2019年03月04日公開
2019年03月04日更新
草原の輝きのあらすじ・結末と感想ネタバレ!ナタリー・ウッドの最高傑作の青春映画
「まだ高校生のふたりは親の言いつけを守り肉体関係に踏み込めずにいた。大人たちの抑圧に負け、彼氏のデビットは浮気をしてしまう…」草原の輝きは切ない恋愛映画。主演はナタリー・ウッドで大スターとして成長し絶頂期に撮影されました。本記事ではあらすじや結末のネタバレにはじめ、出演役者についても紹介しています。「草原の輝き」をみたと人の感想も紹介しています。ラブストーリーとしてみた人の感想、社会背景を踏まえてみたひとの感想をまとめてみました。ぜひご覧ください!
草原の輝きの映画とは?
出典: https://eiga.com
ナタリー・ウッド主演の映画「草原の輝き」は叶わない恋を描いた青春映画として有名です。大女優ナタリー・ウッドの絶頂期に撮影されたため、「ナタリー・ウッドの最高傑作の青春映画」と言われています。
ナタリー・ウッド主演!草原の輝きの映画作品情報
1961年に公開されたエリア・カザンによる映画「草原の光」は名高い青春映画です。1920年代のアメリカを舞台に、叶わない男女の恋愛を描いています。
切なくなるようなラブストーリーが公開当時話題になりました。1920年代の文化やファッションも楽しめるおしゃれな映画でもあります!「草原の光」の主役を務めるのは、当時大スターだったナタリー・ウッド。ナタリー・ウッドとはミュージカル映画「ウエストサイド物語」に出演されている女優さんです。そして謎の水死で人生を閉じた彼女のことについては後ほど紹介します。
草原の輝きの意味は?
この映画のタイトル「草原の輝き」はどういった意味が含まれているのでしょうか。実は「草原の輝き」というタイトルはウイリアム・ウーズウースの詩のタイトルからとられたものです。
草原の輝き
ウイリアム・ワーズワース
翻訳:高瀬鎮夫(たかせしずお)
草原の輝き 花の栄光
再びそれは還(かえ)らずとも なげくなかれ
その奥に秘められたる力を見い出すべし
短い繊細な「草原の輝き」という詩。この映画のあらすじを知った後では、また違った印象を受けるのではないでしょうか?
草原の輝きの映画あらすじをネタバレ
「草原の輝き」とは、愛し合った若い二人の叶わないラブストーリー。切ない気持ちになる「草原の輝き」のあらすじをまとめてみました。ディーンは肉体関係に踏み込めない?バットの父親は暴君?
ナタリー・ウッド主演!映画「草原の輝き」あらすじネタバレ:踏み切れないディーン
高校三年生のバットとディーンは恋人同士です。お互いのことをよく愛し合っていましたが、体の関係になれずにいました。ディーンは小さい頃から「結婚するまで貞操を守るように」と母親からきつく躾けられていました。なのでセックスに対する罪悪感がつよく、たとえ愛し合っている恋人に対しても体の関係に踏み込めないのでした。
一方バットの父親にも問題がありました。バットの父親エイスは理解のある金持ちの父親のように見えますがそれは表の顔。家庭では暴君で、バットに厳しい教育を押し付けるのでした。バットがフットボールの選手であることを自慢に思っており、またバットが優秀な大学に入ることを期待しています。バットの姉が家出をしてしまったこと、また自分へのプレッシャーが大きいことがバットの悩みでした。
ナタリー・ウッド主演!映画「草原の輝き」あらすじネタバレ:誘惑
フラストレーションがたまるバット。しかし、ディーンは母親のこともあってなかなかバットの全てを受け入れてくれません。貞操観念がないエイスは「女というものは二種類いるんだ。気休めで遊ぶ女と結婚に値する本命の女。悩まずにいろんな女を抱いたらいい」といいます。激しい抑圧や矛盾のなか、ついに耐えきれなくなったバットは同級生の女性ファニタと浮気をしてしまいます。
「バットがファニタと浮気した」という噂はすぐに学校中に広まってしまいます。セックスに対する罪悪感が強いために、寝取られてしまったディーン。同級生からは同情の目、また面白おかしくことを見る目に苛まれます。
ナタリー・ウッド主演!映画「草原の輝き」あらすじネタバレ:詩の朗読
授業中に詩を朗読することになったディーン。周りの視線を浴びながらワーズワースの「草原の輝き」という詩を朗読します。ついに耐えきれなくなったディーンはそのまま学校を飛び出し自殺を測ります。滝に投身したディーンを駆けつけたバットが助けます。バットと心が通い合っていたはずなのに裏切られてしまったショックが強く、ディーンは学校に戻らずに精神科に入院することになるのです。
草原の輝きの結末をネタバレ
すれ違ってしまったディーンとバットはお互い決して幸せとはいえない人生を歩みます。しかし、どんな不幸も幸せに繋がっています。心を病んでしまったディーンを救った存在とは?バットの新しい恋とは?
