「AKIRA(アキラ)」漫画が東京五輪を予言?結末ネタバレ注意!

漫画AKIRA(アキラ)はテロやドラッグが蔓延した世界で現実と同じく2020年に東京五輪を控えた2019年を舞台としており現代を予言していたと話題になりましたが、実際に現実の東京五輪も様々な問題を抱えています。物語のラストも様々な考察の余地があり、漫画好きなら一度は色々な考察をしてしまう必見の漫画AKIRA(アキラ)の魅力を、あらすじを踏まえてラストまで考察していきます。

「AKIRA(アキラ)」漫画が東京五輪を予言?結末ネタバレ注意!のイメージ

目次

  1. 漫画版AKIRAの魅力を紹介
  2. 漫画AKIRAに出てくる超能力表現が凄い!
  3. 漫画AKIRAは数々の著名人に影響を与えた!
  4. キャラクターのクセが強い?漫画版AKIRAのキャラ紹介と考察
  5. 結局AKIRA(アキラ)という存在は何なのか?
  6. 第三次世界大戦の真相はAKIRA(アキラ)が原因だった
  7. 漫画AKIRAのラストをネタバレ紹介!
  8. 漫画AKIRAのラストから考察し学ぶ
  9. 漫画AKIRA(アキラ)の世界は現実を予言していた?
  10. 世界的評価を受けたアニメ映画AKIRA
  11. 漫画版AKIRAのに興味をもった方は作品をチェック!

漫画版AKIRAの魅力を紹介

謎のはじまりは若者同士の抗争から始まった:漫画版AKIRAの1巻のあらすじ

考察の前に簡単にあらすじを説明していきます。冒頭のあらすじとして、時代は第三次世界大戦を経た2019年。大戦後に新たに建設された首都「ネオ東京」を舞台に漫画AIKRA(アキラ)の物語は不良少年グループの抗争からスタートします。

主人公である「金田」「鉄雄」率いる暴走グループ(名称なし)とジョーカー率いるクラウンとの抗争のさなか、まだ復興が進んでいない旧市街近くの高速道路で、バイクで暴走していた鉄男は、道路の真ん中で佇むとある少年「タカシ」を避けきれずに事故を起こしてしまいます。

金田の目の前でタカシがゆっくりと姿をかき消しくていく…。そんな不思議な現象に動転する金田の前に突然現れたのは救急車でも警察でもなく軍(アーミー)でした…。病院送りにされた鉄雄。その後偶然出会ったタカシを追い詰めていく中、道中で行動を共にする事になった反政府軍のリュウの口から「AKIRA」という言葉が口にされます。

漫画版AKIRAの2巻と3巻のあらすじ:鉄雄の変化とAKIRA(アキラ)争奪戦

漫画版AKIRAの2.3巻のあらすじですが、鉄雄が謎の超能力を駆使して数々の暴走グループを潰して回っているうちに、鉄雄はAKIRAの存在を知ります。AKIRAに興味を持った鉄雄は大佐の忠告も聞かずAKIRAを呼び起こす事で、アーミー、金田、反政府ゲリラ、鉄雄、ミヤコ教によるアキラ争奪戦が繰り広げられる事となりますが、その最中にタカシが撃たれてしまった事でAKIRAが暴走し二回目の東京崩壊を引き起こしてしまいます。

漫画版AKIRAの4巻と5巻のあらすじ:東京崩壊後の勢力争いと鉄雄の力の意味

物語が大きく変わってのあらすじは、東京崩壊後には生活に困窮した一般人は「ミヤコ教」か「大東京帝国」に大きく分かれて生活圏を形成していました。そこに調査やAKIRA殺害目的の諸外国のスパイ等が入り混じります。鉄雄はAKIRAを中心とした大東京帝国を設立してドラッグによる超能力の開発を推進していきますが、AKIRAの力の意味に興味を持ち、敵対するミヤコに接触し、そこで自分自身の存在意義を諭されます。
 

6巻のあらすじ:鉄雄の暴走と覚醒そしてラストステージへ

漫画版AKIRAの最終巻である6巻のあらすじは、権力欲にまみれた大東京帝国の隊長がミヤコ教に攻め入り虐殺を行う中、鉄雄の力が強大化してコントロールができなくなりました。それに伴いミヤコはケイを使って鉄雄を挑発、誘導しながら鉄雄の力を解放していきます。

