そして父になるの子役の演技の評価は?けいたとりゅうせい役二人の現在も調査

2013年に制作された日本映画『そして父になる』。第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、見事、審査員賞を受賞した作品です。カンヌで公式公開された後、約10分間のスタンディングオベーションが沸き起こり、是枝監督や主演の福山さんが感極まって涙を流した姿は、様々なテレビ局で放送されました。この『そして父になる』では、子供の取り違えがテーマの話ということもあり、登場する子役が重要な役を担っています。そこで今回、この作品に出演した子役について調査しました!

そして父になるの子役の演技の評価は?けいたとりゅうせい役二人の現在も調査のイメージ

目次

  1. そして父になるの子役の評価は?けいたとりゅうせい役の現在も調査
  2. そして父になるとは?
  3. そして父になるのあらすじを簡単に紹介
  4. そして父になるの子役の演技は?評価を紹介
  5. そして父になるの子役・けいた役とりゅうせい役の現在は?
  6. そして父になるの子役についてまとめ

そして父になるの子役の評価は?けいたとりゅうせい役の現在も調査

『万引き家族』で記憶に新しい是枝裕和監督が、2013年に制作した日本映画『そして父になる』。2013年5月に行われた第66回カンヌ国際映画祭で公式上映され、見事審査員賞を受賞した作品です。元々2013年10月5日からの上映を予定していましたが、カンヌで賞を受賞したことで日本国内の反響が大きく、9月28日に切り上げて公開されました。

この作品では、シンガーソングライターや俳優など、様々な肩書を持つ福山雅治さんが、初めて父親役を演じたことでも話題になりました。『そして父になる』は、第37回日本アカデミー賞で優秀作品賞も受賞しており、この作品で福山さんは優秀主演男優賞を受賞しています。因みに、是枝監督はこの式典で優秀監督賞・脚本賞・編集賞を受賞しました。

様々な面で注目されたこの作品ですが、『出生時の子供の取り違え』がテーマということもあり、登場する子供達の演技に涙する日本国民が多かったのでは無いでしょうか。メインとなる子役が、福山雅治さんが演じる野々宮良多の息子、野々宮慶多(ののみや けいた)君。そしてもう一人が、リリー・フランキーさんが演じる斎木雄大の息子、斎木琉晴(さいき りゅうせい)君です。

そしてこの重要な子供役を演じたのが、二宮慶多(野々宮慶多役)君と、黄升炫(斎木琉晴役)君です。子役ながらも、複雑な役を見事に演じきった二人について、世間の評価と彼らの現在について、今回は紹介したいと思います。

そして父になるとは?

『そして父になる』は、2013年に公開された日本映画で、監督・脚本・演出・編集を是枝裕和さんが務め、主要キャストに福山雅治、尾野真千子、リリー・フランキー、真木よう子がいます。産院での赤ん坊の取り違え事件による、二組の家族の複雑な心境と葛藤を描く作品です。

上記でも述べた通り、この作品はカンヌ国際映画祭に出品され、公式上映されました。上映後、約10分間のスタンディングオベーションが贈られ、是枝監督と福山雅治さんらがその光景に感動。涙を流したのは有名な話です。その後この作品はカンヌの審査員から絶賛され、審査員賞を受賞したことで、公開前から日本国内でも反響が大きく、予定よりも上映時期が早まりました。

また、『そして父になる』はカンヌだけでなく、第56回アジア太平洋映画祭で最優秀作品賞・最優秀監督賞を受賞、更に芸術選奨文部科学大臣賞(映画部門)を受賞するなど、数々の映画祭で賞を総なめにしました。

世界的にも注目を集めた作品だっただけに、2013年9月28日から日本国内の309スクリーンで『そして父になる』が公開されてから、たったの二日間で興行収入が3億1,318万6,500円、総動員数は25万3,370人を叩き出し、映画観客動員ランキングで堂々の1位を獲得しました。また、アート系映画としては異例の累計興行収入30億円を突破し、様々な面で偉業を成し遂げた作品となったのです。

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そして父になるのあらすじを簡単に紹介

ここで簡単に『そして父になる』のあらすじをご紹介します。この作品で重要となる家族が、エリート建設家の野々宮家と、街で小さな電気屋を営んでいる斎木家です。社会的立場や生活環境、家庭に対する考え方も違うこの2つの家族が、ある事件をきっかけに『血を優先』するべきか『時間を優先』するべきか、親子のあり方を真剣に考える、非常に難しい題材をテーマにしたストーリーです。

