X-MEN:フューチャー&パストのネタバレあらすじ!ラスト・結末の感想は?

2014年に公開された『X-MEN:フューチャー&パスト』はX-MENシリーズの過去と現在が繋がる重要な一作です。ストームやウルヴァリンたちで構成される現在のX-MENと、かつては共に歩んだプロフェッサーXとマグニートーたちの過去のX-MEN。映画では歴史改変の波の中、彼らの衝撃的な結末が描かれました。今回はそんな『X-MEN:フューチャー&パスト』についてご紹介します。

X-MEN:フューチャー&パストのネタバレあらすじ!ラスト・結末の感想は?のイメージ

目次

  1. X-MEN:フューチャー&パストのあらすじをネタバレ!ラスト・結末の感想も紹介!
  2. X-MENシリーズとは?
  3. X-MEN:フューチャー&パストのあらすじをネタバレ!
  4. X-MEN:フューチャー&パストのラスト・結末をネタバレ!
  5. X-MEN:フューチャー&パストの出演キャストを紹介!
  6. X-MEN:フューチャー&パストを見た人の感想・評価を紹介!
  7. X-MEN:フューチャー&パストの疑問点をネタバレ解説!
  8. X-MEN:フューチャー&パストのネタバレまとめ!

X-MEN:フューチャー&パストのあらすじをネタバレ!ラスト・結末の感想も紹介!

2014年に公開された『X-MEN:フューチャー&パスト』は20世紀FOXが送るX-MENシリーズの1つです。『X-MEN:フューチャー&パスト』ではそれまで展開されていたウルヴァリンを主人公とする現代のX-MENパートと、若きプロフェッサーXとマグニートーを主人公とする過去のX-MENパートが初めて交差しました。X-MENシリーズのターニングポイントとも言える作品です。

今回はX-MENシリーズの重要な作品である『X-MEN:フューチャー&パスト』を取り上げ、ネタバレを含む映画あらすじや登場するX-MENの紹介、そして『X-MEN:フューチャー&パスト』に関する感想をご紹介します。記事の中には映画のラストに関わる重大なネタバレを含みますのでご注意ください。

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X-MENシリーズとは?

まず始めに、X-MENシリーズとは一体どんなシリーズなのかをご紹介します。X-MENはマーベルコミックス(以下マーベル)が出版するアメコミヒーローチームです。マーベルヒーローの映画シリーズとしては『アベンジャーズ』に代表されるマーベルシネマティックユニバースシリーズ(以下MCU)が有名ですが、映画のX-MENシリーズは配給元が違うためまったく別の世界観となっています。

MCUを制作・配給しているのはディズニースタジオ、対してX-MENシリーズを手がけるのは20世紀FOXです。そのため、同じ出版社で生まれたヒーロー同士であってもアベンジャーズとX-MENはスクリーン上で共闘することは不可能でした。

ここでは、そんなX-MENが映画ではどんな活躍を見せてきたか、そして原作ではどのようなヒーローたちなのかの2点を詳しく解説します。どちらもネタバレを含みますのでご注意ください。

原作コミックでのX-MENは?

X-MENは1963年にマーベルに登場しました。61年に登場させたヒーローチーム、ファンタスティック・フォーの好評を受けて、マーベルはヒーロー単体よりヒーローチームの作成に励んでいた時代です。63年はX-MENだけでなく、アベンジャーズもデビューした年でした。

3つのヒーローチームは絶妙に特徴が違っていました。家族全員がスーパーパワーを持つファミリーチームのファンタスティックフォー、個々で活躍していたヒーローが集結したアベンジャーズ、そしてプロフェッサーXの指揮の下に組織されたチームがX-MENです。X-MENは若い頃から正義の心を教育されてきた者たちで構成されているため、いわば「プロのヒーロー組織」でした。

しかし同時に圧倒的な「社会的弱者」でもありました。彼らは「ミュータント」と呼ばれる先天的にスーパーパワーを持つ突然変異の人類だったのです。ほとんどのヒーローが事故や科学技術によってスーパーパワーを得た普通の人間である中で、X-MENは生まれながらにして人ならざる能力を備えてた者たちでした。

