猿の惑星聖戦記グレートウォーのあらすじをネタバレ！出演キャストも紹介

猿の惑星聖戦記グレートウォーとは、アメリカでは2017年7月に、日本では2017年10月に公開された映画です。人間並みの知能を手に入れた猿と人類の戦いを描き、1986年に衝撃的な作品として公開された猿の惑星シリーズを、新しい解釈と現代の撮影技術でリブートした新シリーズの最終作となります。

これまでの物語の総纏めに当たる最終作であり、なおかつオリジナル版に続く前日譚という事もあって非常に高く注目されていました。また、モーションキャプチャーを進化させたパフォーマンスキャプチャーという技術が全編に渡って導入された子もあり、新しいCGを映画界にもたらした作品と言われています。

猿の惑星聖戦記グレートウォー単体でも楽しめる作品ですが、新シリーズの前作や、旧シリーズを知っているとより深く楽しめます。今回はそんな猿の惑星聖戦記グレートウォーのあらすじや、出演しているキャスト陣、吹き替えを担当した俳優・女優などを紹介します。猿の惑星聖戦記グレートウォーのネタバレが多数あるので、注意してください。

科学実験の結果、人間と同じだけの知能を持ち、自分たちをエイプと呼ぶ猿が出現し、同時に猿インフルエンザという病気によって人類の大半は死滅しました。エイプのリーダーとなったシーザーは生き残った人類との共存を模索しようとしますが、人間の実験動物にされたコバの反乱によって失敗してしまいます。

反乱の結果、人類との全面戦争に突入したエイプたちは北の森へと逃げ込みます。そこでシーザーは表舞台に姿を見せず、聖戦の為の準備をしていると人間達の間で噂されるようになります。一方でエイプたちの中にも裏切者が現れます。

反乱を起こしたコバの部下だったレッドや、人間に殺されたくないと考えるエイプたちはシーザーの元を離れて人間側に味方するのです。こうして絶滅危惧種並みに減ってしまった人間とエイプたちの戦争は最終局面を迎えるのです。

先行きの見えない戦いの中、人間側の軍隊であるアルファ・オメガ部隊が猿に負けてしまい捕虜となってしまいます。死を覚悟した彼らでしたが、エイプの指導者であるシーザーと対面する事になり意外な提案を受けます。それは和平交渉です。シーザーは戦争の先に未来は無いと考えており、捕虜を和平交渉の使者に出来ないかと交渉し、彼らを無傷で送り返します。

平和への活動を続けるシーザーの元に、新天地を探しに行った息子の一人と側近のチームが戻ってきます。彼らは砂漠の向こう側にエイプが安全に暮らせる土地を見つけたのです。新天地の発見に喜ぶシーザーでしたが、その夜に悲劇が起きます。なんと夜中の内に人間の兵士が集落に忍び込み戦闘を仕掛けたのです。

攻撃してきたのは和平交渉の使者として送り返したはずのアルファ・オメガ部隊です。何とか大きな被害が出る前に追い返しはしましたが、アルファ・オメガ部隊の指揮官である大佐によってシーザーの息子と妻は殺されてしまいます。悲しみに暮れるシーザーは新天地に向かう群れから離れ、復讐心から大差を追いかけます。その後ろには古くから付き合いのある側近たちが居ます。

大佐の足取りを追いかける途中で、シーザーたちは人間が放棄したキャンプに立ち寄り、そこで脱走兵と交戦します。脱走兵を殺したシーザーは、キャンプの跡地を調べていると、小屋の中で一人の少女と遭遇します。

身に着けていた道具からノヴァと名前が判明した少女は喋る事が出来ず、脱走兵と共に暮らしていましたが、シーザーが殺した事によって一人ぼっちになってしまいます。見捨てようとしたシーザーに対して、仲間は可哀そうだと訴えた事で彼女も旅に同行する事になります。

人間の少女を仲間に加えたシーザーは、アルファ・オメガ部隊の襲撃以来姿を消していたウィンターを発見します。実は、ウィンターこそ仲間を裏切り集落の位置や侵入経路を手引きした犯人だったのです。大佐の行方を問い詰めると、ウィンターは自分だけ助かりたかったから従ったのだと喚きます。

