ナラタージュのあらすじ・結末をネタバレ解説!切ないラストの内容とは?

2005年に出版された島本理生の初めての書き下ろし小説、「ナラタージュ」は、2017年10月に松本潤、有村架純のW主演で映画化されました。思うようにはならない、恩師と生徒だった関係のふたりの、切ない恋の行方と結末は話題になりました。ここでは、原作のあらすじとの違いはどうなのかもネタバレをしながら、映画ナラタージュのあらすじを中心に結末をネタバレしていきます。

ナラタージュのあらすじ・結末をネタバレ解説!切ないラストの内容とは?のイメージ

目次

  1. ナラタージュのあらすじ・結末をネタバレ!切ないラストも紹介!
  2. ナラタージュのあらすじをネタバレ!
  3. ナラタージュの結末をネタバレ!
  4. ナラタージュのキャストを紹介!
  5. ナラタージュを見た人のネタバレ感想を紹介!
  6. ナラタージュの映画と原作の違いとは?
  7. ナラタージュのあらすじ・結末ネタバレまとめ!

ナラタージュのあらすじ・結末をネタバレ!切ないラストも紹介!

映画ナラタージュは松本潤を先生役に、教え子で大学生の役柄を有村架純が演じ、濃厚なベッドシーンがあることでも話題になりました。一見「許されない恋」というと教師と生徒、または不倫やがテーマのようですが、強くつながりを求めながらもお互いの気持ちがなかなか通じあわず、すれ違い続ける切ないストーリーを行定勲監督が描いています。ここからラストまで、詳しくあらすじと結末をネタバレしていきます。

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ナラタージュのあらすじをネタバレ!

ナラタージュ冒頭のあらすじ

ナラタージュのあらすじを解説していきます。冒頭は現在のシーンからはじまります。工藤泉は、学生のころから好きだった映画を仕事とし、映画業界で働いています。残業中のある日、泉は電話で高校時代からの親友の、志緒と話していました。同じく高校時代の部活仲間の黒川と結婚していて、2人には子どもが生まれました。電話を切って、気付くと大雨になっていました。

同僚の宮沢が外出から戻ってきたので、泉はタオルを差し出します。雨の外を眺めながら、とりだした動かない懐中時計をみつめる泉。それは彼女にとって忘れられない、いつでも心の底にある大切な思い出のこもったものでした。宮沢は、骨董品屋をしていた祖父の影響でその懐中時計に興味を持ち、価値のあるものだと言います。そして、雨の日はよくその時計をみている、と指摘します。

大学時代のネタバレあらすじ1

大切な時計をきっかけにして、ラストまで大学時代の回想でナラタージュのストーリーが進んでいきます。泉に一本の電話がかかってきます。相手は高校時代の恩師で、所属していた高校の演劇部の顧問、葉山先生でした。今の演劇部の卒業公演の手伝いをしてほしいといわれた泉は、かつての仲間たちとともに参加することに決めます。しかし同時に、卒業後は封印してきた葉山への思いも再び沸き起こってくることになるのでした。

泉は、演劇部の稽古に参加するため久しぶりに母校に向かいます。集まったのは葉山先生と、現役の演劇部の後輩たち。そして親友の志緒、演劇部仲間の黒川と、さらに黒川は大学の友人である演劇経験者の小野を連れてきていていました。小野とは、黒川以外は初対面でした。

高校時代のネタバレあらすじ

高校時代、親友がいなくなってから居場所がなかった泉は、いじめに合っていました。もっとも、最初はこれはいじめではないと泉は思い込んでいたのですが、あるときはっきりと気がつきます。その時に支えになっていたのはほかでもない葉山先生だったのです。ある日、泉が酷い目に合っているのを目撃した体育教師が、かばうどころか泉を怒っていたときも、駆け付けてその先生を責めてくれました。

泉がつらい時にそばに寄り添ってくれたのは葉山先生でした。演劇部への入部も葉山先生に誘われたからでした。初めは馴染めない学校生活について、そしてそのうちに、個人的に話をするために先生のいる社会科準備室に通うようになり、そのうち仲は深まって行き、泉の恋心は確かなものになります。しかし打ち明けることはありませんでした。

葉山先生には妻がいたのです。しかし、自分の母親である姑と折り合いが悪く、精神的に病んでしまいました。そしてある事件を起こしたことをきっかけに別れ、葉山は富山へやってきていました。妻への思いは残っているものの、葉山自身も泉に救われ、惹かれていたのです。

