2018年08月23日公開
2018年08月23日更新
AKIRAのあらすじを解説!ストーリー・感想などネタバレ考察
AKIRAは大友克洋の漫画を原作とし、大友自身が監督を務めたアニメ映画である。あらすじは第三次世界対戦勃発後の2019年の「ネオ東京」が舞台だ。超能力の開発や、発達しているが裏で退廃を続ける都市。そんな解説できない混沌の中、自らを健康な不良少年と呼ぶ青年「金田」は、仲間たちと共に暴走行為をしていた。そんな最中、高速道路で仲間の一人である「鉄雄」が事故を起こしてしまう。現場には白髪で皺だらけの「少年」、26号が立っていた。この記事ではそんな「映画版AKIRA」のあらすじや解説をしていく。
目次
AKIRAのあらすじを解説!ストーリーと感想もネタバレ考察!
「AKIRA」は漫画が原作であるが、作者がアニメ監督をしているため、作画や空気感がそのものな非常に珍しい映画である。原作ファンが、原作と同等に讃えるアニメ映画も非常に珍しい。この記事の中に出てくるストーリーはネタバレであるが、原作のストーリーとは違っているので、どちらも楽しみたい人は比較してみると面白いだろう。
AKIRAとは?
原作の漫画は、1982年から1990年にかけて連載。作者の大友克洋は一時連載を休載し、1988年に監督として作り上げた映画である。当時はほとんど前例のない、事前に音声を録音、そこに絵を当てるプレスコ撮影が採用された。アニメ史上もっとも原画が多い15万枚と言われている。当時として、破格の10億円が制作費に当てられた。アイズナー賞最優秀国際アーカイブプロジェクト部門、最優秀国際作品部門を受賞した。
AKIRAの登場人物を紹介!
AKIRAではひと癖もふた癖もあるキャラクターが登場する。いわば、あまり「共感」することのないキャラクターたちである。しかし、壮大なストーリーと思わぬ展開が、それぞれの魅力と役割を見る人間に分からせてくれる、不思議な引力がある。意外なことに、AKIRAの人物名は「鉄人28号」から一部取ったものがある。原作漫画とも違う動きをしているキャラクターがいるので、是非見比べてみてほしい。
金田正太郎
落第寸前の職業訓練校の生徒。素行は悪いが情に厚く、同じ学校の仲間で組んでいる暴走族のリーダー格でもある。トレードマークでもある、真っ赤な「常温超電導発電バイク」を乗り回し、毎夜他のチームの暴走族と小競り合いを繰り返している。同じチームの島鉄雄と幼馴染であり、彼が事故の後「アーミー」に拉致されたのをきっかけに、反政府ゲリラとの抗争に巻き込まれ、思わぬ方向に向かって行く。
もともと口が軽く、喧嘩っ早く、好みの女の子を見るや危険な場所にでも付いて行ってしまう性格。山形の死を悼んでバイクを破壊し弔ったり、怪物になった鉄雄の助けを求める声に反応するなど、情に厚い。小さい頃いじめられっ子だった鉄雄を守ろうとしていたが、成長し、最後には変貌を遂げてしまった鉄雄を倒すため、単身で挑む。
島鉄雄
金田と同じ職業訓練学校の生徒であり、金田と同じグループで暴走行為を続けている。金田のバイクに憧れを抱いているが、「ピーキー過ぎてお前にゃ無理だよ。」と言われている。金田たちと他の暴走族チームを追い詰め過ぎた結果、タカシ(26号)と接触事故を起こしてしまい、アーミーに拉致されてしまう。26号との接触で目覚めた超能力を薬でさらに増幅させ、次第にコントロールできなくなって行く。