更には近くを通りかかった人間に助けを求めようとするため、シーザーはウィンターを殺してしまいます。エイプはエイプを殺さないというルールを掲げた自分が、エイプを殺してしまったことに苦悩するシーザーは、その日以来自分と敵対した末に処刑したコパの悪夢を見る様になります。

同族を殺した事に苦しむシーザーたちの前で奇妙な事が起きます。それは人間の兵士が人間の兵士を殺す場面です。銃で撃たれた側で辛うじて息のある者が居たため話を聞こうと近づくと、その人間が拾った少女と同じように喋れない事に気づきます。

どうして彼らは人間の手で殺されたのか、どうして喋る事が出来ないのか理由は分からないまま、瀕死の状態だった兵士を安楽死させ、シーザーたちは先を進みます。

その謎の手掛かりを教えてくれたのは、エイプと同じように英語は喋れるが手話の使えないバッドエイプです。彼は体毛が少ないため、人間が着るような衣服を纏い、寒さをしのぐ変わり者です。ノヴァの事が気になったのか、彼女に来ていたコートを差し出す優しさを持っています。

彼はある動物園で暮らしていましたが、そこが猿インフルエンザ患者の隔離施設となり、更にはアルファ・オメガ部隊の拠点と変わったことを教えます。嫌がるバッドエイプを無理やり説得してシーザーはアルファ・オメガ部隊の基地へと向かいます。

拠点に近づくシーザーたちでしたが、偵察の最中に人間の兵士に見つかり仲間のルカが殺されてしまいます。旅の間、ルカと親しくなっていたノヴァは感情を露わにして悲しみに暮れ、一方でシーザーは自分の復讐に巻き込んでしまったことで仲間を死なせた負い目から、さらに復讐の炎を燃やしてしまいます。仲間の声も虚しくシーザーは仲間から離れていきます。

復讐心に燃えるシーザーでしたが、そこに現れたのはシーザーに対して憎しみを抱くレッドでした。彼は人間側に着き、多数の人間を率いてシーザーを襲います。多勢に無勢だったシーザーは会えなく捕まってしまい、基地へと連行されます。そこで待っていたのは驚くべき光景でした。

アルファ・オメガ部隊の基地でシーザーは新天地に旅立った、もう一人の息子であるコーネリアスやレイクといったエイプたちと再会します。彼らはシーザーと別行動を取った直後に、レッドの協力を得たアルファ・オメガ部隊に捕まってしまい基地へと連れてこられていたのです。

捕まった彼らは食料も水も与えられず、境界に壁を築くための過酷な労働を強いられており、誰も彼も疲弊していました。群れの指導者でありながら、復讐心を優先した結果、群れに大きな危機を招いたシーザーは自分の行いを深く後悔し反省をします。そして、今度こそ指導者として正しい行動を取る為に立ち上がります。

作業中にヘマをした仲間の代わりに、シーザーはむち打ちの罰を受けたり、十字架に張り付けされたりと過酷な拷問を受けます。そんなシーザーに興味を持ったのか大佐がシーザーを呼び出します。

捕まった猿たちの労働環境改善を求めて大佐と交渉するシーザーは、そこで大佐が人間の反逆者であり、エイプたちにやらせている基地の改築が人間との戦争に備えた防壁だと見抜きます。真実に辿り着いたシーザーに大佐は驚くべき事実を語りだします。猿をエイプへと進化させ、多くの命を奪った猿インフルエンザが進化した事です。

進化した猿インフルエンザにかかった人間は、言葉を喋れなくなり、更には理性も失われていき動物同然まで退化してしまうのです。ノヴァや道中で処刑されていた兵士たちは新型猿インフルエンザに観戦した事で言葉を失ったのです。大佐は新型猿インフルエンザに感染した人間を殺して聖戦と称したことで、軍本部と対立していたのです。