卒業式の日、せめて思いを伝えたいと思い、手紙を持って泉は会いに行きます。しかしそれを、伝えることはできずに別れました。はっきりした言葉はなく、交わされたキスだけを、誰にも言えない思い出として心に残して、何年かを過ごすことになります。原作よりは多く描かれていませんが、ここまでが高校時代を回想するシーンのあらすじです。

大学時代のネタバレあらすじ2

再び大学時代の回想に戻ります。ある日、演劇部の手伝いに参加していた小野に誘われ、一緒にお芝居を観劇に行きます。帰りに一緒に食事をして、何気なく泉は「付き合ってる人はいないの?」と聞きます。小野は、いない、と真剣に答えました。そして、自分の家に誘います。

小野は靴職人を目指していて、自宅で制作している泉のための靴をみせ、履かせたいと思っていたのです。募る思いから、泉を思わず抱きしめる小野の気持ちは伝わりますが、葉山先生を思う気持ちが強い泉は受け入れられずに断り、雨の中を濡れながら帰宅しました。

泉は風邪をひいて演劇部の稽古を欠席しました。そのお見舞いに、なんと葉山がやってくるのです。その気はないはずなのに、泉の看病を献身的にする葉山に対して戸惑いを隠せず、どうしてこんなことをするのかと責めます。葉山は、高校を卒業し、離れていれば泉の気持ちは自然と変化していくと思っていたと言います。しかし、泉はずっと、また連絡が来ることを待っていたのです。

再会して以来、ますます思いを募らせる泉は、演劇部の稽古中も自然と葉山への視線が熱くなってしまいます。逆に泉を見つめている小野は、その葉山への視線にとうとう気づいてしまいます。小野は直接、泉にそのことを指摘します。しかし泉は、どうせ叶わない恋であることを小野に伝えました。

ある日、映画を観ている間に、葉山から着信がありました。かけなおすとかなり酒を飲んでいる様子で、何か胸騒ぎがした泉は、運転ができないという葉山を迎えに駆けつけます。なぜそれほど酔っているのかと思っていると、葉山が元妻の父親、つまり義父と会っていたことを聞かされました。これまでは連絡すら取れなかったのだが、事件を起こした元妻の執行猶予期間がもうすぐ終わり、精神的にも安定してきたということでした。

そして、妻の両親から、「東京に戻ってこないか」と言われたというのです。妻を捨て去ることもできず、思いを残したまま、同時に泉にも助けられている葉山は、「自分だけがずっと留まっている」と珍しく弱音を吐くのでした。そんな葉山をみて、泉は「何か出来ることはありますか」と言います。そして葉山の自宅へと一緒に向かいました。

葉山の家の風呂場で、泉は頼まれて髪を切ります。髪を切り終わると、ずっと気になっていたことを泉は聞きます。葉山の自宅には奥さんとの写真がたくさん置いてありました。葉山の心の中に、それまで思っていた以上に、妻への気持ちがあるのだと泉はそこで思い知らされます。先生は奥さんと別れたと言っていたはずだと、葉山に指摘します。

てっきり離婚が成立していたと思っていた泉ですが、実は籍を抜いていたわけではなかったのです。この話を聞くのは初めてのことでした。「何度も話そうと思った」という葉山に、泉はシャワーをかけます。お互いにシャワーでびしょぬれになり、葉山の家で2人で一晩を明かすことになりますが、別々に過ごします。

大学時代のネタバレあらすじ3結末へ

その後の2人は稽古で会っても、距離は開いたまま文化祭の日を迎え、演劇部の公演は無事に終了しますが、これで泉は葉山先生と会う口実もなくなる事になってしまいます。また、泉に思いを寄せる小野も同じように、これで泉と会うきっかけがなくなります。葉山先生との関係に変化があったことに気付きながら、小野は自分の実家に一緒に行かないかと泉を誘います。

小野は泉をバイクに乗せ、二人で京都の実家へ向かいました。小野の家族は暖かく泉を迎え入れてくれ、葉山先生への不毛な思いを断ち切ることができるかもしれないと、泉は小野の気持ちを受け入れることにしました。泉は京都から一人で富山に戻る日、長距離バスのバス停で、小野にそれを伝えました。バスの車内、これで最後と、葉山先生への気持ちを思いだし、それを区切りにすると決めた泉でした。

