下町ロケット・ヤタガラスの原作あらすじ!結末もネタバレ紹介【池井戸潤】

2度目のドラマ化の後半の物語の原作として展開されているのが下町ロケット・ヤタガラスです。前作となる「ゴースト」のラストに打ち上げられたヤタガラスを使ったあらすじが展開される事になります。今回は池井戸潤さんが原作小説、下町ロケットヤタガラスを登場人物や前作ゴーストから流れ、既に読破した人の感想なども紹介しつつ、下町ロケットヤタガラスのあらすじをネタバレありで結末まで紹介していきます。

下町ロケット・ヤタガラスの原作あらすじ!結末もネタバレ紹介【池井戸潤】のイメージ

目次

  1. 下町ロケット・ヤタガラスの原作あらすじや結末が気になる!
  2. 下町ロケット・ヤタガラスの作品情報
  3. 下町ロケット・ヤタガラスの主な登場人物紹介
  4. 下町ロケット・ヤタガラスの原作あらすじネタバレ
  5. 下町ロケット・ヤタガラスの結末あらすじネタバレ
  6. 下町ロケット・ヤタガラスの感想や評価は?
  7. 下町ロケット・ヤタガラスの原作あらすじや結末まとめ

下町ロケット・ヤタガラスの原作あらすじや結末が気になる!

2018年11月現在、絶賛ドラマが放送中の下町ロケット。そのドラマの後半のあらすじとなるのが池井戸潤さんが手がける原作小説の1つ、下町ロケットヤタガラスです。もちろんドラマではより映像映えさせる為に改変している部分もありますが、先が気になるという人は原作を読めばおおよその展開をネタバレする事が出来ます。

今回は下町ロケットヤタガラスに登場する登場人物などをおさらいしつつ、そのあらすじや結末をネタバレありで紹介していきます。

日曜劇場『下町ロケット』|TBSテレビ

下町ロケット・ヤタガラスの作品情報

あらすじなどをネタバレする、前にまずは下町ロケットヤタガラスの作品としての立ち位置などを紹介しておきます。

池井戸潤による小説シリーズ

下町ロケットは元々池井戸潤さんが手がけた小説の1つです。2010年に発行した下町ロケットが2015年にドラマ化されるにあたり、続編として「ガウディ計画」を発表。この2冊を元に2015年にドラマ化が行われ高い人気を集めました。そしてその続編として第2弾のドラマ化が行われる事になり、その中で発売されたのが前編となる「ゴースト」と後半となり今回紹介する「ヤタガラス」です。

下町ロケット・ヤタガラスは小説シリーズとしては4作目、ドラマシリーズとしては2作目後半の物語で、特にドラマ化を前提とした作りであるが故に前作となる「ゴースト」と強く結びついたあらすじが展開される事になります。

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下町ロケット・ヤタガラスの主な登場人物紹介

ここからは下町ロケット・ヤタガラスに登場する主な登場人物を紹介していきます。上記でも触れたように基本的には小説としても前作「ゴースト」の続編であるヤタガラスでは新しい登場人物が活躍するというよりもこれまでに登場人物達が織り成すあらすじ、そして結末となっています。

佃航平

下町ロケットシリーズの主人公となるのが、佃航平です。元々は宇宙科学開発機構の研究員でしたが、父の残した佃製作所を継ぎ社長となりました。下町ロケットでロケットのパーツを、ガウディ計画で医療機器を製作したものの、ゴーストにて取引先の方針の転換もあり、再び資金繰りに苦しむ事になり、農業に目を向ける事になります。

下町ロケットゴーストでは、農業分野に参入するべく、プロジェクトチームを作って、農業用のトランスミッション用バルブの製作を行いました。しかし納品先と予定していたギアゴーストの社長が突然の裏切りに走った為に取引が白紙になってしまっています。ちなみにドラマでは阿部寛さんが演じています。

殿村直弘

元々は佃製作所がメインバンクとしている白水銀行から出向してきた経歴を持ちながら銀行を退社して正式に佃製作所に入社、経理部長として佃製作所の金庫番を務めていました。しかし下町ロケットゴーストでは300年続く農業を営んでいた父が病気に倒れてしまった事で一時佃製作所を離れ、最終的には農業を継ぐ覚悟を決めて佃製作所を退社しています。ちなみにドラマでは立川談春さんが演じています。

