下町ロケットゴーストの原作あらすじは?結末までネタバレ紹介【池井戸潤】

2015年に放送され高い人気を集めた下町ロケットの続編として2018年に放送されているのが下町ロケットゴーストです。この下町ロケットシリーズは池井戸潤さんの小説を原作としています。下町ロケットゴーストのドラマの放送に合わせて原作小説も高い注目を集めています。今回は池井戸潤さんが描く下町ロケットゴーストの原作小説のあらすじをネタバレありで結末まで紹介していきます。

下町ロケットゴーストの原作あらすじは?結末までネタバレ紹介【池井戸潤】のイメージ

目次

  1. 下町ロケットゴーストの原作あらすじや結末ネタバレが知りたい!
  2. 下町ロケットゴーストの作品情報
  3. 下町ロケットゴースト作者の池井戸潤について
  4. 下町ロケットゴーストの登場人物
  5. 下町ロケットゴーストのあらすじネタバレ
  6. 下町ロケットゴーストの結末ネタバレ
  7. 下町ロケットゴーストの感想や評価は?
  8. 下町ロケットゴーストの原作あらすじや結末ネタバレまとめ

下町ロケットゴーストの原作あらすじや結末ネタバレが知りたい!

2018年11月現在もTBS系列の「日曜劇場」にて放送中のドラマが下町ロケットゴーストです。2015年放送の下町ロケットの続編として多くのキャストが続投する形で製作されています。この下町ロケットシリーズは池井戸潤さんが手がける同名の小説を原作としているドラマです。やはりドラマを見て原作小説が気になるという人も多くなっています。

元々話題になったドラマの続編という事で原作小説、そしてそのドラマも高い注目を集めています。そのあらすじはどのような物語が展開されているのでしょうか?今回はドラマでも描かれている下町ロケットゴーストの原作小説をのあらすじを結末までネタバレありで紹介し、合わせて感想なども紹介していきます。

日曜劇場『下町ロケット』|TBSテレビ

下町ロケットゴーストの作品情報

下町ロケットシリーズの大元にあたるのは池井戸潤さんが2010年に発売した同名小説です。その下町ロケットは2011年にWOWOWの連続ドラマWでドラマ化されるなど注目を集めた後、2015年にTBS「日曜劇場」の作品として2度目のドラマ化がされる事になりました。このドラマ化と並行してドラマのエピソードとして描く「ロケット編」に加えて「ガウディ編」を描く「下町ロケットガウディ計画」が発売しました。

2015年のドラマは小説では2冊になっている「下町ロケット」と「下町ロケットガウディ計画」ですが、ドラマ、原作小説共に高い人気を集め続編が計画される事になります。そうしてドラマ化と小説化が並行して行われたのが2018年に発売、そしてドラマ化された「下町ロケットゴースト」です。2015年放送のドラマもそうであったように、2018年のドラマから見ると前半部分を描く物語でもあります。

直接的な続編となる下町ロケットシリーズ第4作「下町ロケットヤタガラス」も僅か2ヶ月遅れで発売しており、前作までと異なり1冊ずつの単独の物語ではなく「下町ロケットゴースト」「下町ロケットヤタガラス」の2冊セットの物語でもあります。

下町ロケットゴースト作者の池井戸潤について

下町ロケットゴーストは近年数々の作品がドラマ化され注目を集めている池井戸潤さんの作品です。ここからは原作者池井戸潤さんについても紹介していきます。

池井戸潤プロフィール

池井戸潤さんは1963年生まれ岐阜県出身の小説家です。慶應義塾大学文学部、及び法学部を卒業した後、三菱銀行に入行。退社した後もその経歴を生かし、ビジネス書の執筆やコンサルタント業、会計士向けソフトの監修などを担当していましたが、限定的なテーマに将来の不安を感じて夢だった小説家を目指す事にします。

元々子供の頃から国内外のミステリを読み漁る日々を送っており、特に江戸川乱歩賞作品は毎回勝って読むほどの読書家だった事もあり、1998年にはその江戸川乱歩賞を受賞して作家としてデビューする事になります。その後は最初期こそビジネス書の執筆も行っていましたが2000年以降は作家として注力しています。影響を受けた作品として「エンプティ・チェアー」「ジャッカルの日」「ライ麦畑でつかまえて」を挙げています。