このコンセプトは当時非常に先進的なものでした。スーパーパワーで地球の平和を守るX-MENは、ひとたび街に出ると周囲の人々から奇異な目で見られ、酷いときには化け物呼ばわりされます。ヒーローであるにも関わらずX-MENは人里離れた「恵まれし子らの学園」で人目を忍んで暮らさなければなりませんでした。X-MENシリーズはアメリカの差別問題に真っ向から切り込んだ作品でした。

上の画像は原作の1コマです。「貴方は自分の子どもが何なのかわかっていますか?」という見出しと共に子どもの写真が並べられそのうちの1人に「ミューティー(ミュータントの蔑称)」と大きく書かれています。X-MENを始めとするミュータントは常にこのような扱いをうけていました。

原作のX-MENはファンタスティックフォーとよく対比されます。ファンタスティックフォーは天才科学者リード・リチャーズとその妻のスー、スーの弟のジョニー、リードの大親友のベンから構成される身内ばかりのファミリーヒーローチームです。彼らはロケット事故で宇宙線を大量に浴び、ある日突然スーパーパワーを持ちました。X-MENとは違って後天的にパワーを得たチームです。

彼らがX-MENと衝突するとき、必ずと言ってもいいほど飛び出る罵り言葉が「ミュータント野郎!」です。同じように尋常ならざる能力持つヒーローであっても、「元からそうだった」のか「偶然そうなった」のかで無意識に差別意識が生まれているということが描かれています。逆にX-MENもファンタスティックフォーを宇宙線の被爆者として差別的に罵ることもあります。

こうした彼らの衝突は、ピンチに颯爽と現れて敵を倒して笑顔で去るというコミック・ヒーローのイメージを塗り替えました。どれだけスーパーパワーを持ったヒーローチームであれ、彼ら一人一人は読者と同じただの人間。時には目を覆いたくなるような心の闇を抱えていることを浮き彫りにしました。しかしそんな生々しさが、新しいヒーローとして読者に受け入れられたのです。

原作のX-MENで重大なテーマになっている「差別」は映画のX-MENシリーズでも非常に重要視されています。今回取り上げている『X-MEN:フューチャー&パスト』でもこの問題を軸にストーリーが展開します。「差別」受けながらも「差別」してくる人間を守ろうとする、勇敢で苦しみに満ちたヒーローたち、それがX-MENなのです。

映画の中のX-MEN

次は映画X-MENシリーズにおけるX-MENをご紹介します。『X-MEN:フューチャー&パスト』を含む、様々なX-MENシリーズの映画のあらすじをネタバレしているのでご注意ください。

映画のX-MENシリーズはミュータントの一人、ウルヴァリンを主役にして制作されています。これは原作でのウルヴァリンが非常に人気の高いキャラクターである点と、ウルヴァリンがX-MENのテーマである「差別」に最も深く関係するキャラクターだからです。

第一作目『X-MEN』ではウルヴァリンがX-MENに加入し、マグニートーと戦うところまでが描かれました。ウルヴァリンは高い治癒能力をミュータントであり、全身に流し込まれたアダマンチウム(特殊な金属)の一部を手の甲から飛び出させて戦います。ウルヴァリンはかつてその高い治癒能力を理由に、軍主導の実験で無理やりアダマンチウムを流し込まれたのでした。

これこそがウルヴァリンが「差別」に深く関わる所以となっています。ウルヴァリンは治癒能力のあるミュータントだったがために、軍につかまり、あたかも動物のような扱いを受けながら実験されたのです。当時ミュータントに人権は認められず、特殊な動物として扱われていました。ウルヴァリンの鉤爪は、ミュータントが受けた差別の象徴です。

『X-MEN2』『X-MEN:ファイナルディシジョン』では孤独だったウルヴァリンが「恵まれし子らの学園」で自分の居場所を見つけ出し、わずかな期間ながらも満ち足りた生活を送る様子が描かれます。今までは生きるために戦っていたウルヴァリンでしたが、学園に来てからは同じミュータントの仲間たちのため、人類のために戦う目的を持つようになりました。

