愛を乞うひとの映画あらすじまとめ!原作小説の結末もネタバレ

映画「愛を乞うひと」は、幼い頃から母親から虐待を受けて育った女性が、過去を乗り越えていく様を描いた作品です。この映画「愛を乞うひと」は、主演が原田美枝子で、虐待を受ける娘とその母親の一人二役を演じています。ここでは映画「愛を乞うひと」のあらすじをネタバレで紹介します。またこの「愛を乞うひと」には原作小説があります。原作小説の「愛を乞うひと」の結末もネタバレで見ていきます。さらに映画「愛を乞うひと」の感想も紹介します。

愛を乞うひとの映画あらすじまとめ!原作小説の結末もネタバレのイメージ

目次

  1. 愛を乞うひととは?
  2. 愛を乞うひとの映画あらすじネタバレ
  3. 愛を乞うひとの映画結末ネタバレ
  4. 愛を乞うひとの原作小説の結末は?
  5. 愛を乞うひとに関する感想や評価
  6. 愛を乞うひとの映画・原作小説ネタバレまとめ

愛を乞うひととは?

映画「愛を乞うひと」とは、幼い頃から母親によって虐待されて育った女性照恵(てるえ)が主人公です。映画「愛を乞うひと」は、そんな母と別れ、シングルマザーとなった照恵が自分の内にある母の遺伝子を恐れるようになりますが、照恵が娘と共に壮絶な過去を乗り越えていく様が描かれています。主演は原田美枝子で、虐待を受けて育つ主人公と、虐待をする母親の一人二役を演じました。

壮絶な虐待の中で生きてきた主人公の照恵(てるえ)が結婚し出産する中で、過去のトラウマに苦しめられる様を演じた原田美枝子は、数々の演技賞を受賞しました。映画「愛を乞うひと」の他のキャストは、父・陳文雄役を中井貴一が演じ、照恵の娘・深草(みぐさ)役を野波麻帆が演じました。

「愛を乞うひと」は、2017年に篠原涼子主演でドラマ化もされました。ドラマでも篠原涼子が照恵役と豊子役の一人二役を演じました。ここでは映画「愛を乞うひと」のあらすじを結末までネタバレで紹介し、原作小説「愛を乞うひと」の結末もネタバレで見ていきます。

愛を乞うひとの映画情報

映画「愛を乞うひと」は、1998年の9月に公開されました。原作小説は下田治美の小説「愛を乞うひと」です。監督は平山秀幸、脚本は鄭義信、主演は原田美枝子で、主人公の山岡照恵(てるえ)と、照恵の母豊子の二役を演じています。映画「愛を乞うひと」は、日本アカデミー賞で最優秀作品賞を始め、監督賞、脚本賞、主演女優賞などを受賞し、国内の映画賞を多数受賞しました。

愛を乞うひとの原作小説

映画「愛を乞うひと」は、下田治美(しもだはるみ)さんの長編小説が原作です。小説「愛を乞うひと」は、情報センター出版局から1992年8月に発行され、翌年に文庫化(角川文庫)されました。下田治美さんは1947年生まれで、離婚後シングルマザーの作家、エッセイストとして活動を始めました。離婚や子育てをテーマにしたエッセイを毎年一冊ずつ発行しつつ小説「愛を乞うひと」を発表しました。

愛を乞うひとの監督情報

映画「愛を乞うひと」の監督は、平山秀幸さんです。平山監督は1950年生まれ、福岡県北九州市の出身です。日大芸術学部卒業後、寺山修司、伊丹十三、大森一樹などの監督の下で助監督をしました。監督デビュー作は「マリアの胃袋」(1990年)です。1995年からの「学校の怪談」シリーズが大ヒット。他の監督作品は、「魔界転生」(2003年)、「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-」(2011年)などです。

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愛を乞うひとの映画あらすじネタバレ

映画「愛を乞うひと」は、母親から虐待を受けて育った主人公が、過去のトラウマを乗り越えていく様を描いています。ここからは映画「愛を乞うひと」のあらすじを、結末までネタバレで紹介します。さらに原作小説の「愛を乞うひと」の結末あらすじをネタバレで見ていきます。

映画あらすじネタバレ①トラウマを抱える照恵

シングルマザーの山岡照恵(てるえ)は、娘の深草(みぐさ)と二人で暮らしています。照恵は小さい頃亡くなった父の遺骨を探しています。父親は陳文雄(ちんふみお)という名で、台湾出身です。一方、照恵は小さい頃に母親から受けた虐待によってトラウマを抱えています。照恵は、母・豊子からの激しい虐待に耐えてきたのでした。照恵の父は、豊子の虐待から照恵を守ってくれましたが、そのたびに豊子は逆上します。

母からの虐待に耐える日々の中で、照恵にとって父は、母の暴力から唯一守ってくれる存在でした。照恵の母・豊子は台湾出身の陳文雄(ちんふみお)と結婚し、照恵が産まれました。豊子は何かにつけて照恵に暴力をふるいます。父は豊子の虐待から度々照恵を助けてくれましたが、母と父が離婚することになりました。照恵は父と別れることになるのかと不安になりましたが、照恵は父・文雄と暮らすことになりました。