しかし元々ビジネス書を手掛けていた事、デビュー後最初期に手掛けた作品が、金融界や経済界を舞台にした小説であった事もあって、一種の暴露本的な扱いを受ける事になり、ノンフィクション作品としてビジネス関連書コーナーなどに置かれるなど苦労した過去もあります。しかしあくまでもエンタメ作品であり描く作品は全てフィクションの作品となっています。

池井戸潤さんが手がける作品

池井戸潤さんは元銀行員という経歴を生かした銀行の内部を描くような作品からその取引先となる中小企業にスポットを当てた作品を多く手掛けており、同時にドラマ化もされている作品が多いです。下町ロケットシリーズ以外には、2013年にドラマ化されて社会現象にもなった「倍返しだ!」でお馴染みの「半沢直樹」シリーズも池井戸潤さんの小説を原作としています。

それ以外にも2014年放送の「ルーズヴェルト・ゲーム」や2014年と2015年に2シリーズに渡って放送された「花咲舞が黙ってない」シリーズ、2017年放送の「陸王」なども池井戸潤さんの小説を原作としたドラマ化作品です。その他にもデビュー作「果つる底なき」「空飛ぶタイヤ」「民王」などなど2018年11月現在、発表している作品のおよそ半数がドラマ化されています。

また池井戸潤さんが描く作品は基本的にスカっとする読後感が特徴で、数々の課題を順に解決し、最後には大逆転を迎えるという展開の物語が多くなっています。その読後感がドラマ化が多くなっている要因でもあり、ドラマ化された作品はいずれも大ヒット言える程の作品となり、ドラマそれぞれが各賞を受賞しているという経験も非常に多いです。

下町ロケットゴーストの登場人物

ここからは下町ロケットゴーストの作品の中身についてもネタバレありで紹介していきます。まずは下町ロケットゴーストで活躍する事になる主要な登場人物をドラマで演じたキャストなども合わせて紹介していきます。下町ロケットゴーストは続編である為過去の2作で築いた関係性なども重要になってきます。

佃航平

下町ロケットゴーストはもちろん、下町ロケットシリーズで一環して主人公を務めるのが佃航平です。下町ロケットは彼が社長を務める佃製作所を取り巻く環境を描く形です。元々は宇宙科学開発機構にてロケット製造に関わっていましたが打ち上げに失敗した事で辞職、父の跡を継ぐ形で佃製作所の社長となります。下町ロケットゴーストでは、これまで主要製品としてきたエンジン以外の主力製品を求めて農業業界への参入を目指します。

元々の気質もあって社長というよりも技術者としての面が強く、また人情で動く事が多い為、人を惹きつけて引っ張れるタイプです。反面、夢中になると周囲を顧みない事がある為、家族や社員から反感を買う事もあり、それが問題となった事もありました。ドラマでは俳優の阿部寛さんが演じています。

殿村直弘

佃製作所の金庫番を務める経理部長が殿村直弘です。元々は佃製作所のメインバンクである白水銀行から出向という形でしたが、現在は佃製作所の正式な社員として務めています。そのような経緯で社員になったにも関わらず佃製作所に対する思いは人一倍強いです。下町ロケットゴーストのあらすじの冒頭にて300年続く農家を続ける父が倒れてしまった事で家業を手伝う事になります。ドラマで演じたのは落語家の立川談春さんです。

立花洋介

「ガウディ計画」から登場した技術開発部の期待のエースです。下町ロケットゴーストで新設される事になったトランスミッションで使われるバブルの開発チームに加わる事になります。ガウディ計画ではまだ脇役という印象が強いキャラクターでしたが下町ロケットゴーストでは主要人物の一人として活躍します。ドラマで演じているのは竹内涼真さんです。

神谷修一

下町ロケットにて佃製作所が襲われた特許侵害裁判をサポートし、その後正式に顧問弁護士となったのが神谷修一です。特に知財関係の裁判では高い勝率を誇り、強い自信を持って航平達をサポートします。下町ロケットゴーストでも航平に的確なアドバイスを送り、後述するあらすじの中で展開される裁判を勝利に導いています。ドラマではお笑い芸人で司会者、ニュースキャスターなども務める恵俊彰さんが演じています。

