けだものたちの時間のネタバレあらすじ！予測不能なバイオレンス恋愛漫画

漫画「けだものたちの時間～狂依存症候群～」は、とある人気モデル・愛理がストーカーに監禁されたところから始まるサスペンス作品です。始めはストーカーの今井を拒絶していた愛理は、あるきっかけから少しずつ共依存症候群の関係に変化していきます。暴力的な描写や愛理の監禁生活は、かなり衝撃的で扱うテーマも重い作品です。後の展開では今井が犬になるという噂もあり、あらすじネタバレの詳細に要注目です。

「けだものたちの時間～狂依存症候群～」を描いているのは、漫画家のbig brother（ビッグブラザー）先生です。ぶんか社の「comic RiSky」でけだものたちの時間～狂依存症候群～を連載しているほか、同社の「comic meltyKILL」で「やばい兄妹」の連載も開始されました。作者曰くほのぼのと書かれていますが、近親相姦を題材としたアブノーマルな漫画作品です。

平川愛理は、女性雑誌でモデルをしている女の子です。ある日、ゴミ屋敷の中で目を覚ました愛理は見知らぬ男に求婚されていました。今井と名乗る男は、愛理がよく行くコンビニの店員だと気がつきます。今井は愛理のストーカーで、彼女の行動をすべて把握していました。愛理の監禁生活が始まり、今井は彼女に対して性的暴行を働きます。腕力で勝てないと判断した愛理は、自分の身を差し出してでも人生を取り戻そうと決意します。

従順になった愛理に対し、今井はシャワーを浴びたりお洒落をすることを許可します。けれど、情緒不安定な今井は時折愛理に暴力を振るいました。1巻の大きなネタバレで、今井も愛理と同じように親から性的暴力を受けていたことが判明します。同じ傷を持つ今井に対して、愛理は少しずつ惹かれていくようになりました。気持ち悪がっていた今井のことを「ひろくん」と呼び、今井も部屋を片付け始めるなどの変化が見えていきます。

共依存症候群の状態になった愛理は、今井に「愛理は自分を好きにならない」と言わます。恋人でもない関係性だと思い出した愛理は、彼と夜のコンビニに出かけます。長い監禁生活の中で、初めて訪れた逃げ出すチャンスです。けれど、愛理は今井と一緒にいることを選びました。それでも、愛理に対して今井は心を開こうとはしません。しかし、愛理の説得の末に今井は「覚悟を決めた」と言いました。愛理と共にいる道を選んだのです。

喜ぶ愛理は、その晩監禁している箱の鍵が開いていることに気がつきます。2巻の重大なネタバレで、箱の外に出て今井の姿を探す途中で、愛理は切断された人間のパーツが大量に隠されているのを発見しました。彼はこれまでにも多くの女性を監禁し、最後は殺していたのです。手足を切り落とそうとする今井から逃れ、絶体絶命の状況で愛理は決断を迫られます。それから3年後、日常に戻った愛理の部屋には、四肢を失った今井の姿がありました。

愛理は過去に交際をしていた、モデルの優斗と結婚しました。犬のモモと共に幸せな生活を送る愛理の家には、もう一匹犬がいます。それは、四肢を切断され完全に犬のようになった今井でした。監禁生活のトラウマで悪夢にうなされることもある愛理を、優斗は懸命に支えようとします。監禁生活から逃げ出した愛理は、事件のことは誰にも伝えていませんでした。詳細が知られてしまえば、モデルを続けられないと考えたためです。

けれど、今井を隠して生活を続けるのには精神的にも限界でした。優斗が今井の存在を知ったのは偶然で、すべてがバレた愛理は今井と共に自殺を図ろうとします。その姿を見た優斗は、咄嗟に彼女にプロポーズをしていました。監禁生活の中で愛理が酷いことをされたのは、尋ねるまでもない状態です。それでも、愛理は熱心に今井の世話を焼いています。愛理のことを助けたい今井は、彼女を洗脳から解くことを決意しました。

普段は笑顔の愛理は、実家の話になると表情を失います。その理由を愛理は打ち明けることができません。今井の過去の話を聞いた勇人は、近親相姦に対して嫌悪を口にしました。それを聞いた愛理は、ひどく傷つきます。優斗の実家を訪ねた愛理は、仲の良い賑やかな家庭を冷めた目で見てしまいます。家族想いな過去の話を聞く一方で、自身の家族について尋ねられた愛理は、彼は違う世界の住人なんだと改めて実感しました。

