サイレントヒルの映画あらすじと評価をネタバレ!ラストの結末・最後も考察

日本を代表するホラーゲームの「サイレントヒル」は海外でも高い人気を受けて海外で映画化が行われています。その世界観にマッチした雰囲気も合って、映画サイレントヒルの評価は非常に高く原作国である日本でも非常に好評で続編も製作される程になっています。今回は映画版サイレントヒルのあらすじをラストまでネタバレしながら、キャストや日本語吹き替え版について、日本内外の評価を紹介していきます。

サイレントヒルの映画あらすじと評価をネタバレ!ラストの結末・最後も考察のイメージ

目次

  1. サイレントヒルの映画あらすじや評価が気になる!
  2. サイレントヒルの映画作品情報
  3. サイレントヒルの映画登場キャスト
  4. サイレントヒルの映画あらすじネタバレ
  5. サイレントヒルの映画のラスト結末について
  6. サイレントヒルの映画の最後を考察
  7. サイレントヒルの映画の評価は?
  8. サイレントヒルの映画あらすじや評価まとめ

サイレントヒルの映画あらすじや評価が気になる!

映画サイレントヒルはその独特な世界観の演出と高いホラー性で人気を集めた日本のホラーゲーム「サイレントヒル」を原作とした映画です。その高い人気は日本の枠を越え、海外にも根強いファンが多く、シリーズ化される程の名作ホラーゲームとして評価されています。そんなゲームの原作にしたのが映画サイレントヒルです。

日本のホラーゲームを原作とした映画作品では「バイオハザード」も人気を集めているように映画化されている作品も多く、その中には海外で製作されたものも多くなっており映画「サイレントヒル」も海外で製作された映画になっています。今回は映画サイレントヒルのあらすじやキャストをネタバレありで紹介しつつ、国内外での評価などを紹介していきます。

Silent Hill | Sony Pictures

サイレントヒルの映画作品情報

映画のあらすじやキャストのような中身に触れる前にまずは映画全体の概要としてサイレントヒルを紹介していきます。

原作は日本の大人気ホラーゲーム

サイレントヒルの大元は、日本のゲーム会社コナミが1999年にプレイステーション向けに発売したホラーゲームです。3Dマップでプレイヤーがキャラクターを操作し不思議な空間「サイレントヒル」から抜けだすまでを描く形ですが、その独特の世界観と、アクションで切り抜けるだけではない難解な謎解き要素などが高い人気を集める事になりました。

その人気は日本国内はもちろん、海外でも高い評価を受ける事になります。続編も製作され、中には元は日本のゲームであるにも関わらず海外のみの発売になっているゲームもあるなど、特に海外での人気が高い作品でもあります。そんな高い人気を誇るサイレントヒルの第1作のあらすじをベースにシナリオを構築したのが映画サイレントヒルです。

2006年にカナダとフランスにより合作ホラー映画に!

映画サイレントヒルは海外での高い人気を受けて自身もゲームサイレントヒルの大ファンであるというクリストフ・ガンス監督、そしてゲームサイレントヒルシリーズに強い関わりを持っていた山岡晃さんを製作総指揮に加えてカナダとフランスの合作という形で映画が製作されました。アメリカでは2006年4月21日に、日本では少し遅れて2006年7月8日に公開される事になりました。

サイレントヒルの映画登場キャスト

ここからは実際に映画サイレントヒルの内容に関してネタバレありで紹介していきます。はじめに映画に登場するキャストを紹介すると共に、日本公開の際に吹き替えを務めた声優さんについても紹介していきます。先にネタバレしておくとその世界観や流れは基本的にゲームサイレントヒルを踏襲している映画サイレントヒルですが、登場キャラクターの名前は一部変更されています。

ローズ・ダ・シルバ役/ラダ・ミッチェル

映画サイレントヒルにて主人公を務めるのがローズ・ダルシヴァです。シャロンの母であり、シャロンを連れてサイレントヒルに訪れ様々な恐怖体験をする事になります。原作となったゲームではシャロンの母は既に死んでいて父親が主人公という形でいたが、母親が主人公という点がゲームの大きな変更点の1つになっています。