伊丹大

下町ロケットゴーストでメインキャラクターとなるのが伊丹大です。元々は帝国重工の社員でしたが、追い出される形で退職後、ベンチャー企業ギアゴーストを立ち上げました。下町ロケットゴーストのあらすじは航平がギアゴーストに接触する形で描かれます。彼の行動には多くの読者が驚愕する事になります。ドラマでは歌舞伎役者で俳優としても活動する尾上菊之介さんが演じました。

島津裕

伊丹と同じく下町ロケットゴーストで新しく登場するのがギアゴーストの副社長兼技術者を務めるのが島津裕です。シマちゃんの愛称で呼ばれますが、その実は帝国従業の元社員であると同時に天才エンジニアと呼ばれていました。伊丹と同じく航平達と深く関わっていく事になります。ドラマではお笑い芸人のイモトアヤコさんが演じています。

下町ロケットゴーストのあらすじネタバレ

ここからはいよいよ下町ロケットゴーストの原作のあらすじをネタバレありで紹介していきます。作品ごとに多くの危機を乗り越えてきた佃製作所ですが下町ロケットゴーストでも佃製作所をピンチが襲う事になります。

佃製作所のピンチ

下町ロケットゴーストの冒頭のあらすじで佃製作所を襲うピンチは大きく分けて2つあります。1つは大手の取引先である帝国重工が経営悪化により、ロケット事業を進めていた藤間社長が引退を囁かれるようになり、佃製作所大口の取引先を失う可能性がある事。もう1つは同じく取引先だった大手農業機器メーカーとの取引を白紙にされてしまった事です。

同時に襲ったこの2つのピンチにこれまで同様、社員一丸となって協力するかと思いきやさらに追い打ちをかける出来事が起こります。経理を担当するトノさんこと殿村部長の農家をする父が倒れてしまい家業の農家を手伝う為に長期離脱する事が決まってしまうのです。佃製作所にさらなる悪雲が立ちこめる事になります。

上記の2つのピンチからこれまでのエンジンを主要とした事業だけでは今後もこのような事が起こる可能性があり、経営が危ないと感じた航平は、エンジン以外に軸となる主力製品を模索する事になります。ここであらすじは週週間経過します。航平は山崎と共に、農業に従事する殿村の元を訪ねていました。そこでトラクターのエンジンに佃製作所が特許を持つステラエンジンが使われている事に気付きます。

過去作のあらすじのネタバレになりますがこのステラエンジンは、「下町ロケット」にて特許権を巡って裁判が行われた物です。裁判は和解で終わっている為今でも佃製作所で製作されるものであると同時に、本シリーズの人気キャラクター、敏腕弁護士神谷と航平が出会うきっかけと裁判でもあります。下町ロケットゴーストでは神谷は佃製作所の顧問弁護士として登場します。

そしてそのステラエンジンの音に何かを閃いた航平は殿村から簡単なレクチャーを受けてトラクターを運転します。なんなく運転してみせた航平は意味のない所でトランスミッション(変速機)を動かしその様子を見ていた山崎と殿村が不思議な顔をして様子を見守る中、戻ってきた航平は思いつきを話します。「トランスミッション(変速機)がもっと高性能だったらムラなく均一に田んぼを耕せるはず」というのです。

このトランスミッションを佃製作所で製造できないかと考える航平。しかし佃製作所にはトランスミッションを開発する実績も経験もありません。佃製作所にこのアイデアを持ち帰り検討した結果、トランスミッションを潤滑に動かすバルブを作る事に決めました。これも過去作のあらすじからのネタバレですが、佃製作所が帝国重工と取引しているのもバルブであり、まさに佃製作所の得意分野です。

ギアゴーストとの出会い

航平は早速取引のあった農機具メーカーに製造できたら使ってほしいとお願いにいきます。そこでそのメーカーではそれまで自社で製造していたトランスミッションを翌年から外注する事が決まった事、その外注を請け負うのがトランスミッション製造メーカーの「ギアゴースト」という会社だという事を教えてもらいます。そこで航平は早速ギアゴーストに足を運びます。

ギアゴーストの社長伊丹と副社長兼技術者の島津と出会った航平は二人の人柄も気に入り、まだ計画段階であるバルブ開発の計画を伝え、完成した暁には納入を検討してほしいと依頼します。そこで伊丹から他社とのコンペになる事を伝えられるのです。会社に戻った航平は早速バルブ開発チームを発足します。リーダーに、中堅エンジニアの軽部、さらに立花とアキちゃんを加えたメンバーとなります。

