海街diaryのあらすじと豪華キャストまとめ!実写映画化作品として理想的?

カンヌ映画祭でスタンディングオベーションが起こる程に注目を集めた映画、それが海街diaryです。惜しくもカンヌ映画祭で受賞はなかったものの、日本アカデミー賞を始めとする多くの賞を受賞し注目を集めました。今回は映画海街diaryのあらすじやキャスト、原作となる漫画の紹介や漫画との相違点、実写化にあたって評価されたポイントなども含めて海街diaryを紹介していきます。

海街diaryのあらすじと豪華キャストまとめ!実写映画化作品として理想的?のイメージ

目次

  1. 海街diaryのあらすじと映画キャストまとめ!漫画実写化作品として高評価!
  2. 海街diaryとは?
  3. 海街diaryの映画版あらすじをネタバレ!
  4. 海街diaryの映画キャスト一覧
  5. 海街diaryの映画の評価は?
  6. 海街diaryは漫画の実写化!キャラを原作画像で紹介!
  7. 海街diaryの映画と漫画で違う点は?
  8. 海街diaryについてまとめ!

海街diaryのあらすじと映画キャストまとめ!漫画実写化作品として高評価!

漫画原作を持ちながら、数々の賞を受賞に高い評価を受けた映画海街diary。「家族を捨てた父が、のこしてくれた家族。」というキャッチフレーズで鎌倉を舞台にした4姉妹の物語が展開されます。姉妹それぞれの心情などの細かな表現と、日常的な風景が評価と共に高い人気を集めています。

海街diaryはオリジナル映画と思われがちですが、原作コミックがあるコミック実写化映画作品です。コミックも多数の賞を受賞するなど高い評価を集めた作品で、映画はコミックのあらすじや設定を元に映画の枠に収まるように再構築し実写化したものになっています。

原作コミックの高い評価に負けない程に実写化映画された本作も高い評価を受けています。今回は映画海街diaryのあらすじやメインキャストとその脇を固めるキャスト、漫画原作の実写化なので原作となった漫画との相違点などにも注目しながら海街diaryを紹介していきます。

映画『海街diary』公式サイト | 大ヒット上映中

海街diaryとは?

海街diaryは元々、漫画家吉田秋生さんが小学館発行の月刊フラワーズで2006年8月号から不定期連載しているコミックです。実写化される時点ではまだ完結していませんでしたが、2018年8月号で完結しました。鎌倉を舞台にした複雑な家庭環境の四姉妹の生活と主人公すずの成長を中心にしたほっこり系の物語で人気を集めました。

ストーリーはもちろん、その情景描写や人の深い深層心理まで描いており、漫画としても高い評価を集めており、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、マンガ大賞2013、小学館漫画賞一般向け部門を受賞しています。映画化以降も連載が続けられた原作では映画よりもさらに先が描かれており、およそ3年、すずが高校進学にするまでの物語が展開されています。

この原作コミックを元に最初の1年を実写化し映画となったのが今回紹介する映画海街diaryです。原作コミックを読んだ監督の是枝裕和さんがぜひ映画化したいと打診した事で映画化が実現しました。映画化されたのは2015年で、さらに2017年には舞台化もされています。映画としては日本アカデミー賞最優秀作品賞に選ばれた他、それぞれに出演したキャストも各賞を受賞しています。

メインキャラクターを演じた4人はそれぞれに日本アカデミー賞で賞を受賞している他、特に四女を務めた広瀬すずさんは映画が公開された2015年度に日本で発表される主要映画賞の新人賞を総なめにする程に高い評価を受けこの多数の新人賞受賞が女優としてのブレイクのきっかけとなりました。映画としてもキャストも高い評価を受けた実写化映画です。

海街diaryの映画版あらすじをネタバレ!

