十三人の刺客は稲垣吾郎の悪役ぶりがすごい!あらすじと感想・評価は?【三池崇史】

「十三人の刺客」は三池崇史監督の時代劇で2010年公開の映画。1963年に公開された「十三人の刺客」のリメイク版です。稲垣吾郎演じる明石藩主・松平斉韶の暴君ぶりが壮絶だという感想が話題になりました。あらすじは弘化元年(1844年)、明石藩主・松平斉韶の暴君ぶりに江戸家老が憤死。将軍の弟という斉韶の老中就任を防ぐため「上意討ち」を決意した元旗本たちが立ち上がるというもの。これまで金田一耕助やソムリエを演じ評価を得てきた稲垣吾郎が自身初の悪役に挑戦して新境地を開いた作品が映画「十三人の刺客」です。

十三人の刺客は稲垣吾郎の悪役ぶりがすごい!あらすじと感想・評価は?【三池崇史】のイメージ

目次

  1. 十三人の刺客の稲垣吾郎の悪役ぶりが凄いと話題?あらすじや感想に迫る!
  2. 十三人の刺客のキャスト一覧
  3. 十三人の刺客の稲垣吾郎は悪役?
  4. 十三人の刺客のあらすじネタバレ
  5. 十三人の刺客を観た感想や評価は?
  6. 十三人の刺客についてまとめ

十三人の刺客の稲垣吾郎の悪役ぶりが凄いと話題?あらすじや感想に迫る!

十三人の刺客の感想や評価、あらすじを紹介!

さて今回は三池崇史監督の「十三人の刺客」をご紹介させて頂きます。試写の段階からアイドルとは思えない稲垣吾郎の悪役ぶりに話題が集中し、主役の役所広司がすっかり霞んでしまうほど話題になりました。

実際のところどれほどの悪役ぶりなのか「十三人の刺客」をご紹介し、皆様の感想や評価も検証します。まずは1963年版の「十三人の刺客」をご紹介し、役所広司ら主要キャストのご紹介。そして、稲垣吾郎の役所をご紹介した上であらすじをご紹介します。

「十三人の刺客」とは?

「十三人の刺客」は東映製作、工藤栄一監督、片岡千恵蔵主演により、1963年(昭和38年)12月7日に封切られた時代劇です。明石藩主の松平斉韶自体は実在の人物ですがあくまでフィクションであり、明治元年に66歳で死去されているので、「そもそも暴君」でも「上意討ちされた」「病死した」わけでもありません。

あらすじついては間宮図書の切腹。松平斉韶の暴君ぶり。老中就任阻止のための「上意討ち」の密命。刺客の集結と参勤交代途中での襲撃という流れは基本的には「十三人の刺客」2010年版でも同じです。

「十三人の刺客」1963年版と2010年版の違い

最大の違いがあまりにも残忍な描写が過ぎてR-12指定作品だということ。1963年にはR指定自体がありませんが、もともと子供が観てはいけないほど過激な描写ではありませんでした。

また1967年版では13人vs53人でしたが大幅に増量されて13人vs300人になっています。戦闘シーンも派手に脚色されています。気になる方はwikiに独自研究と注意された上で記載があるので確認してみてください。

もともと1963年版の「十三人の刺客」が製作された経緯には当時の東映では集団抗争時代劇が流行だったからだと言われています。

十三人の刺客のキャスト一覧

さて後述の「十三人の刺客」のネタバレあらすじで劇中での活躍を詳しくご紹介させていただくことになるキャストについて役者名から役名の順で各自ご紹介させて頂きます。

十三人の刺客のあらすじ紹介!