映画「草原の輝き」結末ネタバレ:新しい恋
やがてディーンは精神科で出会った若い医師と恋に落ちます。自分の胸の内を話していく過程で、若い医師と打ち解け医者と患者という関係を超えて、こころの傷を癒してもらいます。
映画「草原の輝き」結末ネタバレ:バットも結婚
バットの方は後ろ指を刺されながら高校生活を送り、見事父親の大学に合格します。しかし、心は荒れ果て堕落した生活を送ります。大学は退学寸前で酒に溺れて過ごします。ある日、足を踏み入れた場末のレストランで出会った女性アンジェリーナ(ゾーラ・ランパート)と恋愛関係になり結婚します。
バットの父親は「本命の品のいい女と遊びの女を持つように」といっていました。バットには親の価値観や自分の本当の幸せとは程遠い、親の押し付けはもうどうでもよくなっていたのです。
映画「草原の輝き」結末ネタバレ:世界恐慌
1929年に世界恐慌が起き、バットの父親の会社は倒産してしまいます。金持ちの生活から一転したエースは自分の自尊心が斜陽した生活に耐えきれず自殺してしまいます。
大学を通うことができなくなったバットは田舎で牧場経営をはじめ、親の思惑から離れた自分の人生をアンジェリーナと歩み始めます。若い医師と結婚する予定のディーンは、バットが牧場をはじめて田舎で暮らしているらしいという噂を聞きます。心の傷が癒えたディーンは、「あの時私たちがなぜうまくいかなかったのかよくわかる、もう一度バットに会いたい」と思い、牧場を訪れます。
映画「草原の輝き」結末ネタバレ:再会
そしてようやく再開したディーンとバット。しかし、バットにはアンジェリーナとの間に生まれた子供がおり、幸せに暮らしていました。ディーンはその姿を見ると一言も声をかけられませんでした。バットの方もディーンを見つめるだけです。初恋の相手と再開した二人。しかし二人の人生はすでにすれ違ってしまった後で、もうかける言葉さえないのでした。
草原の輝き」のあらすじネタバレまとめ&考察
高校時代にすれ違ってしまった二人でしたが、草原の広がる牧場での再開では一言も言葉を交わすことなく別れてしまいました。色々な感情が沸き起こっていることが考えられる名シーンです。
「草原の輝き」というワーズワースの詩が挿入されているように、決して元には戻らない初恋の人との再開に「その奥に秘められたる力を見い出す」ことができるのではないでしょか?言語化できない感情が巻き起こるラストシーン。ぜひ「草原の輝き」をご覧になってください!
草原の輝きの登場人物・キャスト
草原の輝きには、名だたる役者が出演しています。当時、人気絶好調だったナタリー・ウッドをはじめ、新人役者だったウォーレン・ベイティまで。また、ナタリー・ウッドの謎の水死についても調査してみたのでぜひご覧ください!
