ジェイコブス・ラダーのあらすじをネタバレ解説！サイレントヒルの元となった映画？

『ジェイコブス・ラダー』は90年代のサイコスリラー映画として多くのホラー映画ファンに支持されており、様々な創作物へ影響を与えた作品として知られています。その中でも『サイレントヒル』への影響は大きく、『ジェイコブス・ラダー』が基になっているともいわれています。そのためゲームファンの間でも知られており、『ジェイコブス・ラダー』は多くの人に興味を持たれている作品となっています。

ここでは『ジェイコブス・ラダー』の基本情報を見ていきます。『ジェイコブス・ラダー』（原題『Jacob's Ladder』）は1990年にティム・ロビンス主演で公開されたサイコスリラー映画です。監督は『ナインハーフ』、『危険な情事』などで知られるエイドリアン・ライン、脚本は『ゴースト/ニューヨークの幻』で高い評価を受けたブルース・ジョエル・ルービンが担当しています。

さらに世界中で大ヒットした『ホーム・アローン』でブレイクする前の天才子役・マコーレー・カルキンが出演していることでも知られています。アメリカでの公開は1990年11月2日、日本での公開は1991年4月6日となっており、興行収入は2600万ドル以上の大ヒットを記録しました。

ここでは『ジェイコブス・ラダー』の予告編動画を紹介します。いまだにカルト的な人気を得ている作品であり、多くの作品へ影響を与えた作品であるために注目された作品でもあります。

『ジェイコブス・ラダー』で主演を務めたティム・ロビンスは名作『ショーシャンクの空に』で主演を務めていることでも知られている名優であり、世界的にヒットした彼の初期の代表作である『ザ・プレイヤー』への出演の前のまだ若手俳優だったころに出演している貴重な作品でもあります。ここからは『ジェイコブス・ラダー』のキャストをまとめておきます。

• ジェイコブ・シンガー：ティム・ロビンス
• ジェジー：エリザベス・ペーニャ
• ルイス：ダニー・アイエロ
• マイケル：マット・クレイヴン
• ポール：プルイット・テイラー・ヴィンス
• ギャリー：ジェイソン・アレクサンダー
• フランク：エリク・ラ・サル

• ジョージ：ヴィング・レイムス
• ダグ：ブライアン・タランティーナ
• ロッド：アンソニー・アレッサンドロ
• ゲイブ：マコーレー・カルキン

ここからは『ジェイコブス・ラダー』のネタバレあらすじを解説していきます。『ジェイコブス・ラダー』の設定や演出、あらすじは他のホラー映画やゲームにも影響を与えているため、多くの人が注目しています。ここでは結末に至るまでのネタバレあらすじを解説していきます。

ベトナムから帰還したジェイコブはニューヨークで穏やかな日々を送っていました。しかし、ある時から悪夢を見るようになってしまいます。それは顔の無い人々や、女性に絡みつく悪魔のような生き物など不気味なものでした。さらにベトナムに向かう前に死亡した息子の姿を見るようになり、ジェイコブには何が夢で、何が現実かわからなくなっていきます。夢と現実の区別がつかなくなっていく中、ジェイコブは命の危険を感じ始めます。

ジェイコブは悪夢と現実の区別がつかないまま、恋人のジェジーとホームパーティーに参加することになりました。ジェイコブには冷蔵庫に入ったヤギの頭や鳥かごのカラスなどが不気味に感じられ、占い師の女性には『あなたは死んでいる』と言われてしまいます。パーティーは盛り上がっていき、爆音の音楽が流れダンスタイムが始まりますが、ジェイコブにはジェジーと共に交わっている怪物が見え始めて絶叫し昏倒してしまいます。

ジェイコブは離婚したはずの妻・サラと子供たちと共に生活していました。そこでジェイコブは『郵便局の同僚のジェジーと付き合っている夢を見たよ』とサラに話し出します。さらに、思考はベトナムへ飛び、目が覚めるとジェイコブは病院のベットに横たわっていました。脇にはジェジーがおり、ホームパーティー中に倒れ高熱で病院に運ばれたと医師に説明を受けます。ジェイコブはようやく家族との時間は夢だったと気づきました。