またまた過去作からあらすじのネタバレですが立花とアキちゃんは「下町ロケットガウディ計画」でも活躍した若手エンジニアの二人組です。新しいチームでの開発に張り切る立花達でしたが、性能面の問題にぶつかる事になります。そこの軽部は無愛想にも「ガウディの教訓を思いだせ」とアドバイスします。立花達は最初この意味を全く理解できませんでした。

ネタバレすると軽部が言いたかったのはガウディ計画の際の「難病に苦しむ子供たちの為に開発製品」という考え方です。それに気付いた立花は、ハイスペックさを追求するのではなく、納品先となるギアゴーストでのニーズに合わせてムダを削ぎ落したバルブを完成させます。そのバルブで見事にコンペを勝ち取り、佃製作所はトランスミッション業界参入への一歩を踏み出しました。

ギアゴーストを襲う特許問題

先にネタバレしておくとここからのあらすじはギアゴーストを中心にしているといっても過言ではないです。ギアゴーストを襲うのは下町ロケットではお馴染みの特許問題。過去にシマさんが開発したものが「ケーマシナリー」という会社が持つ特許を侵害しているというものでした。伊丹はあわててケーマシナリーに話し合いに向かいますが、ライセンス使用料として15億を請求される事になります。

15億という金額はギアゴーストにとっては倒産は免れない金額で、伊丹は慌てて銀行や取引企業に融資を依頼にいきます。しかし残念ながらどこも色良い返事はしてもらえませんでした。伊丹は最後の頼みの綱としてまだ取引はしていない佃製作所を訪ねてきます。伊丹は最悪会社を手放してでも社員を守りたいと考え、佃製作所に融資が無理なら買収して欲しいともお願いします。

話を聞いた航平は佃製作所の顧問弁護士、神谷に相談します。そこで神谷からクロスライセンス契約を検討してみてはと提案されるのです。補足としてネタバレしておくとクロスライセンス契約とはそれぞれの特許を侵害している企業同士がお互い様だからと許し合う契約を結ぶ事です。この場合はケーマシナリーがギアゴーストの特許を侵害していればこの提案が通る可能性があり、クロスライセンス契約が成立する可能性があります。

ここで航平は1つの決断を迫られる事になります。この方法を伊丹に知らせずに念願であるトランスミッションメーカーであるギアゴーストを買収してしまうという手段もあるからです。しかし航平はそれをせず将来的な事を考えて伊丹にこのクロスライセンス契約案を教えます。早速ギアゴーストではケーマシナリーの製品にギアゴーストの持つ特許を侵害している物がないかを調査する事になり、佃製作所もそれを手伝う事になります。

結果だけネタバレすると、この方法は失敗します。そもそもクロスライセンス契約には相手が特許を侵害している事を証明しなければ話し合いに持ち込む事もできませんが、ケーマシナリーがギアゴーストの特許を侵害しているという事実を見つける事が出来なかったのです。15億を用意できないギアゴーストはこのままでは勝ち目のない裁判をし倒産する事になります。そしてそれならと航平は再び買収を検討し始めるのでした。

弁護士神谷の疑問

一方で航平から相談を受けた神谷弁護士には疑問がありました。弁護士なら知ってしかるべきクロスライセンス契約を何故ギアゴーストの顧問弁護士は提案しなかったのかという疑問です。実はギアゴーストも末長という弁護士が顧問弁護士として契約しているのです。創業以来の付き合いである末長弁護士の事を伊丹は信頼していました。そして神谷はこの疑問の答えを自身の中で見つけます。

それが「末長弁護士とケーマシナリーが裏で繋がっているのでは?」という疑いでした。後日、佃製作所を訪れた伊丹にこの疑問をぶつけますが、信頼している末長弁護士を疑われた事で伊丹と神谷は口論になってしまいます。しかしその時には神谷は既にその証拠を掴んでいました。怒って帰ろうとする伊丹にとある封筒を渡します。同じものを航平にも見せるとそれは末長とケーマシナリーの顧問弁護士中川が握手をする写真でした。

こちらも過去作のあらすじからのネタバレですが、この中川は過去にも佃製作所、そして神谷弁護士と関わりが深い弁護士です。ド悪党という言葉が似合う悪徳な弁護士であった中川ですが、下町ロケットゴーストでもその悪党ぶりは健在です。なんと末長弁護士と共謀し、末長が仕入れたギアゴーストの開発情報を中川を通してケーマシナリーに流し先に開発、特許取得をさせていたのでした。

黒幕登場!