役所広司演じる島田新左衛門は旗本。妻子もなくやもめ暮らしで釣りや盆栽に明け暮れる毎日でした。御目付七百五十石という役職を擲ったのは嬲り者にされて捨てられた名も無き女性。彼女が拙い字で書き記した「みなごろし」の五文字が彼を衝き動かします。十二人の刺客と共に機を伺い策を練ります。

山田孝之演ずる島田新六郎は新左衛門の甥。正に「旗本退屈男」で天性の博打打ち。「飲む打つ買う」を体現した男の本分を生きる男ですが、良き理解者である新左衛門に共感して無謀な戦いに臨みます。無関係な小弥太を気遣う一面もあります。

松方弘樹演じる倉永左平太は島田新左衛門同様に旗本。御徒目付組頭の職を擲ちます。刺客のサブリーダー。その役割もさることながら、刀を持たせれば天下無双の剛の者。

沢村一樹演じる三橋軍次郎は旗本。御小人目付組頭を擲った刺客たちのNo.3。事前工作でも活躍しますが襲撃本番でもこの威容。

六角精児演じるのは大竹茂助。倉永左平太の部下で御徒目付でした。怪力自慢で罠設置などでも活躍します。

高岡蒼甫演じるのは倉永左平太の部下で日置八十吉。身分は御徒目付でした。弓の名手です。

石垣佑磨演じるのは樋口源内。元御小人目付。爆薬に精通するようにという島田の指示で落合宿の爆破罠を仕掛けた人物。作戦の成否を握る陰のキーマン。

近藤公園演じるのは堀井弥八。元御小人目付。三橋軍次郎の部下で落合宿を買い取る交渉で三州屋徳兵衛が腰を抜かす大金を出した人です。

波岡一喜演じるのは石塚利平。島田新左衛門配下の足軽です。切り込み隊長であり、敵を誘導するなど主に負けず劣らぬ勇猛ぶり。

伊原剛志演じる平山九十郎は島田の食客で浪人。音に聞こえた剣豪ですが太平の世ではその力を持て余していました。島田の粋に感じ入り、刺客となる決断を下します。

窪田正孝演じる小倉庄次郎は平山の門弟。人を斬った経験がなく、最初の襲撃撃退では動揺しますが、師匠の背中を守って勇敢に戦います。

古田新太演じるのは佐原平蔵。友人の平山同様に浪人ですが槍の達人。200両を対価として刺客に加わります。剣術よりも槍術の方が優位ということもあり襲撃では大活躍します。

伊勢谷友介演じる木賀小弥太は「山の民」。不死身と評される頑丈な体と絶倫ぶりで道案内から十三人目の刺客に昇格します。お頭の女ウパシに手を出して仲間から追い出されたはぐれ物ですが、無類のケンカ好きで明石藩士たちとの戦いでは俊敏にして豪胆。スリングをハンマーと使い分けて戦います。

明石藩

稲垣吾郎演じるのは明石藩主・松平斉韶です。将軍の弟という地位を笠に着てやりたい放題。実在の人物ですが、史実ではこの人自身に残忍という逸話がなく「冤罪」というのは前述した通りで、息子の斉宣に参勤交代中に尾張領内で「無礼討ち」をして領内通過拒否となったという逸話があります。悪行狼藉と奇行についてはかなり脚色されています。

市村正親演じるのは鬼頭半兵衛。明石藩主松平斉韶の側用人です。昌平黌でも剣術道場でも島田新左衛門とは同門で旧知の間柄。「十三人の刺客」の見所の一つが新左衛門と半兵衛との駆け引きと頭脳戦。剣の腕は互角で十三人の刺客たちにとって最大の強敵です。如何なる主君といえど誠心誠意忠義を貫くことこそが武士の本分だと考える人物です。

内野聖陽演ずるのは間宮図書。明石藩江戸家老で斉韶の乱行を諫めるため土井大炊頭の屋敷前で切腹します。

その他

松本幸四郎演じる牧野靭負は尾張藩士。斉韶に息子・妥女の嫁・千世を陵辱され、妥女は無礼討ちにされ、千世も首を吊るという悲劇に見舞われます。このことを島田に訴えかけます。

平幹二朗演じる土井大炊頭利位は幕府・老中。間宮図書の諫死にも将軍の意向で斉韶を不問としますが、信頼する島田新左衛門と倉永左平太に密かに「上意討ち」を命じます。

十三人の刺客の稲垣吾郎は悪役?

