凶悪は実話映画?ネタバレあらすじや結末の感想など考察【山田孝之】

映画『凶悪』は、実際にあった死刑囚の告白を文庫化したノンフィクション小説を原作とした、社会派サスペンスエンターテインメント映画です。白石和彌監督の初の長編映画作品で、主演は山田孝之です。本記事では、映画『凶悪』の物語のあらすじをネタバレしていきます。また、映画『凶悪』は実話映画なのか、その真相を考察していきます。映画『凶悪』を見た人の感想もネタバレしていきますので、興味のある方はぜひご覧ください!

凶悪は実話映画?ネタバレあらすじや結末の感想など考察【山田孝之】のイメージ

目次

  1. 凶悪は実話映画だった?物語のあらすじや感想をネタバレ紹介
  2. 凶悪とは?
  3. 凶悪の主演は山田孝之!映画キャストを紹介
  4. 凶悪のあらすじをネタバレ解説~映画版~
  5. 凶悪を見た人の感想をネタバレ紹介!
  6. 凶悪は実話映画?真相を考察!
  7. 凶悪の映画をぜひご覧あれ!

凶悪は実話映画だった?物語のあらすじや感想をネタバレ紹介

本記事では、山田孝之主演の映画『凶悪』は実話映画だったのかという疑問の真相を考察していきます。他に映画『凶悪』についてや山田孝之をはじめとする出演キャスト、あらすじをネタバレ考察していきます。また、見た人の感想もご紹介していきます!映画『凶悪』のキャストやあらすじ、考察、感想など本作品のネタバレ要素を含みますので、ご注意ください。

映画『凶悪』公式サイト

凶悪とは?

映画『凶悪』は、2013年公開した白石和彌監督作品です。主演は山田孝之で他にピエール滝、リリー・フランキーなど豪華俳優陣が出演しています。本作は、『凶悪ーある死刑囚の告白ー』(新潮45編集部編、新潮文庫)を原作とした社会派サスペンスエンターテインメント映画です。

『凶悪』は、「知るべき闇は、真実の先にある。」というキャッチコピーのもと2013年の公開から11日で、興行収入が1億をこえ、その人気のため年を超えてロングラン上映されました。

「人間はどこまで凶悪になれるのか。誰もが凶悪となりうるのか。そして、人間が持つ正義とは―。」というテーマを基に作られており、原作ノンフィクションから発展した、白か黒では括れない人間の本質に迫る重量級でスリリングな人間ドラマが描かれています。また、現代社会が抱える凶悪さや闇に深く切り込んでいく作品でもあります。

凶悪の主演は山田孝之!映画キャストを紹介

実話をもとにしたとされる映画『凶悪』の主要キャストをネタバレしていきます。山田孝之をはじめとする豪華俳優陣の熱演は必見です。また、この後の、ストーリーのあらすじのネタバレ考察や映画の感想、出演者についての感想、実話かどうかの真相考察にも重要な人物となります。

藤井修一(山田孝之)

スクープ雑誌「明朝24」の記者で映画『凶悪』の主人公です。死刑囚須藤に余罪である殺人事件を告白されたことにより、世に言う「上申書殺人事件」の真相を追っていきます。

須藤純次(ピエール瀧)

数々の犯罪を犯し、死刑判決を下されている男性です。映画『凶悪』のキーとなる人物でもあります。藤井に余罪を告白する手紙を送り、記事にして「先生」を追い詰めたいと頼みます。

木村孝雄(リリー・フランキー)

「先生」とよばれている不動産ブローカーです。須藤と共に数々の殺人を犯しますが、須藤が刑務所に入ったのちにも塀の外で悠々と暮らしています。映画ではその凶悪さが描かれています。

藤井洋子(池脇千鶴)

藤井の妻で、認知症を患う藤井の母の介護をしています。殺人事件の今日は凶悪さからはかけ離れたところで生活していますが、懸命に介護をし、藤井のことも支えて行く中で、母の介護や藤井の態度に相当なストレスを抱えています。

凶悪のあらすじをネタバレ解説~映画版~

山田孝之主演の映画『凶悪』のあらすじをネタバレ考察していきます。ここで実話をもとに作られたという映画『凶悪』の全容が分かります。相当なあらすじネタバレとなっておりますので、映画『凶悪』のあらすじをまだあまり見たくない方はご注意ください。

