ダンケルクのあらすじ・結末をネタバレ!感動のラストの内容とは?

クリストファー・ノーラン監督の戦争映画『ダンケルク』のあらすじと歴史的救出劇の結末を史実を踏まえて詳しくお届けします。 陸海空3視点のドラマが同時進行という複雑なプロットを持ち、初見での鑑賞が難しいと言われる本作ですがご安心ください。 ダンケルクの作品背景となった史実とはいったいどんな事件だったのか?気になる本編のあらすじと結末は? わかりやすく噛み砕いて説明していきましょう。

ダンケルクのあらすじ・結末をネタバレ!感動のラストの内容とは?のイメージ

目次

  1. ダンケルクのあらすじや結末をネタバレ紹介!史実に基づいたど迫力戦争映画!
  2. ダンケルクのあらすじ紹介!ダンケルクの戦いとは?
  3. ダンケルクの魅力的なキャストたちを紹介!
  4. ダンケルクのを見た人たちの評価とは?実際の感想も紹介!
  5. ダンケルクはあらすじだけではわからない!ラストまで緊張感たっぷりな映画だった!

ダンケルクのあらすじや結末をネタバレ紹介!史実に基づいたど迫力戦争映画!

2017年に公開されたクリストファー・ノーラン監督がメガホンを取り、ハンス・ジマーが音楽を担当した歴史映画『ダンケルク』。皆さんはご覧になったでしょうか?

第90回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、美術賞、撮影賞、編集賞、音響編集賞、録音賞、作曲賞ほか8部門にノミネートされ、編集賞、録音賞、音響編集賞を受賞した本作。実は第2次世界大戦中のある史実に基づいたストーリーになっているのです。スリリングでドラマティックな史実に基づいた出来事と映画『ダンケルク』について、あらすじや結末をネタバレも含めてご紹介します。

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ダンケルクのあらすじ紹介!ダンケルクの戦いとは?

コラム:第二次世界大戦で実際にあった「ダンケルクの戦い」

「ダンケルクの戦い」は1940年5月20日のドイツのフランス侵攻を受けて勃発した第二次世界大戦の戦闘のひとつです。ドイツの戦車や戦闘機によってイギリスとフランスの連合軍はドーバー海峡に面するダンケルクの海岸に追い詰められ撤退も出来ない絶望的な状況に追い込まれてしまいます。

5月27日に撤退が開始するまでの間、砲撃の雨や戦闘機による銃撃に彷徨い続けた兵士たちを救ったのは先にネタバレを言ってしまうと、なんと軍艦ではなく、民間の観光船や漁船だったといいます。その壮大な1週間を描いたのがこの『ダンケルク』なのです。早速あらすじをチェックしていきましょう。

あらすじ:陸海空の3つにわかれて展開される多重的ドラマ

ここでは、まずはじめにダンケルクの視聴難易度をあげている要素のひとつである「3つの視点」がどのように交わるのかをネタバレを少し含みつつご紹介しましょう。おおまかに筋を説明しますと、下記の通りに陸海空の3つ視点で物語は交わり進行していきます。徐々に次の章からネタバレをしつつ詳しくあらすじと見所を追っていきますが、まずは3つの舞台と3つの物語があることを把握しておくのがダンケルクを楽しむポイントになります。

「陸:トミーたちの脱出劇と中佐による救援要請」→「海:ムーンストーン号の出航」→「陸&海:救助艇の沈没と口論」→「空:空戦と味方機の墜落」→「海:墜落機の救助」→「空:ダンケルクへ」→「海:ダンケルクへ」→「陸:救援到着、離脱へ」→「空:結末」→「陸&海:結末」

あらすじ:ダンケルクの街に降るチラシの雨

この映画はほとんどのシーンがダンケルクの浜辺を映しており、だからこそ物語の冒頭シーンにあるダンケルクの街に降るチラシの雨は欠かせない象徴的な要素でしょう。このチラシにはドイツ軍からのプロパガンダとして「お前たちは包囲されている」という内容が記され絶望的かつ印象的なシーンになっています。高く積まれた土嚢や言葉の通じず味方なのに撃ってきてしまうフランス軍など、冒頭から不穏な雰囲気が伝わります。

