パイレーツオブカリビアンの悪役デイヴィ・ジョーンズとは？正体や声優も紹介

デイヴィ・ジョーンズとは、パイレーツオブカリビアンシリーズの2作目「パイレーツオブカリビアン/デットマンズチェスト」と3作目「パイレーツオブカリビアン/ワールドエンド」に登場する非常に存在感の強い悪役です。強烈なビジュアルのためか、パイレーツオブカリビアンファンの間でも根強い人気があります。

顔面はタコそのもので、目つきは鋭く、胸の下まで長く伸びたタコ足は、まるでひげのようです。右手はタコ足、左手はカニのハサミ、少し不自由なのか右のカニの足は引きずって歩いています。長く海底にいるためか、全身にはたくさんのフジツボがついています。作中での彼の活躍や能力、目的、演じた俳優や声優を詳しく解説していきます。

パイレーツオブカリビアンは、ディズニーパーク内にあるアトラクション「カリブの海賊」をモチーフに制作されたハリウッド映画です。ウォルト・ディズニーが手がけたアトラクションであり、忠実を参考に制作されました。残酷な描写、財宝、呪い、交戦、暴れ狂う海賊たちの迫力ある描写が、訪れるゲストから高い評価を受けています。

悪名高き海賊ジャック・スパロウ（ジョニー・デップ）を主役とし、海を舞台に冒険を繰り広げるファンタジーアクション映画です。2003年にシリーズ1作目である「パイレーツオブカリビアン/呪われた海賊たち」が公開され、大ヒット。その後2006年に2作目「パイレーツオブカリビアン/デッドマンズチェスト」、2007年公開の3作目「パイレーツオブカリビアン/ワールドエンド」でシリーズ3部作が完結しました。

3部作好調の波に乗り、前回に引き続き主演はジョニー・デップが担当、新しいキャストを加えシリーズが再スタートします。2011年に4作目「パイレーツオブカリビアン　生命の泉」、2017年には5作目「パイレーツオブカリビアン　最後の海賊」が公開されました。

緊迫感あふれる展開と、白熱する戦闘シーン、臨場感あるＣＧ技術は幅広い年齢層の人たちから支持されています。その他にもジャック・スパロウのコミカルで知謀家なキャラクターと、それを取り巻く個性的な登場人物の掛け合いも魅力の一つです。

パイレーツオブカリビアン主演のジョニー・デップの他、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ジェフリー・ラッシュ、イアン・マクシェーン、トム・ホランダー、ケヴィン・マクナリー、ペネロペ・クルス、カヤ・スコデラリオ、ブレントン・スウェイツなど、豪華キャストを起用しています。

海を渡り歩く船乗りたちから恐れられる幽霊船・フライング。ダッチマン号。怪物の口のような造形の気味の悪い船首が特徴で、ブラック・パール号と並ぶ大木さの船体です。全体のスペックはブラック・パール号に及びませんが、向かい風では最強と言われており、作中でもジャック・スパロウたちを追い詰めます。

デイヴィ・ジョーンズは、この幽霊船フライング・ダッチマン号の船長です。デイヴィ・ジョーンズと血の契約をかわすことで、フライング・ダッチマン号で100年間働くことを代償に、様々な願い事でも叶えてもらうことができます。ジャック・スパロウもブラックパール号（旧・ウィキッド・ウェンチ号）の船長になることを条件にデイヴィ・ジョーンズと契約しました。

返済の期限が迫ると、デイヴィ・ジョーンズは対象者にクラーケンを惹きつける呪いの印・黒丸をつけます。クラーケンはこの印がある者をどこまでも追いつめて襲い、最終的には海に引きずり込みます。しかし、昔はこのような横暴なことをするような人ではありませんでした。

デイヴィ・ジョーンズ、彼の正体は元々人間の海賊でした。しかし、女神カリプソに恋をしてから人生の転機を迎えます。カリプソはデイヴィ・ジョーンズに海をさすらう魂をあの世へ運ぶ神聖な仕事を課し、あの世とこの世を行き来できる船、フライング・ダッチマン号を与えます。10年に1度陸地に上がりカリプソと想いを通わせるという条件のもと、デイヴィ・ジョーンズは責務をこなし続けました。

