ナルシッサ・マルフォイがヴォルデモートに嘘をついた理由は？ドラコと再会できた？

ハリー・ポッターに登場するナルシッサ・マルフォイは、ドラコ・マルフォイの母親であり、ルシウス・マルフォイの妻です。ヴォルデモート陣営に組し純血至上主義であるナルシッサ・マルフォイですが、息子にとっては愛情深い良き母親でした。この記事ではナルシッサ・マルフォイについて、ドラコやルシウスなどの家族や、ホグワーツの戦いでヴォルデモートについた嘘などを紹介します。

ナルシッサ・マルフォイのプロフィールを紹介します。ナルシッサ・マルフォイは1955年にブラック家の三女として生まれます。父はシグナス・ブラック、母はドゥルーエラ・ロジエールです。ブラック家は「聖28一族」と呼ばれる、間違いなく純血の血筋であることが認められた魔法使いの一族であり、ナルシッサ・マルフォイは純血至上主義の価値観を持って育ちます。

ナルシッサ・マルフォイは1966年から1973年までにホグワーツ魔法学校に在籍し、スリザリンの寮生として学生生活を過ごしました。在学中に後の夫ルシウス・マルフォイと出会っています。

ナルシッサ・マルフォイの杖の種類は明らかにされていません。『ハリー・ポッターと死の秘宝』で息子ドラコ ・マルフォイの杖がハリー・ポッターに奪われてからは、ナルシッサ・マルフォイは自身の杖をドラコに使わせていました。しかしホグワーツでの最終決戦時、ナルシッサ・マルフォイの杖は必要の部屋を焼き尽くした悪霊の火の呪文によって焼失しています。

ナルシッサ・マルフォイの外見を紹介します。ナルシッサ・マルフォイは色白で背が高く、細身です。瞳は青く、髪は長いブロンド、冷たい声音で喋ります。『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』でクィディッチ・ワールドカップを観戦しにきたハリーはナルシッサ・マルフォイと初めて対面し、「なんて嫌な臭いなんでしょう」という表情さえしていなければ美人なのに、という印象を抱きました。

映画ハリー・ポッターシリーズでは耳に蜘蛛をモチーフにしたピアスをつけており、髪をハーフアップに結い上げています。

純血以外の魔法使いやウィーズリー家のような血を裏切る者、人間以外の生き物の血筋が混ざっている者に対しては、徹底して蔑んだ態度を見せるナルシッサ・マルフォイですが、家族に対しては優しく愛情豊かな母親です。時にはヴォルデモートを裏切ってまで守ろうとした、ナルシッサ・マルフォイの家族を紹介します。

ナルシッサ・マルフォイの息子はドラコ・マルフォイです。ドラコ・マルフォイはホグワーツにおけるハリーの同級生であり、スリザリン寮に属しています。ホワイト・ブロンドの髪をオールバックにしており、青白い肌が特徴的です。ドラコ・マルフォイはハリー・ポッターと折り合いが悪く、常に衝突しています。

ナルシッサ・マルフォイはこの一人息子のドラコを溺愛しており、過保護と言えるほど大切に育てています。ドラコ・マルフォイがホグワーツに入学したのも、夫のルシウス・マルフォイはもともと純血主義のダームストラング専門学校に通わせようとしていましたが、ナルシッサ・マルフォイがドラコと離れるのを嫌がり、家から近いホグワーツを選んだという経緯があります。

息子ドラコの方も母ナルシッサ・マルフォイを敬愛しているようで、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』でハリーがナルシッサ・マルフォイのことを「鼻の下にクソをつけているような顔」と言って侮辱したとき、母上を侮辱することは許さないと言って激怒しました。

ナルシッサ・マルフォイの夫はルシウス・マルフォイです。ルシウス・マルフォイはマルフォイ家の家長であり、ヴォルデモートの配下である死喰い人の一人です。ホグワーツ在籍時はスリザリン寮に属し、監督生を務めています。赤子のハリーに敗れてヴォルデモートが失脚してからは服従の呪文による無実を主張し、アズカバン送りを避けました。純血至上主義を貫いており、血を裏切る者の代表アーサー・ウィーズリーとは犬猿の仲です。

ナルシッサ・マルフォイは夫のルシウス・マルフォイとホグワーツ在籍中に出会い、結婚します。結婚後はイギリス南部にある、マルフォイ家の館で生活を送っていました。ナルシッサ・マルフォイは純血至上主義の価値観を持っていたことや夫のルシウス・マルフォイが死喰い人であったことからヴォルデモート側陣営に付きますが、ナルシッサ・マルフォイ本人が死喰い人になることはありませんでした。

ナルシッサ・マルフォイの姉はベラリックス・レストレンジです。ベラトリックス・レストレンジは、ヴォルデモートに最も忠実な死喰い人の一人です。ベラトリックス・レストレンジはブラック家の長女として生まれ、純血を何よりも重んじる価値観のもと育ちました。ホグワーツ在学中はスリザリン寮に在籍しています。ホグワーツ卒業後、純血一家のロドルファス・レストレンジと結婚し、夫婦揃ってヴォルデモートの配下となります。