4巻の大きなネタバレで、愛理は父親から性的虐待を受けていました。けれど、何不自由なく愛されて育ったと思われるよう、振る舞っていました。見て見ぬふりをした母親も同罪です。その過去を知らない優斗は、愛理と両親の仲をどうにか取り持とうとします。けれど、二人の間の溝は深まるばかりでした。愛理の気持ちがわからず優斗も疲弊してきた頃、今井が唐突に言葉を発します。犬のままだった今井が自我を取り戻したのです。

これまで犬として生活していた今井は、演技の場合もありつつ普段は「犬」に任せて自分は眠っていると話します。この日から、犬だった今井の人間としての人格が顔を出すようになりました。愛理は犬ではなくなった今井の部屋に入り浸るようになります。愛理を理解できるのは自分だけだという今井に、愛理は再び洗脳されていきます。言葉を話せるようになった今井は、二人きりのタイミングで勇人を煽る言葉を口にしました。

痛みで嫌な思い出が消えるという今井を、愛理はあらゆる方法で痛めつけます。その様子を見ていた勇人は、母親に弱音を吐きました。ある時、愛理の父親が死亡したと連絡が入ります。葬儀のために実家に戻った愛理が、父親の死を悲しまないことに勇人は不信感を抱きます。一人だけホテルに泊まるという愛理とは別に、勇人は愛理の実家に泊まります。5巻の大きなネタバレで、優斗は彼女の部屋で性的虐待の痕跡を見つけました。

葬儀に参列した愛理は、何かの糸が切れたように父親の遺体を何度も平手打ちします。親戚の前で母親を責める愛理の姿に、性的虐待は事実なのだと勇人は確信しました。今井に電話をした愛理は、彼の支離滅裂な言動に疑問を抱きます。迎えてに来てくれた優斗に、愛理は過去の出来事を打ち明けました。家族は絶対の存在だと信じている今井は、愛理の話を聞いてもまだ彼女の置かれていた環境を信じ切れずにいました。

話すべきじゃなかったと後悔する愛理は、優斗と実家に戻ります。けれど、母親が娘を心配しているわけではないと気がついた勇人は、彼らの言動を非難しました。6巻の大きなネタバレで、このままでは証拠を処分されると考えた二人は、実家に侵入して証拠を入手しようと試みます。侵入に気づいた母親は、なりふり構わず愛理を止めようとします。母親を言い負かした愛理は、優斗と共に家路につきます。二人はやり直す決意をしました。

重いテーマを扱っているけだものたちの時間は、どのような見どころがあるのかも気になるはずです。ストーカーによる監禁漫画かと思いきや、けだものたちの時間は愛理の親の異常性や、普通の家庭で育った優斗との根本的な違いも見どころです。不幸すぎる愛理の生い立ちだけでなく、さらなる試練を与えるかのような展開は、ネタバレを知った上でも先が気になる漫画です。過激描写に耐性が無い人は注意が必要です。

愛理と今井の共依存の関係性も、けだものたちの時間の大きな見どころのひとつです。始めは加害者と被害者の関係性だった二人が、互いの傷を知り共依存症候群へと変化していきます。優斗という支えてくれる存在が登場したことで、今井を犬にしてまで飼い続ける理由は無くなるはずです。しかし、同じ傷を持つ者同士にしかわからない絆のようなものがあり、多くの読者は優斗と同じ思考を抱くのかもしれません。

けだものたちの時間は、現在も連載が続いている漫画です。そのため、けだものたちの時間の結末については現時点では予想をするしかありません。優斗の結婚生活を始めたばかりの愛理は、彼に真実を打ち明けることができずにいました。それゆえに、彼に理解されない苦しさを抱えたまま、犬の今井に対して依存した状態を抜け出せずにいたのです。けれど、父親の葬儀での出来事を経て、愛理と優斗の間には確かな信頼関係が芽生え始めていました。