実験隊として元の生活に戻されるが、急速に力が覚醒していき、大佐やドクターの予想に反し、AKIRAの元へとたどり着いてしまう。さらに暴走する力に対し体が肥大化し、周りを巻き添えにしていくが、AKIRAや他のナンバーズの力により収束される。もともと引っ込み思案な性格だったが、成長するにつれ、自分を守ってばかりの金田に劣等感を感じ始め、不満を溜めていた。急激な力の目覚めによって攻撃的な性格に変貌を遂げた。
山形
金田、鉄雄と同じチーム、同じ職業訓練校に通う青年。チームでは一番初めに突っ込む特攻隊長のポジションにいた。アーミーに拉致された鉄雄を心配していたが、再び現れた変貌した鉄雄に詰め寄り、無残に殺されてしまう。
甲斐
金田らと同じ暴走族チームの背の低く、活発な少年。喜怒哀楽の表現が豊かであり、鉄雄や金田の動向を心配しながらも慕っている。山形が殺された現場に居合わせ、それを金田に伝えたことで一連の大きな流れに巻き込まれていく。
ケイ
本作の紅一点の女性。反政府ゲリラに属する女の子であり、リュウと共に様々な諜報活動やゲリラ活動を行なっている。そのせいでアーミーや公安に狙われている。ある事件で偶然金田に助けられた後、ゲリラが追っているナンバーズの実験隊が島鉄雄だと知り、金田とともにアーミーの施設に侵入する。超能力に親和性の高い体を持っており、ナンバーズの子供達の超能力により鉄雄と戦うことになる。
ナンバーズの子供達からは、超能力との親和性から次の人間の可能性として示されており、自身も「生き物は命が尽きるまでに膨大なエネルギーを使う。もしアメーバが人間の力を持ったら?それを人間が持ったら?」という哲学的な考えも持っている。
リュウ
ネオ東京最高幹部会の政治家、根津の指示と資金を受け、ネオ東京内でゲリラ活動をして回っている。ケイとチームを組んで行動しており、お互いの信頼も厚い。金田が突如現れた際、ケイに安全かどうかを聞き、受け入れるなどの度量も持っている。最後はクーデターに動揺した根津に撃たれ、混乱の中生き絶える。
根津
ネオ東京の最高幹部会に所属し、さらに大きな権力と金を得るという野望を持っている。そのため、ゲリラたちに資金を渡し、水面下で様々な活動をさせ、アーミーの隠している超能力を持った子供達「ナンバーズ」の存在を狙う。心臓病を患っており、大佐がクーデターを起こして最高幹部会を全員拘束しようとしたのを切っ掛けに、発作が止まらずそのまま死に至った。
大佐
ネオ東京の最高幹部会に所属する一人で、「アーミー」を指揮する軍人。裏では第三次世界大戦のきっかけとなった「新型爆弾」を研究している。しかし、その新型爆弾とは人間の開発された超能力であった。「ナンバーズ」と呼ばれる超能力を開花させた子供達を育てていたが、ナンバー28号の「アキラ」の力が暴走、広範囲に渡り都市が吹き飛んでしまった。
大佐はそれを未然に防ぐべく、さらに実験を重ねて超能力についての研究を重ねていたが、新たなナンバーズ41号(鉄雄)のさらなる暴走により、パンドラの箱を開けたと実感。クーデターを起こし、衛星兵器を使って鉄雄の抹殺を試みる。毅然とした軍人然という性格で、「復興の熱も収まり、馬鹿どものはき溜めだ」と卑下するネオ東京の街を、それでも守ろうと思っている。面倒見もよく、他のナンバーズからは慕われているようだ。
ドクター
大佐の部下でナンバーズにおける数々の実験を指揮してきた本人。ナンバー28号「アキラ」の覚醒に異常に執着心を抱いており、そこまでの成長過程を理解すべく、力の才能を持った鉄雄に投薬実験を施し、増大させていく。鉄雄が暴走した後も実験結果にこだわり続け、さらに探究心を燃やしたことで命を落とす。
キヨコ(25号)
