2018年09月03日公開
2018年09月03日更新
シン・ゴジラで野村萬斎の役は動き?ゴジラの手が上を向いている理由も解説
狂言師・俳優の野村萬斎さんが映画「シン・ゴジラ」のゴジラの役をされていた事はご存知でしょうか。東京五輪・パラリンピック開閉式の演出総括に選ばれました事はご存知の方も多いでしょう。表現力が素晴らしい日本伝統を現代に活かされている野村萬斎さんが、映画「シン・ゴジラ」ではどの様にゴジラの禍々しい表現演出されているのか、どの様な所にこだわり表現されているかを知りたい方も多いと思い今回ご紹介していきます。
目次
シン・ゴジラで野村萬斎の役は動きなのか徹底調査!
「シン・ゴジラ」のシンとは、新・真・神の意味を含んでいます。今までの着ぐるみでは従来と変わらず何も新しくない事からゴジラをフルCGにし、空のゴジラにどう動きをつけるかが課題でした。初代の着ぐるみアクターは、能・狂言の足運びを意識され重々しい重圧感を演出されていました。その事を踏まえてシン・ゴジラに動きをつけるなら本家の能・狂言の方に依頼しようとなり、その白羽の矢が野村萬斎さんに立ちました。
野村萬斎がゴジラの動きをする事で新たな進化を遂げる
野村萬斎さんがゴジラ役の動きをする事で、狂言の世界で魅せられる無機質で幽玄な雰囲気と重みのある足運びで恐ろしい怪獣という印象より更に侵しがたい畏怖の念を起こさせる神獣と進化を遂げられています。映画タイトルの「シン・ゴジラ」のシンの意味の中の神が正に野村萬斎さんが動きを演じる事で意味を成しえています。650年の歴史ある狂言の技がここでゴジラに新たな息吹を与えたと言って良いでしょう。
シン・ゴジラとは?
本来ゴジラは、自然汚染や核・水爆・自然破壊への怒りの怨念として生まれた怪物の設定でした。シリーズを重ねる毎に本来のゴジラの意義が薄れてきた所に、「シン・ゴジラ」は本来の誕生の存在意義を持って新しく蘇った映画と言えます。古き伝統を活かして新たな伝統を生み出そうとする野村萬斎さんをゴジラ役に起用された「シン・ゴジラ」映画公開日などの情報を紹介します。
シン・ゴジラの公開日などの基本情報を簡単に紹介
「シン・ゴジラ」は平成28年7月29日に公開しました。総監督・脚本は、エヴァンゲリオンを手掛けた廣野秀明氏、そして監督・特技監督は、平成ガメラシリーズ手掛けた樋口真嗣氏で作られました。そして今回のシン・ゴジラは、国内シリーズ初のフルCG史上最大の怪獣となり、更にキャストも329人の豪華俳優人と日本では異例の三監督と四班体制で総勢1000人以上のスタッフで製作された超ビッグな映画となりました。
「シン・ゴジラ」の動員数や興行収入はどうだったか
「シン・ゴジラ」は、2016年7月29日に全国441スクリーンで初公開され、海外では10月から490スクリーンで公開されました。日本公開111日で興行収入は80億円突破し観客動員数550万3652人を記録しました。世界公開のどこで興収動員数を全て調べる事は出来ませんでしたが、北米では約191万8000ドル(日本円で約2億円)の興行収入を記録されています。第40回日本アカデミー賞7部門獲得で最優秀賞をも受賞しています。
シン・ゴジラのあらすじを簡単に紹介!
あらすじは東京湾羽田沖で大量水蒸気が噴出し、アクアラインのトンネルが崩落事故を起こします。初め政府は海底火山が原因と考えます。海底から謎の巨大生物が上陸し這いずり回り建物を壊しながら、更に謎の進化を遂げて二足歩行をする様になります。政府は対策本部を設置し、謎の巨大生物に「ゴジラ」と名付けて米国に攻撃支援を要請して日米共同作戦を繰り広げます。
シン・ゴジラで野村萬斎の役はどこなのか?
「シン・ゴジラ」の329人目が野村萬斎さんだと映画公開日に発表されました。皆はどこに野村萬斎が出てたのかと話題になりました。映画公開日の挨拶でビデオメッセージで野村萬斎さんご自身が、シンゴジラの役をしていた事や樋口監督から電話でオファーがあった等の話をされました。野村萬斎さんがゴジラの役をされ手や動きに狂言の技が活かされた事など話題になり、リピーターや更にシンゴジラの映画を見たい方が増えました。
野村萬斎がゴジラ役に起用された理由は?