映画あらすじネタバレ②最悪な母親・豊子

父の元で照恵はようやく幸せに暮らすことができましたが、父・文雄は肺結核によって昭和29年に亡くなり、照恵は孤児院に入りました。豊子が再婚し、照恵を孤児院から引き取りました。新しい父親には武則という息子がいます。豊子は相変わらず照恵に対して虐待を繰り返しました。それは照恵にとって地獄のような日々でした。義理の父親もかばってくれたのは最初だけで、次第に無関心になっていきました。

映画あらすじネタバレ③エスカレートする虐待

2番目の夫とも離婚した豊子は、照恵と2番目の夫の息子だった武則(照恵の異父弟)を連れて、再々婚しました。母の暴力は相変わらず続きます。照恵が夏祭りの小遣いが欲しいと母に言うと、母による虐待が始まりました。父も武則も止められません。ある日、照恵は母に「どうして私を叩くの?可愛いから孤児院から引き取ったのじゃないの?」と尋ねると、母は「仕方なかった、おまえが可愛いいからじゃない」と答えました。

母の言葉は照恵の胸に突き刺さり、照恵は、母に愛されていないことを思い知らされたのでした。それから6年が経ち、照恵が就職しても虐待は続きました。ある日、照恵はとうとう家を出ていきました。そして二度と母のいる家に戻りませんでした。

映画あらすじネタバレ④母・豊子の遺伝子

家を出た照恵は結婚し、娘・深草(みぐさ)が産まれました。しかし夫は亡くなり、シングルマザーとして印刷会社で働いています。異父弟の武則が詐欺罪で逮捕されるという事件が起きました。照恵は深草に話します。照恵の態度が頼りなく見えた深草は照恵に「実の親子じゃないんじゃないの?」などと言いました。

照恵は思わず深草の頬を殴りました。照恵は自分の行動に戸惑いますが、なぜか笑みを浮かべてしまいました。長年虐待を受けて育った照恵の体験が、心の中でゆがんだ形として表面に現れたのでした。

映画あらすじネタバレ⑤しっかりした娘・深草

照恵は娘を叩いてしまったという事実に罪悪感を感じますが、心の奥にある母の遺伝子を感じずにはいられません。照恵は深草に謝りますが、深草は謝らなくていいから、しっかりして欲しいと言いました。そしてお母さんのそうゆうところが嫌なのだと言いました。ある夜、少し飲んだ照恵は、私は良い母親かしら?と深草に聞きました。

照恵は、母の元から飛び出したときのことを想い出しています。鬼の様な顔で追いかけてきた母。もう少しで連れ戻されそうになったとき、武則が「姉さん、逃げろ」と叫び、照恵を逃がしてくれました。

映画あらすじネタバレ⑥どうしようもない母・豊子

照恵は、豊子から受けた虐待のことを深草に打ち明け、父の遺骨を捜していることも話しました。照恵と深草は一緒に台湾へ行き、父・陳文雄の遺骨を捜しました。二人は親戚の家を訪ねたり、あちこち探し歩きましたが、父の遺骨を見つけることはできませんでした。帰国した照恵は、杉並区役所で調べてもらうと、父の遺骨は三鷹の寺で埋葬されたことが分かりました。早速照恵は深草を連れて寺へ行きました。

深草は照恵に、お父さんの遺骨を探すというより、お母さんの面影を捜していたのでしょ?と言いました。深草の言葉を聞いた照恵は、父が自分を連れて家を出ていくときの母の叫び声を思い出しました。母は、出ていく父と照恵に向けて、悪態をつきましたが、最後には「あんた、一人にしないで、怖い、怖いよ」と叫びました。

豊子の最後の言葉は、孤独を何よりも恐れる豊子の心の叫びでした。深草は、照恵に黙ってずっと豊子について調べていたので「おばあちゃんに会いに行こう」と照恵に言いました。

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愛を乞うひとの映画結末ネタバレ

ここまで映画「愛を乞うひと」のあらすじをネタバレで見てきました。母・豊子から虐待を受けて育った主人公照恵は、娘の深草(みぐさ)から豊子に会いに行こうと言われました。映画の結末では照恵と母の再会が描かれます。ここからは映画「愛を乞うひと」の結末のあらすじを、ネタバレで紹介します。

映画結末ネタバレ①母親との決別

照恵の母・豊子は、美容院を経営しています。すっかり老婆となった豊子。美容院に客として入っていった照恵を、豊子は気づきませんでした。しかし、髪を切っているときに照恵の額に傷を見つけ、ようやく自分の娘・照恵だと気づきました。豊子と照恵はお互い冷静に振る舞い、最後に照恵は「いつまでもお元気で」と豊子に声をかけ、出ていきました。これで照恵は、母ときっぱり決別したのでした。