各々の家庭が子供に恵まれ、幸せな生活を送っていた最中、かつて子供を産んだ病院から「重要なお知らせがある」と呼び出されます。訳も分からず病院に訪れた2つの家族。病院から聞かされたのは、『出生児に看護師によって子供の取り違えが起きていた』という何ともショッキングな報告だったのです。

子供達の今度について「子供の将来の為に結論を急いだ方がいい」という病院からの助言により、野々宮家と斎木家の交流が始まり、『ミッション』と称して、週末に両家は慶多と琉晴を互いの家に泊まらせます。それと同時に、野々宮良多は子供を取り違えた事について病院を相手取り、裁判を起こします。

そんな中、良多は父が倒れたと聞き、父の元へ駆けつけます。その際に自身の子供が出生時に取り違えされていた経緯を話しますが、自身の父親からは『大事なのは血だ』と一喝されてしまいます。父の言う事に反論できない良多は、その考えを受け止めようとしますが、帰り際に継母から『血なんて繋がっていなくたって情は湧く。私はそのつもりで貴方達を育てた』と言われ、良多の心情に微かな乱れが生じます。

様々な葛藤の末、ついに慶多と琉晴を交換する事に。琉晴は野々宮家で、慶多は斎木家での生活がスタート。今までと全く違う生活環境に放り込まれた二人は、戸惑いながらも日々を送って行きます。斎木家へ行った慶多は、始めこそは周りの騒がしさやバタつく姿にオドオドしますが、リリー・フランキーが演じる斎木雄大と真木よう子が演じるゆかりの明るく大らかな姿に少しずつ安心感を覚え始めます。

問題は野々宮家の方でした。野々宮家に引き取られた琉晴は、今までの自由奔放な生活から一変、ルールで固められた良多の生活環境に馴染めず、家を飛び出してしまいます。琉晴が向かった先は、生まれ育った家、斎木家でした。良多は琉晴を連れ戻しますが、その際、自身が小さい頃、母親に会いたくて家出をした事を思い出し、そのエピソードを琉晴に伝えます。

以前よりも少し良多と琉晴との間に絆が芽生えますが、やはり琉晴は『パパとママの所に帰りたい』と涙します。妻のみどりも、徐々に琉晴との絆が育まれる一方で『慶多を裏切ってるみたいで』と涙ながらに胸中での葛藤を吐き出します。そんな二人の姿を横目しにしながら過ごしていたある日の朝、良多が不意にカメラを触っていたところ、自身の姿がカメラに納められているのを発見します。

それは、良多の知らない間に息子の慶多が良多を撮った沢山の写真でした。良多の後ろ姿や寝顔が納められたその写真は、慶多が如何に父親の良多を愛していたのかが垣間見え、『離れたくない』というメッセージが密かに込められていました。同時に、良多は慶多が今まで自分にしてくれていた事に気づきます。慶多と一緒に過ごした6年間の時間や日々を、良多は一気に思い出し、涙します。親子にとって大切な事は血の繋がりではない。

共に過ごした時間なのだ。それに気づいた良多は、みどりと共に慶多を迎えに行きます。しかし良多を見た途端慶多は駆け出してしまい、それを良多は追いかけます。『パパなんかパパじゃない!』そう言葉をぶつけた慶多に対し、良多は『6年間はパパだったんだよ。出来損ないだったけど、パパだったんだよ』そう言って、慶多を力強く抱きしめ、二人で皆が待っている斎木家へ帰っていくのです。

ある二つの家族の物語

『そして父になる』で重要な存在となるのが、野々宮家と斎木家の二つの家族です。経済状況も生活環境も全く正反対の二つの家族が、子供の取り違いによって様々な葛藤や苦難を抱え、家族とは何か、親子とは何かをもがきながら見つけようとします。

まずは、この作品でメインとなる野々宮家。野々宮良多(福山雅治さん)と妻みどり(尾野真千子さん)、6歳の一人息子のけいた(二宮慶多くん)の三人家族であり、夫の良多は再開発プロジェクトを進めるエリート建設家です。一家は都心のタワーマンションに住み、良多は慶多に私立小学校を受験させます。学習塾やピアノを習うなど、英才教育を基本とし、良多が決めたルールの元で生活をしています。

良多はエリート思考の仕事人間で、家事・育児については全て妻のみどりに任せきり。父親として息子のけいたと一緒に遊ぶにしても、良多の場合はけいたと一緒に遊ぶ事で、けいたがしている事を客観的に評価する、という接し方しかできません。ストーリー中に、良多がけいたとゲームをするシーンがありますが、一緒に遊ぶと言うよりは、言いにくいことを言いやすくする為の『コミュニケーション手段』として使っている様子が伺えます。