ナンバーズの一人で女の子。手には25というタトゥーが入っている。見た目は肌と髪の白い老婆のようだが、声は子供という不気味な特徴をしている。超人的な能力を備え、浮遊したり離れた所とのテレパシーなども行える。さらに彼女の予知は95%~98%の確率で当たる。体が弱体化しており、カプセルベッドの中から出られない。
投薬を続けなければ命が続かない体になっており、施設の中で生活している。大佐ら研究所の人間とは関係は悪くないようだ。テレパシーを使って様々な人間と交信し、協力を求めたり、予知をして警告したりと暗躍する。鉄雄と戦うため、超能力と親和性の高い体を持つケイの肉体を借りた。
タカシ(26号)
ナンバーズの一人で男の子。手に26というタトゥーが入っている。多分にもれず少年だが、老人のような見た目になっている。他のナンバーズと比べて幼げな性格で、反政府ゲリラに拉致された際も、「外の世界を見てみたかった」という理由からついていった。鉄雄のバイク事故時に自分を防御するため発動した超能力が原因で、鉄雄が力に目覚めてしまう。
のちにマサルとキヨコとともに病院内で鉄雄を倒そうと、自分たちをガラクタで囲ったおもちゃの姿で襲撃した。
マサル(27号)
ナンバーズの一人で常に浮遊する椅子に座っている。やはり手のひらに27とタトゥーが掘られている。スーツ姿で七三分けの落ち着いた物腰の男の子。高速道路で事故を起こしたタカシを迎えに来た。彼も、鉄雄襲撃に参加したが、彼を倒すまでには至らなかった。
アキラ(28号)
ナンバーズの一人で、黒髪の男の子。番号は28番。研究所で施された、人間の可能性を引き出す実験で超能力に覚醒。アキラだけとてつもない力を持ってしまった。第三次世界大戦の引き金になった東京での大爆発は新型爆弾ではなく彼一人の能力である。その後研究所はアキラを徹底的に解明しようと彼を分解し、各機関ごとにカプセルにして、巨大な球体施設の中で氷漬けにしたが、結局解明することはできなかった。
AKIRAのあらすじをネタバレ解説!
舞台は2019年:映画版AKIRAのあらすじ解説!ストーリーもネタバレ注意!
巨大な爆発が起こり、第三次世界大戦が起きた後、31年の月日が経った。暴走族の金田と山形は、バー「春木屋」で待ち合わせていた。彼らのチームが、敵対チーム「クラウン」を環状線に追い込んだというのだ。
店の裏では同チームの鉄雄が金田のバイクを興味ありげに触っていた。「ピーキーすぎてお前にゃ無理だよ。」と言う金田に「乗れるさ」と返す鉄雄。金田は欲しけりゃぶんどれ、とだけ言うとバイクを発進させるのだった。
謎の少年と拉致される鉄雄:映画版AKIRAのあらすじ解説!ストーリーもネタバレ注意!
クラウン追い込んだ金田らは、旧市街へ追い詰めようと走る。その頃、街では男が一人、老人のような少年を連れて警察から逃げ回っていた。政府への不満をぶつける学生デモに混じり、警察は男を少年を追い詰めていく。見物人の中に反政府ゲリラのケイとリュウがいた。そして、警察の斉射で男が死ぬと、少年は叫び声をあげるのだった。その瞬間窓ガラスが割れ、ネオンが落ち、少年がうっすらと消滅するのを2人は見たのだった。
クラウンを追い詰めるために走っていた鉄雄は、急に現れた老人のような少年と接触事故を起こしてしまう。しかし、鉄雄のバイクは爆発したものの、少年はまるで無傷であった。金田たち暴走チームは鉄雄を介抱しようとするが、急にアーミーのヘリが現れる。
どうやら少年を迎えに来たらしいが、迎えに来た少年もまた、老人のような姿で、奇妙な椅子に座っていたのだ。そして、アーミーは鉄雄を重傷のまま拉致してしまう。
反政府ゲリラのケイ:映画版AKIRAのあらすじ解説!ストーリーもネタバレ注意!