ローズ役を演じたキャストはオーストラリア人女優のラダ・ミッチェルさんです。オーストラリアで製作された国内ドラマ「Suger and Spice」にて女優としてデビューすると、順調にキャリアを重ねてハリウッドにも進出、2000年に公開された「ピッチブラック」などに出演して女優としての地位を確立していきました。今回紹介する映画サイレントヒルの続編にあたるサイレントヒル:リベレーション3Dにも出演しています。

日本語吹き替えは声優・ナレーターとして活躍する渡辺美佐さんが務めています。成人女性役を多く演じ、吹き替えではキャメロン・ディアスさんやティア・レオーニさんの担当としても活躍、その他アニメやゲームなどにも出演するマルチに活躍する声優さんです。

クリストファー・ダ・シルバ役/ショーン・ビーン

主人公という立場こそ妻であるローズに譲りましたが、その夫クリストファー・ダ・シルバ、通称クリスもしっかり映画に登場します。とはいってもローズやシャロンが訪れたサイレントヒルの姿を見る事が出来ず、四苦八苦する事になる形での登場で、視聴者にローズ達が訪れているサイレントヒルが異世界である事を示すような行動が多くなっています。

そんなクリストファー役を演じたのがイギリス人俳優のショーン・ビーンさんです。1984年に「ウィンターフライト」で映画デビューを果たすと、イギリス映画やハリウッド映画に出演、美声であると知られる俳優さんです。またハリウッド大作で悪役を演じる機会が多く、過去には「よく死ぬ映画俳優トップ10」で1位に選ばれた事もあります。「パトリオット・ゲーム」「ゲーム・オブ・スローンズ」などに出演しています。

日本語吹き替えを務めたのは声優の山野井仁さんです。アニメ作品では「勇者指令ダグオン」の主人公格の1人沢邑森役を演じた事で知られる声優さんで、吹き替え担当としてはジャッキー・チェンさんの一部の作品、エリック・バナさん、ジェイソン・シーゲルさんなどを担当するなど知られています。

シャロン・ダ・シルバ(アレッサ・ギレスピー)役/ジョデル・フェルランド

ローズとクリスの娘でローズがサイレントヒルに出向くきっかけともなるのがシャロンです。夢遊病の持病を持ち度々「サイレントヒル」と口にしますが本人はその時の事を覚えておらず、両親の悩みの種となってしまっています。過去の因果関係からアレッサ・ギレスピーと瓜二つの容姿をしています。作中では重要なキャラクターではありますが頻度で言えばアレッサとして登場する機会の方が多くなっています。

シャロンとアレッサは容姿が瓜二つであるという設定もあってカナダ人女優のジョデル・フェルランドさんが1人2役する形で両者を演じています。2歳でCMデビュー、4歳で出演したテレビ映画「Mermaid」でエミー賞にノミネートされるなどの実績を誇る女優さんです。サイレントヒルに出演時はまだ12歳という若さながら難しい1人2役を演じ切りました。

日本語吹き替えでは、マルチタレントの中川翔子さんがジョデルさんの声の吹き替えを行っています。声優としてはポケモン映画への出演経験が多く、また吹き替え声優としても「塔の上のラプンツェル」「トランスフォーマー/最後の騎士王」「ヴェノム」などに出演しています。

シビル・ベネット役/ローリー・ホールデン

ゲームでも映画でも準主役のような立ち位置にいるのがサイレントヒルの隣町の警官であるシビル・ベネットです。映画でも不審に思ったローズとシャロンが乗る車を追い掛ける形でサイレントヒルに迷い込んでしまいます。共に街を抜ける為にローズと協力する事になります。

シビル役を演じたのはアメリカ人女優のろーりー・ホールデンさんです。1980年にテレビドラマデビュー、1986年に映画デビューすると数々の作品に出演、「ファンタスティック・フォー超能力ユニット」「帰ってきたMrダマー バカMAX」などに出演しています。

日本語吹き替えを担当したのは声優の沢海陽子さんです。アニメなどにも出演しますが、日本語吹き替えを担当する機会が多く、少女から年配の女性、時には少年役までこなしてしまう幅の広さを持っています。アニメでは「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」のオリヴィエ役、「シャーマンキング」のリゼルグ役などで知られる声優さんです。

