エイリアン5の映画制作の可能性は？2の続編と言われる理由・あらすじを考察

現在エイリアン5の映画製作の公開の可能性が再度浮上してきました。そこで今回映画化される、エイリアン5が名作と言われているエイリアン2の続編と呼ばれる理由や、さらにはエイリアンシリーズのあらすじを考察することで、エイリアン5がどのような作品になるのか、さらに「エイリアン」シリーズより深く掘り下げていきます。エイリアンといえば、映画エイリアンでは独特の形状をした昆虫のような生き物を指します。

が、元々、エイリアンとはAlienと書き、異邦人・外国人を指す英語でした。しかし映画「エイリアン」が有名になりすぎて、エイリアン≒ミュータントや宇宙人というイメージがついてしまったそうです。そこで日本の空港等では、異邦人や外国人を英語でAlienと呼ばずに、Foreignerと呼ぶようになりました。ただAlienとForeignerでは外国からするとAlienの方が良い意味のあります。

Foreignerでは「よそ者」等悪い意味に取られる可能性があります。これは言葉というものが文化に根差したものであり、誤解を生みやすいものである、という前提があるからこそユーモアをもって出来る小噺になるのですが、実際に日本人が「Alien」というと頭に浮かぶのが映画エイリアンの昆虫的な異星人であるのに対して、外国人では「Alien」というと、外国人や異邦人が浮かびます。

もし「Alien」が日本で「外国人」という直訳で紹介されていて、その映画が大ヒットをして、世界的に有名になったとしたら我々は「外国人」という言葉を言ったり聞いたりする度に、「Alien」の形状を思い浮かべることでしょう。多分海外の英国圏の方の中には、このような現象が頭の中で起きているはずです。それだけエイリアンの持つイメージは鮮烈なのです。

そんな「エイリアン」シリーズは日本のみならず、世界中で非常に高い人気を得ました。その為、エイリアンの名前は世界全土に知れ渡ることになり、エイリアン≒宇宙人のイメージが根付き、エイリアン特有の男性性器を彷彿とさせるグロテスクな形状をしたクリーチャーを思い浮かべてしまうことになったのです。また主人公のリプリー役で出演したシガニー・ウィーバーも一躍スターになり、日本でも大人気になりました。

シガニー・ウィーバーはもともとウディ・アレン監督の映画、アニー・ホールに出演していましたが、その二年後の1979年に発表されたエイリアンでスターになりました。ゴーストバスターズにも出演しましたが、ワーキング・ガールでゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞をしています。現在でもアバター等にも出演しています。

このように見ていくと、シガニー・ウィーバーの経歴は女性の社会進出や権利拡大とも大きくリンクしているのが分かります。一見SF映画のアクション専門俳優のようなイメージが強いシガニー・ウィーバーですが、ワーキング・ガールや死と処女にも出演しています。どちらかというと顔の演技が強く、ホラーやサスペンス、スリラー系の映画の出演が多いようです。

けれども、シガニー・ウィーバーがいるから、今でも女性の俳優が、ホラーやサスペンスSFなど強い恐怖感を受ける経験や、極限状態を舞台にした映画作品でも主演をすることが多くなってきたことは事実でしょう。今後、シガニー・ウィーバーがどのような映画に出演するか、それは彼女の代表作エイリアンを乗り越えることが出来るのでしょうか。

「エイリアン」シリーズは現在「エイリアン」「エイリアン2」「エイリアン3」「エイリアン4」「プロメテウス」「エイリアン：コヴェナント」の6作品になります。これに外伝的作品の「エイリアンVSプレデター」と「エイリアンズVSプレデター」の2作品も付け加えることが出来ます。また「エイリアン アイソレーション」「エイリアン トリロジー」とゲーム化もされています。

1979年に公開されたSF映画。エイリアンのデザインにシュルレアリスムのデザイナー、H.R.ギーガーを起用しています。監督はリドリースコット。エレン・リプリーを演じたシガニー・ウィーバーがこの作品で一躍大スターのなりました。宇宙空間の密室という極限状態の中、次々と異星人に襲われる恐怖を描いています。