「吾郎ちゃん」の愛称で親しまれる稲垣吾郎は2016年に解散したアイドルユニットSMAPの元メンバー。現在は香取慎吾、草彅剛の三人でジャニーズ事務所を離れて活動中です。当たり役となり、実際に資格までとってしまったドラマ「ソムリエ」やドラマ「金田一耕助シリーズ」、NHKのドラマ版「陰陽師」の安倍晴明役など主人公がほとんどでしたが「十三人の刺客」ではなんと悪役。

それだけでも話題性が十分なのですが、稲垣吾郎演じる松平斉韶の非情ぶりが強烈。顔色一つ変えずに家臣を斬り殺すなどあまりにも酷薄な暴君ぶりにファンも思わず絶句してしまうという感想が多いとのことです。

「十三人の刺客」で稲垣吾郎が演じた松平斉韶の悪行ってモデルがいるの?

「十三人の刺客」で稲垣吾郎が演じている松平斉韶さん本人は1967年版の解説にある通り潔白です。ただ、十三人の刺客劇中の斉韶のモデルはいます。それは江戸初期の「松平忠直」。この人は徳川(結城)秀康の長男で徳川家康の孫です。お父さんは家康の次男で立派な人でしたが、二代将軍にはなれませんでした。諸説在りますが当時は忌み嫌われた「双子だった」が有力説です。

秀康は石田三成が加藤清正等に襲撃され家康邸に逃げ込んだ(三成襲撃事件)際には、三成を佐和山城まで無事に送り届けて感謝の印に名刀「石田正宗」を贈られた逸話もある人物で「関ヶ原の戦い」では伊達政宗等の裏切りに備え、江戸城で待機しました。弟の秀忠が後継者に決まっても表立って異を唱えず、秀忠からは特別扱いされますが、忠直は父が二代将軍になれなかった恨みと、自身の大坂の陣での活躍が評価されず問題人物に。

「中身が男か女かを賭けて妊婦の腹を割く」「家臣に兵を差し向ける」等の乱行や残虐行為が問題となって幕府から強制的に隠居させられます。結局、秀康の越前松平家は弟の忠昌が継ぎます。「十三人の刺客」における斉韶のモデルと言われています。「女性の両手足を切り落とし舌も抜く」は中国前漢の高祖(劉邦)の第一夫人「呂后」がモデルです。夫の死後、年若い他の夫人にこんな仕打ちをしたと「史記」にあります。

十三人の刺客のあらすじネタバレ

1963年版の解説と十三人の刺客を中心とするキャストのご紹介。稲垣吾郎の悪役挑戦とモデルとなった人物の解説をしましたのであらすじのネタバレをご紹介します。

斉韶乱行への間宮図書の切腹と土井大炊頭の真意

土井大炊頭の屋敷前で明石藩江戸家老の間宮図書が切腹。主君たる松平斉韶の所行を諫死したと分かりながら、土井は表向き将軍の意向で「沙汰なし」と発表します。しかし、土井は密かに島田新左衛門を呼び出し、尾張藩士・牧野靭負と会わせます。斉韶に息子と嫁を殺された牧野は生き証人でした。更に苛酷な年貢取り立てで百姓一揆が起きると首謀者の娘の両手両足を切断して慰み者にし、飽きると捨てます。

島田は家族の処遇を聞きますが舌も抜かれた女は口で筆をとって「みなごろし」と書きます。松本図書の家族は斉韶に「私刑」され、側用人の鬼頭半兵衛は訴状のあった老中土井が看過する筈がないと見做し、身辺を探らせ同門の島田が「上意討ち」の密命を受けたと察します。

刺客集結

島田の食客平山九十郎も「上意討ち」への参加を表明。島田と腐れ縁の倉永左平太にも密命が下り、三橋軍次郎以下5名の参加を確認します。島田邸の謀議を伺っていた明石藩は計画を聞き出そう手練れ四人を派遣しますが平山に討たれます。一方、博打と女とケンカに明け暮れていた島田の甥っ子新六郎も加わり、更に平山の門弟小倉と友人の佐原も加わり刺客は十二人となります。

