2019年03月12日公開
2019年03月12日更新
ミッドナイト・エクスプレスは実話映画?あらすじや感想・結末ネタバレ
映画「ミッドナイト・エクスプレス」はトルコから麻薬を持ち出そうとして、空港で当局に逮捕された米国人青年ビリーの物語です。人権を無視された獄中から、自由を求める実話を基にした映画です。刑務所で理不尽な扱いを受け、生きる意味を見失いそうになる主人公の葛藤を描いています。ここでは実話映画「ミッドナイト・エクスプレス」のあらすじを、結末までネタバレで紹介します。また、実話映画「ミッドナイト・エクスプレス」を見た方の感想や評価もまとめて紹介します。
目次
ミッドナイト・エクスプレスは実話映画?
「ミッドナイト・エクスプレス」とは、実話を基にした作品です。脱獄系の映画は、いかに看守を騙して脱出するかという知能戦になるのですが、この作品はそういう映画ではありません。異国の地で囚われ、理不尽な扱いを受けた絶望感・次第に生きる希望を失い廃人と化していくさまを描いています。ここでは「ミッドナイト・エクスプレス」のあらすじネタバレを、結末や視聴した人の感想も踏まえてまとめていきます。
アメリカと中東諸国の間で緊迫した国際情勢が続いている70年代、アメリカ人ビリー・ヘイズがハシシ(麻薬)不法所持・密輸の罪でトルコの刑務所に投獄されてしまいます。獄中仲間との友情や看守による暴力・廃人と化していくさまを描いています。狂気・絶望感を漂わす演出が高い評価を得た作品です。
実話映画「ミッドナイト・エクスプレス」は、ほんの出来心から引き起こした恐怖の体験をA・パーカー監督が淡々と、しかし力強く描き出した力作です。タイトルの「深夜特急」とは「脱獄」を意味する隠語です。
ミッドナイト・エクスプレスの映画情報
実話映画「ミッドナイト・エクスプレス」は、アメリカで1978年に公開されました。監督はアラン・パーカー、脚本はオリバー・ストーンで主演はブラッド・デイヴィスです。アカデミー賞では脚色賞と作曲賞の2部門を受賞しています。また、ブラッド・デイヴィスは1991年に41歳という若さで他界しています。
ミッドナイト・エクスプレスは実話を基にした映画
映画「ミッドナイト・エクスプレス」は1970年に実際に起きた事件を基にした作品です。ビリー・ヘイズが自身の実体験を記した同名の著書を原作にしており、あらすじに関して、原作と違う点がいくつかあります。また、この映画がカンヌ映画祭で上映された後、アメリカとトルコの間で犯罪人引渡条約が締結されました。そのため、(条約締結のための交渉自体は公開前から行われていた)記念碑的作品とされています。
1970年代のアメリカは学生や少年・少女などの若年層まで麻薬が蔓延しつつありました。友人へのお土産に麻薬を持ち帰ろうと考えたのは、国民の生活に入り込んでおり、手が出しやすかったためです。当時、ニクソン政権下のアメリカは中東諸国と険悪なムードでした。実話映画「ミッドナイト・エクスプレス」のあらすじ・結末はこのような状況が下地にあります。
近代のトルコは対共産圏の防波堤として利用され、国内に数多くの米軍基地があります。(現在、対イスラム圏の防波堤)トルコはEUに加盟したいため、アメリカと友好関係を維持する必要があり、国民感情は複雑なものがありました。逆に言うとアメリカに味方するイスラム圏で数少ない国家でもあります。
ミッドナイト・エクスプレスの映画あらすじをネタバレ
ここでは実話映画「ミッドナイト・エクスプレス」についてあらすじを結末まで、ネタバレを織り交ぜながら説明していきます。また、あらすじ・結末を知ることで言葉が通じない国の刑務所に囚われた主人公の孤独と絶望・刑務所仲間との友情、刑務所の劣悪な環境を知ることができます。物事を見るときは様々な角度から見なければ真実は見えてこないことも実感できます。
あらすじネタバレ:留置所へ
1970年、アメリカの大学生ビリー・ヘイズは2kgのハシシ(麻薬)を隠し持ち、アメリカ行きの旅客機に乗り込もうとします。しかし、彼の態度を怪しんだ警官が身体検査をし、麻薬所持の罪で恋人・スーザンの眼の前で逮捕されます。警備が厳重になったのはゲリラの爆破事件が増えたためでした。また、当時トルコはヘロインの密輸で世界から非難を受けていました。
