羊たちの沈黙を徹底考察!羊の意味や結末・ラストシーンをネタバレ解説

羊たちの沈黙という映画について、考察をしながら鑑賞した事のある人も多い筈です。今回はそんな羊たちの沈黙についてネタバレ込みで徹底的に考察をすると共に、タイトルにも使われている羊の意味についてや、レクター博士とクラリスの関係性などについてもまとめてご紹介します。原作とはラストシーンが異なっているという羊たちの沈黙ですが、考察を読んだらきっと羊たちの沈黙を鑑賞したくなる筈です。

羊たちの沈黙を徹底考察!羊の意味や結末・ラストシーンをネタバレ解説のイメージ

目次

  1. 羊たちの沈黙とは?
  2. 羊たちの沈黙を徹底考察!
  3. 羊たちの沈黙のあらすじ・ラストネタバレ
  4. 羊たちの沈黙の登場人物
  5. 羊たちの沈黙の犯人のモデルとは?
  6. 羊たちの沈黙に関する感想や評価
  7. 羊たちの沈黙の考察やラストネタバレまとめ

羊たちの沈黙とは?

サイコスリラー系の映画が好きだという人であれば、見逃せないタイトルが「羊たちの沈黙」ではないでしょうか?今回は羊たちの沈黙について、ネタバレを含めた考察やラストシーンについて、更にはタイトルに使われている羊の意味などを徹底的にご紹介します。映画を観てもわからなかった部分も、考察を読めばきっとすっきりできる筈です。

羊たちの沈黙の映画情報

羊たちの沈黙は、1991年に公開されたサイコスリラー映画です。トマス・ハリスの小説を原作とした作品であり、アンソニー・ホプキンスの怪演でも話題となった作品です。主人公はFBI訓練生のクラリスという女性で、猟奇殺人事件の犯人を捕まえる為に、元精神科医であり猟奇殺人事件の犯人でもあるレクター博士にアドバイスを求めて事件を解決しようとするお話となっています。

羊たちの沈黙の魅力

羊たちの沈黙という映画の魅力を深めているのは、やはりアンソニー・ホプキンス演じるレクター博士です。殺害した人間を食べるという異常性を見せるレクター博士は、別名「人食いハンニバル」とも呼ばれています。恐ろしい人物でありながら、多くのファンがレクター博士に魅了されているのもまた事実であると言えます。

羊たちの沈黙の続編は?

羊たちの沈黙の続編は、2001年に公開された映画「ハンニバル」です。前作から10年後の世界が舞台となり、クラリス宛てにレクター博士から一通の手紙が送られてきます。更にその後も「レッド・ドラゴン」「ハンニバル・ライジング」と続編が公開されており、シリーズの人気の高さが窺えます。1986年には「刑事グラハム/凍りついた欲望」という映画が公開されていますが、この作品の再映画化となったのがレッド・ドラゴンです。

羊たちの沈黙の時系列

羊たちの沈黙の映画からハンニバル・ライジングまでの作品の時系列は、順番通りではありません。ハンニバル・ライジングがシリーズの中で最も初期の時間軸となり、レクター博士の幼少期から青年期までが描かれています。続いてレッド・ドラゴン(刑事グラハム/凍りついた欲望)、そしてクラリスとレクター博士が出会う羊たちの沈黙、その10年後となるハンニバルという時系列となっています。

羊たちの沈黙の公開順

映画の公開順は刑事グラハム/凍りついた欲望が1986年、羊たちの沈黙が1991年、ハンニバルが2001年、レッド・ドラゴンが2002年、ハンニバル・ライジングが2007年となっています。監督は全作品で異なっており、1作目からマイケル・マン、ジョナサン・デミ、リドリー・スコット、ブレット・ラトナー、ピーター・ウェーバーが務めています。

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羊たちの沈黙を徹底考察!