エイリアンのストーリーの原案はダン・オノバンによって生み出されました。当初はメモリーという名前の話でした。幾度も書き直しをしながら、ついにエイリアンというタイトルが誕生します。しかし内容がスリラーでありSFサスペンスは売れないと誰もが考えていたので撮影の許可は下りませんでした。

そこに、1979年にスターウォーズや未知との遭遇が公開されて大ヒットしたことで、SF映画は売れないB級という既成概念が覆りました。そうしたブームに乗った状態の中、20世紀フォックスの手元には、エイリアンの脚本があったそうです。運命に導かれるまま、エイリアンの製作許可は降りました。

エイリアン2は1986年に公開されました。「エイリアン」シリーズの中でも最高傑作と呼ばれています。前作エイリアンから唯一生き残ったリプリーがまたもや異星人の襲撃を受ける、というハイテンションの内容になっています。監督はジェームズ・キャメロン。同時期に「ターミネーター」シリーズも手掛けているヒットメーカーです。後にタイタニックやアバターを撮影することになります。

この映画の特徴はレプリカントと子供の存在です。前作エイリアンでは小さな宇宙船の中で、体内にエイリアンが寄生して、少しずつ人間が殺害されていく、逃げ場所の無いジェノサイド映画であり、唯一リプリーが生き残るというある意味希望とも絶望とも言えない結末を迎えました。

しかし今作エイリアン2では、ただ生き延びるのではなく、自分たちが何故生きるのか、という生きることに対する強い意志が感じられる内容になっています。その物語を補完するのが、所謂男性的な存在ではなく、リプリーという女性と女の子とレプリカントになっているのも物語を理解するうえで重要なカギになっています。リプリーとエイリアンクイーンの戦いは圧巻です。両者ともただ母であることが生存意義の戦いを続けるのです。

エイリアン3は1992年に公開されました。監督はデヴィット・フィンチャーになります。この映画ではリプリーは囚人になっていて、エイリアンからは逃げ続ける物語になっています。テーマは孤独な囚人の生還なのですが、リプリーは囚人の為かスキンヘッドになっているし。フィンチャー監督もあまりに評判の悪さに「新たに映画を撮るくらいなら大腸ガンで死んだ方がマシだ。」と言って実際に1年半ほどは脚本を読まなかったそうです。

デヴィット・フィンチャーはその後サイコパスをテーマにしたセブンやファイトクラブという二重人格をテーマにして映画を撮るようになります。彼は精神分析などにおける恐怖を描くことが多く、実際にあった事件を元にした映画ゾディアックもミステリー風なサイコサスペンスになっています。さらにドラゴンタトゥーの女では大ヒットした小説を原作にしたハリウッドリメイクも手掛けています。

エイリアン4は1997年に公開されました。アメリで知られているジャン・ピエール・ジュネ監督によって製作されました。リプリーはクローン人間だし、レプリカントはウィノナ・ライダーだしで、今までの「エイリアン」シリーズとは全くの別物と捉えられる内容になっています。また人体損壊や臓物露出などグロテスクなシーンも演出でカットすることなく表現されています。

プロメテウスは2012年に公開されました。エイリアンの前日譚として製作されましたが、監督のリドリー・スコットによって、その詳細は明らかにされていません。過去編を描くのが難しいのは、物語上当時知られた概念以上の概念が未来において皆の知られていることになっていることです。つまり近過去が即ち近未来へと繋がってしまうのです。宇宙という人間の理解できない極限の中で人間がどの様に生きるかが、エイリアンの物語の基本になるので、プロメテウスは一種の博物館巡りの様相が強いのも事実です。

エイリアン：コヴェナントは2017年に公開しました。リドリー・スコット監督による映画です。「エイリアン」シリーズに入りますが前作プロメテウスの続編に属しています。プロメテウスの謎を解くために、作られたといわれていて、「エイリアン」シリーズとは遠く離れてしまったところにある映画なのが、印象的です。