ナルシッサ・マルフォイとベラトリックス・レストレンジが初めて共に登場したのは、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』冒頭でのことでした。ヴォルデモートがドラコ・マルフォイに非常に難易度の高い任務を与えますが、ナルシッサ・マルフォイは息子ドラコが任務を失敗して殺されることを案じ、パニックに陥っていました。

ナルシッサ・マルフォイはどうにか息子の命を救おうとスネイプに助けを求めます。反対にドラコの叔母であるベラトリックス・レストレンジはどこ吹く風で、それどころか「もし自分に息子がいれば喜んでヴォルデモートに差し出すだろう、誇りに思え」とさえ言います。家族を愛し何をおいても守ろうとするナルシッサ・マルフォイと、ヴォルデモートを狂信するベラトリックス・レストレンジの姉妹の違いが浮き彫りになった瞬間でした。

ハリー・ポッターシリーズでナルシッサ・マルフォイが登場する作品を紹介します。原作小説では『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』、『ハリー・ポッターと死の秘宝』 です。映画では『ハリー・ポッターと謎のプリンス』、『ハリー・ポッターと死の秘宝PART1』、『ハリー・ポッターと死の秘宝PART2』に登場しています。

『ハリー・ポッターと死の秘宝』において、ナルシッサ・マルフォイが最も重要な局面でヴォルデモートに嘘をつくシーンがあります。それはホグワーツ城でヴォルデモートとハリー・ポッターの最終決戦が起きた時のことです。ヴォルデモートはハリーを禁じられた森に呼び出し、一対一の決闘の場を設けます。ヴォルデモートがハリーに死の呪い「アバダケダブラ」をかけると、二人は同時に意識を失います。

しかしハリーはヴォルデモートの分霊箱となっていたため死ぬことはなく、意識を取り戻します。ヴォルデモートも自分に何が起きたか分からないまま意識を取り戻し、離れたところに倒れているハリーが死んだかどうかを確かめようとします。ヴォルデモートがハリーの生死を確かめるために寄越したのはナルシッサ・マルフォイでした。

ナルシッサ・マルフォイは倒れているハリーの上に屈み込み、生きていることを知ると、自分の体と長い髪でハリーの顔を隠し、「ドラコは無事ですか？」と尋ねます。「はい」というハリーの答えを確認すると、ナルシッサ・マルフォイは高らかに「死んでいます！」と宣言しました。このナルシッサ・マルフォイの嘘のおかげでハリーはその場を生き延び、ヴォルデモートを打ち砕くことに繋がります。

それまでヴォルデモート陣営に組してきたナルシッサ・マルフォイは、なぜこの時裏切り、嘘をついたのでしょうか？それでは、ナルシッサ・マルフォイが嘘をついた理由を紹介します。

ナルシッサ・マルフォイが嘘をついた理由を紹介します。一つ目は、ナルシッサ・マルフォイのヴォルデモートへの不信感が高まっていたからです。『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』でルシウス・マルフォイが予言を手に入れる任務を失敗してからというもの、ヴォルデモートはマルフォイ家に怒りを向けていました。そんな時、ヴォルデモートはドラコ・マルフォイにある任務を与えます。

それはアルバス・ダンブルドアを殺害するというものでした。ヴォルデモートですら達成できないことを学生のドラコに成し遂げられるはずもなく、実質それは、ルシウス・マルフォイの失態に対する見せしめの罰でした。失敗すればドラコの命はなく、ナルシッサ・マルフォイはセブルス・スネイプに助けを求めるなど、必死になって愛する息子ドラコを救おうとします。

息子のドラコ・マルフォイを溺愛するナルシッサ・マルフォイにとって、そのヴォルデモートの仕打ちは許せるものではなく、その時からナルシッサ・マルフォイのヴォルデモートに対する不信感は高まっていきます。

また、ルシウス・マルフォイやドラコ・マルフォイは死喰い人として腕に刻印がされていますが、ナルシッサ・マルフォイは死喰い人ではありません。ですから、もともとそこまでの忠誠を誓っていなかったナルシッサ・マルフォイにしてみれば、息子ドラコへの扱いで不信感が高まっていたヴォルデモートに嘘をつくことにためらいはなかったと考えられます。

ナルシッサ・マルフォイが嘘をついた二つ目の理由を紹介します。ナルシッサ・マルフォイはホグワーツの戦いが始まってからというもの、城内にいる息子ドラコ・マルフォイの安否を非常に心配していました。ヴォルデモート陣営とハリー・ポッター陣営の戦いは非常に激しく、何人もの死者が出ています。実際ドラコはクラッブとゴイルと共にハリーを追って必要の部屋に入り、そこでクラッブが出した悪霊の火の呪文で死にかけています。

