【シン・ゴジラ】ヤシオリ作戦の由来と意味は？エヴァのヤシマ作戦との共通点とは？

日本の命運をかけた大作戦「ヤシオリ作戦」が登場する「シン・ゴジラ」とはどのような作品でしょうか？まず初めに日本を代表する怪獣映画「ゴジラ」を実写化した作品「シン・ゴジラ」について、作品概要やあらすじをご紹介していきます。

「シン・ゴジラ」とは2016年7月29日に公開された日本の特撮映画です。配給会社東宝が製作した「ゴジラシリーズ」の第29作目にあたる「シン・ゴジラ」は、総監督に「エヴァンゲリオンシリーズ」で有名な庵野秀明監督が起用されました。日本が製作したゴジラ映画としては、12年ぶりに製作され、庵野秀明監督の特色である戦闘描写や映像・音楽などに注目が集まり、全世界で大ヒットとなった作品として知られています。

東京湾に突如として現れた巨大生物は、当初そのあまりに現実から変え離れた存在から、海底火山の噴火や熱水噴出孔の発生などという「海底の災害」として認識されていました。しかし徐々に巨大生物・ゴジラの全貌が現れ、政府はゴジラの駆逐を決定します。ゴジラに対し「巨大不明生物特設災害対策本部」を設置した政府は、前代未聞の大厄災・ゴジラと、命と日本をかけた戦いに挑む事になっていきました。

「シン・ゴジラ」に登場する「ヤシオリ作戦」とは、日本政府が巨大生物・ゴジラを駆逐する為に計画した「討伐作戦」の名称となっています。次はそんな内閣官房副長官・矢口が企画し、実行に移した「ヤシオリ作戦」について名称の由来や、その意味、さらに具体的な内容について詳しくご紹介していきます。

「シン・ゴジラ」に登場する「ヤシオリ作戦」とはどのような意味の名称になるのでしょうか？まずはじめに「ヤシオリ作戦」について、その名前の意味と由来をご紹介していきます。「ヤシオリ作戦」の意味とは、まず内閣官房副長官・矢口が、ゴジラの動きを止める為に計画した「矢口プラン」と、それを実行に移す為に必要となる、日本の自衛隊とアメリカ軍の陽動作戦を合わせて「ヤシオリ作戦」と命名しています。

この名称は、便宜上矢口が通称として命名したもので、とある逸話が由来となっていました。その由来とは、日本の神話における「ヤマタノオロチ」を討伐する際に、須佐之男命が「八塩折之酒（やしおりのさけ）」を振る舞った事から由来していると言われています。これは「矢口プラン」でゴジラに「血液凝固剤」と「活動抑制剤」を飲ませるという内容から、お酒に見立てて矢口が名付けたと命名の由来として紹介されています。

「ヤマタノオロチ討伐」という日本の神話から由来した名称である事をご紹介した「ヤシオリ作戦」ですが、次はそんな「ヤシオリ作戦」の具体的な内容について詳細をご紹介していきます。

「ヤシオリ作戦」はまず、ゴジラの体内にあるエネルギーを使い果たさせる事が重要でした。ゴジラは「ヤシオリ作戦」を行う前に、一度熱放射線を使って東京を壊滅状態にし、そこでエネルギー切れを起こして停止していました。このエネルギー切れの状態を「ヤシオリ作戦」で再び作る為、無人機などを使用してゴジラに攻撃させ、エネルギー切れを誘発しました。

次に「ヤシオリ作戦」の第2段階としてゴジラをひっくり返す必要がありました。これはゴジラの口から凍結剤を流し込む為に必要な工程となっていました。まずゴジラに向かって爆薬を積んだ無人の新幹線を激突させ、ゴジラの頭上にビル爆発による瓦礫を降らせます。さらに追撃として、アメリカ軍のイージス艦によるミサイル攻撃や自衛隊の砲撃を行い、ゴジラはついに体勢を崩して横倒し状態になりました。

そして「ヤシオリ作戦」の最終段階では、ゴジラの口から直接「血液凝固剤」と「活動抑制剤」を流し込みました。倒れたゴジラの口元にポンプ車やタンクローリーが集結し、次々と凍結剤を注入していきました。途中でゴジラは抵抗を見せ、立ち上がろうとしますが、矢口の追撃によってそれは阻止されます。ゴジラは最後の力を振り絞りますが、それも叶わずゴジラの体は凍結してしまいました。