あらすじ:生き残りを賭けた果てしない行列

ダンケルクの浜辺には、40万人近くのフランスとイギリスの兵士たちが追い詰められ弾薬も食料もろくにない状態で救援を待ったと言われています。本作でも、主人公のトミー二等兵(フィン・ホワイトヘッド)が市街地から浜辺に到着した時にはすでに多くの兵士たちが病院船や救助船を頼りにする行列に並び、並びながら砲撃や銃撃に怯える様子が描かれています。

トミーもこの行列に加わりますが隊が全滅しはぐれてしまったトミーには優先権もなく、ここで埋葬をしていた無口な兵士ギブソンと出会うことになります。この戦場で最も立場が弱いトミーとギブソンの脱出劇を主軸に描かれたのが陸のパートです。浜辺が映り出した辺りから顕著にハンス・ジマーお得意のスリリングなBGMと時系列テロップが流れ出し、シーンが分かれていくのでまずは各視点のあらすじ分岐についてご説明しましょう。

防波堤:1週間の出来事

トミーが訪れギブソンと共に思案する防波堤では1週間の出来事がエンディングまで描かれていきます。

彼らは、最初は負傷兵の付き添いを装い、その掃海艇がUボートの魚雷により転覆してしまうと、救命船、別の部隊員への擦り寄り、漁船での脱出とあらゆる手段を使ってどうにかダンケルクから離岸しようと図ります。遠く視界の果てに故郷であるイギリスの島影が見えるようで届かない。そんな極限状態で、段々と絶望と疑心暗鬼を募らせながらも足掻き生き残り続けようとする姿はかなり緊迫感があります。

海:1日の出来事

一方、海ではイギリス軍の船舶徴収に先駆けて小型船「ムーンストーン号」の船長であるミスター・ドーソン(マーク・クライアンス)とその息子たちが同胞を救うべくドーバー海峡を渡っていました。この船舶が1日の時間の中でダンケルクの浜辺に辿り着くまでを描いているのが2つ目のドラマです。

史実では860隻もの民間船がドイツ軍の戦闘機を掻い潜ってダンケルクの浜辺に集まり、33万人もの兵士を2日間というごく短い時間で脱出させています。

空:1時間の出来事

そして空では、イギリス空軍の戦闘機が3機のみで撤退支援のためにダンケルクに向かっていました。この視点の主人公は「スピリットファイア」のパイロットであるファリア(トム・ハーディー)です。

ドイツ機との激しいドッグファイト。味方機の墜落。そして燃料メーターの故障。次々とトラブルが起きるのですが、なんとこの戦闘機を用いた空撮シーンはほぼ時間の尺が実時間と同じ1時間の出来事として物語を刺激的にするエッセンスを提供しています。

「スピリットファイア」と言えば、第二次世界大戦におけるイギリス空軍のネームシップで実際に多くの戦果をあげています。本作でもその存在感と登場人物たちからの眺望と希望視は熱く、本作では「みんなの希望」であると同時に、パイロット目線でプロットを展開することで等身大の緊迫感とその極限状態での人らしい選択を描いています。どんな決断をし、どんな結末に至ったのかについてはもう少しとっておきましょう。

あらすじ&ネタバレ:名もなき英雄の活躍も見どころ!

この映画の特徴はひとりのスターがいて覆る戦局ではなく、多くの名のない人々の人らしい選択が織りなす群像劇です。例えば、劇中でファリアーは燃料タンクが想定以下でそのまま進むと帰還が不可能だとわかった後も戦い続けましたし、ミスター・ドーソンは大切なものを失っても舵を止めませんでした。それは彼らが「元から英雄だったから」ではなく「ひとりの人として誠実に生きようとした」からです。

あらすじ:ダンケルクで奮闘する兵士を命がけの救出

これだけの複雑なプロットがより細分化され「その瞬間」の選択が「次の瞬間」の別のシーンの行動のきっかけに後半になればなるだけ絡み合っていきます。こう書くと難しく感じてしまうかもしれませんが、象徴的なシーンは必ず次に活きてきて何処かで活用されるのだと理解しておくだけでかなり観易くなるでしょう。

絡み合い繋がりあった末に多くの船に助けられ兵士たちが抱擁されるラストシーンはかなり感動的なものになっています。

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ダンケルクの魅力的なキャストたちを紹介!