続いては羊たちの沈黙という作品について、細かい部分まで徹底的に考察をご紹介します。一度映画を観ただけでは気付かない部分や、理解できなかった部分もあるかもしれません。しかし考察を読んだ上で改めて羊たちの沈黙を鑑賞してみると、一度目とは全く違った視点から映画を楽しむ事ができる様になるかもしれません。

考察:羊の意味とは?

い頃に両親を失ったクラリスは、羊牧場を営む夫婦の元で暮らす事となりました。しかし屠殺される姿を目撃してしまった事で、羊を逃がそうとしたクラリスは失敗し、その時に耳にした羊の悲痛な鳴き声がトラウマとなっているのです。キリスト教において、子羊は憶病で従順な神のいけにえとされています。更には「被害者」といった意味を持つ言葉でもあります。

考察:羊=被害者女性?

タイトルの羊たちの沈黙とは、「殺された羊たち」といった意味に捉えられます。これは猟奇殺人事件の被害者達にも当てはまり、この事件に向き合う事がクラリスの過去のトラウマと向き合う事にも繋がっていきます。クラリスの過去の話を聞いたレクター博士が、物語のラストで「悲鳴がまだ聞こえるか?」と問いかけていますが、これは事件の解決と共にトラウマが解消されたかどうかを問いかけているものでもありました。

考察:クラリスの性質

クラリスという人物は純粋で誠実である一方で、父親などのごく一部の人物を除いては、クラリス自身に対して好意を寄せる人間を拒絶する様な空気を見せています。自分自身が他人から異性として見られる事を避けようとしていると考えられます。

考察:削られた回想シーン

一般的な映画作品においては、過去を語る際にはその頃の映像や幼い頃の姿が映し出されたりする場合が多いものです。しかし羊たちの沈黙においてはクラリスが過去のトラウマを語り出す際には、過去の回想シーンなどは挟み込まれる事はなくただ過去の話をするクラリスの表情が映し出されています。

考察:羊はクラリス?

レクター博士のアドバイスによって猟奇殺人事件の犯人を捕まえる事ができたクラリスですが、事件解決によって抱えていたトラウマを克服する事ができたのかは定かではありません。羊は被害者達の事であると同時に、か弱い存在であるクラリス自身の事でもあったのです。

考察:レクターはクラリスが好き?

レクター博士は大抵の人間がどの様な人物であるのか、すぐに見抜く事ができてしまいます。一方でクラリスに対しては、言葉を交わしトラウマを教えられる中で、自分自身の弱みを握られた状態となっても事件に立ち向かう勇敢さを見せられました。その為にレクター博士はクラリスに対して一種の尊敬の念を抱いたのではないかとも考えられます。レクター博士にとってクラリスは好感が持てる存在であったのです。

考察:レクターは信頼を重要視

クラリスと初対面を終えたレクター博士が、ようやく生まれかけていた信頼が損なわれてしまった事を残念がる場面があります。この一言からもレクター博士が信頼というものを重要視していた事が窺えます。クラリスは訓練生で未熟な為に、レクター博士との対面の際に教えられた注意事項を悉く破っています。しかしだからこそ純粋なクラリスに、レクター博士は信頼を寄せる様になったものと考えられます。

考察:初対面で決まった2人の仲

捜査を進める中で奇妙な信頼関係を築き上げていくクラリスとレクター博士ですが、実は冒頭の対面の際に既にその仲が決定づけられていたのではないかと考えられています。初対面の際に、証明書を近くで見せてほしいというレクター博士に対して、クラリスは傍へ歩み寄っていき真っ直ぐに視線を合わせています。先に目を伏せたのはレクター博士の方で、この時点で既にクラリスという人物を見抜いていたのではないかと考えられます。

考察:ただの悪ではないレクター

レクター博士はその異常性とは裏腹に、誰彼構わず殺しにかかる様な悪でもありません。誠実で思慮深い人間に対しては、思いのほか紳士的な振る舞いを見せていたりもするのです。特にクラリスに対してはトラウマから逃れる為のヒントを与えてくれたりもしています。逆に傲慢な人間を嫌い、そういった人物はレクター博士の標的となってしまう事もあります。

考察:目が合ったら最後?