伊丹大

航平も認める経営手腕を持ち、後述する島津と共に帝国重工を辞めてギアゴーストを立ち上げたのが伊丹大です。下町ロケットゴーストにてふっかけられた圧倒的不利な裁判を航平に助けられて倒産の危機を回避したものの、その後突然裏切り行為に出てしまいました。ヤタガラスでもキーマンとなる1人です。ちなみにドラマでは尾上菊之助さんが演じています。

島津裕

下町ロケットゴーストにて登場し、下町ロケットヤタガラスでもキーマンの1人となるのがシマちゃんの愛称で呼ばれる島津裕さんです。元々は帝国重工の技術者でギアゴーストでは副社長兼技術者を務めていました。下町ロケットゴーストでは、その結末として航平を裏切る伊丹から捨てられる形でギアゴーストも退社してしまっています。ちなみにドラマではイモトアヤコさんが演じています。

的場俊一

同じく下町ロケットゴーストにて登場した、帝国重工の取締役が的場俊一です。帝国重工の次期社長候補でもあり、現社長藤間の推し進めてきたスターダスト計画に反対の立場を取り、宇宙開発事業の規模縮小を行っています。またゴーストでは伊丹や重田などを追いやった過去も語られており、ヤタガラスでも財前の上司として色々と口出ししてきます。ドラマでは神田正輝さんが演じています。

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下町ロケット・ヤタガラスの原作あらすじネタバレ

ここからは下町ロケットヤタガラスのあらすじをネタバレありで紹介していきます。ヤタガラスのあらすじをは前作ゴーストから続いて農業に参入しようとする事になります。

前作ゴーストの簡単なあらすじをネタバレ

ヤタガラスのあらすじはゴーストとの繋がりも簡単に紹介していきます。ゴーストでは主要な取引先である帝国重工の方針の転換などで財政的に再びピンチを迎えた佃製作所が新たに農業に参入する為に動きだす形で物語が進行します。その中で出会うのがトランスミッション製造業の新興企業ギアゴーストで、伊丹や島津です。

しかし今度はその伊丹と島津のいるギアゴーストに危機が襲います。特許侵害で訴えられてしまったのです。航平達は優良な取引先になってくれるだろうとそのギアゴーストの危機に共に立ち向かう事になります。絶望的だった裁判は佃製作所の顧問弁護士、神谷の活躍も合って見事に勝利。しかし直後伊丹は航平達を裏切り、佃製作所のライバル企業となるダイダロスと業務提携をする事を決定し、島津を追いだしたのでした。

バラバラになるギアゴースト

下町ロケットヤタガラスのあらすじは、ギアゴーストを追いだされる形で退職した島津が佃製作所を訪れる所から始まります。「迷惑かけてゴメンなさい」と謝罪する島津に航平は佃製作所の技術開発部を案内します。そこではギアゴーストに納品する予定だったバルブとは別に、トランスミッションの開発が行われていました。このトランスミッションは過去に島津が作った物を参考にしていたのです。

そうして技術者の1人、立花が「一緒にやろうよ」と島津を誘います。航平もその考えに賛同し、島津を佃製作所に迎え入れる考えを示します。しかし島津は「なんか疲れちゃった」とこの話を断りました。一方で航平はギアゴーストにも訪ね、伊丹と会います。当初の約束通りにバルブを納品させてくれるようにお願いしますが復讐に捉われてしまった伊丹は聞く耳を持たないのでした。

上記のゴーストのあらすじでネタバレした裁判での協力に尽力した話をしても「それとこれとは話が別」だと言って伊丹は取り合いません。あまりに横柄な態度の伊丹に航平は「ふざけるな」と怒鳴り、その話を航平から聞いた佃製作所の社員達も「ふざけるな」と声を揃えます。こうして航平達佃製作所は完全にギアゴーストと袂を分かつ事になるのです。

財前の野望

帝国重工の中でも佃製作所を買っている財前は前作ゴーストでロケット部門から身を引く事を発表しました。そしてその結末で「次は農業を救いたい」と宣言しています。ヤタガラスではそんな財前の具体的な考えが明らかになります。打ちあげたヤタガラスの影響でより精密になったGPSを使った自動運転科された農業用トラクターの開発を考えていたのです。