退院したジェイコブは、未だに現実感のないまま過ごしていました。そのせいでジェジーとは険悪になっていく一方でしたが、ジェイコブは自分にしか見えない怪物におびえていました。そんな中、ベトナム戦争の戦友・ポールから電話がかかってきます。彼は切羽詰まった様子で『とにかく会いたい』とジェイコブに伝えます。そして薄暗いビリヤード・バーで再会を果たした二人ですが、ポールの口から衝撃の事実が語られました。

『頭がおかしいなんて言わないでくれ。最近、何かおかしなものが見えるんだ』。ポールはそう語り、ジェイコブも自身に起きたことを語ります。二人は軍が関与していると感じ始めていましたが、結論は出ずに一旦帰ることにしました。しかし、ポールが車に乗り込むと車が突然爆発し、ポールはジェイコブの目の前で死亡してしまいます。

ポールの葬儀で戦友たちと再会したジェイコブはビルの屋上でポールの最期の様子や自身が見る悪夢などを語り始めます。仲間たちの反応はそれぞれ違いましたが、ポールの死に『軍の関与』を疑い始めました。そして、弁護士に相談することに決めたのでした。

ジェイコブは軍を相手に裁判を起こしますが、弁護士も戦友たちもジェイコブから離れていき、ジェイコブは軍からも精神を病んでいると断言されてしまいます。そしてジェイコブは精神病院へと入れられ、ますます現実と夢との区別がつかなくなっていきました。家族やベトナム戦争の記憶が錯綜する中、友人の助けで何とか病院を出て自宅へ戻ることができました。

自宅へ戻ったジェイコブは自身の過去を思い出すために、名誉除隊証明書や戦時中の同胞の写真を探し出します。そこには亡くなったジェイコブの子供・ゲイブからの手紙がありました。その手紙を見てジェイコブが自転車の乗り方を教えてすぐに車に轢かれてゲイブは死んでしまったことを思い出します。そこへジェジーが帰ってきて、ジェイコブの帰還に驚きます。

ジェイコブがジェジーに病院に入院していた経緯を話していると、一本の電話が鳴ります。その内容は『ベトナム戦争中の科学実験』についてのものでした。真相が知りたければ、会いに来いという内容にジェイコブは迷わず電話の主のもとに会いに行きました。

電話の主はベトナム戦争の科学者でした。彼の口から軍が幻覚剤LSDを使った人体実験が使われていたこと、さらにジェイコブたちにもLSDを使用したこと、その結果米兵同士で同士討ちが始まったことをジェイコブに伝えます。ジェイコブはベトナム戦争での最後の戦闘を思い出します。その相手は確かに米兵だったことを思い出しました。

全てを知ったジェイコブは家族と暮らしていた家を訪れました。彼は部屋に置いてある家族写真を眺めながら楽しかった家族との日々を想い、やがて夜が明けていきます。光に包まれたジェイコブの前にゲイブが現れます。ゲイブはジェイコブに「大丈夫だよ、上に行こう」といい、ジェイコブの手を取り階段を上り始めます。ジェイコブはゲイブとともに光の中に消えていきました。

ベトナムの野戦病院の軍医たちは『安らかな顔だ』と呟きながら米兵の遺体からタグを外しました。医師たちは受付で死亡した米兵の名前を伝えました。そこには『ジェイコブ・シンガー』とあり、彼はベトナム戦争で犠牲になった兵士の一人となりました。

『ジェイコブス・ラダー』は日本では公開当初はあまり評価を得ていませんでした。しかし、大ヒットホラーゲーム『サイレントヒル』がこの映画の影響を受けていると公式本で解説してから、日本でも『ジェイコブス・ラダー』への注目が集まり再評価されました。ここでは『ジェイコブス・ラダー』と『サイレントヒル』の共通点を解説していきます。

『サイレントヒル』の公式解説本にてイメージの着想を得た作品として『ジェイコブス・ラダー』が挙げられていたため、ゲームファンには『サイレントヒル』シリーズのヴィジュアルの源泉として認識されることになりました。