ウルヴァリンの心を変えたのは彼を受け入れたプロフェッサーXでした。プロフェッサーXはテレパス能力を持つX-MENの指導者です。ウルヴァリンに住む場所を与え、人のために戦う尊さを教えたのがプロフェッサーXでした。以後、ウルヴァリンは学園崩壊後もプロフェッサーXを見捨てられず、彼を支え続けることになります。

その後公開された『ウルヴァリン:ゼロ』『ウルヴァリン:SAMURAI』はウルヴァリンの人生に焦点を当てた作品です。他のX-MENのメンバーはほとんど出てきません。これらの作品はウルヴァリンというキャラクターをより深く知るためには有効な作品ですが、シリーズ長期化に伴い一部の内容が完全になかったことにされている点に注意が必要です。

ウルヴァリンの物語が一区切りを迎えた頃、X-MENシリーズは新たな物語の軸を打ち出します。それが『X-MEN:ファーストジェネレーション』です。この映画の舞台は1960年代を舞台にしており、主役は若き日のプロフェッサーXです。チャールズ・エグゼビアによってどのようにしてX-MENは結成されたのか、そしてなぜマグニートーはチャールズの下を離れ、悪の道に走ってしまったのかが描かれました。

この「過去」のX-MENシリーズには賞賛する感想が多く寄せられました。今まで謎が多かったプロフェッサーXとマグニートーの関係がようやく詳らかになったことが肯定的な感想が集まる理由でした。『X-MEN』シリーズから始まる「現代の」X-MENシリーズでは、マグニートーは冷酷なテロリストでありながらもプロフェッサーXと仲が良いという不思議なヴィランでした。

マグニートーが人類の粛清とミュータントによる支配にこだわる理由は、『X-MEN:ファーストジェネレーション』で起きた事件が大きな要因でした。多数の犠牲を伴ったX-MEN最初の戦いを経て、プロフェッサーXはそれでも人類に寄り添おうとしましたが、マグニートーはこの世界のままではミュータントに居場所はないと確信します。

こうして二人の道は分かれ、第一作目『X-MEN』に繋がるのです。つまり、時系列に並べると『X-MEN:ファーストジェネレーション』『X-MEN』『X-MEN2』『X-MEN:ファイナルディシジョン』になります(ウルヴァリン単独作品は除いています)。そしてこの4作品を前提に作られたのが『X-MEN:フューチャー&パスト』です。

『X-MEN:フューチャー&パスト』はフューチャー&パストの名のとおり、「過去」のX-MENと「現代」のX-MENを同時に描いた作品です。そのため今までのシリーズを見ないと内容がわからない部分もありますが、シリーズの集大成としては非常に良かったという感想が多く寄せられました。

『X-MEN:フューチャー&パスト』のあとは『X-MEN:アポカリプス』『ローガン』などの作品に繋がっていきます。『X-MEN:アポカリプス』については別の記事でご紹介しているのでそちらをご覧ください。

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X-MEN:フューチャー&パストのあらすじをネタバレ!

それでは、映画『X-MEN:フューチャー&パスト』はどんな映画だったのでしょうか?ここからは『X-MEN:フューチャー&パスト』のあらすじをネタバレ解説します。ラストまで全てネタバレしているのでご注意ください。

X-MEN:フューチャー&パストまでの道のりをネタバレ!

『X-MEN:フューチャー&パスト』のあらすじをネタバレ解説する前に、『X-MEN:フューチャー&パスト』に至るまでのX-MENシリーズのあらすじを解説します。ネタバレを含む解説なのでシリーズ未見の方はご注意ください。

第一作目『X-MEN』から『X-MEN:ファイナルディシジョン』までの時代は、チャールズ・エグゼビアことプロフェッサーXが創設した「恵まれし子らの学園」でミュータントは保護されていました。学園にはセレブロというテレパスを増幅させる機械があり、チャールズはそれを駆使して世界中のミュータントの子供を学園に招待しました。

ミュータントの子供たちは親から厄介払いをされる形で、あるいは親に能力を隠したまま学園に入学しました。彼らは理解のない両親と普通の暮らしを強いられるよりも、チャールズの元で伸び伸びと暮らすことに幸せを感じていました。同時にチャールズは、「能力を何に使うか」について子どもたちに教育しました。