「ヤシオリ作戦」という名称を聞いた時、多くのファンは「エヴァンゲリオンシリーズ」に登場する最も有名な作戦「ヤシマ作戦」を思い浮かべたと言われています。「シン・ゴジラ」と「エヴァンゲリオンシリーズ」は同じ庵野秀明監督作品である事から、この2つの作戦に共通点があると考察する方も少なくありません。次はそんな「ヤシオリ作戦」と「ヤシマ作戦」の共通点を考察していきます。

「エヴァンゲリオンシリーズ」に登場する「ヤシマ作戦」とは、「屋島の戦い」で弓の名手・那須与一が海上の扇を射たという逸話から名付けられたと言われています。その名前の由来の通り、「ヤシマ作戦」はポジトロン・ライフルという巨大なライフルをエヴァンゲリオン初号機が構え、迫り来る使徒を狙撃するという作戦内容でした。この「狙撃」という作戦内容が、弓を射る那須与一の伝説にリンクしたと言われています。

「ヤシオリ作戦」と「ヤシマ作戦」は名前は似ていますが、作戦内容は全く異なっています。しかし、この2つの作戦にはある共通点がありました。それが、「作戦の実行の為に日本中の力を一箇所に集める」という特徴でした。「ヤシオリ作戦」では凍結剤の精製に日本中の生産力を集結し、短時間で精製に成功しています。そして「ヤシマ作戦」ではポジトロン・ライフルの使用電力を、首都圏を停電にする事で賄っていました。

シンプルな内容でありながら非常に効果的であった「ヤシオリ作戦」ですが、実は一方で作戦内容の矛盾点を指摘する声も挙がっていました。次はそんな「ヤシオリ作戦」の矛盾点についてご紹介していきます。

ゴジラは「ヤシオリ作戦」で無人車両爆弾による爆撃を受けています。それは一度倒れた後に再び立ち上がろうとするゴジラを制する為に、矢口が用意した追撃としても非常に有効な攻撃となりました。しかし一方で、動き回るであろうゴジラが線路上に留まり続けている可能性の低さを指摘する声も多く、作戦を成功させる為の「ご都合主義」的演出であるとする声も寄せられていました。

「ヤシオリ作戦」ではゴジラに凍結剤を経口摂取させています。これは横倒しになっているゴジラに行う作戦で、「嚥下機能」を疑問視する声が多く挙がっていました。本来意識のない状態で嚥下するには、横向きの状態では難しいと推測されています。仰向けにゴジラを倒さない限り不可能な工程とも言われており、こちらでも「ご都合主義」的な演出が指摘されていました。

「ヤシオリ作戦」では凍結剤によってゴジラの凍結に成功しています。そして最終的にゴジラの体温は-196℃まで下がっている事が分かっています。この温度に対し、「温暖な日本の気候で下がりすぎではないか」と疑問視する声が寄せられていました。-196℃という極端な数値を出すには、ゴジラの体内で何らかの作用が働き自ら体温を下げでもしない限り不可能ではないかと考察されていました。

こちらは「ヤシオリ作戦」で日常的に使用されていた身近な物達が武器として使用された展開を称賛する方の投稿です。「ヤシオリ作戦」で使用する物は、電車や新幹線、ポンプ車などといった日常で目にする物です。そんな身近な物を駆使して繰り広げられる「ヤシオリ作戦」は、シンプルながらも強力で、思わず興奮したという方も多いようです。

こちらは「ヤシオリ作戦」で、電車や新幹線など身近な物を壊し、武器として使用して作戦を実行しようとするその心意気に感銘を受けたという方の投稿です。ゴジラという前代未聞の大厄災に立ち向かう為、正に日本の命運をかけてゴジラに挑んだ作戦として「ヤシオリ作戦」は称賛されていました。

こちらは「シン・ゴジラ」の中で、「ヤシオリ作戦」のシーンが興奮するという方の投稿です。「シン・ゴジラ」において、「ヤシオリ作戦」のシーンはクライマックスに登場します。ゴジラによって壊滅に追い込まれ、滅亡の危機にある日本が、全てを投げ打ってゴジラに挑む姿に感動するという声が多く寄せられていました。

「シン・ゴジラ」に登場する「ヤシオリ作戦」に関するまとめはいかがだったでしょうか？「ヤシオリ作戦」は様々な矛盾点が指摘されているものの、エヴァンゲリオンシリーズの「ヤシマ作戦」ともリンクし、非常に記憶に残るシーンとして有名になっています。そんな「ヤシオリ作戦」の登場する「シン・ゴジラ」をまだご覧になった事がない方は、この機会にぜひ「ヤシオリ作戦」に着目してご覧になってみてはいかがでしょうか？