カリプソとはギリシャ神話に登場する広大な力を持つ海を支配する女神の名前です。おそらくモデルはこのギリシャ神話でしょう。パイレーツオブカリビアンの作中でも、かつてカリプソは絶対的な権力を持っていました。自由を制限される海賊長たちにとって、彼女は邪魔な存在でしかありませんでした。

そして彼女の正体はなんと、1作目「パイレーツオブカリビアン/呪われた海賊たち」で死んだバルボッサを生き返らせたブードゥー教の預言者ティア・ダルマでした。演じた女優の正体はナオミ・ハリス。「ダイヤモンド・インパラダイス」でハリウッドデビューをされています。

10年の仕事を終えて再び陸地へ上がったデイヴィ・ジョーンズでしたが、彼の前に、気まぐれな性格のカリプソが現れることはありませんでした。デイヴィ・ジョーンズはカリプソの自由奔放な性格を重々承知していました。しかし、10年間カリプソを想いながら責務をこなし続けたデイヴィ・ジョーンズにとって、自分に会いに来なかった彼女を怨んでしまうのは仕方ないことでした。

憎しみから、海賊長たちが集う評議会でデイヴィ・ジョーンズは海の女神カリプソを人間の身体に封印する方法を彼らに教え、共謀して彼女から海の支配権を奪いました。しかし、カリプソへの想いは消えることはありませんでした。

デイヴィ・ジョーンズは、罪悪感と悲しみから自ら命を絶つために心臓をえぐり出します。しかし、心臓は動き続け、苦しみや悲しみの感情から解放されることはありませんでした。心臓は自身が鍵を持つ宝箱（デットマンズ・チェスト）に入れ、部下の手によって離れた場所に隠されました。

カリプソに裏切られた絶念から課せられた役割を放棄したため、海洋生物が不整合に組み合わさった化け物の姿に変造させられてしまいました。かつては名高い船乗りでしたが、気性が激しい残酷な性格へと変貌し、幽霊船フライング・ダッチマン号で船乗りたちを残忍に襲うようになります。幽霊のような存在であるためか、壁をすり抜けたり、遠く離れた場所へ瞬間的に移動したりといった行動が見られます。

上の動画の曲は、作中でデイヴィ・ジョーンズがカリプソを想いながら苦しげに、時に涙を流しながらタコ足でオルガンを弾いている時のものです。曲名は「デイヴィ・ジョーンズ」。切なさ、悔しさ、カリプソへの想いの深さが感じられる曲調となっています。

東インド貿易会社のカトラー・ベケット郷がデイヴィ・ジョーンズの心臓を入手してしまいます。ベケット郷はデイヴィ・ジョーンズの心臓を盾に、彼と彼の部下たちを従わせます。弱みを握られたデイヴィ・ジョーンズはベケット郷の艦隊とともに、ベケット郷に対抗する審議が行われる第4回評議会と交戦することになりました。

カリプソは封印から自由になりたいと思っていました。しかし、封印されている人間の身体から解放されるために、評議会の審議での許しが必要でした。カリプソは自由を得たら自分を封印した海賊たちに復讐し、デイヴィ・ジョーンズと一緒になることを望んでいました。カリプソもデイヴィ・ジョーンズを愛していたのです。

けれどその目的は達成されませんでした。カリプソはウィル・ターナーからデイヴィ・ジョーンズに裏切られたことを聞かされます。カリプソは激しい怒りからデイヴィ・ジョーンズの死を目的とした行動に出ます。たくさんのカニに分裂して海に帰り、巨大な渦でフライング・ダッチマン号とブラック・パール号を取り込みます。

激しい戦闘の末、デイヴィ・ジョーンズはウィル・ターナーに心臓を剣で突かれ、カリプソの名前をつぶやきながら海に落ちてしまいました。どれだけ憎んでも憎み切れないほどに最期まで彼女を想っていたのでしょう。デイヴィ・ジョーンは長い苦しみから解放され、愛して止まなかった海へようやく帰ることができました。

3作目「パイレーツオブカリビアン/ワールドエンド」で心臓を突かれて死んだと思われたデヴィ・ジョーンズでしたが、もしかしたら生きているかもしれないというシーンが最新作5作目「パイレーツオブカリビアン/最後の海賊」のエンドロール後に出てきます。いったいどのようなシーンなのか、ご紹介いたします。