エイリアン5の映画は「第9地区」「エリジウム」「チャッピー」のニール・ブロムカンプによって映画化をされる予定でしたが、現在ではブロムカンプのSNSに自身のコンセプトアートを発表しているそうです。彼は現在「政治的理由」において企画自体が完全に撤回されてしまったそうです。どのようなスキャンダルかまでは分かりませんが、ある程度進行していた企画が立ち消えになるなど、大作映画の作るのが現在では困難な状況が垣間見えます。

しかしニール・ブロムカンプはそのようなスキャンダルにもめげずに自身の製作会社「Oats Studios」で実験的な短編映画を「Oats Studios Volume 1」のタイトルでWeb上に発表をしました。タイトルは其々「RAKKA」「Firebase」「Zygote」と「Cooking with Bill」シリーズ及びに「God:serengeti」となります。

エイリアン5はエイリアン2の発表から30周年を記念して作られるそうです。なのでエイリアンは実質はエイリアン2.5になるそうです。観客にはエイリアン3とエイリアン4は忘れてみてほしいという要望が出るそうです。まるで一種のアトラクションのようです。映画が一種のアミューズメントとして受け入れられたことも今回のエイリアン5が映画化される理由の一つなのかも知れません。

結局エイリアン5は製作中止になりそうですが、その理由はエイリアン5ではなく、先ほど書いたエイリアン2.5を作るからに他ありません。実際にマーチャンダイズでお金を沢山集めなくてはなりませんし、問題が生まれれば監督を交代してでも作り続けなくてはなりません。大作だからこそ、失敗できないし、失敗を恐れるあまり、デヴィっと・フィンチャーやジャン・ピエール・ジュネなどの新人監督がエイリアンの餌食にされてきました。

今回のエイリアン5がエイリアン2.5になった時点で、監督が一人餌食になっています。まるでオーメンさながらに次々と巨大なクリーチャーとなったエイリアンに捕食され続ける新人映画監督たち。次にエイリアンに捕食される勇気がある監督が出れば、さらに製作は進みそうです。才能ある監督ならば、挑みたくなる宇宙レベルの巨大な異星人、それこそが「エイリアン」シリーズなのです。

そもそもエイリアン5がエイリアン2の続編と言われているのはエイリアン5の物語が「エイリアン」シリーズを時系列に追っていくと大体エイリアン2とエイリアン3の間になるからだそうです。なので前述したようにエイリアン2.5という書き方があっているのではないか、と言われています。

エイリアン5のコンセプトアートを見ると、エイリアン2に登場した少女が27歳になって登場しているそうです。ちなみにエイリアン3以降にはこの少女は登場しません。だからこそエイリアン2.5である憶測を強めることになったのです。

エイリアン5にはエイリアン2に登場した女の子のニュートが登場するそうです。とすればエイリアン2から大体20年は経過しているのでしょうか。強い母であるリプリーの元、生き延びたニュートは今後、一体どのように自分の人生を切り開いていくのでしょうか。

エイリアン5のコンセプトアートが公開されましたが、そこにはエイリアンと人間の頭部が合体している姿が描かれています。エイリアンの着ぐるみをしているみたいで、カッコよくも可愛い感じがします。実際に映画で作られたら、コスプレーヤー達もこぞってコスプレをなさるでしょう。

上記の公開された画像は、宇宙空間の中で、コロニーのように芝生が広がっている姿が描かれています。その中心にエレベーター的なオブジェも置かれています。密室空間ながらも自然な雰囲気と鉄骨的なニュアンスが感じられます。鉄骨の間から差し込む光が美しくも儚いです。

エイリアンの卵から幼虫が生まれる姿が描かれています。エイリアンの気持ち悪さと軟体動物的な気色悪さが感じられます。エイリアンというと昆虫的な感じがありますが、エイリアン5のコンセプトアートからはナメクジのようなニュアンスが感じられます。

私たちはエイリアン5の映画公開に期待しています。1979年から40年間に続いてきた大ヒット映画エイリアン。エイリアン2が最高傑作であるということは定説ですが、映画ファンや観客たちは実は自分たちの予想が覆されるのを待っています。これだけ時間がかかり、監督も気鋭の新人ですから面白い作品になるでしょう！