今井の中には、犬と人間の今井の人格が住んでいることがわかります。その人間の人格にも二種類あり、愛理に対して共依存症候群の状態を続けさせようとする悪い部分と、彼女を救おうとする人格がありました。犬と人間の二重人格ということにしか気がついていない愛理は、まだその狂気を知りません。歪な同居生活を続けられるはずもなく、最終的には今井は死ぬか、逮捕の可能性が高そうです。逮捕については、愛理と優斗も同様です。

けだものたちの時間の主人公である愛理は、モデルをやっている22歳の女性です。よく通うコンビニの店員・今井に目をつけられたことから、望まぬ監禁生活を送ることになりました。彼女は過去に父親から性的暴行を受けていたことがあり、それを知られないよう振る舞っていました。けれど、今井にも同じ傷があったことで、少しずつ彼に惹かれていくようになります。虐待生活から逃れるため、勉強やモデル業を必死に頑張っていました。

暗くて不気味な雰囲気の、コンビニ店員です。愛理に目をつけて計画的に監禁をし、結婚することを強要しました。ゴミ屋敷は母親の遺したもので、彼自身も母親から性的虐待を受けていました。歪んだ愛情をぶつけていましたが、彼女にも過去に虐待の経験があると知ってから、少しずつ心を開くようになります。四肢を失い犬となってからは、知能が無いようにも見えていましたが、人間としての人格も失っていませんでした。

愛理の母親は、彼女自身もまた夫から暴力を受けていたことがわかっています。愛理と夫の関係には気がついており、自身の母親にそのことを打ち明けていました。あくまでも自分は被害者であり、愛理が夫から性的暴行を受けるのも仕方が無いという思考回路です。

愛理がモデルの仕事をしている際に知り合った、27歳の男性です。愛理とは正反対の幸せな家庭で育った男性で、家族に対して絶対的な信頼を持っています。愛理が犬だと偽って今井を飼っていることを知った時、一度は逃げ出してしまいました。けれど、このままでは自殺を図るという愛理にプロポーズをし、献身的に彼女を支えています。親からの性的虐待を信じられずにいたものの、愛理を理解しようと努力を続けます。

けだものたちの時間～狂依存症候群～の登場人物たちは、それぞれに深い闇を抱えています。だからこそ幸せになってほしいという感想もありますが、キャラクターたちが幸せになれる道筋が無いことに、胸を痛める感想もありました。被害者である愛理も、彼女を支えようとする優斗も結果的に犯罪を犯しています。罪はしっかり償うべきという感想もあり、そこから改めて幸せになってほしいと考える読者もいるようです。

けだものたちの時間～狂依存症候群～は、キャラクターのバックグラウンドによって大きく価値観が違うことがわかる漫画です。一般的には正しいとされている価値観でも、愛理の家庭環境ではまるで異なることがわかります。それを理解できずに動く優斗に、幻滅する感想も見られました。親は当たり前のように子どもを愛しているという感覚は、幸せに育ったからこそ芽生えるものだと実感できる作品です。

けだものたちの時間～狂依存症候群～の中でも、今井は突出して狂ったキャラクターです。けれど、その独特の雰囲気に惹かれているという感想もありました。最終的には犬となってしまった彼の姿を見ても、その姿に嫌悪以外のものを感じる人もいるようです。コミカルな表現をされている部分もあり、妙な可愛さを感じたという感想もありました。

けだものたちの時間～狂依存症候群～は、一般的ではない趣味趣向を持つ人にとって気になる作品でもあるようです。けだものたちの時間は、猟奇的な内容も含まれる漫画です。それを知ったからこそ、漫画を手に取ってみようと考える人も一定数いるのかもしれません。

けだものたちの時間～狂依存症候群～は、間違いなく読む人を選ぶ内容の漫画です。けれど、やり方や思考が歪んでいるだけであり、純愛だと評価する感想もありました。自分に置き替えたら拒絶する人の方が多そうですが、普通ではない純愛の形に惹かれる人も少なくないのかもしれません。

「けだものたちの時間～狂依存症候群～」のあらすじネタバレや、結末の考察、読者の感想などをまとめて紹介しました。かなり狂気的な内容の重い漫画であることは間違いなく、あらすじネタバレや感想を見た上で興味を持った人もいるかもしれません。過激な描写が苦手な人には勧めにくい漫画でありつつ、重いテーマのサスペンス漫画を読みたいという人には挑戦してみてほしいタイトルです。