ここからのあらすじでは中川の計画さえもまた別の人物の壮大な計画が明らかになります。伊丹は裁判を回避しようと中川弁護士の事務所を訪れますがそこでとある人物を紹介されます。それが株式会社ダイダロスの社長、重田でした。そしてこの重田を伊丹は知っているのです。伊丹が帝国重工に務めていた頃、所属する部門の赤字を修復の為に、自身が担当していた重田工業との取引を打ち切り案を出したのです。

結果として重田工業は倒産したのでした。つまり重田から見れば伊丹は会社を倒産に追い込んだ憎むべき相手でした。しかし重田の復讐の相手は伊丹ではありませんでした。最終的に取引の打ち切りを決定し、その後も帝国重工で出世を繰り返した的場こそが復讐の相手だったのです。そしてその思いは伊丹にも共感できるものでした。伊丹が帝国重工を辞める事になったのもまた的場が理由だったからです。

裁判の行方は?

少しあらすじが前後しますが、重田が伊丹と近付く為に起こった裁判の行く末もしっかりと描かれています。末長と中川の共謀を知った伊丹は神谷に弁護を依頼していました。こうして過去シリーズと同様、神谷vs中川の法廷での争いが描かれる事になるのです。しかし今回は実にあっさりと決着する事になります。勝てない裁判はしないと豪語する神谷の本領が発揮される事になります。

そのサポートをしたのが航平でした。航平は過去のシマさんの発言からケーマシナリーが主張する特許が元々それ以前に大学の准教授が論文の中で言及したもので、情報が公開されているものだった事を突きとめていたのです。そしてこの情報を神谷に渡していました。しかし神谷はそれだけでは終わりません。末長と中川が共謀しているとする録音テープを提出、不正競争防止法違反で2人を逮捕に追い込むのです。

もちろん航平がここまでしたのは全てはギアゴーストとの取引の為です。しかし航平の行為は伊丹によって裏切られる事になります。なんと伊丹が佃製作所からみればライバル企業にあたるダイダロスとの業務提携を決定、さらには創業時からの相棒でもあるシマちゃんを「もう君は必要ない」と突き離します。ショックを隠しきれないシマさんはそのままギアゴーストを退職する事になります。

下町ロケットゴーストの結末ネタバレ

無事に裁判が終わってこれから良好な関係を築く事になるかと思われた佃製作所とギアゴーストですが見事に伊丹に裏切られてしまいます。しかし下町ロケットゴーストはここでは終わりません。下町ロケットゴーストのあらすじの結末はそもそも航平がギアゴーストと接触を計るきっかけとなった2つの出来事も描かれる事になります。ここからは下町ロケットゴーストの結末のあらすじをネタバレしていきます。

ヤタガラスの打ち上げ

そもそも航平が新しい事業を行おうと決心したのは大口の取引先である帝国重工からの取引の減少が示唆されたからです。取引減少の理由は帝国重工の宇宙事業の縮小であり、その宇宙事業に関わり、佃製作所との関係性を作ったのが帝国重工の財前です。そしてこの宇宙事業の縮小にともない財前も引退する事になっていました。そんな中、最後のロケットで準天頂衛星ヤタガラスが打ち上げられる事になります。

佃製作所の社員達はこの打ち上げを観る為に種子島を訪れていました。この打ち上げの日が同時に財前も引退する事になる日です。佃製作所のバルブを使ったロケットは見事に打ち上げに成功し、ヤタガラスは周回軌道に乗りました。補足的にネタバレしておくとこのヤタガラスは位置測定情報システム(GPS)の精度を飛躍的に向上させる為の物であり同時に名前からも推測できるように続編ヤタガラスでの重要な要素となります。

そして引退する事になる財前によるスピーチが行われる事になります。一緒に仕事できた事への感謝などを述べた後、あくまでも宇宙事業から離れるだけである財前は次の目標を掲げる事になります。宇宙事業の必要性を訴える為、農業に参入するとしたのでした。この宣言もまたヤタガラスへと続く事になります。

殿村の決断

一方でもう1つの問題、殿村の離脱も決着がつく事になります。殿村自身が佃製作所に辞表を提出したのです。父の後を次、300年もの間先祖代々受け継がれてきた田んぼを守るという決心を固めたのでした。航平は辞表を受理しますが、盟友である殿村が去った後1人社長室で涙を流すのでした。この殿村の辞表が下町ロケットゴーストで描かれる最後のエピソードとなります。

下町ロケットゴーストの感想や評価は?