陸で助けを待つ人々

陸のパートを彩るのは、本作で映画デビューを果たしたフィン・ホワイトヘッド(トミー二等兵)。そして海軍将校のボルトン中佐役はなんと『マイティ・ソー』(2011)や『エージェント:ライアン』(2014)の監督を務めたケネス・ブラナーが演じています。

陸のシーンは特に「どこにでもいるような人々」であることを監督は意識し、新人俳優を多く登用して多くの人々の中のひとりとしてただひたすらに生き残るための選択をしているのがわかります。その中で繋がることのできた結末に対するボルトン中佐の一言が非常に響く印象的な布陣だとも言えます。

海を渡り救いを与えようとする人々

「ムーンストーン号」の舵を取るのは2015年にも『ブリッジ・オブ・スパイ』でアカデミー助演男優賞を受賞した名男優マーク・ライランス。そして、その息子には本作デビューのトム・グリン=カーニー。途中で救助された謎の男にはノーラン監督作品ではお馴染みのキリアン・マーフィーが画面を彩るなど、より人の表情や行動にフォーカスした役選びとなっております。

ヘビーな状況の中、意見をぶつけ合い結末に至る苦渋の選択をするミスター・ドーソンとその息子ピーターの表情は忘れ難いものになるでしょう。

空から希望を与える人々

スピリットファイアを駆り、この映画の希望的象徴としてラストまで兵士然とした選択を取り続けるのは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)や『インセプション』(2010)でお馴染みのトム・ハーディ演じるファリアと、『戦争と平和』でニコライ役を務め本作ではファリアの同僚を演じたジャック・ロウデンと、隊長のマイケル・ケインのトリオです。

そして、忘れてはいけないのがあのど迫力の空撮シーンを支えた本物のスピリットファイア3機(Mk.Ⅰを2機、Mk.Ⅴを1機)です。彼らの人生の結末としては悲惨なものだったかもしれませんが、本作における彼らのラストシーンは残酷でありつつも人々を勇気付ける希望であったのは間違いないでしょう。

ダンケルクのを見た人たちの評価とは?実際の感想も紹介!

ダンケルクは1回見ただけではストーリーが理解しづらい?

3つの視点が絡み合い同時進行するという複雑なプロットと史実に忠実な世界観というだけでかなりハードルが上がる点はあります。実際に鑑賞済みの方でも次の方に近い感想を抱いた方もいらっしゃったのではないでしょうか?

しかし、この映画で重要なのは(もちろん史実で何が起きたのか、どういう結末を迎えたかも重要ですが)「40万人という数えきれない人々がそれぞれ出来る限りの選択をし、ラストを掴み取った」というポイントにあるので難しく考えすぎなくても良いのかもしれません。

ネタバレあり:ダンケルクは他の戦争映画とは異なる!

『ダンケルク』のもつ魅力として、「臨場感溢れるプロット構成」と「効果音などを有効活用した画面作り」はかなり強力なものとして挙げられるようです。多くの戦争映画にありがちな登場人物の内面描写や長セリフなどをあえて排除した構成はより予断を許さない緊迫感とラストシーンに向かって転がるように進む展開を見せてくれていると言えるでしょう。

英国万歳なところはあるが、それぞれの立場で、国のため、
人のために心をかける様。1人の力と思いが多大な力になるというところへの感動。
 敵は登場しないのに、あの恐怖の臨場感。 死んでいく戦士の美を語るでなく、
生かすために全力をかける様人たちの美しさ。 
小船舶がたくさん海に集まるシーンには涙が止まらなかった。