その力に誘発されたAKIRA(アキラ)の力が反応し、鉄雄と鉄雄の力共々吸収・融合して行き、AKIRA(アキラ)と鉄雄は消滅してしまいます。脅威がなくなった東京に他国が一気に侵入してきますが、生き残った金田やケイ達が他国の侵入を拒否し、「大東京帝国AKIRA」の建国を宣言して物語はラストを迎えます。

なお、映画のあらすじは漫画のAKIRA(アキラ)争奪戦と鉄雄覚醒がほぼ同時進行で描かれてはいますが、タカシが撃たれて東京が崩壊しまうことはなく、漫画とはニュアンスの違う結末となっています。

アキラ

漫画AKIRAに出てくる超能力表現が凄い!

全ては童夢という漫画から始まった

漫画の原作者である大友克洋氏の代表作に「童夢」という漫画がありますが、その中での超能力の表現は過去に類を見ない表現で、壁に円形の陥没が発生したり、天井が落下したり、はたまた力を出しすぎて血管が浮き出て鼻血が出るなど、今日の漫画表現では当たり前となっている表現手法が特に斬新でした。

漫画の世界では超能力の視覚的漫画表現において「大友以前」「大友以後」という表現があるほど漫画界での衝撃がすごかったとの事です。昔から漫画で超能力を表現するという事はあったのですが、主に「オーラや電気を飛ばす表現」であったり「物を動かす」という視覚的表現が漫画での基本でした。そこに新しい漫画での視覚表現手法として大友克洋が一石を投じた事となります。

よりパワーアップしたAKIRAの超能力表現

漫画AKIRAではその超能力の表現にさらに磨きがかかっており、作中たびたび出てくるレーザー砲をはじき返すシーンや爆発を反射させるシーンは地味ながらも超能力の存在をしっかりと感じさせてくれます。特に物語の核となる超能力者アキラが覚醒して力が暴走し、ネオ東京を丸ごとブラックホールのような球体に巻き込んで行くシーンはまさに原爆を彷彿させるような圧巻のシーンとなっています。

とにもかくにも漫画ではなく絵画を彷彿させる書き込みが非常に特徴です。物語のラスト辺りは鉄雄はほぼ人間の形を留めておらず、人体の肉と電気ケーブルなどの無機物を織り交ぜながら人体の形を維持するなど、異形を描くのも秀でていました。ケーブルと人体との結合は恐らくケーブルを血管として見立てているのではないかと考察します。

漫画AKIRAは数々の著名人に影響を与えた!

漫画界で漫画版AKIRAの影響を受けた人たち

あのヒット漫画NARUTOの作者である岸本斉史氏は、AKIRAの映画ポスターを見て漫画家になろうとと決意したとの逸話もあり、また、漫画作中に出てくる「我愛羅」というキャラクターは鉄雄がモデルとも漫画ファンの間では言われています。

映像作品ではあの監督も影響を受けた

一番有名な所でハリウッド映画「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟は日本アニメの「AKIRA」「攻殻機動隊」に大きな影響を受けてマトリックスを作成したとインタビューに答えています。「パシフィックリム」ではペントコスト司令官が敷島大佐がモデルになっていましたし、ジェームスキャメロン監督は漫画版AKIRAの(アキラ)を見て日本のアニメスタッフを引き抜いて帰ったとの逸話もあります。

キャラクターのクセが強い?漫画版AKIRAのキャラ紹介と考察

AKIRA(アキラ)という漫画はそれぞれの立ち位置によって見方が変わってしまう為、金田を中心とした物語ではあるのですが、肝心の主人公が一時出てこずに話が進んでいったりします。そんな魅力あるキャラたちを考察も含めて紹介していきます。

漫画版AKIRAの健康優良不良少年「金田」

物語の中心となるのは「さんをつけろよデコ助やろぅ」で有名な「金田」です。本人曰く「健康優良不良少年」の名のごとく基本的にはワル。他人に迷惑をかける事は当たり前ですが友達の事となると人一倍体を張ります。女友達の一人が「妊娠したかもしれない…」という話をされても一切動じず他人事のように「生むとこ見たい」と発言したり、国家権力に対して憶する所もありません。

超能力という力に侵食され暴走していく鉄雄を最後まで見放さずに追いかける性根の優しさはやはり漫画らしい主人公たる所以でしょう。東京崩壊後に一時的に姿がわからなくなりますが、鉄雄が力の覚醒の片鱗を見せた時に力のブラックホールの中から飛び出してくる描写が漫画にはあり、恐らく東京崩壊時のAKIRA(アキラ)の力の中に飲み込まれていたと考察します。