原作コミックから再構築したと言っても大筋は映画のあらすじもコミックに準拠します。それでも特に中盤以降には原作では小さなエピソードだったものが大きくピックアップされるなど、2時間の映画にする為の改変なども見られます。ここからは映画版海街diaryのあらすじをネタバレ有りで紹介していきます。

父の葬式に出た3姉妹

映画は15年前に家族を捨てて駆け落ちし家を出ていった父が闘病の末に死んでしまったという連絡を3姉妹が受ける所から始まります。姉妹の中で唯一父の事を明確に覚えており、確執を持っている看護婦の幸は夜勤を理由に欠席、妹の佳乃と千佳を山形に送り出します。

2人で山形を訪れた佳乃と千佳でしたが、翌日には来ないはずだった幸も山形を訪れました。幸を送ったのは交際中の小児科医の椎名です。椎名は既婚者で心の病を抱える妻との離婚に踏み切れないまま幸との交際を続けていました。

すずとの出会い

山形で佳乃と千佳を駅まで迎えにきたのが腹違いの妹、すずでした。すずは父が出ていくきっかけを作った不倫相手の子であり、その母を既に病気で亡くした後に出来た父の再々婚相手の義母の元で暮らしていました。境遇が境遇だけに親類の中でも肩身の狭い思いをしている事、そしてすずが亡き父の最後を看取った事を感じ取った幸は父とすずの思い出の場所に案内して欲しいと頼みます。

すずが案内した景色は3姉妹が暮らす鎌倉の風景と似た景色でした。そこで幸はすずを引き取る決意をします。幸がその思いをすずに伝えると、暗い顔をしたすずは即答で「行きます」と答えました。既に亡くなっている3姉妹の祖母に変わり3姉妹を見守る大叔母の史代などからは「あんたたちの妹だけど、父親があんたたちを棄てることになった女の子供なんだよ」「またあんた(幸)の婚期が遅れる」と心配されます。

三姉妹は四姉妹になり鎌倉へ

史代など周囲の心配をよそにすずと共に鎌倉に戻った三姉妹は新たに四姉妹としての生活を始めます。それぞれの問題に向きあいながら姉妹としての共同生活を始めた4人はそれぞれの視点で家族として向かいあっていきます。すずはサッカーチームに入り積極的に鎌倉に馴染もうとしました。

すずが鎌倉に馴染む様子やサッカーチームへの所属、チームメイトの風太との友情、すずの酒乱の発覚や、佳乃の配属替えなど細かな日常が描かれる中で出会った時はその境遇から暗い表情を見せる事が多かったすずにも徐々に笑顔が増え、四姉妹達は姉妹としての絆を強くしていきます。

都の来訪

平穏な生活を送っていた四姉妹の元に三人の姉の実母で現在は北海道で暮らす都が法事の為に家を訪れます。元々身勝手で子供っぽいとして都に反発していた幸。突然、家を処分すると言う都と大喧嘩する事になります。いずれは皆この家から巣立つと語る佳乃と、史代に叱責され、喧嘩したまま都は一度家を出ていきます。同時にすずは不倫の子として引け目に感じている事を自身も不倫の恋をしてしまっている幸に示唆してしまいます。

翌日、夜勤の為に日中家にいた幸の元に都が再び訪れてきます。喧嘩で渡しそびれたと言ってすずの分も含めてお土産を渡します。雨の降る中、都と共に祖母の墓参りに行った幸。そこで都は自身にとっては窮屈な場所でしかなかった家が姉妹にとっては大切な場所になっている事を思い知ったと謝罪しました。完全に許したわけではありませんでしたが幸は都に対し、家族の思い出である梅酒を渡し都は北海道に帰っていきました。

より強い絆で結ばれていく四姉妹

季節が流れ、より強い絆で結ばれていく四姉妹、すずは3人の姉の事をお姉ちゃんと呼ぶようになりました。すずはチームメイトともすっかり馴染み、花火大会に出かけるなど楽しい日々を過ごしていました。そんな中で、常連だった食堂海猫食堂のさち子の末期ガンの発覚や、幸の恋人である椎名の渡米からの破局、佳乃の新たな恋などそれぞれの問題も解決し終盤を迎えていきます。

日々を楽しんでいるように見える鈴も、「ここに居ていいんだろうか」「自身の存在が人を不幸にしている」という悩みも抱えていました。そんな思いを察したように幸は父の失踪後、たまに1人で訪れていた思い出の場所で山形ですずに案内された景色に良く似た場所に案内、「ここに居ていいんだよ」と伝え、四姉妹の鎌倉での生活がこれからも続いていく形で映画は終了しました。

大筋のあらすじだけを書いても分かるように海街diaryには特別大きな事件が起こったりするような事もなければいわゆるオチが付くような明確な終わりもなく、ストーリーが展開されるほっこりとした日常的な風景を描いている作品です。