参勤交代で帰藩する明石藩一行が江戸を出立しても島田は動かず、明石藩一行の尾張領通過を阻止するため牧野の復讐心を利用し、襲撃する地点を落合宿と定めます。倉永を牧野への連絡役として尾張に派遣し、三橋を先行させて落合宿の買い取り交渉と物資調達を命じます。その上で馬で明石藩の行列を追い抜いて落合宿に向かう段取りをつけます。

浪人の襲撃

馬で江戸を出立した島田たち一行は明石藩の雇った浪人衆の襲撃を受けます。襲撃を受けた島田は消息を絶つため「山越え」を決意します。

小弥太登場と牧野靭負の意地

慣れぬ山道を進んで行く島田一行は獣用の罠に掛かった山の民・木賀小弥太を助けます。食事で釣った小弥太に道案内をさせ、落合宿に到着します。しかし小弥太はこれから武士を相手の大喧嘩をすると聞いて残ることを決めます。

一方、明石藩の行列は牧野靭負ら尾張藩士たちに遮られます。斉韶は強引に押し通ろうとしますが鬼頭は御三家と揉める事態で斉韶の評判が悪化するのを避け、荷物持ちだけを通過させ斉韶と共に迂回路を行きます。牧野靭負はその場で切腹して果てます。

集結!十三人の刺客

こうして島田たちは倉永、三橋と合流して小弥太を加えた十三人となりました。島田たちは買い取った落合宿に罠を設置し、宿場から出られないよう工夫します。一方、小弥太は女を用立てるという三州屋徳兵衛の申し出を受け入れて女郎衆を骨抜きにし最後には徳兵衛も毒牙にかけます。

切れ者の鬼頭は島田たちの待ち伏せを警戒して敢えて日を遅らせます。焦る刺客たちでしたが島田新左衛門は明石藩一行が必ず落合宿に来ると予想します。細工は上々はあとは釣るのみといったところです。

落合宿の罠

明石藩一行は落合宿に差し掛かり宿場の様子を伺います。しかし、女子供が其処かしこにいる平和な風景に足を踏み入れますがそれも島田の作戦でした。抜き身の刀が配置されていることに鬼頭半兵衛は気づいて引き返すように命じます。

明石藩一行が馬で駆け抜けようとすると罠が発動します。一方、鬼頭半兵衛もただ時間を稼ぐだけでなく、その間に手勢を集めていました。

その数総勢三百名。こうして明石藩士たちと十三人の刺客たちの激闘が始まるのでした。まずは宿場の出入り口を爆破封鎖します。

其処にすかさず「火牛の計」。背中にたき火を背負わされて熱と火に興奮した牛たちに追い回され右往左往する明石藩士たちには死傷者が続出します。他にも油に爆薬といったとんでもない罠の数々が待ち受けます。

宣戦布告

斉韶と鬼頭が馬で宿場出口に差し掛かると島田新左衛門、倉永左平太、佐原平蔵が待ち構えていました。倉永が土井大炊頭の「上意討ち」の書状を朗々と読み上げます。

「まずは弓矢にてお相手致す」という倉永の合図で屋根の上から嵐のような矢の攻撃が明石藩士たちを襲います。屋内に逃げ込もうとすると爆破の罠。路地裏には油が撒かれており火計。

やがて矢が尽きると島田が絶叫します。「小細工はこれまでだぁ!」そして島田がこの一文を掲げます。苦笑するのは斉韶のみ。「みなごろし」の五文字に明石藩士たちに戦慄が走ります。「斬って斬って斬りまくれぇ!」

激闘!!