ヘリの中から大男が降り、少年に「帰るぞ」と声をかけると、ヘリは鉄雄ごと飛び立った。アーミーに逮捕された金田たちは取り調べを受けたが、それは反政府ゲリラ狩りの一環だった。取り調べ待ちの人間の中に偶然見かけた反政府ゲリラのリストの女性を見つけた金田は、他の学生が騒ぎを起こした隙に女性を連れ出すのだった。その後ナンパを仕掛ける金田をあしらうと、名乗らずに軽快に街へ消えてしまうのだった。
実験体41号:映画版AKIRAのあらすじ解説!ストーリーもネタバレ注意!
その頃ヘ大佐と呼ばれた男は、少年を外に出したことの責任を追求されていた。そんな中彼の部下のドクターから連絡が入る。収容した鉄雄が力に目覚めており、独自の超能力の分析パターンだと言うのだ。ドクターはアキラの分析パターンと比較し、アキラの成長を解く鍵になるのではと提案した。大佐は「また過去同じ状況になるなら始末しろ」とドクターに伝えるのだった。
一方金田たちは、学校から指導を受けた帰り道、鉄雄の彼女カオリに鉄雄が行方不明になっている事を伝えた。その夜、研究所病院から抜け出した鉄雄はカオリの元へ辿り着き、「逃げよう」と提案する。次の日、鉄雄は金田のバイクを盗み、カオリを連れてコンビナートへ向かうのだった。しかし、クラウンの残党に見つかりリンチされているところへ金田たちが助けに到着する。
しかし、助けられた鉄雄は金田に「俺一人でもやれた」と泣きながら怒っていた。しかし、カオリが声をかけようとした瞬間、鉄雄の頭の中で「アキラ」と言う名前が響き、ひどい頭痛に襲われるのだった。幻覚を見ながら苦しむ鉄雄に、ドクターは実験体41号の回収命令を出す。医療隊が即座に到着し、またも鉄雄は金田たちの目の前で拉致されてしまうのだった。
「AKIRA」と呼ばれる存在:映画版AKIRAのあらすじ解説!ストーリーもネタバレ注意!
悩む金田だったが、突如アーミーと反政府ゲリラとの衝突を目の当たりにする。その中で以前助けた女性を見つけ、追いかける金田。ケイと呼ばれた女性は、リュウと別れ単身下水道を逃げていた。追い詰められたケイを助けた金田は二人で奥に逃げ込むのだった。その頃施設で治療を受けた鉄雄は、自分と金田が崩れていく悪夢を見て飛び起きた。
施設内では、キヨコと呼ばれる女の子が「街が黒い影に包まれて人がたくさん死ぬ」と予言していた。彼女は未来知覚能力を持っており、その的中率は95%以上であった。それを聞いたドクターと大佐は、対応に動くことに決めた。
彼らは防寒服を着て地下に降りると、凍結した半球体の施設の前で、「見ろ、怖くて堪らずに恥も外聞も忘れ、覆い隠したのだ」とドクターに言った。半球体の入り口には「AKIRA」と書かれていたのだった。
根津の暗躍:映画版AKIRAのあらすじ解説!ストーリーもネタバレ注意!
ケイと金田はリュウとの待ち合わせ場所に到着していた。リュウは金田を閉じ込めると、反政府組織ゲリラのスポンサーである根津から、新しい実験隊のデータを取りに行くと言う指令を受ける。それを盗み聞いた金田は、鉄雄を助けるために動向させて欲しいと頼む。リュウは根津と接触し金田のことを伝えた。
根津は街を飽和状態の果実だと言い、「AKIRA」と言う風が種を果実ごと落としてくれると表現した。その頃、下の道路ではどう知ったのか定かではないが、新興宗教団体が、街の道路に「大覚アキラ」と描いたのだった。
ナンバーズの襲撃:映画版AKIRAのあらすじ解説!ストーリーもネタバレ注意!