チャールズはミュータントの力を障害や忌むべきものではなく神から授かった能力と捉えていました。「恵まれし子らの学園」という名前もその考え方に則ってつけられたものです。正しい使い方をすれば、ミュータントの力はきっと人類の助けになるとチャールズは信じていました。また、そうあるべきだと考えていたのです。

サイクロップス、ストーム、ジーン・グレイは学園で教師兼ヒーローを務めていました。そこへウルヴァリンが加わり、4人がX-MENとして活躍するようになったのです。サイクロップスは目からブラスターを放ち、ストームは嵐を操り、ジーン・グレイはチャールズの次に強力なサイキック能力を有していました。

彼らの敵はしばらくマグニートー率いるミュータントのテロ集団でした。マグニートーたちはミュータントが支配する社会を目標に残虐な事件を起こしていました。それを止めることこそがX-MENの使命でした。

しかし、X-MENの活躍は衝撃のラストを迎えました。X-MENのメンバーであるジーン・グレイがチャールズを上回るほどのパワーに目覚め、暴走ミュータント・ダークフェニックスになってしまったのです。ウルヴァリンは彼女を愛していましたが、もはやジーンを止めるには殺すしかありませんでした。

こうして『X-MEN:ファイナルディシジョン』はかつての仲間を殺めるという残酷なラストを迎えました。そしてここからX-MENシリーズの時間が巻き戻り、ウルヴァリンの過去やチャールズの過去が明らかになります。『X-MEN:フューチャー&パスト』に続く物語は『X-MEN:ファーストジェネレーション』から始まりました。

ファーストジェネレーションから始まる物語はチャールズとエリックの物語です。エリックは強力な磁力を操るミュータントとして孤独に生きてきましたが、チャールズと出会うことで共に戦うことを受け入れました。チャールズによって孤独ではなくなる点はウルヴァリンの人生とも重なります。

しかしエリックはミュータントを差別し続ける人間を許しきれませんでした。いくらミュータントが世界を救うために立ち上がろうと、人間たちは彼らを受け入れません。エリックはそれに我慢がなりませんでした。こうして唯一の親友だったチャールズの元を去り、脅威のヴィラン・マグニートーとして活動することになるのです。

チャールズとエリックの決裂というラストを迎えた『X-MEN:ファーストジェネレーション』ですが、次の『X-MEN:フューチャー&パスト』では一気に物語の規模が広がり、今までのX-MENシリーズの雰囲気とも大きく違った様相を呈しました。次は『X-MEN:フューチャー&パスト』のあらすじをラストまで一気に解説します。

ミュータント対人類の戦い

『X-MEN:フューチャー&パスト』は過去パートと現代パートが並行して進んでいきます。ここで言う現代パートは『X-MEN:フューチャー&パスト』内での現代なので、2014年(公開当時)ではありません。『X-MEN:ファイナルディシジョン』から数年後の2023年という設定です。また、過去パートは1973年という設定です。

「現代」では既に多くのミュータントが抹殺されていました。それもマグニートーのような悪のミュータントによってではありません。人間が開発した対ミュータント兵器センチネルによってミュータントたちはまるで害虫駆除のように殺されていたのです。

ウルヴァリンたち数人のミュータントはこの過酷な抹殺政策から必死に逃れていました。生き残っているミュータントはウルヴァリン、プロフェッサーX、ストーム、シャドウキャット、アイスマン、コロッサス、ビショップ、ブリンク、サンスポット、ウォーパス、そしてマグニートーでした。

このままではミュータントは絶滅するしかありません。プロフェッサーXは最後の手段として「センチネルが開発された事実」を消し去ることを選択しました。つまりミュータントの未来のために歴史改変を行なおうと言うのです。改変の使者には高い耐久力を持つウルヴァリンが選ばれました。ウルヴァリンはシャドウキャットの能力で精神だけを1973年に飛ばすことに成功しました。

ここから、過去に飛んだウルヴァリンがセンチネル開発を阻止する過去パートとウルヴァリンが戻ってくるまで背水の陣で戦うプロフェッサーXたちの現代パートに分かれます。ウルヴァリンは1973年に戻ったことを確かめると、「恵まれし子らの学園」に向かいました。しかし、そこで待っていたのは廃人同然の若きプロフェッサーXでした。