映画結末ネタバレ②照恵と深草の親子の絆

照恵は、深草が産まれたとき私は幸せだったと言いました。そして母・豊子にやっと別れを告げることができたと、深草に報告しました。照恵は、子どもを虐待するような酷い母親でも、お前は可愛いと言って欲しかったと、深草に告白しました。照恵の心情を察した深草は、「可愛いよ、お母さん」と照恵に言ってあげました。深草の言葉を聴いて照恵は涙を流しました。

母・豊子との関係に決着をつけた照恵と深草は、台湾にある父の形見のサトウキビ畑で作業しています。美しい青空の下、照恵は母の呪縛から逃れることができたのでした。ここまで原田美枝子主演の映画「愛を乞うひと」のあらすじをネタバレで紹介してきました。映画「愛を乞うひと」の原作小説「愛を乞うひと」の結末をネタバレで紹介します。

愛を乞うひとの原作小説の結末は?

映画「愛を乞うひと」のあらすじをネタバレで紹介してきました。ここでは原作小説の「愛を乞うひと」の結末をネタバレで紹介します。映画の結末は、照恵が豊子の美容院へ行き、豊子と照恵はお互い気づきますが、二人とも何事もなかったように淡々と別れました。原作小説では、照恵と豊子はどのような結末を迎えるのでしょうか?ネタバレで見ていきます。

原作小説の結末:虐待の過去を深草に話す照恵

照恵は母・豊子のことを、深草には死んだと嘘をついていました。そして照恵は異父弟の武則の存在も深草に黙っていました。ところが武則を詐欺と窃盗により逮捕したと警察から連絡が入ったことで、深草にバレてしまったのでした。照恵は深草に幼い頃の体験を話すことにしました。照恵は、激しい虐待を受けて育ったことを告白しました。深草は、祖母豊子のことを「あの女」と呼びました。そして照恵に復讐しようと言いました。

深草がいう復讐とは、照恵の父・陳文雄の遺骨を捜すことです。照恵は父の遺骨は豊子によって捨てられたと思い込んでいます。照恵の出生届が台湾で出されていることから、台湾で遺骨を捜そうと思いました。深草と共に台湾へ行った照恵ですが、父の遺骨を見つけることはできませんでした。しかし照恵にとって台湾へ行ったことは、一つの区切りとなりました。

原作小説の結末:照恵の出生について

照恵は、母から虐待を受けていたときに、母に望んで産んだわけじゃないと言われたことがあります。そのため照恵は自分の出生について悲観的な考えを持っていましたが、台湾に来たことで、当時の父と母は愛し合って結婚したということが分かったのでした。照恵は、それならなぜ自分は虐待されなければならなかったのか?という疑問がわきました。

しかし照恵は、子どもを暴力で支配し恐怖を与え続ける人間の心理など考えなくてもいい、と思うようになりました。日本へ帰った照恵と深草は、あちこちの役所を周り、ようやく父の遺骨を見つけることができました。遺骨が見つかったことで、照恵の心は落ち着きました。深草は、祖母の豊子のことを「あの女」と呼んでいましたが、おばあちゃんと呼ぶようになりました。

原作小説の結末:母への願い

深草が、祖母のことが気になると言うので、照恵は深草と共に豊子に会いに行くことにしました。東京から遠く離れたある町に豊子は住んでいました。照恵は遠くからそっと豊子を眺めます。豊子がこちらを見た気がしましたが、豊子は歩いて行きました。照恵は心の中で「覚えてよ、人の愛し方を」と叫びました。ここまで原作小説の結末をネタバレで紹介しました。次に「愛を乞うひと」をご覧になった方の感想・評価を紹介します。

愛を乞うひとに関する感想や評価

この方の感想は、母親からの虐待という壮絶な過去を持つ女性を描いた映画「愛を乞うひと」は、平山秀幸監督の手腕が見事だという感想です。「愛を乞うひと」の意味に感動したという感想も書かれています。

この方は「愛を乞うひと」のドラマと映画の両方をご覧になった感想です。ドラマも映画もどちらの「愛を乞うひと」も、三浦綾子さんの名作のように、次の時代に受け継がれていって欲しい作品だという感想です。

映画「愛を乞うひと」は、虐待のシーンのリアルさを追及した平山秀幸監督の手腕に感動したという感想と、主演の原田美枝子の演技も見事だという感想です。

愛を乞うひとの映画・原作小説ネタバレまとめ

いかがでしたか?母親から虐待を受けて育った主人公の照恵が、壮絶な過去を乗り越える様が描かれた映画「愛を乞うひと」のあらすじを結末までネタバレで紹介しました。また原作小説「愛を乞うひと」の結末もネタバレで紹介しました。映画の結末は、照恵が母親の美容院で再会するシーンでしたが、原作小説では遠くから母を見つめるシーンでした。

映画と原作小説、どちらの結末も照恵が過去から決別した瞬間となりました。また、この映画「愛を乞うひと」を観た方の感想で、これからも名作として受け継がれていくことを望むという感想がありました。母親からの虐待という重いテーマの作品ですが、主人公照恵が過去に区切りをつけ、前を向いて生きていく映画「愛を乞うひと」をぜひご覧ください。

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