映画「草原の輝き」 ウィルマ・ディーン・ルーミス/ナタリー・ウッド
ナタリー・ウッドは1938年生まれの女優です。1955年に公開された「理由なき反抗」でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされ一躍時のひととなりました。また西部劇に出演されることも多く、ジョン・フォードの「捜索者」やロバート・ワイズのミュージカル映画「ウエスト・サイド物語」などが主な代表作です。
ナタリー・ウッドの謎の水死
ナタリー・ウッドは1981年に水死して生涯を閉じています。警察の発表では当時、事故と死因を明らかにしています。一方でナタリー・ウッドの自殺であると一部でささやかれていました。事件から30年経った2011年に、水死事件の前日に夫のロバート・ワグナーとナタリー・ウッドが船で口論していた。という新情報が出てきました。
この証言は二人が乗っていたヨットの船長によるもので、アメリカのテレビがインタビューして明らかになりました。また、「ナタリー・ウッドが行方不明になった直後に、捜索をしていたらナタリー・ウッドは生きていたかもしれない」と証言しています。
このことからロバート・ワグナーがナタリー・ウッドを計画的に殺人したのではないかという説が濃厚になってきました。そのため、30年もの時間を経て「ナタリー・ウッドの水死」について調査が進められています。
恋多き女性であったナタリー・ウッド。熱愛報道に上がった名前は、当時有名な歌手であったエルヴィス・プレスリーをはじめ、「地獄の黙示録」に出演のデニス・ホッパーなど名だたる著名人と恋愛関係にあったと言われています。そのため、夫との口論の原因は浮気などのナタリー・ウッドの男女関係にあったと考察することができます。
ナタリー・ウッドの謎の水死について警察では調査が進められていました。2011年、ナタリー・ウッドの水死の死因の事故を改め、「不審死」であると発表。また、2018年には重要参考人として夫のロバート・ワグナーに事情徴収を要請しています。まだロバート・ワグナーによる殺人であるというはっきりとした証拠は見つかっていないものの、ロバート・ワグナーは死ぬ直前のナタリー・ウッドに最後にあった人物。
ロバート・ワグナーが殺人したのではないかという疑念を裏付ける証言が2018年になって寄せられているため、時期に真実は明らかになる可能性があります。そのことを含めて、ナタリー・ウッドの水死については今後進展があると言っても過言ではないでしょう。
映画「草原の輝き」ウォーレン・ベイティ/バット・スタンパー(ナタリー・ウッドの恋人)
ウォーレン・ベイティは俳優でもありますが、映画監督、脚本家、作家、演出家でもありいろいろな顔を持ちます。実は彼のデビュー作は「草原の輝き」。金持ちの家に生まれながらも葛藤に満ち溢れた人生を送る役で一躍有名になりました。
ほかには「俺たちには明日はない」という実際の男女カップルが起こした殺人事件をもとにしてできた映画に出演しています。また、「ロング・グッドバイ」の監督でおなじみのロバート・アルトマンとタッグを組むことが多く、ドラマでは「天国から来たチャンス」などに出演しました。
映画「草原の輝き」パット・ヒングル/エース・スタンパー(バットの父親)
1989年にバットマンシリーズでゴードン総監を演じたことで話題になりました。草原の輝きでは、石油会社の社長の父親を演じました。権威のある役柄を演じることがおおいです。
映画「草原の輝き」アレン・"トゥーツ"・タトル/ ゲイリー・ロックウッド
「草原の輝き」に実は端役で登場しているゲイリー・ロックウッド。1937年生まれのスタントマンとしてデビューしています。2001年宇宙の旅でディスカバリー号副船長であるフランク・プール役で出演して話題になった人物です。
草原の輝きに関する感想や評価は?
切ないラブストーリーの「草原の輝き」。若い男女の恋愛ものと見ることもできますが、一方で1920年代のアメリカの情勢や社会、文化などについても考察できます。映画の感想では、相思相愛だけど繋がれなかった切ない二人の恋愛を純粋に楽しむ人もいます。一方で、過干渉すぎるバットやディーンの親について言及する人、社会背景について考える人が多くみられました。
草原の輝きのあらすじ・結末の感想1(ネタバレ含む)
青春とは何かを喪失することである。そういう特権を誰もが経験していく。映画『草原の輝き』を見てかつての元カノが涙を流していたことを思い出した。
— ターザン山本! (@tarzany) July 27, 2018
感想の中には「10代のころ、草原の輝きを見てもわからなかったけれど、大人になってみたら映画の良さがわかった」という意見が多くありました。青春においての喪失は若い頃の特権で、起こった当時は悲しいという感情に苛まれますが時間が経てば「何があったのか再確認できる」。草原の輝きは年をとってから見るほど味がわかる映画なのではないでしょうか?
