死霊人形・アナベルは実話？死霊館シリーズは実在する人形がモデルのホラー映画？

死霊館・アナベルシリーズとは、2013年より脚本家チャド・ヘイズとケイリー・W・ヘイズが制作した実話に基づく一連のホラー映画を指しています。2019年5月現在5作品が公開されています。

2013年の「死霊館」と2016年の「死霊館 エンフィールド事件」の監督を務めたのは、オーストラリアの映画プロデューサー、監督、脚本家のジェームズ・ワン。中国系の両親を持つ彼は1977年2月26日マレーシア・クチンで生まれました。

監督デビュー映画「ソウ」はサンダンス映画祭やカンヌ国際映画祭で上映され、斬新なストーリー展開が評判を呼びシリーズ化されています。現在もホラーやスリラー、ミステリー映画で活躍しています。

「アナベル死霊館の人形」の監督は、1956年7月4日カリフォルニア州出身の撮影監督で映画監督のジョン・レオネッティ。彼は、「死霊館」の監督ジェームズ・ワン作品の撮影を数多く担当しています。

自身の監督作品としては、本作「アナベル死霊館の人形」の他、2006年「バタフライ・エフェクト2」や2017年「7WISH/セブン・ウィッシュ」などがあります。

「アナベル 死霊人形の誕生」で監督を務めたのは、1981年 スウェーデン/ヨンショーピング出身のデヴィッド・サンドバーグ。

彼は10代の若い頃から短編映画を撮っていましたが、2006年に初の短編アニメをYouTubeで発表。その後CMや短編映画の制作会社を設立。2006年のホラー映画「ライト／オフ」や2017年本作「アナベル死霊人形の誕生」で存在感を増し国際的にも注目されています。

死霊館・アナベルシリーズ一連の映画を公開順に並べると、以下の通りとなります。死霊館シリーズとアナベルシリーズが交互に公開されています。

• 死霊館（2013年）
• アナベル死霊館の人形（2014年）
• 死霊館エンフィールド事件（2016年）
• アナベル死霊人形の誕生（2017年）
• 死霊館のシスター（2018年）…スピンオフ作品

次に、死霊館・アナベルシリーズの主要キャストを紹介します。まずは2013年公開の「死霊館」から。（キャスト…役名の順です）。

• ヴェラ・ファーミガ…霊能力者・ロレイン・ウォーレン
• パトリック・ウィルソン…ロレインの夫で悪魔研究家エド・ウォーレン 。強靭な肉体の持ち主。
• リリ・テイラー…怪奇現象に悩まされる女性、キャロリン・ペロン
• ロン・リビングストン…キャロリンの夫、ロジャー・ペロン 

次に2014年公開の映「アナベル死霊館の人形」で登場する主要キャストです。

• アナベル・ウォーリス…妊娠中の女性ミア・フォーム
• ウォード・ホートン…ミアの夫で研修医のジョン。妻に人形をプレゼントします。
• トニー・アメンドーラ…パサデナ市の神父ペレズ
• アルフレ・ウッダード…本屋店主でミアの身代わりとなるエブリン

2016年公開の「死霊館エンフィールド事件」の主要キャストを紹介します。ウォーレン夫妻は「死霊館」と同じキャストなので割愛します。

• フランセス・オコナー…4人の子供を育てるシングルマザー、ペギー・ホジソン
• マディソン・ウルフ…ペギーの二女で霊が憑依するジャネット・ホジソン
• フランカ・ポテンテ…怪奇現象を検証する科学者アニータ・グレゴリー

2017年公開の「アナベル死霊人形の誕生」の主要キャストは以下の通り。

• ステファニー・シグマン…修道女シャーロット
• タリタ・ベイトマン…孤児で足の悪い少女、ジャニス
• ルル・ウィルソン…孤児の少女でスーという人形を持ち歩くリンダ
• フィリパ・クルサード…年長の孤児ナンシー
• グレイス・フルトン…孤児の処女でナンシーと探検に出かけるキャロル

最後に2018年公開の「死霊館のシスター」の主要キャスト。

• タイッサ・ファーミガ…修道女の見習い、アイリーン
• デミアン・ビチル…バチカンから修道院の調査を任命されたバーク神父
• ジョナ・ブロケ…修道院近くの村に越して来たカナダ人、フレンチー
• ボニー・アーロンズ…悪魔の尼僧、ヴァラク
• シャーロット・ホープ…修道女ヴィクトリア