一筋縄ではいかない猟奇殺人鬼のレクター博士は、時に囁く言葉一つで人を死に追いやる事すらもできてしまう恐ろしい人物です。まるで心の内を読まれているかの様な語り口に、一度目を合わせたら最後となってしまうのです。恐ろしい洞察力の持ち主であるからこそ、猟奇殺人事件に対する的確なアドバイスができる上にファンを魅了するカリスマ性を感じさせるのかもしれません。

考察:蛾の意味とは?

羊たちの沈黙の犯人であったバッファロー・ビルは、被害者の女性の皮膚を使ったドレスを身に着けるといった歪んだ女装癖の持ち主で、殺した女性の喉に蛾のサナギを詰め込むという特徴を持っています。この蛾は髑髏模様をした特殊なもので、映画独自の蛾です。髑髏模様のモチーフとなったのはサルバドール・ダリの作品でした。現れると不幸を呼ぶとされ、髑髏に見立てた女性の体は被害者の死体を表現しています。

羊たちの沈黙のポスターでも口元に配置された蛾がそれで、バッファロー・ビルの飼っていた「メンガタスズメ」という種類の蛾です。性同一性障害であったバッファロー・ビルが、被害者の女性の体を使って着飾り蛾の様に羽ばたく姿、そして口元への配置によって被害者の沈黙を意味する表現となっています。

羊たちの沈黙のあらすじ・ラストネタバレ

続いては羊たちの沈黙という作品のあらすじからラストまでを、ネタバレ込みでご紹介します。まだ羊たちの沈黙を鑑賞した事が無いという人は、ネタバレ満載となっている為、閲覧にはくれぐれもご注意ください。あらすじを読むだけでも、きっと羊たちの沈黙という作品の魅力が伝わる筈です。

あらすじネタバレ:訓練生クラリス

FBI捜査官を目指して訓練生をしているクラリスは、圧倒的に男性ばかりの環境の中で懸命に努力を続けていました。ある日上司であるクロフォード主任に呼び出されたクラリスは、その優秀さを買われて一つの任務を与えられました。それは元連続殺人鬼であり、現在は逮捕され監禁状態にあるハンニバル・レクターを観察するというものでした。

アメリカ国内では「バッファロー・ビル」と呼ばれる人物による、猟奇的な連続殺人事件が起こっていました。クロフォードは捜査に行き詰まっており、監禁中の連続殺人犯達に協力を依頼して犯人を捕まえようとしていたのです。しかしレクター博士からは捜査協力を得られなかった為に、クラリスを派遣する事にしたのです。

あらすじネタバレ:運命の出会い

レクター博士は危険人物である為に、個人的な話をしたりまともな人間として接する事をしないよう注意を受けます。ボルティモアの監禁病棟でガラス越しにレクター博士と対面したクラリスは、レクター博士を恐れながらも誠実な対応をします。そんなクラリスの態度を気に入ったレクター博士は、会話の際に隣の房の男がクラリスに対して失礼な態度を取った事を詫びるついでに、一つのヒントを与えてくれました。

あらすじネタバレ:不気味な倉庫へ

レクター博士のヒントから、10年分先払いをされている一つの貸倉庫を見つけたクラリスは、倉庫へ向かいます。色々な物が置かれた倉庫の中には、ホルマリン漬けにされ化粧をされた男性の頭部が置かれていたのです。倉庫の借主である「ヘスター・モフェット」のアルファベットの綴りを入れ替えると、その倉庫を借りていたのはレクター博士である事が判明しました。クラリスは再びレクター博士の元を訪れます。

あらすじネタバレ:レクターの供述

レクター博士はホルマリン漬けの男はベンジャミン・ラスペールという名前で、自分の元患者であると話します。しかし彼を殺したのは自分ではないと話しました。話を聞くうちに、クラリスは現在追っている連続殺人事件の犯人について、その正体をレクター博士が知っているのだと直感します。ベンジャミンを殺害した犯人もまた、同一人物である可能性が高いとわかりました。

