2019年03月07日公開
2019年03月07日更新
ボーイズ・ドント・クライのあらすじと結末をネタバレ!実話を基に映画化?
ここでは映画ボーイズ・ドント・クライのあらすじと結末をネタバレ・感想を混ぜつつで紹介していきます!ボーイズ・ドント・クライはアメリカの文化・法への影響を与えた、実話を基にした衝撃的な作品です。主人公ティーナは性同一性障害のキャリアを持ち、ブランドンとして生きることを選びました。やがてラナと恋に落ち、幸せの絶頂期から一転します。混沌、欲望、暴力の果に待ち受ける主人公たちの生き様を描いたヒューマン・ドラマをあなたは目を逸すことなく見れるでしょうか?
目次
ボーイズ・ドント・クライの映画とは?
映画「ボーイズ・ドント・クライ」は実話を基にした作品です。性自認と身体的性が一致し、異性の服装をするブランドンを取り巻く社会環境や人間関係を描いています。精神的な、本物の暴力(感情からくる)は、ときに残酷です。ここではその「ボーイズ・ドント・クライ」をあらすじを通して、結末や視聴した人たちの感想なども踏まえてまとめていきます。
ボーイズ・ドント・クライの映画作品情報
ボーイズ・ドント・クライは、1999年に制作されたアメリカ映画です。主演のヒラリー・スワンクがアカデミー主演女優賞、ゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)を受賞。また、インディペンデント・スピリット賞、ニューヨーク映画評論家協会賞、ロサンゼルス映画評論家協会賞、全米映画評論家賞においても主演女優賞を受賞しています。アメリカ国内だけでなく、海外・ヨーロッパでも非常に高い評価を受けています。
ボーイズ・ドント・クライは1999年ベネチア映画祭の現代映画部門、トロント映画祭の現代映画部門、ニューヨーク映画祭で上映されて好評を博し、ヨーロッパ映画賞では非ヨーロッパ映画部門にノミネートされました。シカゴ映画祭で最優秀女優賞(ヒラリー・スワンク)に輝き、ストックホルム映画祭で最優秀脚本賞、最優秀女優賞、国際評論家連盟賞、観客賞を総なめにしました。
ボーイズ・ドント・クライの予告編動画
ボーイズ・ドント・クライの予告動画をネタバレ紹介します。画像から倦怠感漂うバー、閉鎖的な田舎町、パトカーに追われたりバーでの喧嘩から、抑圧された雰囲気を醸しています。そして銃を手にする男たちが不穏な結末を想像させるのではないでしょうか。断片的にネタバレあらすじを織り交ぜてます。筋トレに励む美青年を誰もが「彼」だと疑わなかったことに納得できる予告動画となっています。
ボーイズ・ドント・クライの監督
閉鎖的な田舎町での息詰まるような生活に、うんざりして疲れた「アウトサイダー」の純粋なラブストーリーを描いた「ボーイズ・ドント・クライ」の監督を務めるのはキンバリー・ピアースです。ボーイズ・ドント・クライが初監督作品。その他、ストップ・ロス/戦果の逃亡者、2013年にキャリーをリメイクしました。
出典: https://eiga.com
ピアースはブランドン・ティーナの記事を読み、自ら現地に赴き関係者に取材をします。そこで得た情報は数えるほどしかなかったそうです。一握りの真実に想像を混ぜることで、ブランドンの心と魂を探り物語を再構築しました。「ボーイズ・ドント・クライ」は、彼を神格化せず、誰かを裁いたり悲劇を生んだ社会環境を批判せず、主人公たちの心の痛みを伝えようと試みた作品です。
出典: https://coco.to
・ブラントン・ティーナーヒラリー・スワンク吹替:本田貴子
・ラナークロエ・セヴィニー吹替:石塚理恵