大佐は自分の息子が新型猿インフルエンザに感染した際も、躊躇わずに殺しました。その行動は激しさを増していきます。一方で軍上層部は病気なら人間の力で根絶できると考えており、それを甘いと考えた大佐は遂に軍を抜け出し、アルファ・オメガ部隊を結成し、いずれ来る軍との戦いに備えて準備を始めたのです。結局シーザーの交渉は失敗し、シーザーは十字架に磔にされます。

捕まってしまったシーザーやコーネリアスを助けるため、基地の外に居た仲間達が動き出します。猿インフルエンザに感染した患者が作ったと思われる抜け穴を発見すると、彼らはワザと人間に捕まり、基地内部から抜け穴へ皆を誘導するのです。シーザーと合流し計画は上手く行く最中、轟音が響き渡ります。

なんと、人間の軍隊がアルファ・オメガ部隊を壊滅させる為に攻撃を仕掛けたのです。捕まったエイプたちの脱出計画は進む中、地上では人間同士による大規模な戦闘が勃発し、辺りは人間の死体が転がっていきます。そんな中をシーザーは心に残った復讐を果たすべく駆け抜けます。

大佐の部屋に忍び込んだシーザーが目にしたのは、なんと新型猿インフルエンザに感染した大佐の姿でした。実は、シーザーを助けるために基地に忍び込んだノヴァの持ち物を拾ってしまったことで、大佐も感染してしまったのです。喋る事の出来なくなった大佐は、シーザーに殺してほしいと意思を伝えます。しかし、そんな大差を哀れに思ったシーザーは躊躇します。

ベッドに横たわり、新型猿インフルエンザによって退行していく大佐を殺す事は出来ず、シーザーは持っていた銃を大佐に渡します。大佐は銃口をシーザーではなく自分に向けると躊躇わずに引き金を引きます。

結果として復讐を果たしたシーザーは今度こそ仲間と共に脱出します。しかし、人間は黙って逃がしてはくれません。兵士たちは機関銃で仲間達を狙いだします。シーザーは止めるために手榴弾を使ってガスタンクを狙おうとしますが、ボーガンの矢が突き刺さって身動きが取れなくなります。

次々と撃たれていく仲間達に、一度は人間側に着いたレッドも心変わりをし、命を懸けてシーザーのアシストをします。シーザーが爆発させたガスタンクは連鎖して、アルファ・オメガ部隊の基地を一気に吹き飛ばします。その際に起きた衝撃によって雪崩が起きた事で、アルファ・オメガ部隊も、大佐を攻撃しに来た人間の軍も全員飲み込まれてしまいます。

雪崩が収まると生き残っていたのは木の上に逃げていたエイプだけでした。勝利した彼らは再び新天地へと目指し遂に到着します。恵まれた大地に喜ぶ仲間達でしたが、そこから少し離れたシーザーは倒れこみます。実は人間との戦いで深手を負っており、残りの命は僅かでした。新天地に喜ぶ仲間達を優しく見つめながらシーザーは眠りにつきます。こうして猿の惑星聖戦記グレートウォーは幕を下ろします。

猿の惑星聖戦記グレートウォーに登場するエイプたちは、実在するキャストが演技したのをモーションキャプチャし、表面をCG加工しています。そのため、エイプたちを演じたキャストはそのままモーションキャプチャーを担当したキャストになります。

猿の惑星新三部作の主人公であるシーザーを演じたキャストは、イギリスで最も有名なモーションアクターのアンディ・サーキスです。彼は猿の惑星新三部作以外にも、ロードオブザリングのゴラム、キングコングのコング、スターウォーズ/最後のジェダイのスノーク、更にはハリウッド版ゴジラの、ゴジラといった重要キャラクターのモーションキャプチャーを担当した実力者です。

特に、キングコングではコング役の研究の為にアフリカまで飛び、ゴリラと触れあう事で説得力のある演技を身に着けました。その実力を買われ、猿の惑星という大きなタイトルの主人公に抜擢され、新三部作を通じてシーザーというキャラクターを見事演じきった事で評価されています。

また、モーションアクターだけでなくマーベル映画のアヴェンジャーズにも素顔で出演した事や、ロードオブザリングの前日譚であるホビットでは、撮影第二班の監督を任せられ、戦いのシーンを全て担当したことでも話題になりました。モーションキャプチャーを使用する映画界において欠かせない人材と言われています。