海街diaryの映画キャスト一覧

海街diaryは作品自体も高い評価を受ける作品ですが、実写化されるにあたって選ばれたキャストは非常に豪華でそれぞれの演技力も高い評価を集めて、その年の映画関連各賞を多数受賞しました。監督や撮影スタッフも含めるとその受賞数は30を超える程です。ここからは映画に出演したキャストを紹介していきます。

長女・幸役は綾瀬はるか

四姉妹の長女、幸役のキャストは女優の綾瀬はるかさんです。元々はグラビアアイドルとして活動していましたが、女優としての活動が増えた頃から女優業がメインとなっています。バラエティへの出演経験も豊富で、非常に真面目な性格ながら天然なキャラクターで人気を集めています。その幅広い活躍で「恋人にしたい女性有名人ランキング」で5度も1位を獲得した事があります。

海街diaryでの演技により、第7回TAMA映画賞最優秀女優賞、第37回ヨコハマ映画祭主演女優賞、第28買い日刊スポーツ映画大賞、石原裕次郎賞主演女優賞、第39回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、第70買い毎日映画コンクール女優主演賞、第25回東京スポーツ映画大賞主演女優賞を獲得しています。さらにはその活躍から2015年度末には第66回NHK紅白歌合戦の紅組司会も務めるなどしました。

キャスティングされた際には原作の幸のイメージと違うなどという声もありましたが、しっかりとした演技で幸を演じ切ったと好評でした。現在もテレビドラマに映画にと多数の作品に出演し続けており、主演作品も多いです。吹き替え声優として「インクレディブル・ファミリー」のバイオレット役を担当するなどさらに活動の幅も広げている女優さんです。

次女・佳乃役は長澤まさみ

次女の佳乃役のキャストは女優の長澤まさみさんです。小学6年生の時に第5回東宝シンデレラオーディションでグランプリに選ばれて芸能界入りすると、「クロスファイア」にて映画デビュー、モデルとしての活動もしながら、女優として多数の作品に出演しています。主演作品も多く、2003年公開の映画「ロボコン」で主演を果たすと、「世界の中心で、愛をさけぶ」「タッチ」などの有名作にも出演しています。

海街diaryでの演技では、第28回日刊スポーツ映画大賞助演女優賞、第70回毎日映画コンクール女優助演賞、第25回東京スポーツ映画大賞助演女優賞、第39回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を獲得しているなど確かな演技力を持っています。また一般の感想の中にも、過度に目立つでもなくそれでいてしっかりとした存在感があったという感想も多いです。

海街diaryでもそうだったように主演をしても助演をしてもしっかり存在感のあるキャラクターを演じる事が出来、現在でも「嘘を愛する女」「50回目のファーストキス」などの映画、大河ドラマ「真田丸」「コンフィデンスマンJP」などのドラマに出演を続けている他、「NTTドコモdTV」「三ツ矢サイダー」CMにも多数起用、ラジオや声優にも出演するなど多数の実績を誇る女優さんです。

三女・千佳役は夏帆

三女の千佳役のキャストが女優、タレント、ファッションモデルなどワイドに活躍する夏帆さんです。女優としては2007年に出演した主演映画「天然コケッコー」で多数の新人賞を獲得し、注目を集めると以降多数の作品で主演を務めています。演じるキャラクターも非常に幅が広く、エスパー女子高生や霊能力を持った看護婦、不良少女などを演じ分けています。

海街diaryでの演技も評価され第39回日本アカデミー賞では長澤まさみさんと同じく優秀助演女優賞を受賞しました。以降も「友罪」「ビブリア古書堂の事件手帖」などの映画や「監獄のお姫さま」「グッド・バイ」などのドラマを中心に活躍している女優さんです。

すず役は広瀬すず

四女すず役を演じたキャストは女優の広瀬すずさんです。姉のアリスと共にモデルとして芸能界デビューを果たすと、女優としても活動を開始し、2013年公開の映画「謝罪の王様」でスクリーンデビューを果たしました。

海街diaryでの演技に合わせ同年公開のアニメ映画「バケモノの子」での声優デビューも受けて、2015年だけで第39回日本アカデミー賞新人俳優賞を始めとした10もの新人賞を受賞しました。その活躍で多数のCMに出演している他、翌年2016年に公開された映画「ちはやふる」では単独主演を果たしました。