樋口監督は、「シン・ゴジラ」の決定前に野村萬斎さんにゴジラのイメージを伝えた時にその場でシンゴジラの振り向く動きを演じて見せられゴジラに息吹を入れるのは野村萬斎さんと確証したそうです。そして総監督廣野氏と樋口監督と初顔合わせの時に野村萬斎さんがゴジラの特徴を聞くと座布団3枚で見事なゴジラの動きをされました。その時に両監督は「ゴジラだ!」と思われたそうです。
見せる魅せるを追求する野村萬斎ならではの「シンゴジラ」に魂を吹き込めた
野村萬斎さんはどこの国で講演しても人々に狂言を楽しんで貰う為に日々研鑽される方です。歴史ある狂言を退化させず活かし更なる進化を求め狂言界だけでなく映画など多くの所で追求されています。日本の狂言は観客は下で西洋は観客は上から舞台を見ます。観客の目線を考慮して如何に高く舞うように見せるかなど、見る人を意識して何事も挑まれる野村萬斎さんならではの「シン・ゴジラ」へ魂を入れる事に成功したと言えるでしょう。
モーションキャプチャーでゴジラの演出をされる野村萬斎
野村萬斎さんはシンゴジラに息吹を入れる為に、役になりきり面や尻尾をつけて無機質で幽玄で人間味など一切感じさせずに神の様な威厳ある動きに気を使われたそうです。尻尾には重りをつけ引っ張る事により、どこに重心を掛けるか考えて前かがみに動き撮影をし、シンゴジラに650年の歴史ある狂言のDNAを注ぎ込まれたと言われるのが良く分かります。
シン・ゴジラのゴジラの手が上を向いている理由を解説!
野村萬斎さんは手のひらを下にむけると普通の恐竜と変わらないと違和感を感じられ、シンゴジラに別の動きを考え監督に提案しました。野村萬斎さんは「シン・ゴジラ」のシンは新しい・真・神の意味が含まれていると樋口監督から聞いていたので、神格的イメージの龍が宝玉を持っている感じに手のひらを上に向けるの取り入れ作品タイトルの意味をもこだわって表現されました。
シン・ゴジラで野村萬斎はゴジラの動きをやっていた!
野村萬斎さんがシンゴジラの役をしていたと初公開日に知らされた事で、ゴジラに興味なかった人も映画館に足を運ばれた方も多かったでしょう。シンゴジラ2続編が出るのであれば、次はどこを舞台にシンゴジラが現れ野村萬斎さんの手の演出にさらなる進化をどこの部分で表現演出されるのか期待してしまいます。同じ監督スタッフで続編を期待したいところでしょう。
「シン・ゴジラ」野村萬斎の役割は?
野村萬斎さんの役割はとても大きいですね。「シン・ゴジラ」のゴジラ役は作品のメインですので、豪華俳優人やストーリが良くてもゴジラが非凡マンネリでは魅力がなくなります。そして評価に一番と言って良い程の影響が出ます。所作の隅々までに繊細に魂を注がれ、狂言の技と野村萬斎の表現者としての能力がフルに活かされ生まれたシンゴジラを見られた人達の記憶に不動不滅に刻まれたようです。
「シン・ゴジラ」海外でもシンゴジラの動きに高評価
海外でも人気ある日本のゴジラ映画ですが、今回公開前はフルCGのゴジラに不安の声が上がってました。しかし蓋を開けてみれば海外のコアなゴジラファンに満足頂けたようです。リアルな質感で史上最大のゴジラが東京の街を練り歩く姿に圧巻されたとの事でした。どこでも野村萬斎さんが演じたゴジラの評価は良かったのですが、ストーリや会話の多さに字幕が長くて辛かった分トータル評価は少し厳しめな国もありました。
ハリウッド版「GODZILLA」と「シン・ゴジラ」の違いは?
ハリウッド版ゴジラは、アメリカのコアなゴジラファンから恐竜と爬虫類の様で動きは俊敏で、神々しいゴジラの強さ威厳は無い事から「GODZILLA」のGODを消され「ZILLA」と呼ばれコアなゴジラファンから酷評されました。今回「シン・ゴジラ」が、アメリカのコアなゴジラファンに高評価だったのは、どこに違いがあるかは一目瞭然です。野村萬斎さんの正に神々しさ強さと威厳を演出されたのが高評価を得たと言えます。
「シン・ゴジラ」の見どころはどこか?
出典: https://feely.jp
見どころを3つに絞ってみました。まず第一に言えるのはやはり野村萬斎さんが魂を吹き込んだフルCGのゴジラです。第二には、現在日本の問題課題を提示された内容(日本の行政期間・原発・憲法第9条自衛権の放棄・日米安保条約)。最後伊福部サウンドで、初期ゴジラとシンゴジラのストーリーに深みを出している。新旧融合しゴジラファンやゴジラに関心が無かった人も日本の代表策と認められる結果が出来た事でしょう。
シン・ゴジラについてのまとめ
表現者野村萬斎さんが、積み重ねてきた全てをシン・ゴジラに注ぎ込み本当に命を吹き込めた言えます。狂言の家に生まれ狂言を受け継ぎ更に進化を重ねる為にヨーロッパで学び狂言に活かして新旧の融合を積み重ねている彼だから成功したのです。シンゴジラは役という単純な役割だけでなく「シン・ゴジラ」の重要な成功の鍵となる大役だったと言えるでしょう。