クリスタベラ役/アリス・クリーグ

中盤から登場する初老の女性で、教会を取り仕切る教祖的な立ち位置にいるのがクリスタベラです。非常に信仰心の強い人物ですが、その信仰心故に神に背く者は問答無用で殺してしまうという残虐性も秘めています。

そんなクリスタベラ役を演じたのが南アフリカ共和国出身の女優、アリス・クリーグさんです。イギリスに渡英して演技を学んだ後、1981年「炎のランナー」で映画デビューを果たします。同年には舞台でもローレンス・オリヴィエ賞新人賞を獲得して活躍の幅を広げていきます。「スタートレックファーストコンタクト」「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」などに出演しています。

日本語吹き替えでは声優の沢田敏子さんが担当しています。アニメにゲームに吹き替えに活躍する声優さんで、「アルプスの少女ハイジ」のナレーションや「眠れる森の美女」のマレフィセント役で知られ、特にマレフィセント役はディズニー・ヴィランズ作品など数々の作品で演じている事でも知られています。吹き替えを担当する俳優さんも多く、アンジェリカ・ヒューストンさんやジディ・デンチさんらを担当しています。

サイレントヒルの映画あらすじネタバレ

ここからはサイレントヒルのあらすじをネタバレありで紹介していきます。サイレントヒルは冒頭こそ別の町からスタートしますが、すぐにサイレントヒルに向かう事になります。

娘シャロンの夢遊病に悩まされるクリスとローズ

クリスとローズの夫婦は、8歳になる娘シャロンの情緒不安定と夢遊病に悩まされていました。特にその夢遊病は酷く、毎晩夢を見ては家を出て行ってしまう程でした。ある日、シャロンは夢遊病で車道横にある崖の上から滝壺にダイブしそうになる所をローズに抱きとめられて助けられます。その時シャロンは「サイレントヒルに帰る」といつものようにうわ言を言うのです。

ローズが気になって調べてみるとウェストバージニア州に実際にある街だという事が分かります。ウェストバージニア州は確かにシャロンにとって所縁のある場所なのです。シャロンはウェストバージニア州にあるトールカ群立児童保護施設から引き取った養女だったのです。ローズはシャロンを連れてサイレントヒルに向かう決心をします。

母娘はサイレントヒルへ

或いはサイレントヒルに連れて行けばシャロンの症状が緩和されるのではないかと期待を込めてシャロンと2人「秘密の旅行」と称して車でサイレントヒルに向かいます。サイレントヒルの手前の街ブラマ市まで辿り着くと立ち寄ったガソリンスタンドでサイレントヒルへの道を訪ねます。店員は道は封鎖していると答えましたがその様子を白バイ警官のシビルが見ていました。

シビルはローズの様子と過去の経験からローズがサイレントヒルに子供を捨てにいくのではないかと考えて後を追います。一旦は停止命令に従ったローズでしたが、制止を振り切ってサイレントヒルに突入します。当然シビルも後を追いますが、ローズはサイレントヒルの街の入り口で、スリップ事故を起こしてシビルをも巻き込んで気絶してしまいます。ローズが目を覚ますと助手席にいたはずのシャロンの姿が無くなっていました。

シャロンを探して彷徨うローズ

ローズはシャロンを探すべく車を出ます。終始降り続く灰の影響で極端に視界が悪い中、うっすら見える光を頼りに街の方へと進んでいくローズでしたが、サイレンが鳴り始めると街が急に暗くなってしまいます。ジッポの明かりを頼りに建物に入っていくローズ。続く地下道を進んでいくとそこには磔にされた遺体がありました。さらに後ろからは黒こげになった子供の遺体も近付いてきてローズは取り囲まれてしまいます。

子供の遺体は炭化しているもののまだ燃えており、ローズは炎に包まれて悲鳴を上げます。すると周囲が明るくなり、子供の遺体だった物は灰へと変わりました。ローズは恐怖から車まで戻ってきます。車まで戻ってきたローズはそこで知らぬ間にシャロンが描いていた絵を見つけます。その中には学校を描いたあり、ローズはシャロンが学校に向かったのではと考えます。

学校に向かうべく車をでるローズでしたが、そこでシビルに銃を突きつけられる事になります。シビルは車に子供が乗っていないのを確認するとローズを児童遺棄犯だと思い逮捕するのです。しかし街の入り口だった橋は断崖になっており先に進む事は出来ませんでした。ローズは突然現れた両腕のない奇妙な人間に襲われた隙にシビルの元から逃げ出し、小学校に向かいます。