以降も映画やテレビドラマ、CMへの多数の出演を続けており、また2019年度前期に放送が予定される連続テレビ小説の記念すべき100作目である「なつぞら」にもヒロインとして出演する事が発表されています。ちなみに広瀬すずさんは撮影当時、より自然な雰囲気を出す為に、敢えて台本を読まずに撮影に臨んだそうです。

都役は大竹しのぶ

三人の姉の実母であり、映画のあらすじの中で大きくピックアップされた都を演じたキャストが女優の大竹しのぶさんです。明石家さんまさんと結婚していた事でも有名です。1973年に芸能界デビューして以来仕事が途切れた事がないと言われる程に実に多数の作品に出演しており、「女の深い闇を演じさせれば天下一品」と言われる程に高い演技力を誇る女優さんです。

身勝手で子供っぽいと言われる都という役を演じきり、個人で賞などを受賞する事はなかったものの、その高い演技力を見せつけました。

さち子役は風吹ジュン

映画のあらすじの中で都と共に大きくピックアップされた海猫食堂の店主さち子を演じたキャストは女優の風吹ジュンさんです。1975年に女優としてデビューすると、多数のテレビドラマ、映画、CMに出演して活躍しています。有名作品への出演も多く、2018年現在放送中の連続テレビ小説「半分、青い。」では演者としての出演と同時にナレーションを務めるなどもしています。

原作では幸のエピソードでの登場でしたが、映画では序盤から登場し、すずが所属する湘南オクトパスに料理を振る舞ったりする傍らで、佳乃が信用金庫の外回りになった事を知って、対応に奔走するなどのエピソードも追加されました。

風太役は前田旺志郎

原作ではお互いを意識し、すずと自然発生的に恋愛関係にもなった風太。映画ではあくまでも友情として描かれるなどあらすじとしては少し活躍が減ってしまった風太ですがそんな風太のキャストは前田旺史郎さんです。子役として芸能界デビューを果たすと、実兄の前田航基と組んだお笑いコンビ「まえだまえだ」のボケ担当として有名になりました。

元々俳優としてデビューした事もあり、現在でも俳優として多数の映画、ドラマに出演しています。2018年現在19歳という事もあり、既に子役として出演する機会は少なくなっていますが、幼少期を演じる場合などはある他、兄航基と一緒に主演を務めるような事もあるなど、個人としてもコンビとしても活躍しています。

史代役は樹木希林

あらすじの中で都がピックアップされた事でそのあらすじに引っ張られる形で出番を増やした三姉妹の大叔母史代。その史代役のキャストは女優の樹木希林さんです。1961年に女優としての活動を開始して以来、ドラマに映画に多数出演し、活躍しています。

2013年に全身ガンである事を告白しましたが2014年にはがん治療を終了した事を発表し、海街diaryに出演しました。同年に出演した映画「あん」「駆け込み女と駆け出し男」と合わせて第7回TAMA映画賞最優秀女優賞を受賞しており、海街diaryでの演技も高く評価されています。

海街diaryの映画の評価は?

海街diaryは惜しくも賞の受賞はなかったもののカンヌ映画祭で公開上映された程に高い評価を集めた作品で、カンヌ映画祭のオープニング週末2日間の間に観客動員数18万人、興行収入2億円を記録し、観客動員数では2位にランクインする程に注目を集めた作品です。

同時に「第7回TAMA映画賞」「第39回日本アカデミー賞」「第37回ヨコハマ映画祭作品賞」などなど多数の賞を受賞し、出演したキャストも多数の賞を受賞しています。同時にその技術力の高さもあって、監督や撮影スタッフなども賞を受賞しています。このように各賞で高評価を集めた海街diaryですが、一般的な評価も非常に高い作品です。ここからは映画海街diaryの評価の代表的な物を紹介していきます。

映画用にちょうどよく直されたストーリー!