取り調べでビリーは市場でタクシーの運転手からハシシ(麻薬)を手に入れたことを話します。市場についたビリーは隙を突いて逃走を図り、拳銃を突きつけられて捕まります。再び拘束されたビリーは留置場へ入れられました。彼は寒さのせいで寝られず、独房の外から毛布を取ってきた事で看守長直々に凄まじいリンチを受けます。
あらすじネタバレ:出会い
ビリーは刑務所でアメリカ人のジミー・エリック・英国人のマックスと友人になります。ジミーは外国人にとってこの刑務所は大変危険な場所だと言い、子どもたちは悪人で何でもやる密告屋の手先だ、気を許してはいけないと教えます。また、「この刑務所に入れられたら半病人になるか、深夜特急に乗るかのどちらかだ」と話します。間もなくビリーの父が駆けつけ、合衆国領事館の助けを借りて裁判が行われました。
検事は終身刑を求めたが、ビリーに申し渡された刑期は4年でした。弁護士は模範囚になれば1年減刑されるので、結果は我々の勝ちだと言います。ジミーから脱獄計画に参加するように言われますが断り、ビリーは刑期を早めるため模範囚になります。孤独とその苦しみに耐えるため、いつしかエリックと愛し合うようになります。そのエリックも刑期を終え出所しました。
残りの刑期が後53日になったとき、突然、裁判がやり直されると知らされます。結果、刑期30年という途方もない判決を言い渡されます。ビリーは国際政治の駆け引きで、生贄にされたのです。「今日は合法でも明日は突然違法になるのが、ここの現実だ。豚ばかりの国でどうして豚を食わない。キリストは悪人を許したが俺は許さない」と訴えました。
あらすじネタバレ:ジミーの計画
絶望したビリーはジミーの脱獄計画に参加します。ジミー・マックスの3人で地下の壁裏にある坑道から脱獄しようとします。しかし、出口が塞がれているため刑務所に戻りました。密告屋の告げ口で、ジミーは看守長に拷問されますが、仲間を売りませんでした。仕返しにビリーとマックスは密告屋が隠している金を全て焼き捨てます。今度はマックスが刑務所内で麻薬を売っていると告げ口されます。
看守長はマックスにリンチを加えるため、拷問室へ連れて行きます。マックスを見て笑う密告屋。マックスは廃人同様と化し、精神異常者専用区である病棟区域へ入れられます。絶え間ない看守からの拷問に、ビリーの精神は限界を超えてしまいます。怒り狂ったビリーは、密告屋に飛びかかり、密告し続ける彼の舌を噛みちぎりました
ミッドナイト・エクスプレスの映画結末をネタバレ
政治の駆け引きという目に見えぬ糸であやつられ、最初の生贄となったビリーは、日に日に憔悴し精神的に破綻していきます。ここでは実話映画「ミッドナイト・エクスプレス」の映画結末をネタバレあらすじとともにまとめていきます。
結末ネタバレ:病棟区域へ
ビリーは密告屋を半殺しにしたため、病棟区域へ移されます。そこは常軌を逸した刑罰で心身ともにおかしくなった受刑者たちが大勢いました。その中の1人、アーメッドがビリーに話しかけます。ハーバード大学で哲学を勉強した彼は、少女の強姦容疑で刑務所に入れられたと言いました。何年も刑務所にいるが釈放してもらえない、ビリーも同じ目にあうだろうと話します。
ある日、恋人スーザンが訪問し、変わり果てたビリーの姿に絶句します。ビリーは彼女に「服を脱いでくれ」と懇願し、裸になった姿を見て自慰をします。スーザンはその姿を見て涙を流し「ここから出るのよ」と言い聞かせます。
スーザンはビリーに家族のアルバムを渡しました。そこには脱獄用の現金が隠されていたのです。彼女は彼を慰めるだけじゃなく、生きる希望を与えました。ビリーは看守を買収することにします。以前、ジミーに刑務所の病院にいる看守は1人だけなので、病院に入れば脱獄できると聞いていました。ビリーは廃人になったマックスに深夜特急に乗ることを告げ、必ず助けにくると約束しました。
結末ネタバレ:刑務所脱出