1階の事務所で見つけた懐中電灯の光を頼りに小学校を探索するローズ。そこを謎のガスマスクなどのフル装備をする集団に襲われます。幸いにもタイミング良くサイレンが鳴った事でガスマスク集団は退却していきますが、再び周囲は暗くなり、トイレだったはずの場所は廃墟のように変化します。そこにシビルも合流し、この謎の世界で生き残る為に協力する事になります。

サイレントヒルの映画のラスト結末について

ここからはあらすじを少し飛ばし、サイレントヒルの映画のラストについてネタバレありで紹介していきます。ゲームとは主人公、その位置関係や立場が異なる為、映画サイレントヒルで迎えるラストの結末はゲームのそれとは似ているようで異なっているのがポイントです。

アレッサの中に残る良心

シャロンがアレッサと瓜二つだった理由、それはシャロンが「魔女」として火炙りの刑にあい、復讐に燃えるアレッサに残された「良心」だったからです。シャロンは復讐の鬼となったアレッサの「良心」だけが切り離され、転生した姿だったのです。元々シャロンはアレッサの一部であった事からシャロンはサイレントヒルにいるアレッサ(本体)の元に戻りたがっていたのでした。

アレッサから真実を知らされたローズは、シャロンを助ける為にアレッサと協力する事にしアレッサを自らに憑依させます。アレッサを火炙りにしたクリスタペラがシャロンを見つけた場合、アレッサと間違えて殺そうとするだろうと考えられたからです。事実、ローズが教会に辿り着くとシャロンはクリスタペラに捉えられており、シャロンの写真の入ったロケットを持っていたシビルは「悪魔の手先」として殺されてしまっていました。

ローズは自らがアレッサの作りだしたこの世界とは別の世界から来たと宣言して動揺を誘いますがクリスタペラにナイフで刺されてしまいます。引き抜いたナイフの血に宿っていたアレッサが姿を見せると、クリスタペラを捕えて宙に浮かせるといばらを使って貫き殺してしまいます。クリスタペラの信者たちも同様に殺され、ラストを生き残ったのはローズとシャロン、そしてアレッサの母であるダリアだけでした。

ローズとシャロンはサイレントヒルを後にして自宅に戻りますが、そこに夫であるクリスの姿はありません。しかしクリスは確かに家に居るのです。ローズはお互いに姿を認知できない異世界に囚われたまま自宅に帰ってきてしまったのでした。クリスは一方的にローズの気配のような物を感じ取りますが、ついに最後までその姿を見つける事はできないままラストを迎えます。

サイレントヒルの映画の最後を考察

後述する評価の中でも少し触れますがサイレントヒルの世界観は考えて観なければ理解できない部分も多いので、その世界観や演出、展開などに様々な考察が行われています。ここでは特に多くの考察が行われているラストの展開についての考察をネタバレありで紹介していきます。

アレッサはなぜ主人公とシャロンを殺さなかった?

サイレントヒルは端的に言ってしまえばアレッサの復讐が成される映画ですが、その復讐の後もローズとシャロンは生き残って完全に解放されたわけではないにしても家に帰る事が出来ています。何故アレッサは彼女達をも殺してしまわなかったのかという考察はラストシーンの中でも最も行われている考察です。家に帰れても元の形には戻れない悲劇的なラストだけに、いっそ殺してしまった方がいいのでは?と評価する人もいるのです。

まずシャロンに関してですが、既にネタバレしているようにシャロンは元々アレッサの一部です。映画冒頭からシャロンがアレッサの元に戻りたがっているように、アレッサもまた自身の一部であるアレッサと同化する事を望んでいます。しかしアレッサは復讐を成す為、そして元の身体には戻れない為に悪魔と契約しているので、もう現実の世界に戻る事はできない状態です。

こちらは続編となる「サイレントヒル:リベレーション3D」のネタバレになりますが、アレッサはシャロンとして一応は現実世界に帰還出来ています。アレッサはシャロンと同化する事で満足に送れなかった人生をやり直したいというような事も考えていました。なのでアレッサは元々自分の一部であるシャロンを殺す事はなかったのです。