・ジョンーピーター・サースガード吹替:大塚芳忠
・トムーブレンダン・セクストン三世吹替:山野井仁
・ケイトーアリソン・フォーランド吹替:阿部桐子
・キャンディスーアリシア・ゴランソン吹替:伊藤美紀
・ロニーーマット・マクグラス吹替:藤原啓治
・ブライアンーロブ・キャンベル吹替:仲野裕
・ラナの母親ージャネッタ・アーネット吹替:火野カチコ
ボーイズ・ドント・クライの映画あらすじをネタバレ
ここでは映画「ボーイズ・ドント・クライ」についてあらすじやネタバレを織り交ぜながら説明していきます。また、あらすじを知ることで普段、私達が生きている社会(男性と女性がどのようにあるべきで、どう行動し、どのような外見をすべきか)とブランドンが選んだ生きる道との違いを実感することもできます。
あらすじ・ネタバレ:トランスジェンダー
1993年、ネブラスカ州リンカーン。性同一性障害のティーナ・ブランドンはブランドン・ティーナと名乗り、男性として振る舞っています。従兄弟でゲイのロニーに髪を短くカットしてもらい、夜の街に出かけては女の子と遊んでいました。ロニーは彼に「バレたら殺される」と忠告します。ローラースケート場でブランドンはガールフレンドと楽しい時間を過ごします。しかし、女であると知った彼女の兄が激怒し、ロニーの家まで押しかけました。
ロニーに家から追い出されたブランドンは、バーで酔っ払いに絡まれていたキャンディスを助けます。さらにならず者のジョンとトムと知り合い、そのまま彼らの地元のフォールズ・シティに向かいます。翌朝キャンディスの家で目を覚まし、ロニーに電話すると過去に窃盗を犯した罪で裁判所の出頭命令が出ていると聞きます。このままだと刑務所に入れられると忠告し、また、性転換手術を勧めるが、ブランドンはお金がないと答えました。
あらすじ・ネタバレ:ラナとの出会い
焦ったブランドンは、キャンディスが働くバーの男性客にリンカーンまで送ってもらえることになり、すぐに出立するつもりでした。彼はカラオケのステージに立ったラナ(ジョンの愛人の娘)に一目惚れしてしまいます。その後もフォールズ・シティに留まります。ブランドンは地元の男たちにはない、ソフトな話し方と優しい表情に誰もが魅了されます。女たちにとって彼は理想のボーイフレンドでした。
リンカーンの裁判所に行ったブランドンは、本名ティーナ・ブランドンと呼ばれ、その場を去りフォールズ・シティへ戻ります。ラナに夢中の彼は、職場から彼女をデートに誘います。初めてのキス、草むらで結ばれる2人。そのときラナは、ブランドンの胸のかすかな膨らみに気づいていました。
ジョンは密かにラナに惚れていました。刑務所にいるときにラナが手紙で励ましてくれていたからです。キャンディスたちに促され、ラナはブランドンとのデートを嬉しそうに話します。そんな彼女を見て、ジョンはブランドンなら許せる気でいました。
あらすじ・ネタバレ:真実
ある日、ブランドンはスピード違反の罰金を支払いに行きます。結局リンカーンの裁判所に出廷しなかったため、免許証からティーナとバレてしまいます。フォールズ・シティの警察署から女性用留置場へ収監されるのでした。面会に来たラナは、なぜ女性用区画に入れられているのかを問います。ラナが自分の元から去る覚悟をし、自分が性同一性障害であることをラナに打ち明けます。
しかし、ラナの愛は変わりませんでした。それを受け入れて身柄引受人となり、2人は幸福感に包まれながら留置場を出ていきます。その後、新聞にティーナ逮捕と掲載されてしまいます。ブランドンが女であると知ったキャンディスはショックを受け、ジョンたちに伝えます。
ボーイズ・ドント・クライの結末ネタバレ