あらすじネタバレ:女性誘拐事件

そんな中で、新たな事件が起こります。帰宅途中だったキャサリン・マーティンという女性が、何者かによって連れ去られてしまったのです。キャサリンは自宅マンションの傍まで帰宅していましたが、右腕を怪我した男がトラックにソファを積み込もうと悪戦苦闘しており、手伝いを申し出ました。しかしそれらは男の演技であり、殴られて気絶してしまったキャサリンはそのままトラックで誘拐されてしまいました。

あらすじネタバレ:蛾の繭

被害者は必ず3日間生存した状態で監禁され、射殺される事となります。死後に遺体は皮を剥がれ、証拠を残さない為に別々の川へ捨てられていたのです。クラリスは新たに発見された遺体の検視に立ち会った際に、割れた爪の下に土が入っている事と、のどに詰まった蛾の繭を見つけました。成虫になると胴体部分が髑髏の様に見える不気味な蛾で、明らかに自然に詰まったものではない事がわかります。

あらすじネタバレ:チルトンの企み

誘拐されて現在も行方不明となっているキャサリンは、母親が上院議員である為に大きく報道されていました。そんな中でクラリスが度々レクター博士に会いに来る事を怪しく思ったチルトン博士は、こっそり盗聴器を仕掛けて会話を盗み聞きし、得た情報を自分の出世に活用しようと企みます。

クラリスはキャサリンを救出できた場合の交換条件として、キャサリンの母親がレクター博士に、ニューヨーク州の森が見える場所にある病院へ移送してくれると条件を提示してきた事を伝えます。外の景色を見たがっていたレクター博士は興味を持ちますが、更なる条件としてクラリスのトラウマについて聞きたがり、それを承諾したクラリスは10歳の頃に警察署長をしていた父親が殺害されてしまった事を打ち明けます。

あらすじネタバレ:クラリスの過去

交換条件としてレクター博士は、喉に詰められた蛾は犯人が変化を求めている為だと推察します。続きを促されたクラリスは、既に母親も他界していた為にモンタナの夫婦の牧場で暮らし、2ヶ月で去った事を伝えます。続きを聞きたい為に、レクター博士は犯人が過去に性転換手術をしようとして断られている可能性のある人物だと伝えます。そんな会話を聞いていたチルトン博士は、取り引きの条件が嘘であると突き止めます。

あらすじネタバレ:移送されるレクター

拘束したレクター博士を研究室へ呼び出したチルトン博士は、クラリスが上院議員と取引などしていなかった事を話します。しかしチルトン博士が掛け合い、テネシーの田舎にある刑務所へ移送できる手配を済ませていました。犯人の名前だけを告げたレクター博士は苗字は自分の口から議員に話すと言った為に、テネシー州へ移送されます。そのことをクラリスやクロフォードは知らされていませんでした。

ガッチリと拘束されたレクター博士は、犯人について議員へ詳細を話すと「服を大事にな」と意味深長な言葉を口にして収容先へ移送されます。移送された事を知ったクラリスがレクター博士へ会いに行くと、広い部屋の中央に作られた檻の中へ入れられ、2名の警備員に見張られたレクター博士の姿がありました。レクター博士が話した犯人「ルイス・フレンド」は綴り遊びで「まがいもの」だとの指摘を、レクター博士は否定しません。

あらすじネタバレ:子羊の悲鳴

真実の交換条件として、クラリスは先日の話の続きをします。早朝の牧場で、子羊が屠殺される悲鳴を聞きその姿を目撃してしまったのです。羊を逃がそうとしたクラリスですが、子どもの力では1頭すら逃がせないまま見つかってしまい、施設送りとなったのです。今でも夢の中で子羊の悲鳴を聞くというクラリスに、キャサリンを救えば悲鳴は聞かなくなるかと問います。そんなレクター博士に、クラリスは肯定も否定もできません。