次にローズですが、作中に「子供に取って母は神である」というセリフがあるように自身の分身であるシャロンを養女として引き取り、またサイレントヒルに連れてきた存在でもあります。作中でローズは様々なクリーチャーに襲われる事になりますが、それはローズの母性を確かめる為で、実際ローズはシャロンを探す事にこだわって決して逃げだす事はありませんでした。

そしてアレッサが真実を伝えても尚、共に戦ったのがローズです。アレッサにとってローズは自身の分身であるシャロンの「母」であると同時にそれはつまり「神」でもあったのです。自身にとって神であるローズを殺すわけがありません。その証拠に、アレッサ自身の母親であるダリアもまた唯一生かされる事になっています。またローズが自分がだけが生き残った理由を不思議に思うダリアに「母親だから」と伝えるセリフもあります。

なぜローズはラストで現実世界に戻れなかったのか

ラストのあらすじでもネタバレしたようにローズは残念な事に現実世界には戻る事ができませんでした。その明確な理由は不明ですが、1つ世界観から繋がる考察をネタバレありで紹介していきます。それは冒頭、ローズとシビルがサイレントヒルに入る前の出来事です。2人は事故により頭を打ち、一時的に気絶しています。この「頭を強く打つ」というのが現実世界から異世界に入る為のファクターなのではないかという考察です。

その考察を裏付ける1つの要素が夫であるクリスの存在です。上記のあらすじではネタバレしていませんが、クリスもまたローズとシャロンがサイレントヒルに向かった事を知ってサイレントヒルを訪れているのです。しかしネタバレするとクリスが訪れたサイレントヒルはクリスの目にはただのゴーストタウンにしか見えませんでした。この事から視聴者にはローズとシビルが異世界に入ってしまった事が分かるようにもなっています。

また特にラスト付近ではローズも最早普通の人間ではないのではと言える演出が続いています。上記のラストのあらすじでネタバレしたようにクリスタペラに刺されるローズですが、その傷はナイフを引き抜いた途端に再生していました。アレッサの力である可能性も充分にありますが、明らかに人間とソレとは比較にならない再生能力を有する事になるのです。

或いは、この時点でローズとシビルは現実世界では死んでいる、異世界とはつまり死後の世界なのではないかという考察もありますが、ローズの乗ってきた車をクリスが発見した際にローズの遺体があったわけではないので明確に死後の世界かどうかは不明ではあります。ただこの異世界から生還した者は1人を除いていないのでこの考察も正解とは言わないまでも限りなく当たりに近いのではないかと言われています。

ちなみに唯一の生還者はシャロンなわけですが、シャロンは元々がアレッサという事もあってイレギュラーな存在である為、例外的なのではないか、シャロンは攫われて色々連れ回されているが、実はシャロンの目にもクリスと同じくサイレントヒルはゴーストタウンにしか見えていなかった、つまり現実世界にいたのではないかという考察などが行われていますが、こちらも真相は不明です。

ラストをハッピーエンドにしなかったのは何故か?

母と子をテーマとした映画サイレントヒル。上記でもネタバレしたようにそのラストはローズもシャロンも助かったと思われたにも関わらず、ローズは元の世界には戻れていないという悲劇的なラストになっています。単発の映画と考えるのであればここは素直にローズを現実世界に戻しても良かったのでは?という考察もあります。

この考察は大きくは2つの結論でラストになっています。1つはサイレントヒルという世界観を考えた時にハッピーエンドになる事はあり得ないからです。これは監督を務めたのが大のサイレントヒルファンを豪語するクリストフ・ガンス監督のこだわった部分なのではないかというのです。特にゲームファンも視聴するだろう事を考えたらラストでハッピーエンドには出来ないだろうと考察されています。

もう1つは外的な要因ですが、続編を作る際の事を考慮したのではないかという事です。映画サイレントヒルが公開された時点でゲームとしては既にシリーズ展開が成されており、ストーリーも映画の原作となった初代サイレントヒルのラストからある程度続きになっている事が分かっていました。続編でのストーリーを成立させる為には原作ゲーム同様に家族にローズがいない状態にするべきではないかと考察されたのです。

この考察はある種正解となった事が続編である「サイレントヒル:リベレーション3D」で判明します。原作のサイレントヒル3をベースとした物語は偽名でヘザーとなるシャロンを主人公に物語が展開されるのですが、ネタバレするとそのあらすじの展開の中で父親を失う事になります。この展開はゲームでも同様の展開ですが、そこにローズがいると整合性は取れなくなってしまうのです。

続編となるサイレントヒル:リベレーション3Dは公開されたのが2012年と少し開きがあるので、2006年にサイレントヒルを公開する時点では続編の予定があったかは不明ですが、続編があっても困らないようにと考えられた結果ではないかという考察はある程度当たっていると言えます。

サイレントヒルの映画の評価は?

