2019年03月10日公開
2019年03月10日更新
映画インタビュー・ウィズ・ヴァンパイアのあらすじをネタバレ!吸血鬼の結末は?
1994年公開のニール・ジョーダン監督のゴシックファンタジー映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』をご存知でしょうか?ブラッド・ピット主演に加えトムクルーズやアントニオ・バンデラスなど豪華キャストで送る吸血鬼映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のあらすじや、センス溢れる結末などをあらすじをネタバレを最小限にしつつご紹介します。ネタバレを含む項目は見出しに「ネタバレあり」と表記しますので、閲覧基準にしてください。
目次
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイアとは?
皆さん、吸血鬼映画は好きですか?ブラッド・ピット、トムクルーズ、アントニオ・バンデラスが一同に介する豪奢なゴシックファンタジー映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』は18世紀末の普通の人間が吸血鬼になり、そして葛藤の末、現代でどのように生きているかをなんと吸血鬼の自叙伝的な形で描いている映画なのです。
センスある結末やトムクルーズなどのキャストが見せる顔が話題となったニール・ジョーダン監督の『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』について、あらすじや結末をネタバレを含みつつご紹介しましょう。他の吸血鬼映画も紹介しますので、そちらも楽しんでいってください。
Tips:ニール・ジョーダン監督
ニール・ジョーダン監督はアイルランド出身の映画監督で、1982年の『殺人天使』で初監督を勤めて以来、『クライング・ゲーム』(1992)でアカデミー賞7部門にノミネートされ脚本賞を受賞するなどゴシックホラーなどの分野での脚本のセンスも光る監督として知られています。コンスタントに作品を撮り続け、近年では『オンディーヌ 海辺の恋人』(2009)や『ビザンチウム』(2012)などを世に送り出しています。
映画『ビザンチウム』は『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』同様、吸血鬼映画であり、人間の血を吸って生きる吸血鬼の母娘の悲恋と宿命を描いています。どこか陰鬱で切ない魅力的な映画を撮る映画監督で、結末の余韻が独特であるとの評価もあります。
Tips:吸血鬼の系譜
吸血鬼は映画だけでなく小説や漫画、ゲームに登場する不思議な生き物のなかでもかなりメジャーな部類に入ります。ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』(1897)などをきっかけとして小説の世界に描かれはじめ、もともと各地で伝承として伝わっていた「ラミアー」や「エンプーサ」、「グール」、「キョンシー」などのイメージが複合統一されて出来た概念と言われています。
映画界に吸血鬼が登場したのは、ご存知の通りトッド・ブラウニング監督によって1931年に世に送り出された『魔人ドラキュラ』を起源とし、映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』が公開されたのは1994年なので、およそ60年近い歳月このジャンルが人気だったのは間違いない事実ですが、その後も毎年のように様々な吸血鬼が「永遠の命」という憧憬と畏怖とともに世界を魅了しているのです。
『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』に続くオマージュ作品としては、『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』というタイカ・ワイティティ監督の2015年のコメディ映画などもあり、悲喜交々な視点で語られているのがわかるでしょう。
また、近年ではファンメイドで短編のアニメーションが作られて高評価を得るなどその人気の高さを見せつけるような魅力的な作品が吸血鬼を愛する人々によって語り継がれているのです。
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイアのあらすじネタバレ
あらすじ:吸血鬼としての命
映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』はルイの回想という形で話が進みます。最初の舞台は、1791年のニューオリンズ。当時、農場主だったルイは不幸にも妻子を失い、若くして自殺願望を抱いて彷徨っていました。そんなただ絶望に打ち拉がれるルイに吸血鬼としての新しい命を吹き込んだのが、レスタトという傲慢で気まぐれな吸血鬼なのです。