猿インフルエンザから人類を守る為に過激になっていく大佐を演じたキャストは、アメリカで活躍しているウディ・ハレルソンです。彼はナチュラルボーンキラーという映画で一躍話題になり、続くラリフリントではアカデミー主演男優賞にノミネートされた経歴を持ちます。近年では猿の惑星と同じく、三部作だったハンガーゲームやスターウォーズのスピンアウト、ハン・ソロに出演しています。

危険な男から間抜けな男まで幅広く演じられる高い実力を持ちつつも、その素性は波乱万丈です。父親がマフィアに雇われた殺し屋だった事を明かし、本人も警官を殴って逮捕されたり、ロンドンではタクシーの後部座席を破壊して逮捕されたり、最近ではパパラッチがゾンビに見えたという理由で殴ったりと騒動を起こしています。

本作が猿の惑星初登場ながら、コミカルな仕草で一気にファンの心を掴んだバッドエイプを演じたキャストはアメリカで活動しているスティーヴ・ザーンです。彼はハーバード大学で本格的に演劇を学んだ俳優でありながら、一方でコメディアンとしても活動している異色の存在です。そのため、重たくなりがちな物語に置いて清涼剤となるバッドエイプに選ばれたと言われています。

猿の惑星新三部作にすべて登場しており、シーザーの良き理解者であるモーリスを演じたキャストは、テレビドラマなどで活躍しているカリン・コノヴァルです。劇中ではオラウータンのため分かりにくいですが、実は女優が演じている事で話題にもなりました。カリン・コノヴァルはテレビドラマを中心に多数の映画にも出演しており、その高い演技力で難しい役どころを見事に演じ切りました。

モーリスと同じで、猿の惑星新三部作にすべて登場し、シーザーの為ならどんな危険な事も挑むロケットを演じたキャストはアメリカ活動するテリー・ノタリーです。彼はアメリカの映画界でモーションキャプチャーとスタンとコーディネーターの二つの顔を持つ男として知られています。

元々、シルクドソレイユのキャストでしたが、ある映画監督に認められ映画内での演技指導を頼まれるようになり映画の世界に飛び込みます。猿の惑星新三部作において、猿らしい演技をキャストに指導したのも彼で、彼が居なければ猿の惑星新三部作が完成するのは難しかったと言われています。その後、アバターやアヴェンジャーズなどのビックタイトルにも参加し、キャリアを積み上げています。

シーザーの復讐の旅に同行し、彼を守って死ぬルカを演じたのはマイケル・アダムスウェイトです。カナダ出身の俳優ですが、声優としてのキャリアが長く、アメリカやカナダのアニメに多く出演しています。また、日本から持ち込まれた作品の英語吹き替えも担当しています。主な出演作は機動戦士ガンダムSEEDシリーズのイザークジュールというキャラクターです。

エイプでありながら人間側に着いた裏切者のレッドを演じたキャストは、カナダで声優と俳優の二足の草鞋を履くタイ・オルソンです。猿の惑星以外にはエイリアンズVS.プレデターや地球が静止する日、GODZILLAなどに出演したキャリアを持っています。

ちなみに、レッドだけがエイプでありながら名字を持っているのは理由があります。それは彼がゴリラという事で、人間側からドンキーと呼ばれているからです。もちろん、ドンキーと呼ばれる理由はあの名作ゲーム、ドンキーコングから付けられています。

前作でシーザーを裏切り、人間への復讐から反乱を起こしたコバを演じたのは、イギリスの俳優でトビ―・ケベルです。本作では死亡しているため、回想シーンとシーザーを責める幻影として登場していますが、短い登場シーンながら鋭い演技で観客に印象を残しています。

トビ―・ケベルはイギリスで注目されている俳優の一人で、実在するバンドの生涯を描いたコントロールでの演技が高く評価され、その後出演したロックンロールではコカイン中毒のミュージシャンを演じり切り話題になりました。

シーザーを公私ともに支えてきた妻であるコ―ネリアを演じたのは、アメリカの女優でジュディ・グリアです。彼女は前作から続投しており、本作では彼女と息子の死によってシーザーは復讐を抱くため、重要な役どころと言えます。