ビリーは看守長に「俺を病院に入れてくれ」とお金を渡します。しかし、看守長が連れてきたのはいつもの拷問部屋でした。「今日は容赦しない」といい自分のベルトを外すと、一気にズボンを下ろします。大人しく買収に応じるかのように見えた看守長は拷問の上、ビリーをレイプしようとします。ビリーが体当たりすると、衣装掛けに後頭部が突き刺さり、看守長は即死しました。
「ミッドナイト・エクスプレス」の結末でビリーは、看守長の死体から銃を入手し、近くにいた看守を襲って制服を奪います。ビリーは看守に変装し、堂々と刑務所の正門から脱出します。3週間後、アメリカに戻って家族やスーザンと再会しました。
ミッドナイト・エクスプレスのキャスト・登場人物
ここでは実話映画「ミッドナイト・エクスプレス」のキャスト・登場人物を紹介していきます。「ミッドナイト・エクスプレス」は、若き日のオリバー・ストーンが実話を基に脚色したことで有名です。
ブラッド・デイヴィス/ビリー
実話映画「ミッドナイト・エクスプレス」の主人公ビリーを演じるのはブラッド・デイヴィスです。彼は17で歳音楽才能コンテストに優勝し、ニューヨークで演技を学びました。1985年にAIDSを題材にした演劇「The Normal Heart」で主役を努め、本作品でゴールデングローブ賞新人賞・英国アカデミー賞にノミネート。そのため、この映画が代表作といえます。
また、後にエミー賞を受賞するキャスティングディレクター、スーザン・ブルーステインと結婚します。1985年にAIDSと診断され、AIDSが原因で死亡したとされています。現在、妻スーザンはAIDS撲滅キャンペーンを続けています。
アイリーン・ミラクル/スーザン
実話映画「ミッドナイト・エクスプレス」の主人公の恋人役を演じたのは、アイリーン・ミラクルです。代表作はパペット・マスター、インフェルノです。「ミッドナイト・エクスプレス」のアイリーンは架空の人物です。変わり果てた恋人と面会し、ビリーに懇願されて裸になるシーンが狂った世界観を演出しています。彼女は脱獄する手助けをしました。
ランディ・クエイド/ジミー
実話映画「ミッドナイト・エクスプレス」のジミー役を演じたのは、ランディ・クエイドです。ヒューストン大学で演劇を学んだときに知り合ったピーター・ボグダノヴィッチ監督のデビュー作で1968年に映画デビュー。73年「さらば冬のかもめ」でアカデミー助演男優賞にノミネートされました。その後、30年にわたり90本以上の作品に出演、代表作にインディペンデンス・デイなどがあります。弟は俳優のデニス・クエイドです。
ミッドナイト・エクスプレスに関する評価は?
ここでは実話映画「ミッドナイト・エクスプレス」を見た人の評価や感想をまとめていきます。ネタバレあらすじ・結末からトルコ現地の刑務所がいかに過酷であったか伺いしれます。しかし、実際に見た人の感想はさまざまあるようです。
前に見た時は「重かった」、でも今観るとまた変わるかもしれませんね。映画も文学も音楽も、鑑賞した時の年齢や環境、時期によって受け取り方が違うのがとても興味深いです。「ミッドナイトエクスプレス」は未視聴なので機会を見つけて観てみたいです。リプライありがとうございます✉
— 屍 (@84shine84) March 7, 2019
「ミッドナイト・エクスプレス」のネタバレあらすじ・結末は(精神的に)重い、凹む映画だと名高いにもかかわらず「鑑賞したときの年齢や環境によって受け取り方が違う」と好意的な感想を持つ方もいらっしゃいます。
「ミッドナイトエクスプレス」鑑賞。喰らった。完全に喰らった。こないだ「暁に祈れ」を見たが、あんなもんじゃない。ここには本当の地獄が収録されている。新しい映画より、技術は劣るかもしれない。しかし、映画は技術じゃない、命だ。この映画にこそ本物の命が吹き込まれている。
— Blog_Machinaka🐻@遊びも仕事で仕事は仕事 (@Blog_Machinaka) February 9, 2019
古い映画に敬礼。 pic.twitter.com/la35z65UM4