最高幹部会は危機を主張する大佐の話を聞き入れず、彼を査問委員会にかけることに決定した。その頃、鉄雄はまた悪夢から目覚め、すでに超能力を無意識に認識し始めていた。小さなぬいぐるみの幻覚見た鉄雄に今度は全身からミルクを流した巨大なぬいぐるみが襲いかかった。しかし、鉄雄が血を流すと、ぬいぐるみは怯え始めナンバーズの子供達が出現、姿を消すのだった。
鉄雄はナンバーズの居場所を突き止めると、異常を感じて駆けつけた研究員を天井の電灯ごと引き裂き、反撃に向かう。一方、金田は反政府ゲリラたちと合流し、下水道を歩いていた。警備の「フライングプラットフォーム」を盗んだ金田とケイは、鉄雄が警備に襲われていることを知る。鉄雄は警備との戦いでさらに力を使いこなし、ナンバーズたちの部屋にやって来た。そこにはあのぬいぐるみが現れたのだった。
急激に強くなっていく鉄雄:映画版AKIRAのあらすじ解説!ストーリーもネタバレ注意!
急激に力を増幅させた鉄雄は、もはやナンバーズたちと渡り合うほどになっていた。鉄雄が攻撃るす寸前、大佐とドクターが駆けつけ、このままだと取り返しがつかないとつげる。そしてナンバーズたちも、「大きな人間が力を使ってはいけない、お前がアキラを起こす。そうすれば止められない」と言うのだった。鉄雄はコントロールできない力を持て余していたが、そこへケイを連れた金田が駆けつけた。
鉄雄を助け出そうとする金田を、鉄雄は軽くあしらい、アキラのいる東京オリンピック建設現場の下へと飛んだのだった。鉄雄が力を使う前に抹殺したい大佐は、最高幹部会全員を拘束し非常事態宣言を発令した。勝手知ったる「春木屋」へ向かった鉄雄はバーの主人を殺し、たまたまたどり着いた山形、甲斐と遭遇する。変貌した鉄雄を前に山形はなすすべなく殺されてしまう。
鉄雄と金田は対立することに:映画版AKIRAのあらすじ解説!ストーリーもネタバレ注意!
牢獄の中でケイと金田は「アキラ」についての話をする。ケイは「アキラ」を絶対のエネルギーと称し、「人間が進化の過程で作り上げて来たものを、順番を変えて一気にもたらすことができたら、アメーバが人間の力を持ったとしたら」と語った。その力は水や空気にも宿っているのかもしれない。それをコントロールしようとして失敗し、結果人類は東京を崩壊させたのであった。その話が終わると、急に独房の鍵が開いたのだった。
彼らを逃したのはナンバーズたちであった。キヨコは超能力と相性の良い体をもつケイの体を借りるしか、鉄雄と戦う方法はないと考えたのだ。街に戻った金田は、甲斐から山形が鉄雄に殺されたことを聞く。山形のバイクを葬いとして燃やすと、ナンバーズ達がケイを連れ去ったのだった。金田が、鉄雄に力のきっかけを与えたのはお前らだ、と責めた。
すると、キヨコはテレパシーによって「アキラの力は誰の体にも存在する、もし目覚めてしまったら、例え準備ができていなくても、使い方を選択しなければならない」と語るのだった。そして、一番新しい仲間である鉄雄が、力の使う選択を間違ったため、ナンバーズで責任を取る、ケイにはその手伝いをしてもらう、と語った。金田は鉄雄を自分たちの仲間とし、カタをつけるのは自分たちだ、と返したのだった。
氷漬けの「AKIRA」の正体:映画版AKIRAのあらすじ解説!ストーリーもネタバレ注意!