そんな良多の姿を見ながら、妻のみどりは胸中で『父親としてもっとけいたと接して欲しい』という気持ちが蓄積していきますが、エリートな良多にみどりはなかなか反論できず、けいたが良多からダメ出しをされた際にけいたをフォローする形でなんとか息子を支えようとします。エリートでお金には困らない生活をしている反面、父と子の間の関係性が気薄な家族になっています。

次にもう一つの家族、斎木家についてです。斎木家は、斎木雄大(リリー・フランキー)と妻のゆかり(真木よう子)、息子りゅうせいの下に弟と妹が一人ずついる総勢5人の家族であり、群馬県で町の電気屋を営んで生活していました。裕福とは程遠い貧しい暮らしで、野々宮家とは全く正反対な家庭環境でした。しかし斎木家は家族全員笑顔が絶えず、賑やかで明るい家庭で、子供達はわんぱくに伸び伸びと育っていました。

夫婦の関係性も野々宮家とは全く違い、斎木家では妻のゆかりが主導権を握っています。ゆかりの「うちには4人の子供がいて大変」という発言から分かる通り斎木家の夫婦関係は、ドンと構えて一家を守る肝っ玉母ちゃんと、普段は母ちゃんの尻に敷かれている父ちゃん、といった構図です。そんな全く正反対な二つの家族が、『そして父になる』の舞台となるのです。

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そして父になるの子役の演技は?評価を紹介

『そして父になる』で重要となっている部分が、親子の繋がりとは何なのか、『血』か、それとも『時間』か、という点です。重大事件から生じた、家庭に降りかかる混乱。思い悩む親達に振り回される不安定な子供の心理を、この作品の要となる『けいた』と『りゅうせい』が表現する役目でした。

そして、その非常に難しい心理をこの作品に出演した子役2人は、演技で十二分に表現したのです。彼らのその演技に、世界中の視聴者は感銘を受け、涙しました。それでは、『けんた』と『りゅうせい』を見事に演じた子役2人について、ご紹介したいと思います。

野々宮家の1人息子、『野々宮 慶多(けいた)』を演じたのが、当時6歳だった『二宮 慶多(にのみや けいた)君』です。東京都出身の2006年8月13日生まれ、A型。東京都港区に本社を構える芸能事務所で、宮崎あおいさんや長谷川博己さんなどが所属する株式会社ヒラタオフィスのキッズ部門、ヒラタビーンズに子役として所属しています。

二宮慶多君の出演作品として、『2013年:半沢直樹(半沢隆博 役)』『2014年:BORDER警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係 最終話(天川弘志 役)』『2017年:昔話法廷 ヘンゼルとグレーテル裁判(ヘンゼル 役)』『CM 日清ラ王 食べたい男篇2(西島秀俊さんと共演)』などがあり、『そして父になる』以降も数々の映画やテレビドラマ、CMに出演してきました。

そして二宮慶多君は何と、『そして父になる』に出演する前に、2011年に発売された福山雅治さんの『家族になろうよ』のPVに出ていたという奇跡がありました!

そしてもう1人の主役、斎木家の長男、『斎木 琉晴(さいき りゅうせい)』を演じたのが、『黄升炫(ファン・ショウゲン)君』です。佐賀県出身で2005年6月18日生まれ。株式会社エーチームのグループ会社、芸能プロダクションである株式会社エーライツに子役として所属しています。名前からして中国人かと思いきや、国籍は日本で、バリバリの関西弁だそうです。

二人とも演技力抜群!

ここで、けいた役を演じた、子役の『二宮 慶多君』と、りゅうせい役を演じた、子役の『黄升炫君』の演技について、世間の評価がどうだったのかをご紹介したいと思います。

『そして父になる』を鑑賞した人達が口々に発するのは、上記の方もおっしゃっているように『子役の子の演技が自然』であったという事です。子役として芸能プロダクションに所属している以上、子役としての演技は一流なはずですが、この『そして父になる』で出演した慶多君とファン君の演技については、あまりにも普通の子供らしく自然な反応と表情だ、と絶賛されています。