下町ロケットゴーストの原作小説のあらすじをネタバレありで紹介した所で、ここからは下町ロケットゴーストの原作小説を既に読んだという人の感想や評価をネタバレありで紹介していきます。第1作「下町ロケット」では直木三十五賞を受賞した本作ですが3作目となる下町ロケットゴーストも総じて高い評価を集めています。

安定した池井戸潤作品

ドラマ化されている作品も非常に多く、既に多くの読者が「池井戸潤さんの作品はこういうイメージ」というものを持った上で読んでいるのが見て取れる感想が非常に多いです。その上でその面白さ、読み味などはまさに池井戸潤作品だという人が非常に多いです。イメージしやすい危機とそれに立ち向かう手段、そして持ちうる武器でそれを乗り越えていく様は、池井戸潤作品に共通する面白さだという感想が多いです。

また池井戸潤作品に共通する「一気読みしたくなる」という感覚は下町ロケットゴーストでも健在だとする感想が多いです。時間がある時にまとめて読むべきだとする感想も多い作品であると同時に、上記のあらすじでも補足したように池井戸潤さんらしい勉強になる要素も健在で、前向きになりたい時におすすめという感想も多くなっています。

袂を分かつ伊丹と島津のその後が気になる

下町ロケットゴーストは1冊でも一応は完結している物語ですが、そのあらすじの結末は上記でもネタバレしたように、明らかに続編である下町ロケットヤタガラスへ直接的に繋がる事を意識した終わり方になっています。下町ロケットシリーズは世界観こそ共有していますが、これまでは各作品ごとに少し期間を開ける形で展開していたのです。それが今回は間違いなくその後が描かれるのだろうという終わり方になっています。

打ち上げが描かれ、次作のタイトルにもなっている「ヤタガラス」はもちろん、小説最期の締め括りである伊丹と島津の決別は間違いなくヤタガラスへの伏線です。その為、池井戸潤作品に共通する読み終わった後のスカッとした読後感というのは下町ロケットゴースト単体では得られないとする感想が多いのです。下町ロケットゴーストを読むのであれば既に発売している続編である下町ロケットヤタガラスもセットで読むのがおすすめです。

ドラマのキャスティングには疑問符の声も

こちらは原作の感想ではありませんが、原作を読んだ人の感想で多くあるのがドラマのキャスティングについてです。原作から大きくイメージが変わってしまったキャラクターが非常に多いという感想が大多数を占めています。下町ロケットゴーストで新たに目立つ事になった、佃製作所の技術者の軽部や、黒幕となる重田を演じる古舘伊知郎さんなどは特にイメージが違いすぎる、キャラクター性まで変わってしまったという声があります。

またシマさんを演じるイモトアヤコに関してもどうしても本人のインパクトが強い影響で役者として観れない、素のイモトアヤコとして観てしまうという声も多くなっています。設定の相違点は少なくそういう意味では見やすいと言われるドラマですが、ドラマを観てから原作を読む際には少し注意したいポイントです。あくまでもドラマはドラマ、原作小説は原作小説として見る必要があります。

下町ロケットゴーストの原作あらすじや結末ネタバレまとめ

2015年に続いてドラマ化された下町ロケットシリーズの新シリーズ、下町ロケットゴースト。その原作は前後半で描かれる物語の前半部分を描く形になっています。またシリーズ作品である為、前作である「下町ロケット」「下町ロケットガウディ計画」を読んでいるとより楽しめる作品でもあります。とは言っても物語としては独立しているので下町ロケットゴーストから読んでも問題なく楽しめます。

しかし池井戸潤作品が好きな人であれば間違いなく面白いと言える程に安定した展開は非常に読んでいてスカっとするのは間違いありません。最後には続編「ヤタガラス」への伏線もありますが、基本的には下町ロケットゴーストだけで完結している作品でもあります。ドラマきっかけで気になったという人も一度原作を楽しんでみてはいかがでしょうか?

関連するまとめ

新着一覧

最近公開されたまとめ