ストーリーが展開するとともに先の予測が暗闇に包まれそうな映画「ボーイズ・ドント・クライ」ですが、ここではその結末をネタバレ・あらすじとともにまとめていきます。
結末ネタバレ:暴行
出頭後、ブランドンがラナの家に行くとジョンたちは「ヘンタイ」と罵ります。ラナは彼を男性として愛していると庇い、ジョンとトムは2人でブランドンを押さえつけ、無理やり下着を脱がせます。ジョンはラナにブランドンの体が女性であることを執拗に確認させました。さらにジョンたちはラナの留守中にブランドンを町外れの工場に連れて行き、代わる代わるレイプし、「誰にも話すな」と脅迫します。
ボロボロになったブランドンをトムの家に監禁します。しかし、隙を見て窓から逃走し、ラナの家に助けを求めます。ブランドンは病院で治療を受け、警察署にレイプの被害届を出しました。彼は聴取で「何も覚えていない」、体は女で心が男である性障害だと告げ、対応した警官は理解を示さず執拗に聞き出そうとします。警察から二次被害を受ける結末に終わりました。一方、ジョンとトムはブランドンが逃げたことを知り激怒していました。
結末ネタバレ:ブランドンの死
行くあてのないブランドンはキャンディスの家を訪ね、納屋でラナたちとの思い出の写真を燃やします。ラナに子供の頃は女の子として生きていたこと、大人になって自分のあるべき姿で生きていくと決めたことを語ります。ラナは「私も完璧じゃない」と言って彼を抱きしめ、愛し合いリンカーンへ旅立つ約束をします。ブランドンの殺害を決めたジョンとトムは、銃を手にラナの家へ行き、ラナの母親からキャンディスの家にいると知ります。
彼らはキャンディスの家に押し入り、ジョンはラナの前でブランドンを射殺します。子どもは助けてと騒ぐキャンディスをトムが撃ち、ラナも殺そうとしますがジョンが止めます。横たわるブランドンにナイフでとどめを刺し、2人は逃走します。ラナはブランドンに寄り添い、泣き崩れます。明け方、自分あての手紙に気づきます。翌朝、ラナはやってきた母親の助けでその場を離れるのでした。
ボーイズ・ドント・クライの映画は実話?
映画「ボーイズ・ドント・クライ」のあらすじや内容は、とても重々しい気持ちになります。前半の恋を成就し舞い上がっているブランドンが、ある事がキッカケで友人から強姦・殺害される結末は、あまりにリアル過ぎているとの声も多く挙がっています。
ボーイズ・ドント・クライは実話だった
この作品は、1993年、ネブラスカ州で起こった「ブランドン・ティーナ強姦殺害事件」の被害者の人生を描いたものです。実話をモデルにしているため、映画「ボーイズ・ドント・クライ」でもブランドン・ラナ・ジョン・トムと同名です。実話の結末はリサの子供の眼の前で、ブランドンを匿ったリサと偶然居合わせたデバインたちを次々と射殺し、痙攣するブランドンの胸を確実に殺すためナイフで刺すという残酷なものでした。
ブランドンがホルモン治療や性別適合手術を受けていないため、メディアは同性愛と報道しました。また、本作以外に実話を基にしたドキュメンタリー映画「ブランドン・ティーナ・ストーリー」があります(日本では未発売)。この事件は数年後に起きたマシュー・シェパード殺害事件とともにヘイトクライム禁止法制定推進の原動力となりました。比較的、最近の事件であり実話だとのことで話題になりました。
ラナのその後
ブランドンの手紙には「君を想えば生きていける。永遠の愛を込めて」と書かれていました。ラナはブランドンとの約束を守るために、リンカーンへと1人車を走らせます。数年後、フォールズ・シティに戻り、娘を産みました。
ボーイズ・ドント・クライに関する感想や評価は?