ジュディはロシアバレエのトレーニングを10年間近く受け、その後シカゴにある演劇大学に入学した本格派女優です。その確かな実力が認められ、数多くの映画で主人公を支える重要な役どころに多数出演しています。

シーザーの息子として群れを率いる後継者候補として活躍するブルーアイズを演じたのは、イギリス出身の若手俳優マックス・ロイド＝ジョーンズです。登場シーンは短いながらも、新しい世代の指導者としての演技が評価された彼は、実は本作が初めての映画です。これからが非常に楽しみな俳優と言われています。

ブルーアイズの恋人であり、シーザーからもう一人の息子を預かったレイクを演じたのは、カナダ出身の女優です。映画よりもテレビドラマに数多く出演しており、近年ではリブートされてネットで放送中のレモニー・スニケットの世にも不幸せな物語で重要な役どころを演じています。

猿インフルエンザに感染し言葉を失った少女を演じたキャストは、アメリカで注目の子役であるアマイア・ミラーです。彼女は8歳の頃に両親を説得してモデルデビューを果たし、映画に出演した時はまだ13歳と非常に幼く、それでいて喋れない女の子という難しい役どころを見事に演じた事で今後が期待される女優とされています。

猿の惑星新三部作の主人公であるシーザーの日本語吹き替えを担当したのは、俳優としても活動している小原雅人です。日本舞踊と剣道を得意としており、三谷幸喜の後輩ということもありデビューしたのは同劇団の舞台です。吹き替え声優としてはベン・アフレックを担当しており、彼が出演するジャスティスリーグ関連ではバットマンの声を当てています。

人間側の主要人物である大佐の日本語吹き替えを担当したのは、ベテラン声優の大川透です。青年から中年までを演じきれる声質を持ち、鋼の錬金術師のロイマスタングで一気に知名度を上げた方です。ちなみにロイマスタングというキャラクターは軍人で、作中では階級から大佐と呼ばれていました。もしかしたら、本映画に抜擢されたのはこれが理由なのではとファンの間で噂になっています。

お調子者のバッドエイプの日本語吹き替えを担当したのは、お笑い芸人の柳沢慎吾です。選ばれ時は、「チンパンジー役ならぴったりだな！」と冗談交じりでコメントしていましたが、実は吹き替え声優としての経験を持っています。コメディ映画のマダガスカルシリーズでは主要な登場人物を三作に渡り熱演し、本作でも安定した演技を発揮します。

シーザーの右腕として活躍するモーリスの吹き替えを担当したのは、数多くの吹き替えを経験した斎藤次郎です。映画、テレビシリーズを問わず非常に多くの作品に出演しており、主にイドリス・エルバを担当しています。彼が出演しているマイティ・ソーシリーズでは非常に重要な役どころを任されており、物語に深みを作っています。

シーザーを裏切ったレッド・ドンキーの日本語吹き替えを担当したのは、低く太目な声が特徴の白熊寛嗣です。映画やテレビドラマの吹き替えのみならず、ゲームやアニメにも多数出演しています。主な代表作としては007シリーズのQで、DVD版は一貫して彼が任されています。ちなみに意外ですが、名字の白熊は本名だそうです。

本作では回想や短いシーンのみとなったコバの声を吹き返したのは、ベテラン声優の三宅健太です。多くの作品に出演しており、鋼の錬金術師ではスカーという人気キャラクターを担当しており、大佐の声を吹き込んだ大川透と再び共演しました。

豪華なキャストに最新技術を惜しみなく投入された猿の惑星聖戦記グレートウォーは、ネットでの感想を見る限り満足したという意見が多いです。有名映画の前日譚だけに、厳しい目を向けられていましたが、旧作のファン、そして新たに獲得したファンの両方を満足させる結果に終わったと言われています。

特に家族を殺され復讐に燃えるシーザーの姿は多くのファンの印象に残ったようで、SNSに感想が残っています。また、人間でありながらエイプと共に共存できる可能性を残したノヴァを熱演した、アマイアミラーが印象的だったというコメントもあります。