78年に公開された古い映画で、新しい映画より技術は劣るかもしれない。しかし、「ミッドナイト・エクスプレス」は演技をしたキャストの熱い想いがこもっており、それが根強い人気の1つとなっております。刑務所で麻薬に溺れるマックスの演技力が素晴らしいと高評価です。
『ミッドナイト・エクスプレス』
— kitaco (@kitaco127) December 4, 2018
旅先で麻薬所持罪に問われ投獄されたアメリカ人。そこは地獄だった。
実話をオリバー・ストーンが脚色。アラン・パーカー監督の映像美は健在。過剰な描写は原作者から抗議も。トルコは怖いと刷り込まれるトラウマ映画ゆえに様々考えさせられる。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/oafubu4Nur
「ミッドナイト・エクスプレス」は実話をもとに脚色を加えたもので、刑務所でのあらすじネタバレは大嘘だとおっしゃる方や、偏見がひどいとの意見も多数あります。著者も実際には1人旅で、レイプはなかったとネタバレしています。結末も看守を殺して脱獄していません。そのため、一番の見せ場である恋人スーザンとの再会シーンも脚色なのです。
31. ミッドナイト・エクスプレス
— 梧桐彰@クマ殺し (@AkiraGoto_NLS) February 28, 2019
政治の軋轢の結果、適当に作った法律や規則を厳格に個人に適用するとこうなります、という映画。
とても嫌な気分になれるのでみんな見よう。
この作品は自分の身に起きる可能性もあるという恐怖を感じます。政治的な理由で国交がなかったら、1度捕まると出る手段がないのです。この映画でも、主人公は半ばアメリカに見捨てられるような状況になってしまい、周りの弁護士も金を搾り取ろうとするし、不正が横行していました。脱獄できたという結末だけが救いだったとの感想もあります。
明日WOWOWでミッドナイト・エクスプレスやるんだな。主人公の自業自得とかトルコへの偏見とかの感想もある様だけど、あの獄中劇の描写は凄いものがあって忘れられない映画だった http://bit.ly/bg4SVr #eiga
— GreenDeepForest (@GreenDeepForest) March 2, 2010
また、麻薬を持ち帰ろうとした主人公の自業自得だとの意見もあります。看守を殺して刑務所を脱獄したあらすじ・結末に不満がある方も多数いらっしゃいます。
bcxxxさんが書いてた『ミッドナイト・エクスプレス』という映画を観てみた。音楽が効果的すぎて不気味だった。。。
— kuro (@enjoyrelax) October 17, 2009
作品のネタバレやあらすじ・結末に触れることなく、心臓の鼓動の演出音楽がハラハラ・ドキドキするとの声も多数あります。他にも、トルコの乾いた空気に響くような曲が切なくて美しかったと好意的な意見の方もおられました。
ミッドナイト・エクスプレスの映画ネタバレまとめ
「ミッドナイト・エクスプレス」に関するあらすじ・ネタバレ・結末をまとめてみましたがいかがでしょうか。実話映画「ミッドナイト・エクスプレス」はトルコのダークサイドを描いています。ビリーは犯罪を犯し、想像を絶する体験をしました。結末は脱獄に成功しましたが、実際に視聴した人の感想や評価はさまざまでした。
どの国も文化の違いがあり、映画公開後にトルコは自国の刑務所の改善に乗り出しました。ネタバレあらすじで偏見だとの意見もありますが、トルコだけに限らないのではないでしょうか。著者ビリー・ヘイズも「この映画のメッセージはトルコに行くなと言っているのではない。かつてのわたしのような愚か者にならないでほしい、麻薬の密売を企てないでくれ」と話しています。
「ミッドナイト・エクスプレス」は看守によるレイプや同性愛の描写が、陰湿な暴力を用いて描かれています。作中でジミーは、看守のリンチ後にヘルニアになり睾丸を潰されました。こういった情報を事前に知っておくといいという感想もあります。事前にネタバレあらすじを知ることで、時代背景が理解でき偏見を待たずに見れます。そのため、こういう感想や評価を参考にすることも大切です。