そこから『ジェイコブス・ラダー』は日本でも注目されるようになりました。ゲーム『サイレントヒル』を基に製作された実写映画『サイレントヒル』よりも『ジェイコブス・ラダー』のほうが『サイレントヒル』のイメージに近いともいわれるほど雰囲気や設定が共通しており、『サイレントヒル』のモデルといっても過言ではないと言われています。

ネタバレあらすじでもわかる通り『ジェイコブス・ラダー』はジェイコブが死を受け入れるための葛藤を悪夢や怪物という形で描いていますが、『サイレントヒル』でも同じようなテーマが描かれています。『サイレントヒル』はゲームの進め方によって結末が変わりますが、主人公・ジェイムスが入水自殺する結末がトゥルーエンドだとファンの間では言われており、生から死までのストーリーを描いた点も共通していると言われています。

『ジェイコブス・ラダー』にはジェイコブが死の淵で生み出した悪魔や怪物と言われる異形のものが様々登場します。こうしたキャラクターが『サイレントヒル』へ大きな影響を与えたと言われています。『サイレントヒル』に登場する数々の「クリーチャー」も主人公の内面を映し出した者であり、そうした発想も『ジェイコブス・ラダー』の影響を見ることができます。

『サイレントヒル』といえば『病院』と言われるほど、病院でのシーンが多く登場します。こうした『病院』という設定は多くのホラーゲームに登場しており、『サイレントヒル』の影響を受けた作品も多く存在します。こうした『病院』は『ジェイコブス・ラダー』の影響であり、ジェイコブが入院する精神病院の雰囲気は『サイレントヒル』のものと酷似しています。

ジェイコブは自らの死を受け入れるまで様々な恐怖と向き合うことになります。これらの恐怖は彼自身が生み出したものですが、『サイレントヒル』のテーマも『自身との戦い』と解説されています。ゲーム内では『謎の魔術』によって『自身の恐怖』が『クリーチャー』を生み出すという設定ですが、恐怖心との戦いというのも共通したテーマとなっています。

ここまでは『ジェイコブス・ラダー』のネタバレあらすじや『サイレントヒル』との共通点などを解説してきました。ここからは『ジェイコブス・ラダー』に関する感想や評価を紹介していきましょう。いまだに熱狂的なファンも多い本作は日本でも多くの賞賛の声が上がっています。ここではTwitter上で上がった感想などを中心に紹介していきましょう。

人気ゲーム『サイレントヒル』がモデルとしたと公言しているだけあって、『ジェイコブズ・ラダー』を見て『サイレントヒル』を思い出すという人が多くいます。ネット上には『サイレントヒルを思い出した』という感想や『映画「サイレントヒル」よりも雰囲気が似てる』という感想が多く挙がっています。制作陣も『ジェイコブズ・ラダー』の影響を認めているため、ゲームファンにも評判の映画となっています。

『ジェイコブズ・ラダー』の衝撃のラストは今でも映画史に残るラストとなっています。賛否が分かれる終わり方ですがホラーファンには大絶賛されており、いまだに語り継がれる結末となっています。『ラストで泣いちゃう』という感想や『ラストは忘れられない』という感想も挙がっています。それほど衝撃的なラストであり、死生観を揺さぶるラストは高評価を受けています。

ネット上では傑作映画として『ジェイコブス・ラダー』を推す声が多くあります。一般人には難解な映画と捉えられがちな作品ですが、『サイレントヒル』のモデルとなったという事もあり、ホラーファン、ゲームファンには『ジェイコブス・ラダー』を支持する人が多くいます。『死ぬ前に見る映画』にこの映画を選ぶ人もいるほど、熱狂的なファンが存在しています。

今回は傑作ホラー映画『ジェイコブス・ラダー』のネタバレあらすじや結末、『サイレントヒル』との共通点の解説などを見てきました。解説を見てもわかる通り、あらすじは違うものの、結末や設定、雰囲気やヴィジュアルは共通点が多いことが分かります。ホラーファンやゲームファンにも評価の高い映画なので、『ジェイコブス・ラダー』をぜひ一度ご覧ください。