大佐の武装決起により、根津は焦っていた。そこへ作戦に失敗したリュウが入ってくるも、発作を起こした根津は彼を銃で撃ってしまう。アーミーの戦車部隊は鉄雄を攻撃するが、逆に壊滅させられてしまう。路地裏に逃げた根津と追いかけるリュウはその騒動を横に倒れるのだった。偶然鉄雄を見つけたカオリは鉄雄を追い、金田は甲斐と鉄雄の元へ向かうのだった。
アーミーは新兵器の小型レーザー砲を使って鉄雄を止めようとするが、彼には通じなかった。橋を崩壊させ、彼を追いかけて来た宗教団体ごと周りを全て崩落させたのだった。ついにオリンピック建設現場地下に降りる鉄雄。半球体の設備まで辿りつくと、そこには虚ろな目をしたケイがいた。ナンバーズによりコントロールされたケイは鉄雄に攻撃を仕掛ける。その頃、レーザー砲を盗んだ金田は、遠目で建設現場が爆発がするのを見た。
ヘリで駆けつけた大佐が見たものは、浮き上がる巨大な球体と、うねる冷気のパイプ、その周りで光る二つの光であった。ケイの力は及ばず、崩壊した球体設備の中に小さな球体を見つけた鉄雄は、ついに中を開いてしまう。そこには東京崩壊のあと、ありとあらゆる手立てで調査実験された後の、臓器ごとにバラバラにされたアキラのカプセル群だった。アキラはすでに死んでいたのだった。
鉄雄と金田の因縁:映画版AKIRAのあらすじ解説!ストーリーもネタバレ注意!
金田は鉄雄の元に辿り着き、ついに因縁の対決が始まる。コンプレックスを爆発させる鉄雄と、それに受けてたった金田は、レーザー砲を使って戦う。
しかしバッテリー切れで勝敗がつかないのだった。次の瞬間、上空から青い光が鉄雄の周辺を吹き飛ばした。衛星兵器「SOL」であった。大佐が最後の手段を使ったのだ。腕を吹き飛ばされた鉄雄は次の射撃から金田ごと身を守ると、上空へ飛び、SOLを破壊したのだった。
超能力の決壊:映画版AKIRAのあらすじ解説!ストーリーもネタバレ注意!
その夜、ナンバーズたちは鉄雄の力がピークに達した時に何かを企むのだった。大佐はドクターが鉄雄を実験体として殺すには惜しいと考えていることがわかり、単身銃を持ち、鉄雄を暗殺に向かった。その頃、カオリは鉄雄のもとへたどり着いていた。鉄雄の身を案じるカオリだったが、様子のおかしい鉄雄。薬で抑えられていた力が薬が切れたとこにより、ついに暴走しようとしていた。
そこへ再び金田がやってくる。戦闘が開始されると、ナンバーズたちは分解されたアキラの元へと行くのだった。そして、急激に力の決壊が始まり、巨大な赤ん坊のような姿に変わっていく鉄雄。飲み込んだカオリを圧力で殺してしまい、金田をも取り込んでしまう。レーザー砲で脱出した金田だったが、鉄雄はアキラに呼びかけるナンバーズたちも飲み込もうとする。
「AKIRA」覚醒:映画版AKIRAのあらすじ解説!ストーリーもネタバレ注意!
それを守ろうとする大佐を、肉塊が飲み込もうとした瞬間、アキラが覚醒した。分解されたパーツが寄り集まり、人の形で復活したのだった。大きな光がゆっくりと広がっていき、鉄雄も飲み込んでいく。大佐はキヨコに瞬間移動させられ、行く末を見守った。金田は鉄雄に引き込まれ、光の中に行ってしまう。ナンバーズたちは三人なら一人を救い出せると光の中に向かうのだった。
光の中で、金田は鉄雄の思い出と、ナンバーズたちとアキラの思い出を見る。ナンバーズたちが、「人類には大きすぎる力だった」と告げ、「いつかは私たちも」としてケイを示した。そしてケイの呼ぶ声が聞こえたと思った瞬間、アキラの光は急に黒く変化し、一気に収縮したのだった。都市は一挙に破壊され、収縮した引力によって海水が流れ込んだ。オリンピック建設現場の後には、海が残されているだけになった。
意味深なラストシーン:映画版AKIRAのあらすじ解説!ストーリーもネタバレ注意!