小野との交際がスタートし、求められるままに身体の関係を持った日、泉は小野から贈られた靴を履きます。手作りの靴は、恋人関係の象徴のようでした。小野はそれまで泉のことを「工藤さん」と呼んでいましたが、「泉」と下の名前で呼び始め、泉にも自分のことをそう呼んでほしい、もっと距離を縮めたいと思ってるのですが、相変わらず名字で呼んでくる泉に、不満を抱き始めます。

泉が葉山のことを好きだったことは知っています。だからこそ、愛されている実感が欲しかったのです。そんなある日の深夜、小野と一緒に過ごしていた泉の元に一本の電話がかかってきます。それは葉山先生からの着信でした。隣で寝ている小野を起こさぬよう、そっとベッドを抜け出して電話に出ると、なぜ高校の時に泉は自分に心を開いてくれたのか、という問いかけをされました。

演劇部の後輩である柚子の様子がおかしかったことを泉は思いだし、何かあったことを感じました。演劇部に通っている時は、泉もその事を気にかけて声をかけていたのです。しかし詳しい話はあまりできないまま、泉は小野と付き合っていることを葉山に伝えました。葉山は、それならばもう電話はしないと泉にいい、電話を切りました。

翌朝、特に小野に言う必要もないと、電話があったことを伝えませんでしたが、小野は深夜にベッドを抜け出したことを気づいていて、なぜなのか、着信履歴を見せろと泉に詰め寄ります。電話の相手が葉山だと知られ、「小野くんとつきあっていると話した」と言っても、小野は泉への疑念を晴らせません。まだ葉山のことが好きなのではないか、電話があって動揺したのではないかと、しつこく泉を責め、口論になります。

本当は泉も小野を愛しく思い始めていたにもかかわらず、泉の心の中に確実に残っていた葉山の影に、小野はいつでも悩まされ、少しずつ小野と泉はすれ違いだしていました。それでも、付き合いだして3カ月が経ちました。何度身体を重ねても、小野と泉の距離は縮まらず、小野が直情的になり、酷いふるまいをすることも増えていきました。

そんなある日の夜の帰り道、スーツケースを引いた誰かがあとをつけてきていることに、気がつきました。助けて欲しくて小野へ電話をしますが、こういうときだけ頼ってくるのはやめろ、今迎えに行ったら俺を本当に好きになってくれるのか、と突き放します。そして会話の中で「あんなものをとっておくのはやめろ」と責めた口調で言ったところで、運が悪く泉の携帯の充電が切れてしまいます。

まだ処分できずにずっと手帳に挟んでいた、葉山先生へ渡しそびれた最後のラブレターと卒業式の写真のことを言われているのだと気付いた泉は、それを確かめると、手紙の封は乱暴に破られていました。ショックを受けながら、そして不審者の不安から、自宅へも帰りたくない泉は、そのまま葉山先生の元へ向います。小野と何かあったのかと心配する葉山は、泉が他の男と恋愛関係にあることには動揺もしていないようにみえました。

葉山の自宅からタクシーを呼んでもらって帰る途中、泉はそれまで持っていた手紙と写真を細かく破り、決別しようとします。家に着き、携帯を充電すると小野からの着信がたくさんありました。かけなおした電話口で、一応仲直りの形になりました。しかしそこからすぐのある夜のこと、再び葉山からの着信があります。そばにいた小野は、泉に出るように言います。その内容はとてもショッキングなものでした。

大学時代のネタバレあらすじ4結末へ

一緒に文化祭で演劇部の公演を成功させた、後輩の柚子が、自殺未遂をしたという連絡でした。動揺しながらも、2人は言われた病院へ向かいます。そこには志緒も黒川も来ていました。柚子は歩道橋から飛び降り、そのまま車にひかれるということにはならなかったものの、怪我が酷く、ICUで予断を許さない状況が続いていました。そのとき、新堂が重い口を開きます。

柚子は、数日前新堂に会いに来て、手紙を託していました。遺書かもしれないと思いますが、夜が遅いこともあり、ひとまずそれぞれ自宅に戻ることになりました。葉山は全員を送っていこうとしますが、小野はそれを断り、半ば強引に2人で帰宅します。しかし葉山と別れ際に目が会った泉は、その様子が気にかかって仕方がなくなり、「病院に戻る」と言い出しました。