チャールズはエリックと袂を分かったあと、増幅する自らの力を抑えるためにハンクの作った薬を多量に摂取していました。ハンクもまた青い毛にまみれた自身の姿を抑制するために薬を使っていました。二人とももはや戦う意思はありませんでした。良き教師良きヒーローである二人を知っているウルヴァリンは驚きを隠せません。

ウルヴァリンは必死に二人を説得して、自分がミュータントのために未来から来たことを説明しました。始めは半信半疑だったチャールズとハンクもやがて手を貸すことを承諾します。そしてマグニートーにも協力を仰ぐことになり、彼の脱獄(当時マグニートーは逮捕されていました)のために新たなミュータントに声をかけました。

その声をかけられたミュータントがこの映画で初登場のクイックシルバーです。クイックシルバーは超スピードで動くことができるミュータントで、ノリのいい少年でした。ネタバレになりますが、彼は原作ではマグニートーの息子です。かくして、クイックシルバーの早業でマグニートーは脱獄に成功しました。

始めは反発していたエリックでしたが、チャールズが薬を使って自ら能力を捨てたと知り、しばらくは行動を共にすることを了承します。エリックもチャールズもミュータントの現状を救いたいという思いは一致しており、チャールズは今まさにそれで苦悶している姿はエリックにとっても辛いものでした。

センチネル・プログラムを阻止できるのか?

エリックとチャールズは仲直りしたのも束の間、センチネル開発のきっかけである科学者トラスクをミスティークが暗殺しようとしたことで事態は一変します。ウルヴァリンたちは暗殺を阻止できましたが、この様子はTVカメラで全国放送されてしまい、「ミュータントが一般人の暗殺を企み大暴れした」という認識を世間に植えつけてしまいます。この件が反ミュータント運動を激化させ、センチネル開発を早めたのです。

チャールズはミスティークにテレパスで戻ってくるよう説得しましたがいい結果は得られませんでした。さらにエリックは世間の様子を見て再度人類に失望を抱くことになります。エリックはセンチネルのプロトタイプに金属を仕込み、いつでも自分が操れるよう工作しました。エリックはもはやチャールズたちに協力する気はありませんでした。

センチネルプロトタイプがホワイトハウスで披露されたとき、センチネルはエリックの手によって暴走しました。もはやそこに居るのはチャールズの親友エリック・レーンジャーではなく、悪のミュータント・マグニートーでした。チャールズは悲しむ間もなく、ウルヴァリンとハンクと共に彼を止めなければなりません。

その頃「現代」ではセンチネルとミュータントの最後の決戦が行なわれていました。皆必死に戦いましたがセンチネルに動きを奪われ、ある者は生きたまま焼き殺され、ある者は串刺しになって死んでいきました。それはかつてX-MEN最大の強敵と謳われたマグニートーも例外ではなく、親友のプロフェッサーXを守ろうとして命を落としました。

センチネル開発に関わった全ての者を殺そうとしたマグニートーはミスティークによって止められました。ミスティークは自らの手でトラスクを殺そうとしますが、チャールズの必死の説得により踏みとどまります。かくして1973年、センチネル開発計画は頓挫することになったのです。

ウルヴァリンが目を覚ますと、そこは自分が入園したことの「恵まれし子らの学園」でした。歴史を改変したことで「センチネルが開発されなかった世界」になっていたのです。学園には死んだはずのサイクロップス、ジーン、ストーム、あらゆる生徒たちが生き返っていました。ウルヴァリンが慌てて校長室に行くとそこにはプロフェッサーXの姿が。

プロフェッサーXはウルヴァリンの頭の中を読み取り、何が起きたのかを全て悟ります。そしてウルヴァリンに優しく微笑み、感謝の言葉を告げます。歴史が改変された今、前の「ミュータント絶滅の世界」を知る者は改変の当事者であるウルヴァリンと、彼の記憶を覗いたプロフェッサーXしかいませんでした。

ThumbX-MENはどの順番で見るべき?映画公開順か時系列かを徹底分析 | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]

X-MEN:フューチャー&パストのラスト・結末をネタバレ!