2019年5月現在、第1作「死霊館」から第5作「死霊館のシスター」まで公開されている人気ホラー「死霊館」シリーズ。それらは実在の心霊研究家ウォーレン夫妻が体験した実話を基にしているというのです。とりわけ第1作の「死霊館」と続く「死霊館エンフィールド事件」は実話を忠実に再現したホラー映画と言われています。

死霊館シリーズが実話に基づいているのは前述の通りですが、この映画の陰の主役とも言うべき「死霊人形・アナベル」も実在のものでした。

映画では見るからに恐ろしい人形でしたが、実在のアナベル人形はアメリカで1915年に誕生した「ラガディ・アン」という愛嬌のあるお顔をしたファブリックの人形です。

そんなごく普通の人形だった「ラガディ・アン」に異変が起こります。1970年、看護学生のドナが母親から一体のラガディ・アン人形をプレゼントされます。あるときドナとルームメイトのアンジーは、外出から戻るたびに人形が移動しているのに気づきます。遊びに来ていた男友達ルーは、気味が悪いから燃やしてしまおうと提案。しかしドナとアンジーは、怖がりなリーをからかい相手にしませんでした。

ところがその後、家中から高価な羊皮紙が何枚も見つかり、その内の1つには「ルーを助けて」と記されていました。さすがに恐れをなした2人は霊媒師を訪ねます。霊媒師が言うには、このラガディ・アン人形には僅か7歳で死んだアナベルという少女の霊が取り憑いているとのことでした。この話を聞いて急に人形が愛おしくなったドナは、手元に残すことにします。

一方、ルーは夜ごと悪夢にうなされる様になります。それはアナベル人形に首を絞められるという生々しい夢でした。

再びドナとアンジーの部屋を訪ねたルーは、隣の部屋から不審な物音がするのに気づきます。音の発生源を確かめるため隣の部屋に入った途端、彼の目に飛び込んできたのは部屋の隅に置かれたアナベル人形。人形に近づくと、ルーの胸に激痛が走ります。彼が胸を見るとシャツには血が！さらにシャツをめくったルーは胸についた爪痕のような傷を目にします。

事の深刻さに気付いたドナたちは、心霊研究家のウォーレン夫妻のもとを訪ねます。その結果、人形に取り憑いているのは少女の霊ではなく悪霊であることが判明。すぐさまウォーレン夫妻は神父に悪魔祓いを依頼。しかし、夫妻が家に持ち帰った後もアナベル人形は動き回っていたそうです

現在、実在のアナベル人形はアメリカ/コネチカット州にある、心霊研究家ウォーレン夫妻の博物館で展示されています。このウォーレン・オカルト博物館では、夫妻が調査を担当した心霊事件絡みの物を集めて展示。

その中でも厳重に保管されているのが、アナベル人形です。人形を納めたガラスケースには「絶対に開けるな」「触るな」という注意書きが添付され、今でも月に2回神父による悪魔祓いが行われているということです。

死霊人形・アナベルに登場するウォーレン夫妻について説明します。彼らは実在の人物で、夫・エド（エドワード）は非聖職者としては唯一人カトリック教会から公認を受けた悪魔研究家、妻・ロレインは霊能力者です。

彼らはホラー映画「死霊館」の題材となった実話・ペロン一家事件をはじめ、数多くの超常現象研究で知られています。 

1971年アメリカ/ロードアイランド州の片田舎に引っ越してきたペロン一家。新生活を始めたのも束の間、怪奇現象に悩まされることに。家に入ることを拒んだ愛犬の突然死。家中の時計が全て3時7分で停止したり、妻キャロリンの体に現れた黒い痣など不可思議な事象が立て続けに起こります。

さらには、夜中に扉が勝手に閉まったり異臭が漏れてきたり…。居たたまれなくなったペロン夫妻は、心霊研究家として高名なウォーレン夫妻に調査を依頼。ウォーレン夫妻は一家の母親に悪霊が取り憑いていることを看破します。

様々な心霊現象を見てきたウォーレン夫妻をして「最も邪悪で恐ろしい」と言わしめたこの実話を基に、映画化したのが「死霊館」。脚本を監修した霊能力者のロレイン・ウォーレンと実在のペロン一家・長女アンドレアは、「映画は実話に沿って制作され過度な脚色はない」と断言しています。