補足的にネタバレしておくと、下町ロケットにおけるヤタガラスとは、「準天頂衛星」と呼ばれる、宇宙空間の一定の軌道上にとどまる人工衛星の名称です。これにより位置情報測定システム(GPS)の性能が向上する事になり、ヤタガラスは政府の要請を受けて帝国重工が打ちあげました。もちろんこの打ちあげの際のロケットのバルブには佃製作所の物が使われています。

そして財前は航平にこの「無人農業トラクタープロジェクト」への協力を求め、エンジンとトランスミッションの開発を依頼。さらには航平の大学時代の友人である野木博文にプロジェクトへの参加を説得して欲しいとお願いされます。この野木博文は北海道農業大学の教授で、既にある程度形になった無人トラクターのシステムを開発していました。しかし野木はとある企業に開発データを盗まれた過去の経験から協力を拒んでいたのです。

財前と共に野木の元を訪れた航平はそこでまだ開発中である自動運転トラクターを見せてもらいます。ヤタガラスの打ちあげ成功によるGPSの性能の向上の影響をダイレクトに受けたトラクターの精密な動きに航平と財前は驚きを隠せません。この技術を実用化する為、航平は改めて野木にプロジェクトへの協力を依頼。航平のアツい気持ちが伝わって野木はプロジェクトへの参加を承諾してくれます。

こうして進み始めた自動農業用トラクター製作の新プロジェクトでしたが、帝国重工内部から横やりが入ります。帝国重工の次期社長の座を狙い、立場上、財前の上司に当たる的場が、佃製作所が製作を担当する事になっていたエンジンとトランスミッションを帝国重工内部で作るようにと指示を出してきたのです。上司の命令に財前は逆らう事は出来ず結局佃製作所はこのプロジェクトからハブられる事になってしまいます。

しかし航平はこれくらいではめげません。あくまでも実験用として野木に提供する前提でエンジンとトランスミッションの開発を続ける事を宣言したのです。

ダーウィン・プロジェクトvs帝国重工

そうして数カ月後には帝国重工製の自動運転トラクターが世間に公式に発表される事になりました。既にプロジェクトの一員ではない航平もこの記者会見を取り上げた朝刊を読んでいましたが、その直後、テレビのニュース番組で帝国重工の物とは違う自動運転トラクターが紹介されていました。そして開発者としてダイダロスの社長、重田がインタビューを受けていたのです。

こうしてダーウィンと名付けられた重田を先頭に300社を超える下町の中小企業合作の謎の自動運転トラクターと帝国重工製の自動運転トラクターの争いが火ぶたが切って落とされる事になります。補足的にネタバレしておくとこのダーウィンのプログラムも元々は野木が開発した物が使われています。このダーウィンの協力企業には過去に野木から開発データを盗んだ会社も名を連ねていたのでした。

さらに的場への復讐に燃える重田はメディアを使った積極的な攻勢に出ます。週刊誌からダーウィンの取材を受けた際に的場のこれまでの所業、下請けイジメや取引企業への過度なコスト削減要請、さらには重田の会社を倒産に追い込んだ事などが暴露したのです。これにより帝国重工は大炎上し、ダーウィン=正義という構図を作り出す事に成功します。対する的場はこの騒ぎで社長就任の延期が決定してしまうのでした。

農業イベント「アグリジャパン」

2つの自動運転農業用トラクターが発表からさらに1年後、農業イベントのアグリジャパンに出展する事になります。その会場には財前に誘われて航平も姿を見せていました。会場には田んぼのデモが用意され、そこでダーウィンとアルファ1と名付けられた帝国重工製の自動運転トラクターによるデモンストレーションが行われる事になります。先に姿を見せたのは期待値の高いダーウィンでした。

ダーウィンはしっかりと田植えを行えるだけでなく、設置してあった案山子を自動的に認識して避ける事にも成功し高い評価を受ける事になります。続いて現れたアルファ1は田植えはしっかり行えているものの、なんと案山子をなぎ倒してしまい会場からは落胆の声が響きました。その上アルファ1は帰り道となる田んぼ脇の農道で脱輪してしまうという失態を晒してしまいます。

佃製作所のプロジェクト復活

アグリジャパンでの失態は的場の指示で行われたエンジンとトランスミッションの内製化が原因だという判断により帝国重工内では再び外注する事が決定、その請負先として佃製作所が正式に選ばれる事になり、佃製作所は晴れて、プロジェクトに復活する事が決定します。しかし航平はその決定を素直には喜べませんでした。佃製作所の作るトランスミッションはまだ自信を持って佃品質と言える物では無かったのです。