ファンから満足したという感想を得た本作は、映画関係者からも高い評価を得ています。モーションキャプチャーを担当したキャストの演技を始め、音楽、視覚効果、複雑なストーリーなどが注目され、三部作の結末として物語を綺麗に纏めた点が評価されています。ウェブ上で映画やゲームなどの評価を数値化して掲載するMetacriticでは100点満点中82点と高得点を叩きだしています。

特に注目されたのは主演を務めたサーキスの演技で、ニューヨークで高い影響力を持つニューヨークタイムズで絶賛され、アメリカの有名雑誌ローリングストーンでもサーキスの演技はオスカーを受賞するのに値すると評価し、シリーズ9作目の本作はオリジナル版に匹敵する映画だとコメントしています。

ファンや映画関係者をうならせた本作ですが、興行成績は芳しくありません。というのも、猿の惑星聖戦記グレートウォーが公開されたころは人気シリーズの続編や、古い映画のリブート作品が立て続けに後悔された事で、観客が飽きてしまうのではないかと関係者が頭を悩ませた時期です。そのため、公開前から厳しいのではないかと指摘されています。

実際、公開されると前二作に比べれば興行収入は振るいません。日本での興行成績は新三部作の一作目が24.2億円、二作目が14.2億円に対して三作目の本作は7億と最も低い成績となってしまいました。世界的な興行収入を見ても、やはり三作目は他二作に対して低い結果となっています。

猿の惑星聖戦記グレートウォーを撮影するにあたり、監督のマット・リーブスは様々なハリウッド作品から影響を受けたと語りました。それこそ何百万本の映画を観て、ハリウッドの脚本家が何をするのか想像する所から始めたと、とあるイベントで語っています。そのイベント中、最も影響を受けたのは戦場にかける橋と大脱走だと語りました。

戦場にかける橋とは戦時中に実際にあった、捕虜に対する強制労働をテーマに扱った作品です。タイとビルマの国境付近にある捕虜収容上で日本軍の捕虜となった兵士に対して、鉄道を作らせようとする物語で、作中の捕まえたエイプたちに対する強制労働はここから影響を受けたのだと推測されています。

大脱走はアメリカ映画の傑作と言われており、派手なシーンは無く、囚人が注意深く脱走計画を企てていく映画です。捕まってしまい囚人となったエイプたちが、緻密なまでに計画した脱走を行うシーンはまさに大脱走さながらです。他にもベンハ―や十戒といった聖書・聖戦に纏わる映画や、復讐を果たす為に旅をするアウトローや、大佐が率いる米軍部隊は地獄の黙示録から影響を受けたと言っています。

猿の惑星聖戦記グレートウォーはオリジナル版の前日譚です。そのため、オリジナル版に登場するキャラクターや地名が密接に関わってきます。例えば、新天地を目指したエイプたちは砂漠を横断しますが、その砂漠はオリジナル版に登場する砂漠と同一なのではないかとファンは指摘しています。更に、本作中で重要な役割だったノヴァやアルファ・オメガという名称もオリジナル版に登場します。

新三部作の前二作やオリジナル版に加えて、上記で名前の挙がった映画作品を押さえてから猿の惑星聖戦記グレートウォーを視聴すると、監督の伝えたいメッセージや、どこから影響を受けたのか一目で分かるようになります。全部を網羅するのは大変ですが、やってみる価値はあるはずです。

猿の惑星聖戦記グレートウォーのあらすじや登場するキャスト、吹き替え声優までまとめましたが、楽しんで頂けたでしょうか。猿の惑星聖戦記グレートウォーは単体でも面白い映画ですが、同じ新三部作やオリジナル版を視聴していると、より物語を楽しむことができます。

モーションキャプチャーの第一人者と言われているアンディ・サーキスの熱演や、複雑でいて見ごたえのあるストーリーに、巧みに計算された音楽など、映画の評価されたポイントは幾つもあります。残念ながらアカデミー賞にはノミネートされていませんが、2017年に公開された映画の中で上位に食い込むと言われています。もしも、今回の記事を読んで、興味を持たれたら是非ご覧ください。