葉山のところへ戻るなど当然許すわけにいかない小野は、また激しく泉を責め立てます。なぜ自分と付き合ったのか。謝れ、と迫り、泉はその通りにします。泉は小野を少なからず大切にみていたけれど、それでも葉山のことを忘れられない。それでも小野は泉にそばにいてほしいのです。同じように葉山先生も、泉をみても妻のことを忘れられないでいるけれど、それでも泉は葉山のそばにいきたい。同じだと、泉は小野に言います。

葉山の元に行くならば、自分の作ったその靴を脱いで行け、と小野に言われ、泉はその場で靴を脱ぎます。さすがに思いなおして小野も履きなおすように言うものの、泉は裸足のまま、歩いて病院へ戻りました。葉山は、ぼろぼろで戻ってきた泉に驚きますが、転んだと言い張り、別れ話をしてきたと泉は伝えました。葉山は柚子の様子に気付きながらも救えなかったことを激しく後悔していました。

泣きながら話す葉山の手を泉は握り、柚子が目を覚ましたらみんなで何ができるか考えようと励ましますが、三日後、柚子は息を引き取りました。新堂の手紙には、柚子が抱えていた悩みや恐怖が綴られていました。実は性犯罪の被害にあっていたことを、誰にも言えず、ずっと抱えていたのです。柚子の様子がおかしいことは泉も葉山も気づいていたけれど、その奥に隠された苦しみは本当につらいものでした。

映画「ナラタージュ」公式サイト

ナラタージュの結末をネタバレ!

結末へ向かう最後のふたりの逢瀬

泉は、高校時代を思い出しました。親友が去ったあと、孤立していた泉は、知らず知らずのうちに追い詰められ、人生を終わらせることを考えていました。屋上ではぎりぎりで思いとどまり、生きよう、と思ったあとに廊下で会ったのが葉山でした。その時に「演劇部に入らないか」と誘ってくれたことで、泉は救われたのです。「自分を救ってくれたのはあなただ」と言った泉に、今度は葉山が妻のことを話しはじめます。

妻の美雪との出会いが大学時代であること、結婚後、自分の母親との同居生活がはじまって、様々な理由で妻の心の変化があったのに、それに気づいてあげられなかったことを後悔していると泉に語りました。妻が事件を起こして警察沙汰になったあと、葉山自身も思い悩み、辛い状況で東京から富山に移り住みました。そこで出会った泉が、自分を頼りにしてくれることで救われていたのです。

しかし、「それは恋ではなかった」と泉に言うのです。葉山は東京の妻の元に戻ることをすでに決めていました。今の高校も辞めてしまうので、そうなれば本当に会うことが無くなってしまいます。泉は「最後に先生の家にもう一度行きたい」と願い出ます。たった一度だけ、もう二度とない夜を過ごします。これが最初で最後だと、お互いに言葉にせずともわかっていながら、身体を重ねました。

その時に葉山がくれた懐中時計は、葉山の父親のものでした。葉山がねじを巻いて渡してくれたのを最後に、泉はねじを巻きなおすことなく、動かない時計をずっと持っていました。翌朝、泉は夜が明けきる前にそっとひとりで葉山の家を出ました。泉が路面電車に乗り込んだとき、葉山がこちらを見ていることに気付きました。お互いに手を振ることもなく、静かにみえなくなるまでずっと見つめあっていました。

現在の泉とこれから

ラストシーンは冒頭のシーンにつながります。結局会社で夜を明かした泉は、懐中時計をみながらいつの間にか会社の机で眠ってしまっていました。オフィスに残っていた宮沢は、その懐中時計に刻まれている文字のことを教えます。蓋の裏側に小さな文字があることを、泉はそれまで気づいていませんでした。

それがポルトガル語で「幸せであるように」という意味で今調べたと、宮沢は小さく笑いながら教えてくれました。それまで一度もねじを巻いておらず、動かなかった時計の秒針が動き出します。2人が並んで窓際に立ち、ナラタージュの映画ラストシーンとなります。

ナラタージュのキャストを紹介!