金田と言えばもちろん「金田のバイク」。当時漫画で見てもそのフォルムに魅了されるのは当たり前で、映画でこれが動くと知った時はみんながバイクシーンに注目しました。

金田の親友でかつ運命に翻弄された「鉄雄」

金田とは子供のころからの幼馴染で、何でも自然のままにこなす金田にたいして正反対で基本的に奥手でトロく、また、みんなの憧れになっている金田に対して劣等感を持っています。漫画作中でも対抗する組織クラウンへの報復中に気絶したクラウンの一員を執拗に鉄雄が暴行しているのを金田が「やめろ」と制止するのに対し、「俺に命令すンじゃねェ」と反抗して金田と一触即発になるシーンがあります。

超能力の力を悪用して暴走グループを次から次に壊滅・吸収していく鉄雄に業を煮やした金田のグループの山形が鉄男を倉庫に追い詰めた時は、拳銃を構えた金田に対して「撃てるわけねーよなァ」と金田を試すような発言もしています。様々な社会から疎外され続け、母親の写真ですら拾った物で本物の母親がわからない描写もあり、子供の頃から金田だけが唯一鉄雄を守ってきた過去もあります。

ネオ東京崩壊後は主にAKIRA(アキラ)を教祖とした新興宗教国家を立ち上げはするものの、AKIRA(アキラ)の力の本質を知り、それ以降は魂が抜けたような日々を過ごしていました。その後、唯一情報を持っているミヤコの存在を思い出しミヤコと接触を図りますが、その時に自分の存在意義をミヤコから諭されます。

物語のラストには力が暴走して第二のAKIRAになりかけていたのをミヤコ達によって力を導かれ、本来のAKIRAの力と衝突、吸収される事でAKIRAと鉄雄はこの世から消滅する事となります。ラストの暴走直前に悟った鉄雄がその場に居なかった金田に助けを求めたのはとても切ない気持ちになります。

鉄雄の最後は暴走した力が人体の原型を留める事ができなくなり、AKIRA(アキラ)の力を昆虫が光を探すように呼応するだけの存在になります。漫画でのこのシーンはまさに衝撃でした。

鉄雄と言えば白いTシャツの上に真っ赤なマント、そして右腕が機械とワイヤーがやはり特徴的です。物語の前半の気弱な雰囲気から一変して帝王のような出で立ちになります。漫画AKIRAはケーブルの書き込みも凄まじいです。

映画版と漫画版で完全に違うキャラのミヤコ

映画制作のタイミングが漫画原作が完成していなかったタイミングの為もあるのか、ミヤコが活躍しだす漫画原作第3巻までが映画のベースになっている為、映画版では完全なただのイカれた新興宗教の教祖で終末思想で「全てを浄化せよ」と説いて回っているわりには、自分の死の直前には「お助けぇ」と情けない声で叫んで自分のラストを終えているのを見て本当に不思議な気持ちになります。

漫画版AKIRA(アキラ)では主に翻弄される主人公たちのナビゲーターのような役目を果たしており、時には「ケイ」を通じて鉄雄にアクションを起こしたり、鉄雄の力を本来の力に導くために鉄雄を挑発、騙したり、暴走時には自らの命を使ってまで鉄雄の力をうまく調整していくなど、物語の重要人物です。映画内で祈祷の料金で1回500円を取るミヤコは漫画の中では想像もつきませんでした。

目が見えないのでサングラスはしょうがないですが、これで教祖のような立ち位置なので怪しさが凄まじいです。だが、サカキを娘のように可愛がっていたり、難民を助けたりと慈愛に溢れる人だったりする。とにかく漫画でのミヤコはカッコイイの一言につきます。

ちょい役からメイン役までたくさんの人間模様が絡んでいく

終始AKIRA(アキラ)に恐怖し、制御しようとしてきた敷島大佐は数々の名言を残しています。第三次世界大戦の原因となった一回目のAKIRA暴走後に凍結処理されたAKIRAの施設に来た大佐の一言に「見てみろ…この慌てぶりを…」「怖いのだ…怖くてたまらずに覆い隠したのだ…」というシーンは、いかにAKIRA(アキラ)という力は人類が触れてはいけなかった力だったのか?を感じさせてくれます。