ここまで『X-MEN:フューチャー&パスト』のあらすじを始めからラストまでざっくりご紹介しました。しかし『X-MEN:フューチャー&パスト』のラストは少々難解で、初めて見た方には理解が難しい部分もあります。そこで、ここからはラスト部分だけを詳しくネタバレ解説します。

センチネルが暴れ出す~エリック阻止まで

ホワイトハウスでセンチネルプロトタイプが披露されるシーンから戦況が一気に複雑化します。「現代」のミュータントたち・チャールズとハンクとウルヴァリンの3人・ミスティーク・マグニートーと4つの陣営がそれぞれ並行して動くからです。特にミスティークの動向には気をつけなければなりません。

そもそもミスティークは今回の事情を何一つ知らず、偶然トラスクを追った形になっています。つまり彼女は単独の暗殺者なのです。ミスティークは米軍に居たミュータントたちを解放したあと、かつての仲間(『X-MEN:ファーストジェネレーション時代の仲間)が酷い人体実験で命を落としたことを知ります。そこでその首謀者であるトラスクの暗殺に乗り出したのです。

そのような事情から、ミスティークはなぜマグニートーが脱獄したのかも知りませんし、チャールズと共に居るウルヴァリンが誰なのかも知りません。当然、ウルヴァリンがミュータントの未来を救うためにやってきたことも知らないのです。あくまでも彼女は仲間の敵討ちのために動いています。

ミスティークからしたら、チャールズと仲直りしたようだったエリックがまたマグニートーの格好をして大暴れをしていて不可解だったと思われます。しかし、エリックの宣戦布告を聞いて多くの犠牲者が出ると悟った彼女は、この場だけは収めるべきと、エリックをプラスチック銃で撃って止めるのです。

そして敵を討とうとトラスクに銃口を向けた際、チャールズの呼びかけを聞きました。ミスティークは悩みましたが、最後はチャールズの説得を聞き入れ銃を下ろします。ミスティークは一貫して「かつての仲間」のために動いています。だからこそ「仲間」であるチャールズの言葉に耳を貸したのです。ミスティークにとって仲間は自分の居場所であり、家族でした。

この彼女の性格はラストのウルヴァリン救出にも見て取れます。戦闘でマグニートーに吹っ飛ばされたウルヴァリンを、ミスティークはウィリアム・ストライカーに化けて米軍主導の下救出させました。このシーンは演出が曖昧だったので様々な憶測を呼びましたがウルヴァリンを救出する意図であったと公式が発表しました。(後ほど解説します)

ウルヴァリンが戻った2023年の世界

ウルヴァリンが戻ってきた様子が描かれるラストシーンもたくさんの情報が詰まっています。まずウルヴァリンが戸惑いながら学園を歩くシーンではX-MENシリーズの中で死んでいった仲間たちが総出演しています。サイクロップス、ジーン・グレイなどは『X-MEN:ファイナルディシジョン』で死亡しています。

前の世界を知ることができるのはウルヴァリンとプロフェッサーXだけです。こうしてウルヴァリンは再びヒーローチームX-MENの一員として生きていけるようになりました。しかし、ラストシーンの後、エンディングロールの予告映像で不穏な影が映ります。ピラミッドを作る不気味な男です。

これは『X-MEN:アポカリプス』で戦うアポカリプスと呼ばれるヴィランです。『X-MEN:フューチャー&パスト』で新しい世界になったことでアポカリプスが目覚める世界になってしまったのです。ただし、『X-MEN:アポカリプス』の舞台は1983年、つまり『X-MEN:フューチャー&パスト』の過去パートの続編ということになります。

映画『X-MEN:アポカリプス』オフィシャルサイト| 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント| 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント

X-MEN:フューチャー&パストの出演キャストを紹介!