犯人の名前を質問しようとするクラリスですが、チルトン博士に邪魔をされて会話は中断されてしまいます。クラリスに対して「子羊の悲鳴が消えたら教えて」と言うレクター博士は、書類を返却する際にクラリスの人差し指に触れました。

ラストネタバレ:レクターの逃亡

上院議員と取り引きをしたレクター博士は、2度目となる食事を要求します。食事の際には檻の外から手錠をかけられるレクター博士ですが、その行動を読んでいた為に移送の際に盗み出していた文房具を口から出し、手錠を外します。そして隙を突いて2名の警備員を倒してしまうと、一人は鼻を噛み千切られて顔の皮を剥がされ、もう一人は腹を裂いて檻の上部へはりつけにされてしまいました。

銃声を聞いて他の警備員が集まると、皮を剥がされた警備員のペンブリーは辛うじて息があった為に救急車で運ばれます。エレベーターの上部から血液が伝い落ちてきた為に、そこにレクター博士が潜んでいるのを発見します。しかし威嚇射撃をしても反応はなく、天板を外してみるとそれは遺体となったペンブリーだったのです。ペンブリーの皮を被ったレクター博士は、救急車の乗員を皆殺しにし逃亡を成功させました。

ラストネタバレ:クラリスの推理

レクター博士が逃亡した事を知ったクラリスですが、彼が自分を襲いに来る心配はしていませんでした。最初の犠牲者であり発見が遅れた為に3人目の発見となったフレデリカの周囲に、犯人がいると推理します。それはフレデリカだけが重りをつけられ発見が遅れる結果となった為です。彼女の様になりたいという願望を持った犯人は、捜査を進めると女性の皮膚で服を作ろうとしているドレスメーカーだと気付きます。

ラストネタバレ:犯人との対峙

クラリスとは別に犯人を見つけたクロフォードは、自宅に突入しましたが空振りに終わります。一方クラリスはフレデリカが以前洋服を直すのを手伝ったという、リップマン夫人の家を訪れていました。しかし夫人は不在で、ジャック・ゴードンという男性が夫人は引っ越しをしたと話します。しかし招かれた部屋の中にいた蛾や裁縫道具を見て、ジャックが犯人であると確信します。

地下室にある井戸の中に無事なキャサリンの姿を発見すると、作業部屋の奥にあるバスタブの中にリップマン夫人と思われる腐乱死体を見つけます。ジャックにより停電となった家の中で暗視スコープを使いクラリスに迫るジャックですが、咄嗟の判断力によってクラリスの銃弾がジャックに当たり、犯人であるジャックを倒す事に成功しました。

ラストネタバレ:レクターとの電話

事件の後、実習訓練を終えたクラリスは卒業式に参加していました。そんな時式場へレクター博士からの電話が入り、「子羊の悲鳴は止んだか」と問いかけます。クラリスへ祝いの言葉を告げたレクター博士は、これから古い友人と夕食だと言って電話を切りました。レクター博士がいたのは空港の傍で、変装をしたレクター博士は警護の人間に囲まれ飛行機から降りてきたチルトン博士の姿を見つけると、人混みに紛れたのでした。

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羊たちの沈黙の登場人物

驚きのラストまで意味を考え始めると深みにはまっていく映画「羊たちの沈黙」ですが、続いては羊たちの沈黙の登場人物についてもご紹介します。練り込まれたシナリオはもちろんですが、魅力ある登場人物が多いからこそ羊たちの沈黙という作品の面白さがより際立つものとなっている筈です。

ハンニバル・レクター

元々は非常に優秀な精神科医であり、連続殺人事件の犯人でありカニバリズムを行う猟奇的な人物です。FBI捜査官のウィル・グレアムによって逮捕される事となり、終身刑を言い渡されました。しかし天才的な頭脳は様々な事件の捜査に役立つ為に、警察に協力をする事で取り引きをしていると同時に、その見返りとして絵画の制作をしたり論文の発表をしている人物です。