300名ほどいた明石藩士たちは130名ほどに減じていました。それでも尚圧倒的な人数ですが、佐原は「二百両では安すぎた」と嘯き、島田の合図で一斉に斬りかかります。正に怒濤の如く押し寄せる倉永の刀と佐原の槍。

鬼神の如き戦いで平山九十郎の足許は血の池の如き様相です。刺客たちはそれぞれ死力と知力を尽くして戦います。

それでも数の上では圧倒する明石藩士たちに一人また一人と倒されていく刺客たち。日置八十吉は屋内から槍で刺され、腹に槍が刺さった状態で戦い続けて力尽きます。

石塚利平は大竹茂助に後事を託して絶命します。三橋軍次郎は島田新左衛門と倉永を逃がすため殿となって立ち往生します。倉永左平太は名乗りを上げて斉韶に迫りながらも明石藩士たちに阻まれて近づけずに倒れます。

大竹茂助は鬼頭半兵衛に迫りながら斬られます。小弥太は侍を愚弄した後、斉韶に小太刀を投げられ、首を刺されて倒れます。

一騎討ちと大将首

鬼頭半兵衛はようやく落合宿からの脱出路を見つけて斉韶を促しますが、その先には島田新左衛門と新六郎が待ち構えていました。鬼頭半兵衛は主君への忠義を説き、新左衛門との一騎討ちに臨みます。斉韶は「一騎討ちとは風流だのぅ」などとこの後に及んでも嘯きます。

泥を蹴上げて目眩ましにし「半兵衛、あの世で待っていてくれ」と鬼頭半兵衛の首を落とします。斉韶は半兵衛の首をこともなげに蹴り、「風流かと思えば卑怯よのぉ」と新左衛門を愚弄します。

斉韶に「主君のために忠義を尽くした男の首を足蹴にしますか」と新左衛門は説き「飾りは黙ってただ飾られていれば良いのです」と新左衛門から愚弄された斉韶は「飾りではない」と絶叫して新左衛門を斬りますが腹を刺されます。痛みでみっともなくのたうち回り泥まみれになりながら「死ぬのは怖い」と言う斉韶ですが、迫る新左衛門に「今日という日が生きていた中で一番楽しかった礼を言う」と言って首を落とされます。

決着ついて・・・

新左衛門は新六郎に「儂は大博打に勝った」と言って絶命します。一人生き残った新六郎は散った仲間たちや明石藩士たちの姿を見て回り惨たらしさに神妙になります。

そこに生きていた小弥太が現れ、「お前不死身か」という新六郎に「大将首とっちまったのか、つまんねえ」と言い、「俺はやっぱりウパシをかっさらってどこかの山で生きる」と言います。新六郎は「侍なんて詰まらない。俺は異国に行って赤毛の女を抱く」と言います。その提案に小弥太は心惹かれますが、新六郎は黙って立ち去るのでした。こうしてあらすじは終わります。

十三人の刺客を観た感想や評価は?

さてネタバレあらすじは如何だったでしょうか?最後まで主君への忠義を貫いた市村正親。魅力的な悪役を演じきった稲垣吾郎。絶望的な人数差を撥ね除けてその首を刎ねた役所広司。最後まで生き残った山田孝之と伊勢谷友介。それぞれに魅力的です。それではここから皆様の感想と評価をご紹介します。

この作品をみて黒澤監督の「七人の侍」を思い浮かべた人が多いのではないのでしょうか?人を多く殺めてきた侍の最後の死に場は「正義」のためでありたいという動機こそまさに「七人の侍」。

これは凄い!究極のチャンバラ映画です。殺陣シーンが長く、好戦的です。稲垣の悪役ぶりが徹底しており、刺客一人ひとりに、応援が出来ました。オリジナル版が観たいです。

あの戦力差には無理がある。もっと作戦あるだろう。リメイク前の作品も誉められたものではないが、この作品も記憶に残るものではないだろう。下らないギャグシーンとか要らないし。

血生臭い中にも思わず笑えるシーンもあり面白かった。迫力もあったしグロさは脳裏に焼き付く感じであの娘さんの姿は今だにリアルに思い出せます。

哀しいかなあの女性こそ本作のキーマンで「斉韶、許すまじ」となる訳ですが、R-12指定の要因。画像でご紹介出来ません。また海外公開版では斉韶役の稲垣吾郎による「犬食い」シーンもカットされました。