原作コミックを持つ海街diaryですが、コミックをそのまま実写化するわけにはいきません。映画公開当時まだ原作コミックは完結していませんでしたし、その物語も2時間の映画にするにはあまりにも長いものでした。当然そうなると映画にするにあたってストーリーをあらすじから直す必要が出てきますが、そのストーリーを1つの映画とした時に良い雰囲気に出来ているという評価が多いです。

原作コミックでは主人公すずを中心としながら四姉妹それぞれの問題などをより明確に描いていましたが、映画では長女幸を主人公に据える事で妹三人の細かなエピソードを省略、幸を中心としながらもあくまでも四姉妹の物語としたあらすじに仕上げられました。原作ファンからも改変こそあるものの、1つの映画として良くまとまっているという評価が多いです。

原作と少し違うけど許容範囲

コミック作品などを実写化するにあたって、原作を知っているファンからはどうしても原作と比較されます。多くのコミック原作の実写化映画がファンに受けないのは映画にするにあたっての変更点があまりにも大きすぎる為です。海街diaryも確かに変更は行われていますが、主要な物語や展開などにはあまり変更がなく許容できる範囲だったという評価が多いです。

1つのエピソードだった実母都の来訪が大きくあらすじの1つとして展開、海猫食堂のさち子のエピソードによりキャラクターを絡めるなど、大きめの変更点も多いですが、それらもより物語として入り込めたと好評を集めています。

鎌倉の情景だけでも楽しめる

原作のコミックが評価される1つのポイントとして舞台となる鎌倉の情景描写がありました。作中には鎌倉の観光名所なども多数登場し、細かく描かれたそれらの名所が評価されるポイントだったのです。

実写化にあたってもこのポイントは非常に大切にされており、原作コミックで見るのとはまた違った実写化ならではの鎌倉の風景は非常に好評を集めました。季節の流れを感じさせるようなシーンも多いので四季折々の鎌倉の風景が映し出され、それが海街diaryの高い評価にも繋がっています。

同時に何気なく描かれる景色であったり、海猫食堂などにも実際にある店舗をモデルとするなど、鎌倉という街を限りなく高い再現度で描かれていました。その再現度の高さからロケ地なども比較的分かりやすい為、ファンが訪れる機会も多くなっています。

あらすじに起伏がない

もちろん、高い評価を受けた海街diaryにもマイナスの評価はあります。そのマイナス評価で最も多いのが映画のあらすじの起伏のなさです。これは原作コミックでもそうだったかと言うとそうではなく、1つの映画としてまとめる為にそぎ落としてしまった部分であるとも言えます。

どうしても佳乃や千佳などの姉妹を含めて深い人間関係などが描かれず、日常的な描写をメインとしたのであらすじの起伏の無さに拍車がかかってしまっているという評価も多くなっています。特にすずの不倫によって生まれた子という苦悩についてはもう少し深く書いても良かったのではないかと言われています。

海街diaryは漫画の実写化!キャラを原作画像で紹介!

原作コミックと比較していくと原作のキャラクターが気になるという人も多いのではないでしょうか?それぞれのキャラクター性などにも違いがある場合もあります。実写化映画では四姉妹は美人姉妹でしたが、コミックではどうだったのかを紹介していきます。

キリッとした顔の幸

綾瀬はるかさんが演じた幸は原作だとショートカットでキリッとした顔が特徴的でした。、椎名との不倫関係も描かれています。映画では細かく年齢などは描かれていませんが、コミックでは物語開始時点で29歳という設定でした。

映画と同様に実母都とは犬猿の仲ですがその関係はさらに険悪で、映画では母に対して反発しているとだけでしたが、原作コミックでは大叔母に自分達を預け、自身も男の所に逃げたとして父だけでなく母の事も憎んでいるような描写が多くなっています。

実は酒乱という点では佳乃と共通点がありますが、基本的にはお酒に強い佳乃に対してお酒に弱く、それを自覚しているのに飲みたがるという少し抜けた部分もあります。また映画にもあった何か上手くいかない事があると大量の買い物をしてストレスを発散するというのは原作にも描かれています。

ガテン系好きの佳乃

映画では若い男が好きな設定だった佳乃ですが、原作コミックではどちらかというとガテン系の男が好みでした。物語開始時点では22歳で理由の違いなどはあれど、窓口担当から外回りへの配置換えなども行われています。酒癖は原作でも同様ですが、映画ではあくまでも上司と部下の関係だった外回りで一緒になった坂下と付き合うなどしています。

映画でも少し描かれていた長女、幸との口喧嘩ですが、原作コミックではさらに激しい口論が行われる事もありました。一方で苦手なカマドウマが現れれば姉を頼りにするなど心の底では姉の事を信頼している描写も多いです。