死刑囚・須藤純次が7年前に起こした凶悪殺人事件

映画『凶悪』のストーリーは「この物語は実在の事件をもとにしたフィクションである」というテッロプからスタートします。そして、七年前、どこかに向かっている車の中で、3人の男性が話をしていますが、そのうちの1人は縛られておびえている様子です。運転している男性に「純次さん」と呼ばれる男性が、その縛られている男性を殴り、暴言を吐きます。

そして、縛られていた男性は川に落とされてしまいます。また、場面が変わり、ある一室で男性が縛られ、先ほどの「純次さん」と「五十嵐」と呼ばれる運転手だった男性に女性が強姦されています。

女性は多量の覚せい剤を投与され、死んでしまいます。そして、「純次さん」は「五十嵐」に灯油をまくよう指示し、男性もろとも部屋に火をつけます。

その後、車内で、「純次さん」は「五十嵐」に銃を突きつけ、「お前だけは信じてたのによ」と言い、「五十嵐」を殺害します。そして、数々の殺人を犯した「純次さん」こと「須藤純次」は警察に捕まります。

獄中からの復習ー死刑囚・須藤純次の告発ー

須藤が逮捕された数年後、強姦され放火された女性の父親のもとにあるジャーナリストが取材に訪れます。父親は、「娘は殺害されたのに、なぜその娘が非難されなくてはならないのか」と憤りを口にします。また「やっと世間は忘れ始めている。放っておいてくれ」とも。

ジャーナリストこと「藤井修一」は、「時間がたった今だからこそ伝えるべきことがある」と交渉しますが、「面白おかしく記事にして、被害者のことなど何も考えていない他の記者と、あなたは何が違うんですか?」という問いに言葉がでず、取材を断られます。

会社に戻った藤井は上司に先ほどの「風俗嬢ストーカー殺人事件」の取材を断られてことを報告します。そして上司に、ある手紙を預かり、その送り主にあって話を聞くよう指示されます。その送り主こそが、死刑囚「須藤純次」だったのです。

藤井は獄中の須藤と面会室で対面します。須藤は犯した罪の残酷さから想像されうる様子とは異なり、丁寧に物腰柔らかく、そして神妙な面持ちで話を始めます。「自分は死刑判決を受けている身であるが、話していない余罪が3つある。そして、その首謀者だった人物が捕まらず娑婆でのうのうと生きていることが許せない。」と明かします。

そして、藤井は手紙の内容を確認し、須藤は余罪について話し始めます。須藤は「1人目のじいさんは焼却炉で燃やした。土地を転売して生き埋めにしたじいさんが2人目、3人目のじいさんは保険金かけて殺した。」と話します。そして、そのすべての事件の首謀者は、須藤が「先生」と呼ぶ人物であり、娑婆でのうのうと生きているといいます。

須藤は、自分の話を記事にして「先生」を追い詰めたいと言い、藤井に頼みます。また、藤井は、刑務所をでて家に帰ります。すると認知症の母の面倒を見ている妻・洋子から母のことを相談されますが、藤井はそれどころではなく、須藤の証言をまとめます。

「先生」は本名を木村孝雄といい、土地を転売する不動産ブローカーでした。藤井に報告を受けた上司は、不動産ブローカーの犯罪はよくあることであり、記事にできないと藤井に言います。藤井は須藤に、証言内容に信憑性が持てないため、記事にできないと話します。

須藤は、自分は上告中であり、性に執着していて余罪を話すはずがないと「先生」は考えていると言います。そして、須藤がそこまでして「先生」を憎むわけは、須藤が「先生」の企みによって、自分の舎弟である「五十嵐」を殺すことになってしまったからであったと打ち明けます。

須藤は、「どうせ死ぬなら綺麗になって死にたい。どうせ死ぬなら明るみになっていない事件も明かさなければ被害者の方々が浮かばれない。」と言って藤井に頼み込みます。藤井は、被害者のことを思ってか、会社に黙って記事にしようと考えます。しかし、須藤の話は記憶があいまいで、藤井はどこか引っかかるところがあったため、分かっているところから事件の詳細を調べ始めます。

現地取材ー須藤純次の告発の信憑性ー

藤井は、2件目の土地を転売して生き埋めにされた事件について調べ、地図を辿りながら現地を訪れ、転売された土地を発見し、その被害者は島神という名前であることをつかみます。近所の男性によると、転売される前の島神の土地にはヤクザが出入りしており、「先生」が関わっていることが分かりました。