ここからは映画サイレントヒルを視聴した人の感想や評価をネタバレありで紹介していきます。サイレントヒルは基本的に万人受けは絶対にしないと言われるホラー映画なので、ホラーが元々ダメという人の評価は敢えて省いておきます。

原作ゲームを知らなくても楽しめる名作映画

映画化に当たり元々原作があるのを知るとどうしても気になるのが「原作を知らないと楽しめないのではないか」という事ですが、サイレントヒルに関しては総じて映画単体でも十分に楽しめる作品であるという評価が多いです。世界観にまつわる要素は映画内で全て登場していますし、知っているからこそ楽しめるという要素は少なくなっています。

ただサイレントヒルは原作も元々世界観の説明がしっかりとされるわけではなく、それぞれのセリフや演出から世界観を把握していく必要があるゲームであった為、映画サイレントヒルもそういう意味で「理解しようとする努力」は必要なのは事実です。普通のパニック映画ともまた違った世界観なので「世界観がよく分からなかった」とする評価もあります。

ゲームを知っていても違和感がなく入り込める

一方でゲームを知っている人からすると、どれほど忠実までに再現されているのかが気になる所ですが、その世界観や大筋の展開はゲームそのままである一方、キャラクター名や細かな違いが全くないとは言えないのが現実です。これは何十時間単位で探索を行うゲームのストーリーを2時間の映画に収める為と思えば必要な事なので、完全に「ゲームそのまま」とはいかないポイントでもあります。

とは言っても元々この映画サイレントヒルは、監督であるクリストフ・ガンス監督がコナミに直訴する形で製作が決定した映画でもあります。ゲームサイレントヒルの大ファンであるクリストフ・ガンス監督のアレンジなので、世界観やストーリー展開は最大限ゲームそのままになるように作られている作品でもあります。そういった経緯もあり、ゲームファンでも間違いなく楽しめるという評価も非常に多いです。

世界の転換演出が良い

世界観の演出面が高く評価されているサイレントヒルですが中でも高い評価を受けているのがサイレントヒル世界の表の世界と裏の世界が切り替わる時の演出です。サイレントヒルを代表すると言っても良いこの演出には特に力が入れられており、実写とは思えないほどの演出が行われており、この転換演出を見るだけでもサイレントヒルを見る価値があると言われる程に高い評価を受けています。

もちろんゲームでの演出と全く同じとはいきませんがこの演出を元に海外発売向けとして「サイレントヒル ホームカミング」が製作発売されるなど、後のゲームシリーズにも与えた影響が大きい演出と言え評価を受けています。

サイレントヒルの映画あらすじや評価まとめ

映画サイレントヒルは日本発のゲームを元に海外で映画化された作品の中でも特に高い評価を受けている映画です。ゲームでの演出の再現度の高さ、元々の世界観である静かな雰囲気からの演出など、映画化に当たってよりアクション性がピックアップされた「バイオハザード」シリーズとはまた違った展開が行われホラー映画ファン、元々の原作ゲームファン共に高い評価を集めています。

ゲーム原作ではありますが、決して原作ファン向けの映画という事もなく、ゲームを全く知らなくても1つのホラー映画として楽しめるだけの十分な要素が盛り込まれています。もちろんホラー映画なのである程度グロいと言えるシーンがあるのも事実なので、万人受けするわけではありませんがホラー映画のお手本のようだとする評価があるのも事実です。

ホラー映画、ホラーゲームが好きな人ならまず間違いなく楽しめる映画であるのは間違いありません。ネタバレであらすじを知っていてもその演出には一見の価値があると評価もされている映画なので、ホラー映画が好きならぜひ一度視聴してみてはいかがでしょうか。

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