ここでは『X-MEN:フューチャー&パスト』のキャストをご紹介します。今作は過去と現代の二つのパートに分かれているため非常に多くのキャストが出演しました。その中から主要キャストをピックアップしてご紹介します。

ウルヴァリン役はヒュー・ジャックマン

ウルヴァリン役を務めるのはおなじみのヒュー・ジャックマン。彼は過去パートでも現代パートでも共通して演じています。ウルヴァリンは強い治癒能力があり老いのスピードも非常にゆっくりなため、ほとんど見た目に違いはありません。2023年だと少し白髪交じりになっています。

プロフェッサーX役はパトリック・スチュワート/ジェームズ・マカヴォイ

プロフェッサーXは過去パートでジェームズ・マカヴォイが、現代パートでパトリック・スチュワートが演じています。映画では能力を取り戻すのと引き換えに下半身不随になっており、過去・現代の双方でプロフェッサーXは車椅子で移動していました。

原作だと強すぎるテレパス能力の影響で頭髪が抜けたことになっていますが、映画ではそのような設定は明言されませんでした。プロフェッサーXがスキンヘッドになってしまったのは単純に老いの結果であるようです。

マグニートー役はイアン・マッケラン/マイケル・ファスベンダー

マグニートー役は現代パートをイアン・マッケランが、過去パートをマイケル・ファスベンダーが演じます。現代パートでは若いミュータントたちに劣らない戦闘能力を発揮し、最後の最後まで戦いをやめない誇り高い老戦士でしたが、過去パートではまだ気性の荒さを残しています。

この違いがエリック・レーンシャーという男の人生を表しているようで観客からは好評を博しました。また、現代パートではチャールズに思考を読み取られないように被っていたヘルメットを脱いでおり、チャールズを心から信頼している様子が伺えます。

ミスティーク役はジェニファー・ローレンス

ミスティークは過去パートにしか登場しません。ジェニファー・ローレンスは『X-MEN:ファーストジェネレーション』からの出演です。それまではレベッカ・ローミンがミスティークを演じていました。

X-MEN:フューチャー&パストを見た人の感想・評価を紹介!

では、『X-MEN:フューチャー&パスト』を観た人たちはどのような感想を持ったのでしょうか?あらすじ全体の評価からラストシーンへの印象までこの映画に対する感想は賛否両論でした。ここではそれぞれの感想をいくつかご紹介します。(感想によってはネタバレが含まれます)

今までバラバラのピースだったX-MENシリーズが一つにまとまった!

X-MENシリーズファンが多く持った感想は「X-MENシリーズが1つにまとまった」というものでした。ウルヴァリンを主軸としたヒーローチームX-MENの物語と、若きプロフェッサーXの物語、この二つが交差したのが『X-MEN:フューチャー&パスト』ですから、長いファン暦の人にとっては喜ばしい作品になりました。

同時に、長くなりすぎたX-MENシリーズを終わらせる(一区切りつける)作品としても高い評価を得ました。身を削って戦い命を落としていくミュータントたちを見てファンは涙しましたが、それでこそ偉大なヒーローだと賞賛する声も上がりました。特にラストバトルにおけるマグニートーとプロフェッサーXの最期はファンの心に響きました。

タイムワープものならではの面白さがある!

『X-MEN:フューチャー&パスト』ではめずらしくウルヴァリンの出番は控えめで、主役でありながら狂言回しのようなポジションを担っています。未来を知った状態で過去に飛んだウルヴァリンは言わばメタ的な要素を含んだキャラクターであり、観客と最も近い状況と言えるからです。このウルヴァリンの役回りはX-MENシリーズでは新鮮な面白さがありました。

このユニークさはマグニートー合流までの流れで顕著に見られました。当時のエリックとチャールズは別れた気まずさもありながら相手に苛立ってる状態でもあります。二人は真剣ですが、ウルヴァリンは彼らが老人になったあともチェスをしたり内緒話をする仲であることを知っています。そのため悩める若者二人に対し、やけにドライなウルヴァリンが笑いを誘うのです。

他のシリーズを見てない人にとっては難しい内容

ここからは否定的な感想になります。『X-MEN:フューチャー&パスト』は「X-MENシリーズのあらすじを全て把握してないと理解が難しい」という指摘がいくつも見られました。この映画はX-MENシリーズのひとまずの決着という形で作られたので当たり前ですが、他のX-MEN映画を知らないとラストまでついていけない内容になっています。

そのため「新規ファンを見込める内容じゃない」というのが否定的な感想の筆頭に挙がっています。しかしこのような感想に対して「この映画は新規ファン獲得のための映画ではないので問題ない」という反論もあります。どちらにせよ、この映画だけでは理解が難しいというのはファンの間では共通の見解のようです。

