スコット監督ですが、他のホラー作品にもあるスタンダードな展開と、違和感を感じるリドリー・スコット監督ならではの他ではありえない展開などを織り交ぜる事で、多くのファンに新鮮な感想とトラウマに近い記憶を残していました。
クソオタクだから布教するけどオデッセイと同じ監督のエイリアン コヴェナントはハイパー美形のクソサイコアンドロイド(吹き替え宮○充)が同じ顔のアンドロイドと擬似セックスしたりキスしたりするからよろしくね
— ぺる子💎17 (@pelgo07) August 3, 2018
マイケル・ファスベンダーが二役を演じたディビッドとウォルターですが、アンドロイド役ならではの無機質な演技と美しさに惹かれてしまった方も多くみられました。また、この2体がキスをするシーンがあるのですが、これにときめいてしまった方も少なからずいました。
エイリアンコヴェナント続編、「デイヴィッドのわくわく大冒険」
— 水 (@miz_miz_mizuzu) August 3, 2018
前作のプロメテウスでは、エイリアン第1作のスペースジョッキーと同じ種族であると思われるエンジニアが登場しましたが、その正体は全てが明らかになったとはいえず、エイリコヴェナントでは、その全貌が明らかになると期待していたファンも多かったようですが、その内容はディビッドの暴走が大半を占めていた為、次回作以降への期待を失ってしまったような感想も見られました。
#1日1本オススメ映画
— mk (@Cbyhg8688Mk) August 1, 2018
『エイリアン:コヴェナント』(2017)
本作の新型エイリアンは背中や口から飛び出すタイプ。という訳で次回作では尻から飛び出すエイリアンって云うのはどうだろう。 pic.twitter.com/FxmBIzykue
エイリアンシリーズでもエイリアンそのものが好きなファンには、次はどんなエイリアンが登場するのかといった楽しみもあり、これをネタにして笑いを取る感想もありました。お尻から飛び出すエイリアンは出現していないという事を知っているファンだからこそ思いつくことの出来る面白ツイートです。
エイリアン コヴェナント観た。エイリアンが突然襲ってきてビックリさせる演出が多くて心臓に悪い映画だった(*_*)エイリアンこわいよー pic.twitter.com/F2keFfGtCt
— 悠希 (@yuki_0047) August 4, 2018
映画の楽しみ方には色々あり、リドリー・スコット監督のファンであれば、これまでの作品や監督の趣味嗜好について詳しくしっていて隠されている秘密を見つけようとする見方もありますが、そうではなく、純粋にホラー映画として驚いたという感想もありました。
エイリアンコヴェナントのネタバレあらすじまとめ
今回はリドリー・スコット監督のエイリアンシリーズのエイリアンコヴェナントを紹介しました。プロメテウスから11年後を舞台に、プロメテウスで残された謎が解明されていきます。プロメテウスよりも明解であるという感想も多く見られたエイリアンコヴェナントは、DVD、ブルーレイの他、AmazonやYouTubeでの有料公開でお楽しみいただけます。