手に汗握るサウンドエフェクト

度々紹介いたしましたが、音楽を担当したハンス・ジマーの手腕の凄さとIMAX放映の相性の良さは非常に効果的であったと言わざるを得ません。『グラディエーター』(2000)や『ダ・ヴィンチ・コード』(2006)、『インセプション』(2010)を支えた巨匠の技は本作ではタイマー音を用いた特徴的なサウンドエフェクトで遺憾無く発揮されています。

サウンドエフェクトは戦争さながらの迫力と恐ろしさが出ていて、
本当に怖かったし、さながら戦場にいる気分になりました。
タイマー音を使ったハンス・ジマーの音楽もかなり生えていました。

ネタバレあり:ラスト20分のカタルシスの衝撃

『ダンケルク』のあの閉塞感を最大限加速させ、そしてそれをただの苦痛に終わらせない工夫として、ラストシーンを挙げる方も少なくないようです。ひたすらに苦悩し、大小様々なトラブルに行く手を遮られ、覆せない状況に叫ぶ暇もない。そんな極限状況を切り抜ける選択をトミーやミスター・ドーマン、ファリアは別の視点別のシュチュエーションの中で常にするわけですが、その先に待つ緩やかな史実的安楽とジワリと残る死屍累々とした現実に痺れる方は多い筈です。

強烈な閉塞感が神経を虐め続ける。容赦ない爆撃から身を守ろうとして砂浜にへばり付く兵士たちは、地上という行場のない牢獄で、はたまた閉じ込められたまま沈没していく船内で、遙か眼下の海原を見下ろすコックピット内で、その身を拘束されたまま時間に弄ばれているかのよう。従来の戦争映画が当たり前のように駆使してきた想像の域を出ないCGI仕様の俯瞰映像を頑なに拒絶して、クリストファー・ノーランが提示する新リアリズム。

また、その逆にあのラストシーンに裏切られた!という声もあることから、いかにあの結末が中盤までの多くの選択多くのシーンに対して印象的なものであったかが伺えます。

ネタバレあり:スレ違いがあるからこそ去来する感動!

ラストシーンの見え方は人それぞれなのではないかと書いたのですが、やはり皆さんが注目していたのはその日が昇るにつれ明らかになる「遣る瀬無さ」と、そこに潜む感動だったのではないでしょうか?ここではそんなラストシーンに関するネタバレ感想をご紹介しましょう。

最後にさまざまなすれ違いがあって切ない。頑張ったパイロットがいる横で空軍は何やってたんだとか言われるし、目が見えないおじさんが毛布を渡して「目も合わせなかった」とか言うし…。でも「解っている人間もいる」んだよなあ。

ダンケルクはあらすじだけではわからない!ラストまで緊張感たっぷりな映画だった!

また、余談ながら同じ「ダンケルクの戦い」を描いた作品ですと、2016年公開のロネ・シェルフィグ監督の『人生はシネマティック!』というロマンティック・コメディ映画もあります。

こちらは『ダンケルク』とは180°角度を変えた「ダンケルクの戦いを題材に映画を撮る女性脚本家が主役のドタバタ劇」になっています。口少なに場面を圧倒的な画面作りとサウンドエフェクトで語りつつ緊張感たっぷりに魅せる『ダンケルク』と、これでもかというほどにダンケルクの戦いについて言葉を並べ物語を編んでゆく『人生はシネマティック!』。この対照的なふたつのダンケルクを併せて鑑賞してみると楽しいかもしれません。

何が起きるのかは史実が一番のネタバレである映画ではありますが、映画『ダンケルク』を形作るバックボーンや感想、関連情報は楽しんでいただけたでしょうか?史実を史実らしく映しつつ妥協のない演出と複雑ながら繊細で繋がりが見えた際にハッとするプロット構成をもつ本作は、きっと皆さんにとって刺激的で印象深い1本になるのではないでしょうか。

緊張感たっぷりな画面づくりのなかで、いったいトミーやミスター・ドーソン、ファリアがそれぞれに残された時間の中でどんな選択をしたのか、その上でどのような結末をそれぞれ迎えたかを是非実際にご覧になって見届けて頂ければ幸いです。

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