また、AKIRA(アキラ)の存在を知った鉄雄が力を使って強引に大佐率いるナンバーズ達と科学者であるドクターに対してAKIRA(アキラ)の居場所を聞きに迫ってくる際、鉄雄の力がAKIRAを制御できるかもしれないという希望的観測のみで提案するドクターに対して大佐は「思いあがるな!貴様ら科学者の実験の為に何千万の人間の命を賭けられるか!」とかなりの責任感を意識していた事がわかります。

敷島大佐は一回目のAKIRA(アキラ)暴走時に実の父親を亡くしており、AKIRAの力が再度暴走する事を予言していました。それを防ぐ為に政治・軍事の両方から様々な努力を行ってきた苦労人です。物語のラストでは金田に一緒に他国からの侵略を守る為に自分と一緒に建国を持ち掛けられますが、未来ある若者に全てを委ねます。
 

他にも「ケイ」を娘のように可愛がっているマッスルおばさんの「チヨコ」や鉄雄の内面の寂しさを感じ取って最後まで鉄男を裏切らなかった心優しい「カオリ」。アーミーに協力してAKIRAの暴走を食い止めようとする超能力者「タカシ」「キヨコ」「マサル」。特にキヨコは特殊で他のナンバーズには備わっていない「予言」の能力があります。

AKIRA(アキラ)の復活を予言したり、鉄雄の覚醒を予言したりAKIRA(アキラ)の力によって東京が崩壊する予言の際は大佐はひどく狼狽しました。考えている事を透視できる能力を持てた鉄雄ですら、予言の能力は発動できなかったようで、いかにキヨコの予言能力が特殊だったのか?が伺えます。大佐はキヨコの予言を元に様々な対策を取りますが、結果は東京崩壊に向かっていきます。

軍の能力開発により強大な力を得た代わりに、自我を失い力そのものと化してしまった「アキラ」などなど、多数の登場人物の背景が漫画ではしっかり描かれており、それぞれの立場と正義で対立していく姿は非常に練られた構成だと思います。

結局AKIRA(アキラ)という存在は何なのか?

超能力は軍主導で行われていた開発能力

AKIRA(アキラ)とは物語の舞台の30年前にあたる1980年代に軍が密かに行っていた超能力開発実験におけるナンバーズの一人で、実験によって何かしらの結果を出した人間に対して番号が割り振られました。結果を出せなかった実験体は廃人になったり死亡したり国家機関が行う実験の中ではかなり非人道的とも言えます。

映画には出てこない漫画版にのみ出てくるナンバーズや超能力者達もいっぱいいる

映画版と漫画版では出てくる登場人物に差があり、「タカシ」(26号)「マサル」(27号)「キヨコ」(25号)、そしてミヤコ様は仮死状態で破棄されて生き残った19号となり、鉄男は41番目の番号が割り振られました。AKIRA(アキラ)は28号が割り振られています。

尚、映画では登場せず漫画のみに存在する、正式なナンバーズではないですがミヤコに育てられた「サカキ」「モズ」「ミキ」や鉄雄達によって能力を開発させられた「鳥男」「ホーズキ男」を始めとする超能力軍隊などが漫画では登場します。漫画版限定で登場する「鳥男」は両腕がなく目も見えないが遠視能力で全てを見通す事ができる。漫画内では主に攻撃部隊ではなく偵察や監視としての存在感が強く、一番厄介なポジションでした。

第三次世界大戦の真相はAKIRA(アキラ)が原因だった

28号のナンバーが割り振られたAKIRA(アキラ)はタカシ達と一緒にいた時期もありましたが実験時に力が暴走し、その際に東京崩壊を起こしましたが、当時それがAKIRA(アキラ)が原因であるとわかるまで3年を要しました。そして、その力を目的に第三次世界大戦が勃発するきっかけとなりました。

アキラは五輪会場建設予定地の地下に即時凍結処理され地下の奥深くに30年封印される事となりましたが、その力は強大過ぎた為あくまでもフタをしたに過ぎない状態だったのです。

AKIRA(アキラ)が持つ力そのものとは?