ルイは吸血鬼として観る世界の美しさや虚無感にうち震えながらも、「吸血鬼として生きること」を受け入れ、そして回想録を現代のサンフランシスコの小さな建物の一室でジャーナリストのマロイに語りきかせていくのです。以下、ネタバレを含むあらすじの概要を紹介しておきますので、結末までの流れを思い出したい方はお楽しみください。
ネタバレありあらすじ:吸血鬼としての家族
吸血鬼としての全く違う世界の見え方がルイの心を癒したのは一瞬で、後に残るのは残酷な生き方への躊躇いでした。吸血鬼はその名の通り、永い命と引き換えに他人の血を貪ることが必要な人外なのでした。レスタトに吸血鬼の嗜みと生き残る術として人間の生き血を啜ることを教えられるルイ。しかし、人殺しに近いその行為にルイは辟易し、ネズミの血を啜るなどして飢えに苦しみながらも生き延びてしまいます。
それでも強靭な肉体は死をルイに送ることはせず、またルイも自殺を選ぶことも出来ず、中途半端な状態はルイの精神を生前よりも蝕んでいきました。そんななかで、ルイは運命的な出会いをします。それが、ペストにより両親を喪い生きる術を失った美しい少女クローディアでした。しかし、残酷なことに彼女と心の触れ合いを交わす前に飢餓状態に耐えきれずにルイはクローディアの喉元に噛み付いて血を啜ってしまいます。
これに同胞としての素質を見出し喜んだレスタトは、失意のルイを余所にあれよあれよと言う間にクローディアを吸血鬼として蘇らせそして改めて吸血鬼としての家族であるルイとクローディアを引き合わせるのでした。レスタトはクローディアに吸血鬼のマナーなどの美学を教え、クローディアは永遠の少女の姿のまま、成熟した女性への憧れを募らせていくのでした。
そんななかで、クローディアは数十年という歳月を経ても成長しない自分の身体と吸血鬼としての運命に苛立ちを覚え、反抗期のような感情の噴出をレスタトに向けます。そしてルイを焚き付けて、レスタトとの家族関係を断ち切ろうと暗躍し、「レスタト殺害」を計画して袂を分かって欧州へ渡ることになるのです。
ネタバレありあらすじ:吸血鬼としての仲間
レスタトと袂をわかった2人は1870年のパリにいました。そこで「団員の大半が吸血鬼」という劇場を見つけ、ルイのように吸血鬼としての快楽に身を任せている生き方を嫌悪するアーマンドに出会うのです。ルイはアーマンドの力強い言動と品格、そして思想に惹かれ、アーマンドもまたルイの内に秘めた強靭さと美しさに惹かれてお互いに仲間として認識します。
その一方で、劇団の吸血鬼たちはルイとクローディアの仲間殺しの罪について嫌疑しており、クローディアもまた母を求めて寡婦のマデリーンを眷属(仲間)にしてくれるようにルイに頼ります。お互いに仲間を求め犇めき合う吸血鬼たちのそんな少しづつずれていく歯車のなかで「ある決定的な事件」が起き、ルイはまたアーマンドとも袂を分かつのでした。
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイアの結末ネタバレ
この章では、ルイの半生の締めくくりともなる映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の結末と見どころをあらすじを通じて紹介しましょう。結末に関してのネタバレが過分に含まれますので未視聴の方はご注意ください。
ネタバレあり結末あらすじ:レスタト
時は現代に戻ります。その後も放浪を続けたルイは、生気が失せ衰えたレスタトと再会することになります。彼は改めてルイの美しさと永く生き延びた知恵を愛しよりを戻してくれるようにルイに頼みますが、精彩を欠いたレスタトをルイは置き去りにすることにします。
ネタバレありあらすじ結末:マロイ
そこまでルイは語り聞かせるとマロイの様子を見ていますが、ただただ人間であったマロイには吸血鬼の苦悩など理解が追いつかず小馬鹿にした対応をとります。そしてルイがその様子を見届けたのちに、マロイを襲い…瀕死のマロイを嬉々として受け入れ、結末にふさわしい選択を迫ったのは、また「あの男」…レスタトだったのです。
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイアのキャスト・登場人物
この章では、映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』を彩るキャストたちを紹介しましょう。ブラッド・ピット、トムクルーズ、アントニオ・バンデラスなど破格の豪華キャストの関連作品も紹介しますのでお楽しみください!