その海の中に一つだけ取り残された瓦礫に金田はいた。最後の小さな光を握りしめた金田は、鉄雄や他のものは全て「行っちまった」と言った。そしてケイ、甲斐、金田はネオ東京の都市に向かって走り出すのであった。どこからか「いつかは私たちも」と言うキヨコの声と、「僕は鉄雄」と言う鉄雄の声が聞こえた。
AKIRAの見どころシーンをネタバレ紹介!
金田のバイクシーンがかっこいい!
AKIRAの見所といえば、緻密な作画やストーリーと言う人も多いが、サイバーバンク的な乗り物や、武装、超能力の表現のアイディアなども多彩で、観ていて楽しいものである。ここではストーリーにも根幹にも関わるAKIRAの見どころを、設定やネタバレを踏まえて紹介する。
出典: http://nobon.me
作中に出てくる真っ赤な金田バイクは、SFファンやサイバーパンクファンにはたまらないシルエットをしている。現に憧れた人が何人も実物を作ってしまっている。ちなみに、鉄雄のセリフから察するに、「セラミックツーローターで両輪駆動、コンピューター制御のアンチロックブレーキ付き、12000回転の200馬力」らしい。ちなみにエンジンが5000回転以下になるとエンストするなど、上級者向けな仕様だ。
ちなみに金田バイクは「常温超電導発電機」が付いている。なんと1980年代に考えられた電動バイクなのだ。確かに排気筒が付いていないし、デジタルのパネルが見られる。発進したり走行中など、電気がほとばしっているように見えるのはそのためだ。2015年、ついに現実に市販の電気バイクとしても登場した、とんでもないバイクである。
近代SFのアイディアが面白い!
出典: http://nobon.me
作中に出てくるSF兵器やサイバーパンクな乗り物の中でも、衛星兵器SOLは圧倒的な破壊力を見せた。なにせ、地図のGPSと宇宙にある巨大レーザーの銃口がリンクしているのだから、まるで逃れられないのである。地上では空飛ぶバイク、フライングプラットフォームが目を引いた。人一人乗れる小さな足場が高速で空を飛ぶのである。夢のテクノロジーを描いたのだ。
極めつけはアーミーが使用した、小型レーザー砲である。作中では実弾の銃ばかり出てくるのだが、鉄雄を止めるため、ここぞと出してくる場面が切り札的でとても人気が高い。その後の金田と鉄雄の決闘でも使用されるなど、憧れたファンも多いのではないだろうか。
目覚めた超能力、その規模がすごい!
「AKIRA」は超大規模の超能力を扱った作品だ。しかし、その威力たるや衛星兵器を破壊し、巨大な施設を宙に浮遊させ、あまつさえ都市を丸ごと飲み込む爆発を起こすとなると、相当な規模だ。それが、もしかしたら人間全てにある力だと言う設定なのだから、人間のもつ力の表現としては唯一の作品であり、人間の持つ可能性を有効利用するべき、というメッセージにも聞こえる。
アニメ史上最大級のグロテスクさ!鉄雄の暴走シーン!
「AKIRA」は大人向けアニメとして、ハリウッドリポーターが4位と認めた映画である。確かに、人が死ぬシーンや怪我をするシーンがとても多い。どんな効果かわからない薬が登場したり、暴走行為も大々的に表現されている。クライマックスの鉄雄に至っては、大人でも一瞬ためらうほどの姿である。しかし、こういった要素を刺激として観ることができると、より一層楽しめる映画になることは間違いない。
AKIRAを見た人の感想を紹介!
上映から30年近く経つがいまだに高い人気を誇る「AKIRA」。様々な人の感想を集めてみた。やはり、忘れられない場面がたくさんあるようだ。
先駆けてる!