そこで航平は再び島津の元を訪ねます。この時の島津は大学で非常勤講師をする傍ら、正式な講師として採用される為の二次面接をパスし、最終面接にまで駒を進めていました。しかし航平のアツい説得を受けて、島津は決断。大学の最終面接を断り、佃製作所に就職する事を決めます。こうして佃製作所は新たにトランスミッションのスペシャリストである島津を迎える事になったのです。

一方で佃製作所を辞め、農業に従事していた殿村の田んぼを自然災害が襲います。収穫間近な時期に殿村の家の近くの鬼怒川が大雨で氾濫。田んぼが水に浸かって全滅してしまうのです。ニュースでこの被害を知った航平は、若手社員と共に救援物資を届けに行きます。しかし1年の苦労を1晩で水の泡になってしまった殿村の絶望は航平の想像を絶する物でした。

殿村はなんとか融資を受けようと農林協を尋ねますが、過去に因縁が出来てしまった担当官の吉井に融資の条件として農協を通さずに独自で販売してるブランド米、殿村家の米の販売を辞めるようにと言われてしまいます。さらに同業者で、農業法人への参加を呼びかけていた稲本からも参加してくれなくて良かったと言われてしまいます。どちらを取る事も出来ない殿村が苦悩する中、航平が佃製作所の社員や財前を連れて訪ねてきました。

航平は財前と共に自動運転トラクターの開発をしている事を説明し、殿村家の田んぼを実験に使わせてほしいと依頼するのです。殿村自身は賛成しますが、本来の土地の持ち主である殿村の父、正弘が反対します。しかし航平の説得を受けて正弘もこれを承諾、殿村家の田んぼを使う事が実現します。殿村家には謝礼として赤字補填額が支払われる事になります。これは航平が少しでも殿村を助けたいと画策した事なのでした。

同時に起こる不具合と復讐劇の結末

殿村家の畑を使って実験を繰り返しついに実用段階まで辿り着いたアルファ1でしたが、トラクターが突然エンストしてしまう原因不明のトラブルが頻発するようになってしまいます。そして同時期、ダーウィンでも同じトラブルの報告が届いていました。その原因を最初に付きとめたのが島津でした。過去に自分が開発した物をベースとしているトランスミッションの不具合だったのです。

そして島津はすぐにこの問題を解決するパーツの開発に成功、航平に依頼してすぐに特許を申請します。先にネタバレしておくと島津のこの行動は前作下町ロケットゴーストでの経験が教訓となっていると共に物語の大きなキーとなってきます。一方ダーウィンではトラブルの原因が掴めず、偶然にも発見したプログラムのエラーだと勘違いしたままになりました。

そしてダーウィンが発売を開始、3か月遅れて開発コードであるアルファ1からランドクロウに改名した帝国重工製の自動運転トラクターも発売を開始します。しかし前評判の圧倒的な差に加えて発売が遅れた事で、その売り上げ規模には大きく差が生まれてしまいます。焦った的場はとんでもない暴挙に出ます。なんとダーウィンに協力する企業で帝国重工と取引のある企業に取引中止を仄めかしたのです。

これには中小企業は堪らず一部の企業がダーウィンプロジェクトから離脱する事態に陥ります。その中には重要度の高い工程に携わる企業もあり、ダーウィンの製造が停止する事態になってしまいます。このままいけば最悪製造中止になってしまうかもしれない事態に重田の逆襲が始まります。下請法違反で帝国重工を訴えたのです。当然この事態に帝国重工はさらなるバッシングを受ける事になります。

ちなみにこの下請法違反を訴えるという法的手段を取る進言をしたのが下町ロケットシリーズではお馴染みとなる中川弁護士です。下町ロケットゴーストにてギアゴーストの設計データを顧問弁護士を通して盗ませた罪で有罪判決を受けて、弁護士免許をはく奪された上に実刑を受けていました。そんな中川は3カ月前に出所して重田の所にいました。

中川のさらなる知恵を受けて、ニュースとして帝国重工が行ってきた妨害行為や下請けいじめが報じられる事が分かります。こうした重田の戦略により、的場は責任を取って辞職する事になります。この的場辞職の記者会見をそれぞれ見ていた重田達でしたが復讐劇という意味では完全に重田達の勝利でしたが重田や伊丹には喜びはなく、こんな物の為に生きてきたのかとどこか虚しさが残るだけの物になりました。