「ポセイドンの槍」を破壊し無事呪いが解けてエリザベス・ターナーの元に戻ったウィル・ターナー。夜、二人は寝室で眠っています。そこへいきなり部屋の扉が開き、デイヴィ・ジョーンズに似たシルエットをしたカニのハサミの手を持つ化け物が侵入してきます。ウィルはそこで目を覚まし、寝室を見回しますが異常はありません。悪い夢を見たのだと思い、再び眠りにつきました。しかし、寝室の床にはフジツボが落ちていました。

左手がカニのハサミ、さらにフジツボときたらデイヴィ・ジョーンズで間違いないでしょう。3作目「パイレーツオブカリビアン/ワールドエンド」では、ウィル・ターナーに心臓を刺され、カリプソの名前をつぶやき、海に落ちていくシーンがあります。しかし、遺体は出てきませんし、はっきりとデイヴィ・ジョーンズの死を確認した人もいません。

けれど、化け物のまま生きているとなると矛盾が発生します。5作目「パイレーツオブカリビアン/最後の海賊」でジャック・スパロウ一行は「ポセイドンの槍」を壊し、海にはびこるすべての呪いを解きました。デイヴィ・ジョーンズが生きているとすれば、元の人間の姿に戻っているはずです。

この点を踏まえて考えると、デイヴィ・ジョーンズは「ポセイドンの槍」の影響を受けない特別な場所にいたということでしょう。そうだとすると、また新しい物語がはじまる予感がします。いずれにしてもこの「パイレーツオブカリビアン/最後の海賊」のエピローグは今後何かしらの伏線になるかもしれません。

デイヴィ・ジョーンズ役の俳優の正体はビル・ナイさん。特殊メイクと最新技術のCGでデイヴィ・ジョーンズになりきっています。

ビル・ナイさんは1949年12月12日イギリスのサリー州生まれ。2003年公開の映画「ラブ・アクチュアリー」で英国アカデミー賞助演男優賞、テレビ映画「ナターシャの歌に」でゴールデングローブ賞主演男優賞などを受賞された経歴があります。

その他、代表的な出演作に「レッド・ノーズ・デイ・アクチュアリー」ビリー・マック役。「切り裂き魔ゴーレム」ジョン・キルデア役。「人生はシネマティック！」アンブローズ・ヒリアード役。「ダッズアーミー」ウィルソン軍曹役。「マリー・ゴールドホテル/幸せへの第二章」ダグラス・エインズリー役など、その他多数。恋に苦しむデイヴィ・ジョーンズ役を見事に演じきられた実力派俳優です。

字幕版派の人必見の情報です。日本語吹き替え版で声を当てているデイヴィ・ジョーンズの声優の正体は、洋画の吹き替えの他、アニメ、ニュースのナレーションなど幅広く声優業で活躍されている大塚芳忠さんです。落ち着いた独特の声質に定評があり、声優アワード受賞歴もあるベテランです。

代表作な出演作に、アニメでは「NARUTO -ナルト-」の自来也役。「SLAMDUNK」仙道彰役。「宇宙戦艦ヤマト2199」の真田志郎役。「機動戦士Zガンダム」「機動戦士ガンダムZZ」ヤザン・ゲーブル役。洋画吹き替えでは「悪魔を憐れむ歌」ジョン・ボブズ役。「ジュラシックパーク/ロストワールド」イワン・マルカム役など、その他多数。

多種多様な役をこなされる声優さんです。大塚芳忠さんを目指して声優の道を選んだという方も数多くおられます。「パイレーツオブカリビアン」デイヴィ・ジョーンズの、字幕版とはまた違った大塚芳忠さんの演技に注目です。

恐ろしいビジュアルのデイヴィ・ジョーンズ。彼の正体は一人の女性を深く愛し、苦しんだ普通の人間でした。切ない過去を持つ彼の心情を意識することで、作品の印象が変わってくるかもしれません。演じた俳優、声優の正体はベテランの実力派です。彼らの演技に注目しながら映画を見ることで、またデイヴィ・ジョーンズのキャラクターに深みが増すことでしょう。

そして、何よりも「パイレーツオブカリビアン/最後の海賊」のエピローグ、気になる方も多いでしょう。デイヴィ・ジョーンズは果たして生きていて、また再度スクリーンに登場することはあるのでしょうか？今後のパイレーツオブカリビアンシリーズに期待しましょう。