トム・クルーズ/レスタト・デ・リオンコート
ルイをはじめ多くの吸血鬼や人間たちを狂わせてきた妖艶なヴァンパイアを演じたのは『7月4日に生まれて』(1989)でゴールデングローブ賞主演男優賞受賞するなど1980年代から現代に至るまでハリウッドを賑わせてきた俳優トムクルーズです。1981年の『エンドレスラブ』や『タップス』などの青春映画からはじまり、1983年の『卒業白書』や1986年の『トップガン』など甘いマスクでファンを魅了しました。
『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』におけるトムクルーズは当時からすればかなり異色な配役でしたが妖艶なレスタトを演じきり、第15回ゴールデンラズベリー賞でワーストスクリーンカップル賞(トム・クルーズとブラッド・ピット)を受賞するなどの熱演っぷりが話題にもなっています。
ブラッド・ピット/ルイ・ド・ポワント・デュ・ラック
悩める吸血鬼ルイを演じたのは当時まだ走り出しの頃だったブラッド・ピットです。『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』から一気に人気を博してゆき、その後、1995年の犯罪スリラー映画『セブン』などを経てハリウッド界にはなくてはならないスターへとのし上がって行きました。
同年の『12モンキーズ』や『ジョー・ブラックをよろしく』(1998)、『ファイト・クラブ』(1999)、『オーシャンズ11』(2001)『マネーボール』(2011)など主役級の活躍をした映画は枚挙につきません。
ダニエル・マロイ(インタビュアー)/クリスチャン・スレーター
インタビュアー役を勤めたのは1985年にスクリーンに登場して以来数々の映画を彩ってきたクリスチャン・スレーターです。代表作は『トゥルー・ロマンス』(1993)で、『カフス!』(1992)や『ズーランダー』(2003)などにも出演しています。
クローディア/キルスティン・ダンスト
映画『』では妖艶で可憐な少女吸血鬼クローディアを演じたのは『スパイダーマン』シリーズなどでヒロインであるメリー・ジェーン・ワトソンを演じたことでも有名なキルスティン・ダンストです。1989年の『ニューヨーク・ストーリー』でスクリーンデビューして以来、数々の賞にノミネート・受賞している彼女は2011年の『メランコリア』や『マリー・アントワネット』(2006)など多くの作品で魅力を振りまいています。
また、2007年には短編映画『Welcome』で映画監督デビューを果たすなどマルチな才能をみせています。
アーマンド/アントニオ・バンデラス
力強い劇団の吸血鬼アーマンドを演じきったのはスペイン映画のスター俳優アントニオ・バンデラスです。
1982年の『セクシリア』以来、スペイン映画には欠かせない存在になっており、スペイン国内だけでなく『デスペラード』(1995)や『マスク・オブ・ゾロ』(1998)などハリウッド界でも多くの人々に愛されています。
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイアに関する感想や評価は?
この章では、映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』に関する魅力ある感想をネタバレしない範囲で紹介していきましょう。独特な耽美な世界観をもつ吸血鬼ワールドをお楽しみください!