ダーウィンリコールの危機

しかも製品としてはダーウィンにはリコールになる危機が迫っていたのです。ランドクロウでは島津が解決したトランスミッションの不具合にこの段階でも気付いていなかったのです。ようやくトランスミッションの不具合だと気付いた時には既に佃製作所の特許が受理された後で、それをさらに上回るトランスミッションをすぐに作りだす事も出来るわけがありませんでした。

ダーウィン側の代表として佃製作所と繋がりのあった伊丹が佃製作所を訪ねてきます。過去の裏切りを謝罪し、佃製作所の持つ特許を使わせてほしいと頭を下げる伊丹でしたが、営業の唐木田も、山崎も冷たくあしらいます。そして航平でさえも、伊丹を受け入れずにこの要請を突っぱねるのでした。伊丹は翌日もそのまた翌日も訪ねてきますが航平がライセンス契約を結ぶ事はありませんでした。

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下町ロケット・ヤタガラスの結末あらすじネタバレ

かつて裏切った航平達の協力をなくして立ち行きがいかなくなってしまったダーウィンと伊丹。そんな伊丹とダーウィン相手に航平がどんな決断を下すのかが結末では描かれる事になります。ここからは下町ロケットヤタガラスの結末をネタバレありで紹介していきます。

農家の人々の為に

航平達は帝国重工が製造した新たな無人自動運転トラクター、ランドクロウ・コンバインが殿村家に納車されたという話を聞いて殿村家に見学に訪れます。無事に稼働するトラクターと共に、今年はランドクロウのお陰で豊作だという殿村からの嬉しい言葉を受ける事になります。

殿村家からの帰り道、航平達は田んぼの途中で止まってしまっているダーウィンとそこで困っている農家の人達と出くわします。航平達はすぐに例の不具合のせいで止まってしまっているのだろうと検討がつきます。そんな様子に航平は、「俺たちの目標は日本の農業を救うこと、ああいう人達を救う事だよな」と呟きます。それはその場にいた社員全員が同意する事なのでした。

航平は帝国重工の財前にも話を通した上で、ダーウィンプロジェクトに参加している300社以上の中小企業が集まった緊急会議に乗り込みます。そこでは伊丹により、ダーウィンの現状が説明され謝罪をされている所でした。航平はそこで伊丹からマイクを受け取ると、自分達がダーウィンに今必要な部品の特許を持っている会社である事を、そして伊丹の申し出を断った経緯を語りました。

そして農家の人達の姿を見て考えが変わった事を語った上で、伊丹に「私たちの技術を、どうか使って下さい。そしてダーウィンを買った農家の人達を裏切らないでください」と言い切りました。伊丹は魂が抜けたようにその話を聞いていましたが、その場で航平と伊丹はがっちりと握手、会議場は拍手喝采に包まれるのでした。

殿村に会う稲本

下町ロケットヤタガラスにて大きな役割を果たした殿村、そんな彼のその後も1つの結末として描かれています。台風が迫る中、急遽刈り入れをする事になった殿村家、ランドクロウ・コンバインと有人のトラクターも使って急ピッチで作業が行われていました。そんな折、未だに冷戦状態が続く稲本が殿村の元を訪ねてきたのです。そして稲本殿村にコンバインを使わせてほしいと頼むのです。

そこに他の農家に頼みに回っていた吉井もやってきますが、吉井は稲本が目の敵にしている殿村にまで頼んでいる事が気に食わず、共済もあるから損害はそこまで出ないしそこまでする必要はないと平然と言ってのけます。これには農家としての稲本も激怒し、吉井を帰らせます。その様子を見ていた正弘は古いのでよければ貸すと言って約束したのでした。

伊丹の再起

下町ロケットヤタガラスのあらすじ最後のネタバレは、伊丹についてです。同じ年に開催されたアグリジャパンの会場にランドクロウは再び出展していました。そこを訪れていた島津の元に伊丹が現れたのです。結局ダーウィンはリコールとなり、それが伊丹のギアゴーストが作っているトランスミッションが原因だった事もあり、ギアゴーストはリコールの費用の大部分を補っていました。

それでも元々の伊丹の経営手腕もあってギアゴーストは倒産せずに乗り切った事が語られます。そして伊丹は、農家の人達や佃製作所、そして島津の為にも倒産させてはいけないと懸命だったと語るのです。泣き笑いの表情を浮かべる伊丹が空を見上げる形で、下町ロケットヤタガラスのあらすじは結末を迎えています。

下町ロケット・ヤタガラスの感想や評価は?