クラリス・スターリング

羊たちの沈黙の主人公であり、FBIアカデミーの訓練生として活動しています。頭脳明晰な美人であり、過去のトラウマを抱えながらも勇敢に事件に立ち向かっていきます。時には自身の容姿も利用する強かな一面もあり、レクター博士にとっても特別な存在となっていきます。

バッファロー・ビル

羊たちの沈黙における連続殺人事件の犯人であり、性同一性障害の為に美しい女性になりたいという願望を持っていた人物です。その願望を叶える為に誘拐した女性の皮を剥ぎ取り、それを使ってドレスを作るという猟奇的な犯行に及んでいました。変身の象徴となる不気味な蛾も飼育していました。

ジャック・クロフォード

クラリスの上司にあたる人物で、FBI行動科学課の主任調査官です。バッファロー・ビルの事件では捜査が難航してしまった為にレクター博士に強力を依頼しようとするものの失敗してしまい、自分の代わりにクラリスを送り込んで情報を得ようと画策します。

羊たちの沈黙の犯人のモデルとは?

羊たちの沈黙という映画自体はフィクションの作品ですが、犯人は実在した殺人犯をモデルとして描かれていると言われています。続いては羊たちの沈黙の犯人であるバッファロー・ビルのモデルとなった人物について、更にレクター博士のモデルとなった人物についてもご紹介します。

犯人バッファロー・ビルのモデル

母親という存在に執着し、死体の皮を剥いで身に着けるという猟奇的な行為は、実在したエド・ゲインという殺人鬼がモデルであると言われています。更にバッファロー・ビルは映画の中で体が不自由である事を装い犯行に及んでいましたが、この手口は実在したテッド・バンディという殺人鬼をモデルにしたものであると言われています。

レクター博士にもモデルが?

レクター博士は人肉を食べるという猟奇的な一面を持ち合わせていますが、実在する殺人鬼の一人であるジェフリー・ダーマーがモデルとなっていると言われています。ジェフリーは同性愛者であり、17人もの人物を殺害した上で切断した遺体を冷蔵庫で保管し、食用としていました。更に全米で360人もの人間を殺害したと言われているヘンリー・リー・ルーカスもまた、レクター博士のモデルの一人であると言われています。

羊たちの沈黙に関する感想や評価

ラストの意味や考察を考えるとますます物語の深みが増していく羊たちの沈黙ですが、続いては実際に羊たちの沈黙を鑑賞した人の感想や評価などについてもご紹介します。ラストの意味がよくわからなかったという人もいたりする羊たちの沈黙ですが、他人の感想を見るとまた違った発見もあるかもしれません。

羊たちの沈黙における見どころの一つと言えるのが、やはりレクター博士とクラリスの絶妙な関係性であるといった感想も多い様です。殺人鬼と捜査官の卵でありながら、奇妙な信頼関係を築き上げていく二人の姿は、同じ立場同士の人間では築けないものであったのかもしれません。

羊たちの沈黙はやはりラストシーンを絶賛する声も多かった様です。恐ろしい猟奇殺人事件の犯人であるレクター博士ですが、そんなレクター博士が普通の人々の中へ紛れ込んでいく場面は鳥肌モノです。古い友人との「夕食」は成功したのでしょうか?

羊たちの沈黙は原作となる小説と映画のラストシーンが異なっている事でも話題となっています。単体でも楽しむ事のできる作品ですが、是非両方の作品を比べてみてどちらのラストが好みかを確かめてみるというのも面白いかもしれません。

羊たちの沈黙の考察やラストネタバレまとめ

羊たちの沈黙という映画について、あらすじからラストまでのネタバレや、羊たちの沈黙に隠された様々な意味の考察などをご紹介してきましたが、これまで映画を観てもわからなかった部分の意味なども理解する事ができたのではないでしょうか?

もちろんまだまだ考察し甲斐のある場面は数多く存在していますし、既に羊たちの沈黙を観た事があるという人も、改めて映画を考察をしつつ鑑賞し直してみるというのも面白いかもしれません。初見では気付く事のできなかった発見もあるかもしれません。

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