早く息子ドラコの無事を確かめたいナルシッサ・マルフォイにしてみれば、ここでハリーが生きていることをヴォルデモートに告げてしまうと再びハリーとヴォルデモートの戦いが始まり、ホグワーツ城内に入る時が遅れてしまいます。そこで　ナルシッサ・マルフォイはヴォルデモートに嘘をつき、ハリーが死んだことにしてホグワーツに入ろうとしたのでした。

家族を愛するナルシッサ・マルフォイとドラコ・マルフォイは再会する事が出来たのでしょうか？それでは、『ハリー・ポッターと死の秘宝』でホグワーツ城内に入るためヴォルデモートに嘘までついたナルシッサ・マルフォイとドラコ・マルフォイの再会について紹介します。

ハリーが死んだと信じて、ヴォルデモート陣営はホグワーツ城内に勝利の行進をします。ハリーの遺体を見せてハリー・ポッター陣営の戦う気力を奪おうとしたヴォルデモートですが、死んだふりをしていたハリーが立ち上がり、再びホグワーツの仲間たちに希望が宿ります。そしてホグワーツ城内で最後の戦いが始まります。

戦いのどさくさに紛れて、ナルシッサ・マルフォイとルシウス・マルフォイは息子を必死に探します。もはや戦いに参加する気は全く無く、ドラコの名前を読んで走り回ります。ナルシッサ・マルフォイとドラコが再会できたのは、ハリーがヴォルデモートを倒した後のことでした。戦いが終わった大広間でナルシッサ・マルフォイとドラコは無事再会します。

また、夫ルシウス・マルフォイもホグワーツの戦いを生き延びており、マルフォイ家は皆無事に再会することができました。

映画ハリー・ポッターシリーズでナルシッサ・マルフォイを演じた女優と声優を紹介します。闇の陣営に付きながら家族だけは守り抜いた母親、ナルシッサ・マルフォイを見事演じきった女優や声優が気になる方は、ぜひチェックしてみてください。

映画ハリー・ポッターシリーズでナルシッサ・マルフォイを演じたのは、イギリス出身の女優ヘレン・マックロリーです。ヘレン・マックロリーはロンドン芸術大学で演劇を学び、1994年にデビューして以降イギリスの映画界や舞台で活躍しています。主な出演作品に映画『クイーン』のシェリー・ブレア役、『007 スカイフォール』のクレア・ドウォー役があります。

映画ハリー・ポッターシリーズでナルシッサ・マルフォイの日本語吹き替えを担当したのは、声優の佐藤しのぶさんです。佐藤しのぶさんは映画の吹き替えを中心に活動しています。女優としても活躍しており、舞台にも出演しています。声優としての主な出演作は『アイ・アム・レジェンド』『アサシン クリード』『ナイトミュージアム/エジプト王の秘密』などです。

純血至上主義であるナルシッサ・マルフォイと、不死鳥の騎士団に協力したアンドロメダ・トンクスには繋がりがありました。それでは、ナルシッサ・マルフォイとアンドロメダ・トンクスの関係を紹介します。

アンドロメダ・トンクスはブラック家に生まれた次女であり、ナルシッサ・マルフォイのもう一人の姉です。アンドロメダ・トンクスは両親の純血至上主義教育を受けて育ち、ホグワーツでもスリザリンに組み分けされます。

アンドロメダ・トンクスはホグワーツ卒業後、マグル出身のテッド・トンクスと結婚したことでブラック家から勘当され、除名されます。以降、姉妹のベラトリックス・レストレンジ、ナルシッサ・マルフォイと連絡を取ることはありませんでした。その後ニンファドーラ・トンクスを授かります。

ヴォルデモートが復活してからは、ニンファドーラがメンバーである不死鳥の騎士団に協力し、ハリーの助けとなります。ヴォルデモートとの戦いが佳境に入ったころ夫のテッド・トンクスが人さらいに殺され、また、ホグワーツの最終決戦で娘のニンファドーラをベラトリックス・レストレンジによって殺されます。

ハリー・ポッターに登場する母親は愛情に溢れたキャラクターが多いですが、その一員にナルシッサ・マルフォイを数えるツイートです。ナルシッサ・マルフォイはヴォルデモート陣営側でしたが、一番大事なものは家族だという自分の本質を最後まで見失いませんでした。

映画「ハリー・ポッターと死の秘宝PART2」ではホグワーツの決戦前に逃げ出すマルフォイ家の姿が描写されています。一見卑怯者にも思えるマルフォイ家ですが、何をしても家族を守るというナルシッサ・マルフォイの強い意思が感じられたそうです。

マルフォイ家の中で死喰い人に加わらず、常に家族のことを考えていたナルシッサ・マルフォイが母親だったからこそ、ドラコは更生できたと指摘するツイートです。ナルシッサ・マルフォイは、ヴォルデモート陣営で唯一愛を知っていた人物でした。

ナルシッサ・マルフォイがヴォルデモートに嘘をついた理由や、息子ドラコや夫ルシウスとの関係などを紹介しました。ナルシッサ・マルフォイの活躍をその目で確かめたい方は、ぜひ小説や映画のハリー・ポッターシリーズを観てみてはいかがでしょうか？