藤井は須藤の証言と自分で調べたことを照らし合わせて、島神を生き埋めにした場所を特定します。その場所は手を付けられていない空き地になっており、「先生」の会社である木村商事が所有する土地でした。空き地であることとと「先生」が後から遺体を掘り起こして閥の場所にいつしている可能性があるため、証拠を見つけることは困難となりました。

一方須藤は、森田という一件目の遺体を焼却したもう一人の協力者がおり、彼は土建屋でその会社の焼却炉で処理したと話します。藤井は森田を訪ねると、森田は事故にあって話ができない状態でした。そして3件目の保険金殺人の被害者は自殺として警察が処理しており、これも証拠を見つけることは困難でした。

藤井は、須藤の話が真実であると思いながらも証拠がないため記事にすることを止められているがと須藤に話します。すると須藤は激高し、今までの落ち着いた雰囲気とは別人格のような様子で藤井に怒りをぶつけます。藤井はその「凶悪」さを垣間見ながらも、事件の真相を負うために取材を続けようとします。

一方で、藤井の家では認知症の母と妻の関係が悪化し、妻が藤井に助けを求めますが、藤井は疲れ切った様子で話を打ち切ります。そして、家族のことは顧みず、取材を続けます。そして藤井は須藤の妻のもとを訪れます。彼女は、「先生」にはお世話になったということと、3件目の保険金殺人の被害者の牛場について話します。

また彼女は、須藤はどうしようもないけど憎んない奴だったと話します。ここで藤井は、「先生」と須藤の狂気に満ちた犯行とは裏腹な、人間味のある面を知ります。藤井は再び須藤に会いますが、前回のような凶悪さはなく初めにあった時のような穏やかな様子に戻っていました。

死の錬金術師ー木村孝雄が企てた殺人計画ー

藤井は3件目の被害者の牛場の家族のもとを訪れます。そこで牛場が多額の保険金に入っていたこと、本当に自殺だったのかということについて尋ねますが、家族は警察がそう判断したと言い、なにかを握っている様子もありましたがそれ以上は何も聞き出せずその家をあとにします。そして、自殺現場とされる場所も訪れますが何も証拠はありませんでした。

第1の殺人事件ー全てはこの事件から始まったー

「先生」は、自分の事務所で金を貸していた男性が返さないと言ってきて激高し、その男性を殺してしまいます。そして、木村は須藤に相談します。木村と須藤は土建屋の森田を訪ね、そこの焼却炉で遺体を燃やします。これが須藤が藤井に告白した第1の余罪であり、この映画で語られる事件の始まりです。ここで須藤は木村を落ち着かせる言葉をかけたり、木村が須藤を頼っていることから、二人は親密な関係にありました。

第2の殺人事件ー島神剛志さん不動産殺人事件ー

2件目の事件の被害者、島神の所有する土地を須藤と木村が訪れます。木村によると、島神は失踪しており住民登録もされていないため、島神本人は殺して、適当な人物で住民登録して高値で売ってしまおうという話になった。福祉団体関係者の福森という人物の協力を得て島神を見つけ出し、気絶させて、人が行きつかない空き地に生きたまま埋めてしまいます。

一方で、「ムショ仲間」の「けんちゃん」の出所祝いをしていると、彼は自分の組から出所後にひどい待遇を受けたと愚痴をこぼしたことで、須藤は敵対する組の組長を殺そうとたくらみます。

第3の殺人事件ー牛場悟さん保険金殺人事件ー

木村は3件目の保険金殺人の被害者の牛場の家族のもとを訪れます。家族によると牛場は相当額の借金をしており、家屋は保険料も払えない借金苦に陥っているということでした。そこで木村は、もともと酒に酔って体を壊していたことから、大量のアルコールを摂取させて自殺に見せかけて殺すことを計画します。牛場の家族も了承し、木村に牛場を預けます。

そして、須藤とその舎弟の協力の元、牛場を殺害し、自殺に見せかけて死体を森に遺棄します。また、須藤は「けんちゃん」の組の組長を殺しにいたったところ、「けんちゃん」が嘘をついていたことを知り、逃げていた彼を捕まえて川に突き落とします。これが映画冒頭にあった七年前の殺害です。