悪役「稲垣吾郎」への感想と評価

「史上最凶・最悪」というのが誇張でなく、「悪役の中の悪役」「自分の命は惜しいが他人の命は全く省みない」「死ぬ間際に家臣300人が殺された事態を面白かったと言い切る」という凄まじい悪役ぶりの松平斉韶役の稲垣吾郎への感想・評価は溢れるほど。何をしようと顔色一つ変えない。似合いすぎる殿様ぶり、筆舌に尽くしがたい乱行・奇行の数々は総毛立つという皆様の感想・評価です。

稲垣吾郎さんが予想外に名悪役で、鳥肌立つぐらいの名演技だったと思う。最早実力派の俳優しか出てないのか、ってぐらい俳優陣が皆良い芝居をしてて、かなり見応えがあった。

「徳川の世など長くない」「老中風情が予に楯突くか」「半兵衛、決めた。予が老中就任の暁は戦のある世にしてみせようぞ」等など名台詞が多いです。時代錯誤と徳川一門とは思えぬ暴言、江戸幕府の制度を揺るがしかねない物言いです。現将軍の弟ならば品行方正に振る舞えば「将軍後継候補の一人」という事実は見事に無視しています。

日本映画史上最凶の悪役 稲垣吾郎に拍手喝采したい!!

稲賀吾郎は当然と言えば当然ですがこの作品で各助演男優賞を受賞しています。しかし、日本アカデミー賞の助演男優賞は逃してしまいました。ただ、その演技に対する感想・評価は絶賛の嵐です。海外でも高い評価を受けています。

十三人の刺客についてまとめ

さて「十三人の刺客」のご紹介もまとめに入らせて頂きます。新六郎の言うように海外渡航に繋がる「開国」までほんの数十年。「山の民」という被差別対象の小弥太も死ぬまでには人間扱いされる世の中になります。斉韶がなにをしても、しなくても幕末の動乱期まであと僅かです。

そうした意味でも十三人の刺客たちと明石藩士たちは「大政奉還」やら洋式銃が戦場の主役となる「戊辰戦争」を知らずに磨いた武芸を駆使して戦って逝けた。つまり「武士として死ねた」幸せな人たちだとも言われています。

時代劇エンターテインメントここに極まる

「史実無視」「映画黄金時代の熱を表現したい」「ヒットしそうな映画ばかり作る傾向に逆らいたい」「CGは極力使わないでオーソドックスに撮る」という視点で時代劇を描くとこんなに面白い娯楽作になるのかという正に時代劇エンターテイメント。残虐な描写については大先輩である深作欣二監督に負けず劣らずというのが三池崇史監督です。

通常「忠臣蔵」などでも討ち入り決戦までは中だるみしがちな準備に相当する部分を伊原剛志による刺客撃退や稲垣吾郎の怪演、山田孝之の豪遊や喧嘩騒動、伊勢谷友介の怪人ぶりで観客を釘付けにして飽きさせないという手法は好評です。

ご紹介記事で残念だった点

女性陣についてキャストでのご紹介が「出来なかった」のは適切な画像不足。それというのもキャストの女性陣は斉韶の狼藉で大変な目に遭っている犠牲者だとか、本筋にほぼ関係ない人ばかり。ちなみに新六郎の相手を務めた芸妓のお艶さんと、小弥太の想い人ウパシは吹石一恵さんの二役です。

そして岸部一徳さん演じる三州屋徳兵衛さん。また牧野妥女役がまだドラマ「昼顔」でブレイク前の斎藤工さんです。

まとめ

さて「十三人の刺客」の紹介記事は如何でしたでしょうか?興味がある方、多少の凄惨な描写も「大丈夫だ」という方は是非ともご覧になっては如何でしょうか?また最後に、現在(2018年10月1日)は公開から8年ですが、その間に亡くなられたキャストが出演されています。

松方弘樹さん、平幹二朗さん、謹んでご冥福をお祈り致します。また吹石一恵さんも俳優・福山雅治さんとご結婚・出産され、既に女優業を引退されております。亡くなられた名優お二方を偲ぶ意味でも「十三人の刺客」を是非ご鑑賞なられては如何でしょうか?

関連するまとめ

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