松本潤(葉山貴司)

教師の葉山貴司役の嵐の松本潤さんは、アイドルグループ嵐のメンバーです。連続テレビドラマの初レギュラーは、1997年にKinKi Kidsの2人が主演した「ぼくらの勇気未満都市」でした。映画初主演は翌1998年の「新宿少年探偵団」です。グループとしての活動はもちろん、俳優として映画やドラマ、そして舞台の出演も絶えず、実力のある俳優としてマルチに活躍しています。

有村架純(工藤泉)

2010年にデビューし、2013年に朝の連続テレビ小説「あまちゃん」でブレイクした有村架純さんは、高校生から社会人までの工藤泉を演じました。スタジオ・ジブリのアニメ、「思い出のマーニー」ではダブルヒロインのひとり、マーニー役で声優にも挑戦しています。朝ドラ「ひよっこ」では主演を、そのほか様々な映画やドラマ、CMで活躍している若手女優さんです。

坂口健太郎(小野怜二)

泉に恋心を描き、一度は恋人関係になる小野怜二役は坂口健太郎さんです。2010年、19歳の時にモデルとしてデビューし、俳優としては2015年のコウノドリでテレビドラマ初出演を果たし、その後は「MEN’S NON-NO」の専属モデルを卒業してテレビやドラマで活躍しています。

大西礼芳(山田志緒)

泉の親友、山田志緒役の大西礼芳(おおにし あやか)さんは京都造形芸術大学に在学中に、映画学科のプロジェクトの映画でヒロインに抜擢され、デビュー。映画やドラマ、CMなどに出演しています。

古舘佑太郎(黒川博文)

高校時代、泉、志緒と一緒に演劇部に所属していた黒川博文役は、古舘佑太郎さんが務めます。お父さんはフリーアナウンサーの古舘伊知郎さんです。大学在学中にバンド活動を始め、2010年にデビューを果たしますが現在は無期限活動休止しています。2014年に映画「日々ロック」で俳優としてもデビュー、現在は新たなバンドを結成し、音楽活動と俳優を並行しながら活躍しています。

神岡実希(塚本柚子)

泉たちの高校の後輩で演劇部の塚本柚子(つかもと ゆずこ)は、辛い事件を苦にし、精神的に不安定になったのちに悲しい結末を迎えるという難しい役どころです。演じているのは神岡実希(かみおか みき)さんです。舞台やショートムービーに出演したのち、同じ事務所のタレントで結成した「ハコイリムスメ」というユニットでアイドル活動をしていました。

駒木根隆介(金田伊織)

金田伊織は、柚子と同じく、泉の高校の演劇部の後輩ですが、体格もよく貫禄があるという設定です。彼を演じるのは駒木根隆介(こまきね りゅうすけ)さんです。駒木根さんは大学在学中に自主映画に俳優として参加、その後劇団員として小劇場を中心に活動してきました。自主映画にもたくさん出演しているほか、体型を生かした役柄で様々な映画、ドラマに出演しています。

金子大地(新堂慶)

柚子、金田と同じ演劇部に所属する新堂慶を演じるのは金子大地(かねこ だいち)さんです。新堂は柚子とは親しい間柄ですが、恋愛感情があったわけではなく、結果として柚子が選んだ最悪の結末を止めることができなかったことを後悔してしまいます。金子さんは2014年にモデルとしてデビュー。その後ドラマ、映画にも出演し活躍の幅を広げています。

市川実日子(葉山の妻美雪)

出演シーンは多くありませんが、揺らぐ2人の心の間にいるのが、葉山の妻の美雪です。市川実日子(いちかわ みかこ)さんが演じています。市川さんは、市川実和子さんの妹で、一緒にモデルとして雑誌に登場したのち、多くの映画、ドラマに出演しています。シン・ゴジラでは毎日映画コンクールで助演女優賞、第40回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞しました。

瀬戸康史(泉の同僚宮沢慶太)

冒頭とラストシーンの短い出演ですが、過去と未来をつなぐ、ナラタージュのラストでは重要な役どころの、同僚の宮沢役は瀬戸康史さんです。2005年にデビュー後、ミュージカルテニスの王子様に出演して注目を集め、仮面ライダーキバの主人公を務めて広く話題になりました。その後は多数のドラマ、映画、舞台に出演しています。

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ナラタージュを見た人のネタバレ感想を紹介!