須藤と木村の歯車が狂う

須藤は、牛場の死体遺棄後、「けんちゃん」を逃がしたということで舎弟の日野の殺害を企てます。これは映画冒頭のマンソンの一室で女性を強姦し薬物を過剰摂取させたことで殺害し、縛っていた日野もろとも放火して証拠隠滅した事件で、風俗嬢ストーカー殺人事件と報道されていました。この事件で女性は死亡しましたが、日野は大けがを負いながらも助かり、この事件によって須藤は警察に指名手配されました。

木村は須藤が計画外の殺人を犯して警察に追われていることにより、自分の身も危ないと思いました。そして、須藤に、捕まっても死刑にはならない、刑務所に入っても金を送って世話をするといって安心させ、さらに舎弟の五十嵐が自分に逃走のための資金を頼んできたことを告げます。これは木村の嘘でありましたが、裏切られたと激怒した須藤は、五十嵐を銃で撃って殺害します。これによって、須藤は死刑囚となりました。

スクープ!ー上申書殺人事件ー

藤井は上司に記事を上げる許可を取り、須藤の告白を記事にして週刊誌によって報道しました。須藤の告白した3件の余罪は、須藤が上申書のなかで告白したことから「上申書殺人事件」と呼ばれました。

牛場悟さん保険金殺人事件第3回公判

3件目の保険金殺人事件にかんしてその家族が警察に捕まったことにより木村の関与、今までの犯罪も明るみになり、裁判にかけられました。この結果、木村は無期懲役、そして須藤は懲役20年となりました。

明潮24記者が木村孝雄を通して見た深い闇

藤井は木村の裁判で証言したのち、感情を高ぶらせながら「無くなった被害者のためにもあなたは生きていちゃいけない。この世で喜びなんか感じるな。生きてる実感なんか感じるな。」と言います。また、映画の最後、木村に面会した際、木村は「私を殺したいと1番強く願ってるのは、被害者でも須藤でもなく」と言い、藤井を指し示します。その時の藤井の深い闇に満ちた、序盤とは全く違う表情で映画が幕を下ろします。

凶悪を見た人の感想をネタバレ紹介!

本作は「新潮45」が記事にして暴いた実話がもとになっているといわれています。人間や世の中の「無常さ」や「暗さ」が見事に表現された作品です。

本作品を見て、「上申書殺人事件」の真実や凶悪さに目が行きがちですが、主人公藤井や須藤、木村を通して、人間の様々な面が表現されています。

凶悪は実話映画?真相を考察!

山田孝之主演映画『凶悪』本当に実話映画なのか、その真相を考察していきます。今までのあらすじ考察や、この映画の好印象の感想や悪い印象の感想、その他映画に関する感想とあわせてお読みいただくと、本作品についてより詳しく考察することができます。

映画『凶悪』の原作とは?

映画『凶悪』の原作はあり、本作は実話をもとに作成された映画です。原作は、『凶悪ーある死刑囚の告発ー』(『新潮45』編集部偏)で、実際に株式会社新潮社の編集者の宮本太一が死刑囚から告発された未発表の殺人事件の話をもとに、白日の下に晒されるまでのすべてを書き収めた、ノンフィクション作品です。本作で作者の宮本は、この話はフィクションではなく本当にあった実話であると繰り返し話しています。

原作と映画版の相違点とは?

この映画と原作との関係性について、ここでは大きく違っている部分をいくつか挙げていきます。まず、原作では須藤が書いた手紙の全文が記載されていますがその中で、映画では須藤自身が殺したと描かれている舎弟は自殺だったと書かれています。また、2件目の島神さん不動産殺人事件の協力者である福祉団体関係の福森という人物は、原作では「先生」と同じ不動産ブローカーであります。

そして、原作では全く触れていないこと、それは藤井の家族のことです。映画では、認知症を患う藤井の母とその世話をする妻が登場します。これは映画ならではの演出ですが、このことによって作品全体を漂う、山田孝之演じる藤井修一の「暗さ」や「無常観」が表されています。

凶悪の映画をぜひご覧あれ!

本記事では、山田孝之主演の映画『凶悪』は実話映画なのか、そのあらすじとキャスト、感想を含めてネタバレ考察していきましたがいかがだったでしょうか?人間の「凶悪」な部分を迫真の演技で演じた各役者陣の名演技は必見です。ぜひ映画『凶悪』をご覧ください!

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