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア感想:耽美な美しさ
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア ワンシーンワンシーンがルーヴル美術館に飾る絵画レベルの美しさがあるから家にいながらルーヴル美術館に行きたい人にオススメ pic.twitter.com/rY70ll8ySv
— 生きているのがムチャクチャ楽しい (@45sabanomisoni) July 17, 2017
映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』で挙げられる感想のうち多くを占めているのが耽美な世界観と絵画的な美しい場面づくりについてです。
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア、面白かったー!これはパロしがいがある。
— 捨八 (@sute8ti) February 28, 2019
ブラピは美形俳優のイメージがあるんですが、トムクル…貴方、す、凄く麗しいです…高層ビルの壁面の登るイメージが強すぎて、ギャップに刺された…
クラウディアの立ち位置が素敵だった。永遠の少女。
トムクルーズ演じる吸血鬼レスタトなど、キャストの豪華さと合間って「麗しい」「美しい」「耽美」などといった賞賛の感想が多く挙がっているのです。
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア感想:原作者の難色を覆すトムクルーズ
英語読唇術のための教材のひとつ。映画「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」より。トム・クルーズ演じるレスタトはなるほど、腐女子のアン・ライス(原作者)を堕とす妖艶さがある。 pic.twitter.com/xDqxsOMSwi
— 犬神博士 (@inugamihakushi) February 7, 2019
トムクルーズといえばキャストの章でもご紹介した『トップガン』など、愛くるしい表情と甘いマスクが特徴の俳優であり、原作者のアン・ライスはキャストが決まった段階で難色を示したと言います。それでも、原作者だけでなく観る人々全てにトムクルーズの新たな面を魅せたのがレスタトという存在なのでしょう。
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア感想:永遠の少女
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイアはトム・クルーズとブラピの関係がすごく業が深いんだけどわたしの推しは12歳のキキ(キルスティン・ダンスト)が演じたクローディアです……少女の時にレスタトに噛まれて吸血鬼になり、精神だけ成熟していく葛藤と残酷さと狂気の美しさが素晴らしい pic.twitter.com/YstHizmZl3
— ダクトテープくん (@708cantus) February 27, 2019
トムクルーズ演じる吸血鬼レスタトも人気ですが、若かりき頃のキルスティン・ダンストが演じた少女の見た目を持った吸血鬼クローディアの存在もファンの心を鷲掴みにしています。人形のような可愛らしく可憐な見た目に生きてきた年齢相応の女性らしさを兼ね備えた魅力的なキャラクターとして登場します。
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア感想:永遠の法則
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の吸血鬼たちは肉体的に永遠に生きられても感性が時代遅れ(流行遅れ)になると自滅する(そのためにその時代の精神を体現しているような相方が必要になる)という発想がよかった。身体性がたんなる有機体ではなく、感性=テクノロジーとして捉えられている。
— みうまる (@gwashi984) March 2, 2019
吸血鬼映画ではよく寿命についてや世界観について考察する感想が挙がりますが、映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』でも興味深い感想が考察として挙げられています。回想録のインタビューという形で200年近くのギャップを物語内でも持つ吸血鬼たちがどのように栄え、そして滅ぶのか、感性が滅びの時期を決めるというのは耽美な世界観を裏付ける乙な考察です。
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア感想:吸血鬼を巡るシンクロ二ティ
「ポーの一族」と「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」苦悩する吸血鬼って新しいジャンルを生み出したエポックメイキングな作品が日米でほぼ同時期に発表されたってのは面白いよなぁー。まさにシンクロニシティ。因みにお互いの製作時期的に、パクる以前に参考にする
— わんわんお (@wanwanO) July 7, 2009
映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の原作はアン・ライスによる小説『夜明けのヴァンパイア』(1976)がもとですが、日本でも奇しくも1976年に漫画家である萩尾望都によって少年の姿をした吸血鬼エドガーの葛藤を描く『ポーの一族』という漫画が描かれています。
映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』にどちらとものもつエッセンスがうまく融合しているのは上記の「感性が永遠を保証する」という点においても面白い現象だと言えるでしょう。ニール・ジョーダン監督が『ビザンチウム』というタイトルの映画を製作したのも、『ポーの一族』の物語上の終着点である「ビザンチウム」から来ているのかもしれません。
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイアのネタバレまとめ
映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のネタバレを最小限にしたあらすじ紹介や、トムクルーズの関連作品、そして感想や考察などはいかがでしたか?吸血鬼映画の世界はまだまだ深いヴェールに包まれていますので、これを機に耽美な世界観に浸ってみるといいかもしれません。