下町ロケットヤタガラスのあらすじや結末をネタバレありで紹介した所で、ここからは既に下町ロケットヤタガラスを読破した人の感想や評価を紹介していきます。

下町ロケットヤタガラスは伊丹と島津の物語

前作下町ロケットゴーストにして「闇落ち」してしまったギアゴーストの社長伊丹と福社長だった物の袂を分かった島津。2人は下町ロケットヤタガラスでも大きく活躍する事になるのですが、その大きな活躍ぶりは主人公である航平を越えているという感想が非常に多いです。特に島津に関しては、複雑な心境が池井戸潤さん得意の深い心理描写により非常に良かったという声が多くなっています。

もちろん主人公である航平も締める所はしっかりと締めてくれ、上記でもネタバレしたように特にその結末での判断は航平らしいとする声もあります。しかしやはり全体的に見ると伊丹と島津の物語という印象が強いという声の方が大きいです。特に締め括りが伊丹と島津の会話だった事もその印象を後押しする結果となっています。

悪役がただの悪役じゃないのが良い

下町ロケットヤタガラスにおいて、悪役と言えるのは、伊丹と伊丹が裏切るきっかけを作った重田、そして帝国重工の的場でしょう。伊丹と重田はライバル製品の製作者として、的場は財前の上司であり良いところ取りをしようとしてくるわけです。しかし彼らにも彼らで歩んできた人生があるからこそそういった行動を起こしており、それらがしっかり描かれているのも下町ロケットヤタガラスの評価が高いポイントでもあります。

伊丹と重田はそれぞれ過去に的場によって未来を閉ざされた事があり、それらの復讐の為に行動。上記ではネタバレしていませんが的場は自身を認めない父の背中を盲信して追いかける事に捉われていた事が的場の過去として語られています。そしてそれらが愚かだった事にも気付いている描写がしっかりとされています。

これらの理由もそれぞれに納得ができ、リアルだからこそそれらの行動に対しての意志は強いです。その強い意志をどう覆すのかを楽しめるのが下町ロケットヤタガラスの面白いポイントでもあります。

読後感の良さが復活

下町ロケットヤタガラスの作者である池井戸潤さんの持ち味の1つとして上げられるのが読後感の良さです。読み終わった後にしっかりと納得できる上に読者が一番清々しく思える終わり方をする作品が圧倒的に多いので、気持ちを明るくしたい時に読む小説家として高い人気があります。しかし前作となる下町ロケットゴーストは上記でもネタバレしたように伊丹の裏切りで終わっているのであまり読後感が良いとは言えない結末でした。

もちろんこれはヤタガラスに続く事を前提としているのである程度仕方のなかった部分ではありますが、やはりシリーズを続けて読んでいる人から残念に思う気持ちの方が強い感想が多くなっていました。それが下町ロケットヤタガラスでしっかりと物語としても完結し、農業を救うという目標も達成。伊丹も無事に裏切りのむなしさに気付く事ができるという読後感の良さを賞賛する声が多くなっています。

下町ロケット・ヤタガラスの原作あらすじや結末まとめ

下町ロケットシリーズは原作者、池井戸潤さんを代表するシリーズの1つとして高い人気を集めるだけでなく、直木三十五賞を受賞するなど高い評価を受ける作品です。その4作目である下町ロケットヤタガラスは前作である下町ロケットゴーストから続く物語として展開されるあらすじであると同時に「農業」というテーマに取り組んだあらすじの1つの結末を迎えるあらすじでもあります。

下町ゴーストヤタガラスはいわゆる「後編」とも言える立ち位置にある作品なのでより深く楽しむ為には前作下町ロケットゴーストを読破しておく必要がありますが、単独でもそのすっきりとするあらすじや、読後感の良い結末はまさに池井戸潤さんらしい作品となっています。下町ロケットシリーズをまだ読んだ事がないという人はぜひ1度手にしてみてはいかがでしょうか。

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