漫画作中のミヤコの発言から考察すれば、「宇宙のような不可逆的な一方通行になっている流れを押しとどめようとするのが力」。そして、せき止めた力を解放したした時、それまでにせき止められた流れが速度を倍加させながら元の状態へ戻ろうとする。AKIRA(アキラ)の姿形はすでに形骸で、その流れにすらおらず、東京を崩壊させたあの凄まじいエネルギーもその一部であったという事です。

漫画AKIRAのラストをネタバレ紹介!

物語ラストをあらすじを交えて考察していきます。力を制御できなくなった鉄雄はAKIRA(アキラ)の力と呼応しAKIRA(アキラ)に吸収されてAKIRA(アキラ)と共にその存在を消滅させました。吸収の際に金田も巻き込まれ力の波の中で漂う中で、鉄雄の記憶と金田がリンクして行きます。

AKIRA(アキラ)と鉄雄の力が融合していく深淵の中で金田は力の本質が「生命」「宇宙」そのものである事を理解します。その力が破壊を呼んだ原因は人類が進化を望んだ結果ではないかという結論に至ります。ラボで行われた実験による新しい力が進化を求めた結果でしたが、金田は不仕合せしか生まなかったのか?と記憶の中のキヨコ問いかけます。

それに対してキヨコは「心から通じ合える本当の仲間が出来た」と回答し消えていきました。そして記憶のリンクは少年時代に戻り、金田は一言鉄雄にこう言います。「俺はただ、あのとき友達になろうと思ったんだ…」鉄雄との記憶に感化されて力に飲み込まれようとしていた金田を現実に引き戻したのはケイや仲間たちでした。

力の融合が終わった後の東京には瓦礫だけが残りました。鉄雄との闘いが終わった事で他国が調査を名目に次々に東京に上陸してくる中、金田たちは新たに「大東京帝国AKIRA」を建国して他国の侵入を拒みます。そしてラストに「アキラはまだ俺たちの中に生きている」と残して去っていきます。

尚、漫画でも当時連載中だったヤングマガジンの結末と単行本では結末が違っており、最後の金田が去っていくシーンは単行本にのみ追加されています。単行本で手直しする漫画はよく見ますが、結末を変更する漫画はかなり珍しいです。

漫画AKIRAのラストから考察し学ぶ

人類は超能力という力を見つけ、何の畏怖もなく力を開発する事で自分達がコントロールできないパンドラの箱を開けてしまいます。その力にフタをする為にコントロールできない力の研究を続け、第二のAKIRA(アキラ)である鉄雄を生み出してしまい、結果東京は2度の崩壊を引き起こしました。

ラストではミヤコが金田に対して「お前はゆかねばならぬ」と言います。全てが消え去った後でも金田たちは生きて行かねばなりません。ただの人間である金田は誰からも力を借りず自分たちだけの力で生きて行くことを決め、他国の干渉を完全に拒否します。人類の力は個人の生きる強さにつきます。過去を否定するわけでもなく、未来に絶望する事もない。だからこその「アキラは俺たちの中で生きている」というセリフだと考察します。

漫画AKIRA(アキラ)の世界は現実を予言していた?

2020年の東京五輪を見事に予言!現実でもテロが起こる?

第三次世界大戦を経て復興に向かう漫画版AKIRA(アキラ)の世界ですが、復興の象徴でもある東京五輪の開催を目指して国は動いていました。ですが東京五輪跡地が軍事利用されるという情報があり反政府ゲリラに爆弾テロを起こされますが、その後反政府ゲリラのスパイが得た情報の中には跡地の利用に関して「地球を100回壊しても釣りがくる金」のアキラのメモがついた予算書が流出します。

まだ戦後復興で失業者は溢れ、インフラは復旧しきっていない現状にも関わらず、貧困者の救済よりも東京五輪を優先する政府。各地では国民の国家への不満が爆発していきます。実際の現実も連続する文書流出事件や役人のスキャンダルの連続、東京の築地跡地問題など現実も似たような話がたくさんあります。

特に現実の東京五輪に向けて様々な問題が解決していない民泊法を強行したり、昨今は貧富の格差がより取り出さされるようにもなり、東京五輪を前に政府に対する不穏な空気が流れているのは漫画AKIRA(アキラ)が予言していたのでしょうか?漫画では語られませんでしたが、映画では東京五輪開催前の政府の税制改革が失敗して大量の失業者が出て、東京五輪の反対運動が起きているという設定になっています。

これも現実の政府が提唱している消費税10%が失敗すると予言しているのでしょうか?尚、漫画はAKIRA(アキラ)が東京を再度崩壊させてしまった為、東京五輪自体は中止になったわけですが、「大東京帝国」の記念すべき一回目の「大集会」という形で東京五輪会場が再利用されました。

漫画AKIRA(アキラ)は原発事故も予知していた?