草原の輝きのあらすじ・結末の感想2(ネタバレ含む)
どうしたって興味を持つのは生物学的にも当然の事ですから、そこをどうコントロール又は対処していくかと云う方法を示してゆくのが大人の役割と思います。
— マリエ・no more war (@ailoveuu) March 24, 2018
まだ貞操観念 根強い、と云うか60年始めのアメリカ映画「草原の輝き」では若い2人がその本能と戒律的な物の狭間で狂おしくいて胸が痛かったです
フラストレーションを抑えきれなかったバット。理性的に考えれば、抑えなければいけない感情です。しかし、人間としては当たり前のこと。上のコメントでもあるように草原の輝きは理性と本能に揺れる1920年代の若い男女の葛藤を見ることができます。
草原の輝きのあらすじ・結末の感想3(ネタバレ含む)
ウォール街で株価の大暴落した1929年の暗黒の木曜日に「本日の〇〇街においては突然の人降りにご注意ください」という、ブラックなラジオ放送が流れる映画の一場面があったな
— べらし (@ScottEngel0211) January 17, 2018
確か『草原の輝き』だったか
1920年代のアメリカの若者を描いた本作では、1929年の世界恐慌でバットの父親が倒産するシーンが出てきます。そのワンシーンで、ラジオがブラックジョークをかますシーン。いかなる経済的な危機でもジョークを言ってしまう1920年代のアメリカの雰囲気が反映されているのではないでしょうか?
草原の輝きのあらすじ・結末の感想4(ネタバレ含む)
映画「草原の輝き」見た。世界恐慌より数年前のアメリカを舞台に、毒親に仲を裂かれたカップルの運命を書く。親の過干渉や観念の押しつけの結末がなかなか悲惨なのと、その子供に「親を恨むな」と言い放つ母親が出てくるなど、なかなかな展開だが、ラストシーンが爽やかで後味がいいのに救われる。
— 桃生苑子 (@Sonoko_M) March 1, 2018
ディーンは「貞操を守りなさい」と母親からきつく教育されて育ったため、愛していたバットに対しても心では許しているのにすべてを受け入れてあげられなかったのでした。なかなか若い男性にとっては辛辣な状況です。「草原の輝き」は親の過干渉な部分、また矛盾が生じている大人などを繊細な年頃の高校生が目の当たりにして悩んでいる映画です。
やがて、二人は大人になって再開します。バットには子供がすでにできており、ディーンも若い医師と結婚します。二人はそれぞれ子供にどういった教育をするのでしょうか?
草原の輝きのあらすじ・結末の感想5(ネタバレ含む)
映画といえば、1961年の「草原の輝き」でヒロインが都会に出て初めてピザを見て戸惑う場面があり、その頃はピザはまだ普及していない事がわかるのですが、逆に1986年の「スタートレック4」では23世紀から20世紀に来たカーク艦長がピザに戸惑っていて、未来にはピザがないらしいとわかるのが面白いです
— ALi (@ALio_loco_) December 1, 2017
アメリカといえば主食にピザを食べていそうなイメージがあるのではないでしょうか?しかし、1920年代を舞台にした「草原の輝き」ではヒロインがピザの食べ方を戸惑っている様子がわかります。1920年代ではまだ、それほどピザが普及していなかったようです。このような1920年代の文化や社会を知ることができる「草原の輝き」。ぜひみてみてください!
草原の輝きの映画ネタバレまとめ
「草原の輝き」の映画のあらすじからラストのネタバレまとめいかがだったでしょうか。切ないラブストーリーとも、アメリカの社会を描いた作品ともいえる本作をぜひみてみてください!