衝撃ヘアーの千佳

映画では姉妹の中でも一番落ち着いている形だった千佳ですが、原作コミックでは破天荒な行動力で一番掴みどころのない性格をしていました。物語開始時点では19歳で、映画版ほど熱心にではないですが、すずが所属するサッカークラブ、湘南オクトパスのメンバーとも面識があります。

物語冒頭こそ、映画版と同じくお団子ヘアーでしたが、恋人である自身が務めるスポーツショップの店長、浜田とおそろいにする為にアフロにするなどにその破天荒さが現れています。姉妹の中で一番すずと仲が良いのも千佳になっています。反対に映画では演じる夏帆さんの問題なのかメガネをかけるシーンがありましたが、原作では視力が悪いなどと言う描写は特にないです。

また映画以降のエピソードとして付き合っている浜田の子供を妊娠しながらそれを隠そうとするようなシーンも見られました。

一番省略されてしまったすず

どうしても変更点がある実写化ですが、海街diaryの四姉妹において一番変更されたポイントが多いのが主人公のすずです。物語開始時点では13歳で、鎌倉に来るエピソードなどは同じですが、漫画ではチームメイトの裕也や風太との恋の描写も目立つのに対して、実写化された映画では裕也は登場せず、風太ともあくまでも友情関係として描かれています。

原作ではその後、中学卒業時に、静岡にあるサッカーの強豪校からのスポーツ特待生としての打診を受けるなどサッカーの腕前もかなり高い様子が描かれています。

海街diaryの映画と漫画で違う点は?

四姉妹以外にも海街diaryの映画と漫画では大筋の違いはないとはいえ2時間強の1つの映画という媒体に変わる以上原作漫画とはやはり違う点もあります。ここからはその違いの代表的な物をいくつか紹介していきます。

主人公的な立ち位置の違い

原作漫画の主人公は間違いなく四女のすずです。基本的には彼女の視点で物語が展開されるのですずの恋愛模様などのエピソードも多くなっていました。同時に佳乃や千佳にまつわるエピソードも多く、そのエピソードの中で関連するキャラクターが描かれていたりもしました。しかし映画版の主人公はどちらかというと長女の幸になっています。

上記でも紹介したすずの恋愛エピソードなどの省略に加えて、母との確執エピソードがピックアップされる事もあって腹違いの妹であるすずを支える幸という構図が強くなっているのです。加えてより幸のイメージを強くする為もあって、佳乃と千佳のエピソードも少し控え目になっています。

その事によって起伏が少ないというマイナス評価も生んでいますが、映画としてのまとまりは確かになったのではないでしょうか。語られてはいないものの、それぞれのキャラクターのキャラクター性などは掴んでいるので原作を読みこんだファンでもなければその違いなどは掴みにくくなっています。

四姉妹以外のキャラクターの違い

メインキャラクターである四姉妹に変更が行われれば当然その周りにも変更が行われます。その中でも一番大きいのが海猫食堂の店主、さち子に関してのエピソードでしょう。登場も原作に比べて圧倒的に早く、より深く関係を築いていた事を表しています。原作ではあくまでも看護婦である幸をメインとしたエピソードでしたが、映画では銀行員である佳乃も大きく絡んでいました。

他にも映画のあらすじを作る段階でエピソードが多数カットされてしまっただけに、この登場人物必要なの?と思われるようなキャラクターも多くなってしまっています。反対にエピソードにしないならこのシーンいらなかったよね?というような原作ファンの意見もあるようです。

海街diaryについてまとめ!

こうしてピックアップすると原作漫画と実写化映画では大きく違いがあるようにも感じます。しかし忘れてはならないのは、海街diaryは原作漫画も実写化映画も高い評価を集めた作品であるという事です。違いはあれどその本筋は変わらず、四姉妹の絆を中心に描いているからこそ高い評価を集める事になったと言えます。

映画の評価をコミックに負けず劣らずの高い評価にするべく支えたのが出演した豪華なキャスト陣でしょう。元々の原作コミックがしっかりと評価されている作品だけに、高い演技力を持つキャストを選んだからこそ、海街diaryの高い評価に繋がったと言えます。

映画海街diaryは他のコミック原作実写化映画と違い、映画の中でそれぞれの関係などをしっかり表現している為、原作コミックを知らなくても楽しむ事ができる作品です。動画配信サービスなどを利用すれば今からでも視聴ができる名作なのでぜひ一度視聴する事をおすすめします。

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