AKIRAという漫画(アニメ)はかなり昔の作品だけど、代名詞の金田のバイクはあの当時では考えられない電気モーターで走るバイクという時代の先駆けしてるし、作画とくに背景の書き込みがハンパないんです。多少のグロ描写もあるけどそういうの好きな人は是非! pic.twitter.com/vS615LUW81
— 満月@シティーハンター待機中 (@MitukiMari) August 21, 2018
やはり人気の金田バイク。当時のアイディアとしては斬新だったようだ。背景の書き込みも原作通りで観ていて圧倒されるものがあった。
1980年代に描かれたオリンピック建設現場が舞台とは。
AKIRAはわけわからず始まりわけわからんなりに少しずつわかってきてしかしわけわからんくして終わるネオネオネオなアニメやのに1980年代の作品が来年を描いていて、オリンピック施設建設現場が舞台という、、、エモエモアニメやった
— もてぃまりょ (@moteximaryo) August 11, 2018
私はしょーじき、金田とバイクに惹かれて見た
かっこいいわ pic.twitter.com/aQ95Rvds6s
確かに偶然ではあるが、近い設定年代に同じようにオリンピックが開催されようとは誰も思わなかったに違いない。
見るべきアニメ。
📀 <Daniel's Anime>
— 🐒 PD Daniel K. 🎥 (@DanikMovies) August 13, 2018
Akira / アキラ (1988) - Action, Drama, Sci-Fi | R
Mentioned in Fan Cafe
Daniel's comment: "A boy manhwa with many crossovers"
This is really a must-watch for anime
🎞️ https://t.co/yy1fEjoQDF
🍿 https://t.co/QDRF6BfHqv#KangDaniel #강다니엘 pic.twitter.com/Eg6k59r9S6
海外からもオススメのツイートが流れてくる。外国でも「見るべきアニメ」として認識されているようだ。
AKIRAに登場するバイクは実車がある?
AKIRAモデルバイクが市販品に!限定生産で888万円!
大型の電動バイク「zecOO(ゼクウ)」は2015年3月25日に発売となった。なんと全てハンドメイドのバイクなのだ。しかし、町工場など小規模な現場で製造できる部品などを使っているなど、実際に作ることが夢ではないバイクとなっている。値段は888万円(税抜き)で限定49台というハードルの高さではあるが、なんともマニア心をくすぐる内容だ。気になる人は是非調べてみて欲しい。
実は「zecOO(ゼクウ)」は「AKIRA」をモデルにした、とは一言もいわれていないのだ。周りの人間が「このデザインは!」と、ピンときただけなのである。だが、東京オリンピックが間近といい、電動である部分といい、「まさに!」と言いたくなるのも、わかるというものである。デザイナーが日本人なのも何か含みがありそうだ。
AKIRAのあらすじを解説!ストーリー・ネタバレ考察まとめ
「AKIRA」には、人間の戦うべきは己のコンプレックスであり、未来に期待することは良いことだ、というメッセージを感じる。特に対照的な鉄雄と金田だが、鉄雄は自分の劣等感を爆発させ、せっかく得た贈り物のような超能力の使い方を、「金田より上に立つ」という目的で発散させた。それ以外はどうでも良いかのように振る舞うのだ。結果、力をコントロールできず、大切にしていた物を壊してしまう。
対して、金田は自信満々な性格でリーダー気質である。ただ、それだけで普通の人間あるにも関わらず、超破壊的な超能力の前に立つのだ。確かに彼の超能力の前になすすべは無いが、最後まで救おうとする姿勢は鉄雄の未来を信じたからである。また仲間として受け入れる覚悟があったからだ。それができる人間と、劣等感に染まった人間とでこれだけ結果が極端に変わってしまう。
そして、人間の誰にでも力があるという設定から、人の葛藤の姿が見えてくる。誰もが力を持っていて、それを劣等感に偏る使い方をするのか、力を使わず未来を信じるのか。未来を予知するキヨコの「いつかは私たちも」という最後のセリフからは、もし、未来を信じる方向で力を使うなら、大きな力を大きな結果に結びつけることもあるいは、という意味に聞こえてくる。「AKIRA」はテーマどおり、未来に向けた映画なのである。