ナラタージュの結末を見届けた人の感想

映画ナラタージュは、原作のファンも、未読で劇場に足を運んだ方からも、賛否両論の様々な感想があがっています。ラストが単純なハッピーエンドでもなく、ドロドロとした許されない恋物語とも違うというストーリーですので、観る人によっては全く違う感想が生まれています。

確かにナラタージュは賛否両論のある作品ですが、制作者側もその覚悟を受け入れていると言われています。わかりやすい恋愛物語ではないので、受け入れられない人もいますが、ラストシーンまでにリアルに揺れる心は、誰かの胸には強く響く作品となっています。

一般的な恋愛ものとは違うという感想

ナラタージュは単純な恋愛ものとして観るには必ずしも幸せなラストとは言えず、しかし、許されない恋であるとか、一般的な不倫もののような、ドロドロとした恋愛というのともまた違います。その事も、ラストシーンを含めて多くの人の心を動かすポイントになっています。ロケ地の風景も、この物語によくマッチしています。

葉山先生の言葉は、確かに本心が見えにくいため、泉でなくても振り回されてしまうでしょう。優しいようで、残酷なことをするのも葉山先生です。ナラタージュはラストまでに誰に感情移入してしまうのかでもみえかたが違い、まったくの第三者としての視点でみるという楽しみ方もできます。

歌広場淳さんも大ファン

ゴールデンボンバーの歌広場淳(うたひろば じゅん)さんも、熱い思いを語っています。松本潤さんのファンを公言している歌広場さんは、公開初日と二日目、その後もなんどもナラタージュを鑑賞したということをブログなどでも伝えています。松本さんのファンであることをこえて、ナラタージュが大好きな作品であることが伝わります。

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ナラタージュの映画と原作の違いとは?

高校時代の回想シーンはナラタージュの原作に比べるとボリュームが少ないので、高校時代の泉の葛藤と、葉山とのつながりは少し描写が足りない印象です。また、高校生たちとの卒業公演のエピソードはだいぶ削られているため、高校生たちの描写や演劇のシーンはあまり生かされていません。

設定の違い

原作の泉の両親は、ドイツに引っ越すことになり、泉は誘われたけれども日本での一人暮らしを選びます。両親と泉の関係や、大学の休みの間に両親のいるドイツに飛んで、少し小野や葉山との関係を見つめなおすシーンは映画のナラタージュでは省かれています。

映画ナラタージュの舞台は、富山となっています。ロケも富山県高岡市で多く行われ、その理由は路面電車のある風景であったと行定監督が各インタビューで述べています。原作では東京都内の描写があります。過去パートのラストの、電車で別れるシーンは、この設定の変更が生かされています。

原作では、理系の学生で教師を目指している小野は、靴職人を目指す学生と設定を変えられています。理系ならではの考え方を持ち、そのお芝居への取り組み方を描写する場面がありますが、映画版では靴をひとつのキーアイテムとして、泉との関係を表しています。また、小野の実家は映画では京都となっていますが、原作ナラタージュでは長野にバスで帰省したり、泉や演劇部の仲間と訪れるシーンが出てきます。

映画ではカットされていますが、原作で泉が小野のアパートや実家へ黒川や志緒と訪れるシーンは、この四人のつながりや、その後のすれ違いを細かく描いていました。黒川は、泉とは軽口を叩き合う仲であることもよく書かれています。黒川は留学して一時的に志緒と離れるため、長い付き合いで堅く結びついているようでも、不安があるということを志緒が語るシーンもあります。また、卒業後は、原作では志緒と泉は疎遠になっています。

結末の違い

そして、一番は結末です。ナラタージュ原作のラストシーンでは、職場の人と結婚を決めたあとに知り合ったカメラマンが、葉山先生の友人だったとわかります。カメラマンの彼は、葉山が語った教え子の話をはじめます。妻には言えないが、二度と会えなくてもまだ思いは残っているということを明かしたことを知り、泉は人目もはばからずに涙を流します。

原作のナラタージュでは結婚が決まったあとに、葉山の気持ちを思いがけず聞かされて、泉の心が乱されるシーンがラストです。映画ナラタージュでの葉山の本当の気持ちは、懐中時計に込められた文字に現れているといえます。ただし、本人の言葉では、あまり本心はわからないように描かれています。ラストシーンの宮沢との会話は、過去に区切りをつけ、前向きな未来を感じられるような描写となっています。

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ナラタージュのあらすじ・結末ネタバレまとめ!

ナラタージュは高校時代の過去から、別れたあとのラストシーンまで、ずっと心では強く惹かれあいながらも、今後二度と会うことはないと思わせる結末となっています。しかし2人にとって一生に一度の忘れられない恋を描いたこの作品には胸を打たれます。過激に思えるテーマですが、静かに秘めた愛を貫いてラストシーンでは別れていく2人の物語は必見です。

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