漫画版では特に表現されたわけではないのですが、映画版では鉄雄が力を使った際のデータに陽子崩壊が確認されたシーンがあり、AKIRA(アキラ)の力そのものの性質が非常に「核」の力に似たものだと推測されます。一回目の東京崩壊の際は、その力をめぐって第三次世界大戦までが勃発しましたが、結局AKIRA(アキラ)をコントロールできずに地下深くへ慌てて押し込めてしまいます。

AKIRA(アキラ)の力をコントロールする為に莫大な国家予算が組まれ研究は継続していくのですが、結局は鉄雄もコントロールできずに2回目の東京崩壊を起こしてしまいます。1973年のオイルショックを期に日本は原発の設置が進みましたが、1979年のスリーマイル島における原発事故を受け、原発に対する恐怖の為か世界の原発は一時停滞することとなりました。

ysl2yさんの投稿
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「コントールができる」という驕りから始まった原発の建設ラッシュは今、福島原発の事故で「本当にコントロールできるのか?」に変わってしまいました。AKIRA(アキラ)と同じくコントロールができなくなれば慌てて閉じ込めなかったようにするのか?我々人類は制御できない大きな力に対して今一度深く考える必要があるのかもしれません。

漫画ではなく宗教と宗教の争いは現実に起きている

ネオ東京崩壊後、ネオ東京は大きく2つの宗教団体によって復興していくことになります。AKIRA(アキラ)を教祖として鉄男が作る「大覚教」(大東京帝国)。ミヤコが難民を無差別に助けていった結果巨大化したミヤコ教。両宗教共に人民を統制していく為に救世主となる存在を使って統制していくわけですが、主に大覚教のNo.3である「隊長」(名前なし)が自己保身や自己利益の為にミヤコ教に襲撃したり、鉄男に反旗を翻したりと欲に走る一面があります。

破壊されつくした街の中で生きて行く為、人は救世主や宗教というものに頼らざるを得ないのは宿命なのでしょうか?隊長が何かと「道義」や「大儀」「正義」などを盾に人々を先導、コントロールして虐殺をしていく様は、近年ではテロ組織のISISを思い立たせます。

世界的評価を受けたアニメ映画AKIRA

製作費はなんと10億円!時はバブル絶頂期!

当時の日本映画としてはあり得ない製作費がまだ未完状態の漫画原作の映画に10憶という予算が割り当てられ話題になりました。総セル画枚数約15万枚は当時CGが主流でなかった当時にしては本当に破格だったそうです。

CGが普及してからは主にジブリ作品等では「もののけ姫」などが約14万枚などがラインと考えると、どれだけ異常なセル枚数かだったかわかります。特に近い時代のヒットアニメ映画でジブリの「風の谷のナウシカ」が1984年にあるが、風の谷のナウシカで5~7万枚です。

漫画では全く想像がつかなかった音楽の世界観

音楽を担当したのは「芸能山城組」で、主に民族音楽を中心としたパフォーマンス集団です。漫画AKIRAの世界観はどちらかと言えばサイバーパンクを中心とした近未来であり、どんな音楽が展開されるのか?を期待した人は多かったようです。

AKIRAの映画予告編ではまさかのジェゴグと呼ばれるバリ島の民族音楽で使われる竹製の楽器からスタートし、歌が始まったと思ったら「嵐」「力」などのただ単語を歌うだけ。しかしその世界観が完全に漫画AKIRA(アキラ)を昇華させるほど独特の雰囲気でマッチしていました。

特に映画でのジョーカーの登場シーンにて、バイクにまたがって両手を手放しで腕組みをしながら走るジョーカーの登場BGMの冒頭には一切の楽器の音が無く、「だっだ~ん…し~はぁ~…」という低音ボイスのみは死ぬほど衝撃を受け、自転車で手放し腕組み運転を真似をするのはAKIRA登竜門のようなものでした。

漫画版AKIRAのに興味をもった方は作品をチェック!

いかがでしょうか?AKIRAの結末や様々な予言がされていた作品ですが、まだまだ伝えきれない魅力がたくさんありますので気になった方は是非AKIRAという作品をチェックしてみてはいかがでしょうか?

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