ここでは、「ボーイズ・ドント・クライ」を見た人の評価や感想をまとめていきます。映画評論家の間では非常に評価の高い作品ですが、実際に見た人の感想は価値観や時代の流れなどにより、モヤモヤとしたものを抱いているようです。
#いいねでテーマに沿った好きな映画を答える
— 胡麻(goma) (@goma_jazzyism) March 1, 2019
3.鬱映画
ボーイズ・ドント・クライ
誰も救われないまま終わるんだけど、何が大切かを考えるチャンスをもらえる映画です(*´ω`*) pic.twitter.com/u11BRZhfwQ
「ボーイズ・ドント・クライ」の結末は誰も救われない鬱映画と名高いのもかかわらず、「何が大切かを知るチャンスをもらえる」と前向きな感想を持つ方もいらっしゃいます。実話と知っている方なのでしょうか、時代の流れを感じ取れる感想です。
#ボーイズドントクライ@ikepistory さんのオススメ映画!ただ男として生きたかっただけなのにこんな酷い扱いをされるなんて…。終盤は目を背けたくなるような描写が多く、とてもじゃないけど観てられなかった。心と身体の性の不一致でここまで差別されるのは本当に悲しいし、実話ということに震えた。 pic.twitter.com/gSmapVFW5T
— Я ŷ ø@映画垢 (@_____500ml) April 9, 2018
男として生きると決意したブランドンに共感する方の感想も多くありました。「ボーイズ・ドント・クライ」は実話だとテロップが出るのは最後です。あらすじを全て見終わった後に「胸クソ悪い結末」との感想を持つ方が大勢いらっしゃいます。また、実話だと最初に知っておれば、覚悟して見ることができたのに、と多くの方がSNSに感想を書いています。
もう不穏な雰囲気になってきたからボリュームを2にしたわ。 #ボーイズドントクライ アメリカでは日本よりセクシャルマイノリティに優しいと思ったけど、地域差があるのね。向こうの方が正直なせいで更にぶしつけな感じがするわ。
— 麻生ひかる (@aso_tomoh) February 2, 2013
アメリカはもっと性にオープンなイメージがあるせいか、性同一性障害などに寛容だと思っていたとの感想もあります。実話も最悪な結末でしたが、小さな地域ではなく大都市なら違った結末だったのではないかとの声もあります。逆に人種差別など少数派を差別するのもアメリカらしいとの感想もみられました。
もう二度と見たくないと言うか、見る勇気がない映画、ボーイズ・ドント・クライ…主演ヒラリー・スワンクの演技はとてもリアリティがあり胸を打つ。十代特有の繊細で無垢なこころを、無邪気で無神経な暴力性が引き裂く…叫びだしたくなるような、途方にくれた気持ちが、もう嫌と言うほど味わえる作品
— あしつる (@2u_Ru) February 27, 2019
「ボーイズ・ドント・クライ」は、1度は見るべきだが2度と見たくないとの感想が多い作品です。ヒラリー・スワンクの演技がレイプ前とレイプ後で違っており、役になりきって迫真の演技力と評価の高い感想が多数あります。また、彼女の演技は「叫び声」をあげずに、体全体で演技することで実話であるとリアルに感じとれて辛いとの感想が大多数です。更に実話と知って、見ていられないとの感想を述べる方が多数いらっしゃいます。
ボーイズ・ドント・クライの映画ネタバレまとめ
「ボーイズ・ドント・クライ」に関するあらすじ・ネタバレ・結末をまとめてみましたがいかがでしょうか。ジェンダーで思い悩む人は打ち明けられない重い秘密です。それをブランドンは性転換手術をする前に「あるべき自分」として生きました。最悪の結末を迎えましたが、実際に視聴した人たちの感想や評価はさまざまでした。
この作品は持って生まれた性別と心は別の人達もいることを知らせると共に、普通ではないから恐怖を感じ、脅威とみなして攻撃するんだという、人間の持つ残酷さを映像化したものです。ジョンは男性よりも男性としてうまくやっているブランドンに嫉妬した、それも愛するラナを同性に奪われたため怒りが爆発したとの感想が多いようです。しかし、ラナは性別でなく人として愛したことが高い共感を得ています。
「ボーイズ・ドント・クライ」は[差別により殺害された]実話を基にしたあらすじなので、事前に知っておくといいという感想も多くありました。確かに事前にあらすじ・ネタバレを知らずに見てしまうと、乱暴な性描写映画で終わってしまいます。結末のテロップを見ずに、途中で視聴をやめた人も多数いるそうです。このため、そういった感想や評価を参考にすることも大切です。