次に、2016年公開の映画「死霊館エンフィールド事件」が題材とした、ロンドン北部に位置する実在の町エンフィールドで起きた実話を紹介します。

事件は1977年8月に発生。シングルマザー、ペギー・ホジソンと彼女の4人の子供が住む一軒家に1年以上に亘りポルターガイスト現象が続いたのです。事件は被害に遭った家族の他、英国心霊調査協会員や警官、マスコミ関係者など多くの人が目撃したと証言、センセーショナルな実話として報道されました。

ペギーらの住む家では、壁や床を叩く音が聞こえたり、家具が勝手に動く、人間が空中に持ち上げられるといった心霊現象と思われる出来事が発生。一家は避難を余儀なくされます。

しかし避難先でも同じような心霊現象が発生。悪霊に憑依されたかのように、娘たちが突然太い男の声で喋り始めたり…。この症状を起こした長女のマーガレットと二女のジャネットは、総合病院で検査を受けましたが、診断結果は異常なしというものでした。

主人公は妊娠中の妻ミア・フォームと研修医で夫のジョン。ある日、夫・ジョンが妻に人形をプレゼントします。ところがその夜、2年前に家出しカルト教団に入った隣のヒギンズ家の娘・アナベルと彼女の恋人が、両親であるヒギンス夫妻を襲撃。

その後恋人の男は、駆けつけた警官に撃たれて死亡。娘のアナベルはミアを襲った後、彼女の目の前で自殺しました。アナベルが抱いていた血まみれの人形を、不気味に思ったミアは捨てます。ところが捨てたはずの人形が新居に現れます。

気味悪がる妻・ミアの希望で夫妻は引越すことに。ところが引っ越し先の家でも怪奇現象が起きます。ミアは人形に悪魔が憑いていると考えます。本屋店主・エブリンがミアの身がわりになって死亡することで、皮肉にもジョンとミア夫妻は命を救われます。後日、看護師デビーの取り計らいで悪魔研究家ウォーレン夫妻の元へ人形が届けられ、夫妻によって悪霊は封印されました。

この映画では、アナベル人形の誕生秘話が明かされます。最愛の娘アナベルを事故で亡くしたサミュエル・マリンズと妻のエスター。突然の愛娘の死を受け入れられない夫妻の前に霊体が現れます。夫妻はその霊体を娘だと思い込み、指示に従い霊体を人形に憑依させてしまいます。ところがその霊体は娘アナベルではなく悪魔だったのです。悪魔の手先になったことを悔やむ夫妻ですが、悪魔を追い出すことはできませんでした。

1957年、サミュエル夫妻は家の一部を児童養護施設として提供、6人の孤児の少女がやって来ました。そのうちの1人、足の悪い少女・ジャニスが、お札を貼って悪魔を封印していた亡き娘・アナベルの部屋に入りクローゼットを開けてしまいます。このことが原因でジャニスは悪魔に襲われ、取り憑かれることに。

ジャニスの異変に気づいた彼女と仲良しの少女リンダが夫妻に知らせるも時すでに遅し。サミュエルは悪魔に襲われ死亡。悪魔が憑依したジャニスは、アナベルと名前を変えてヒギンス夫妻の養女になりました。

それから11年後の1968年。深夜にヒギンス夫妻を襲撃する養女のアナベル。隣人の妻、ミア・フォームが物音を聞き、夫に「ジョン？」と呼びかけます。（ここから映画「アナベル死霊館の人形」へと続いていくのです）。

最後に「死霊人形・アナベル」を観た方の感想や評価を紹介します。最初は、辛口のレビューを書くとアナベルが襲ってきそうで怖いという方から。

悪霊にも感情があるのでしょうか？ホラーが苦手な方なら納得の感想なのかも知れません。

死霊人形・アナベルに関する感想、続いては「母は強し」と感じた方です。悪霊よりも娘を想う母の愛の方が勝っていたという事でしょうか。

死霊人形・アナベルに関する感想や評価、最後は「恐怖の煽り方がうまい」と映画を評価する方です。ホラー要素がたくさんあり、怖いながらも楽しめたという感想でした。

ここまで「死霊人形・アナベルは実話？死霊館シリーズは実在する人形がモデルのホラー映画？」と題してお届けしてきました。その結果、死霊人形・アナベルは実話をベースにしていること、死霊館シリーズは実在の人形をモデルに制作されたことなどが判明。

皆さんもこの機会に現代的ホラー要素満載の実話に基づく死霊館・アナベルシリーズを、AMAZONなど動画配信サービスを利用してご覧になってはいかがでしょうか。