ではなぜそんな演技ができたのか。それには、この作品を手がけた是枝監督の戦略が影響していると言われています。

上記の方が仰っている通り、実は是枝監督は子役に台本は渡さないのだそうです。子役達には台本を渡さず、その場で口頭でセリフを伝え、演技してもらう、という方法をとっているとの事。あえてそうする事で、子役から自然な反応を引き出し、それに対してベテランの俳優陣がどう演技するか。是枝監督による『指定する演技ではなく引き出す演技』によって、子役達の演技は非常に自然体でリアリティに溢れたものになるようです。

そんな監督の撮影方法によって引き出された子役達の演技ではありますが、やはりけいた役を演じた慶多君も、りゅうせい役を演じたファン君も、ベースはプロの子役です。子供らしい自然な演技があったと同時に注目したい部分が、彼らの表情による演技です。

子供役を演じる子役ですが、彼らが必要とされる演技は、大人が役を演じる場合と決定的に違う部分があります。それは言葉の数です。子供役であるが故に、子供から発するセリフ・言葉数は少ないのです。その代わり、一つ一つの表情や仕草で、その役の心情を演出していきます。今回、この『そして父になる』で子供役を演じた慶多君とファン君には、この『表情・仕草で演技をする』という能力が高かったと評判なのです。

日本人顔負けのファン君の演技

りゅうせい役を演じたファン君は、『黄升炫』という名前から察するに中国人かと思われますが、ファン君について紹介した部分でもお伝えした通り、彼は日本国籍を所有しています。ご両親のどちらかが、中国の方では無いかと言われていますが、詳細は不明です。そして実は、バリバリの関西弁だそうです。そう言われてみれば、映画の中でりゅうせいのセリフでたまに関西弁が混じっているシーンがあります。

ファン君が演じたりゅうせいが野々宮家に来たとき、良多から『お風呂は1人で静かに入る事・野々宮夫婦の事をパパママと呼ぶ事』というルールを伝えられますが、りゅうせいは『なんで?パパちゃうやん』と返します。それをキッカケに始まる、りゅうせいの『なんで?』攻撃。このセリフは、ファン君が普段使っている口癖らしく、それを聞いた監督が採用し、そのまま作品になったそうです。

ファン君が演じるりゅうせいが、『なんで?』攻撃を繰り返す場面で、良多が最終的にちゃんとした答えではなく『なんでだろうな』と曖昧な答えに変わるシーンがありますが、この場面は元々台本には無く、ファン君が『なんで?』を連発した事で良多役を務めた福山さんが、本当に戸惑いながらアドリブで『なんでだろうな』という返事が出たそうです。

この『なんでだろうな』のシーンは、ファン君と福山さんが演技をぶつけ合い誕生した、『そして父になる』の中の名シーンの一つとなりました。このシーンでは、ファン君も福山さんも「演技」というよりは、かなりリアルで自然体なやりとりとなっており、視聴者の間では自然すぎる2人の演技に注目が集まりました。

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そして父になるの子役・けいた役とりゅうせい役の現在は?

『そして父になる』でけいた役とりゅうせい役を演じ、注目を集めた慶多君とファン君ですが、現在はどうしているのか調査しました。

まずりゅうせい役を演じた『黄升炫君』の現在ですが、『そして父になる』に出演して以降、他の作品に出演したとの情報は無く、現在の活動が掴めない状態となっています。しかし、現在もエーライツのホームページでは写真とプロフィールが掲載されているところから察するに、何かしらの形で活躍されているのだろうと言われています。

けいた役の慶多君は現在も役者活動中

一方、けいた役を演じた『二宮 慶多』については、現在も『そして父になる』で出演していた頃と同じヒラタビーンズに所属しており、『写楽ホーム凸凹探偵団』や『NHK BSプレミアム 番組バカリズム4』、『NHK BSプレミアム アイアングラマン2』などに出演し、引き続き子役として活躍しているようです。

『そして父になる』から約5年の歳月が過ぎ、撮影時に年長さんだった慶多君は、現在小学6年生。『そして父になる』で出演していた頃を比べて、現在は随分と顔も大人に近づいています。

そして父になるの子役についてまとめ

今回、『そして父になる』で出演した2人の子役について紹介しました。この作品のベースが『子供の取り違え』であり、そこから引き出された題材が『家族とは何か、親子の絆とは何か』『血か、それとも時間か』というものであるため、出演する子役に非常に重要な役目がありました。

そんな重役を見事に演じきった慶多君とファン君。彼らの演技力や情報をあらかじめ調べておいてから『そして父になる』を観ると、一味も二味も違う作品になるでしょう。『そして父である』を既に観た事がある方も、そうでない方も、是非、けいた役とりゅうせい役を演じている彼らに注目してこの作品を観てみては如何でしょうか?

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