ラストを含めどの設定が生きてるのかわからない

シリーズファンからの不満では「どの設定が死んでどの設定が生きてるのかわからない」というものがあります。X-MENシリーズはその長さから全ての過去作品の設定が採用されてるわけではなく、いつの間にかなかったことになってる設定も多々あるのです。

代表的なのが『ウルヴァリン:ゼロ』の設定です。この映画に出てくるチャールズは既に学園を再開しているにも関わらず自らの足で立っています。『X-MEN:フューチャー&パスト』で彼は学園再開前に能力と引き換えに立てなくなっているので、この設定はなくなったことを意味してます。

最もファンが困惑したのはラストシーンでした。ラストではミスティークがウルヴァリンを救出したことになっています。ウルヴァリンはウィリアム・ストライカーに捕まってアダマンチウムを流し込まれたので、ミスティークに捕まったらそのあたりの設定がガラっと変わるのではないかと議論されました。

しかしネタバレになりますが、次作『X-MEN:アポカリプス』では結局ウルヴァリンは米軍に捕まっていたことになっています。つまり『X-MEN:フューチャー&パスト』のラストシーンの設定が早くも無くなっているのです。このような地味な設定の変更にファンは困惑しました。

この問題は先ほど紹介した「他作品のあらすじを把握してないと今作は理解が難しい」という点にも繋がっていきます。「あらすじを把握してないと」、ということはあらすじさえ把握してれば『X-MEN:フューチャー&パスト』は理解できるのかという話になりますが、このように設定がひっきりなしに消えてるのでたとえあらすじを把握していても理解できるか怪しいのです。

面白い!でも予習はしておいたほうがいいかも?

『X-MEN:フューチャー&パスト』の感想はおおむね肯定的なものが多かったようです。しかしあらすじを追うのだけでも複雑な展開や、過去の作品群の知識がないと理解できないシーンが大量に含まれている点などがあるため、ある程度ネタバレ込みで今までのX-MENシリーズのあらすじを予習しておくのがいいかもしれません。

X-MEN:フューチャー&パストの疑問点をネタバレ解説!

予習してないと理解が難しいと評判の『X-MEN:フューチャー&パスト』。ここでは鑑賞後に疑問に残りやすいシーンをネタバレ解説していきます。今までご紹介したあらすじも参考にご覧ください。

結局何が起きた?皆は生き返ったの?

『X-MEN:フューチャー&パスト』のラストでウルヴァリンが戻ってきたとき、学園には平和が戻り、みんなが生き返っていました。このシーンがまったく理解不能という人は少なからず居るようです。かいつまんで言うと『X-MEN:フューチャー&パスト』は今までのX-MENシリーズを全てリセットするために作られたものなので「生き返った」というよりは「世界ごと変わった」と認識するほうがいいかもしれません。

よって、『X-MEN:フューチャー&パスト』からあとの作品は過去のX-MENシリーズの内容を忘れてもいいと言っても過言ではありません。しかしそれはストーリーや世界観の点であって、キャラクターの説明は「過去作を参考にしてね」というスタンスのためやはり予習は必要です。

チャールズとエリックはいつ仲直りした?

過去パートでチャールズとエリックが別れるため、現代パートで共闘していることに疑問を持つ人は居るようです。しかし、そもそもチャールズとエリックは絶縁状態でもなければ仲が悪いわけでもありません。X-MENの初期三部作ではX-MEN相手にヴィランを務めたマグニートーでしたが、その間にもチャールズとはチェスをしたり昔話をしたりするくらいには仲良しでした。

チャールズとエリックは対立してるだけで敵対しているわけではありません。「ミュータントの未来のため」という目標は一致しており、それに到達するための手段が違うだけです。今回は他に手段が取りようがない状況なので共闘しています。『ウルヴァリン:SAMURAI』のラストでは二人がウルヴァリンを仲間に引き入れるシーン挿入されました。

X-MEN:フューチャー&パストのネタバレまとめ!

いかがでしたでしょうか?今回は『X-MEN:フューチャー&パスト』をネタバレ解説しました。展開が複雑で予備知識も必要な映画なので、観るときは万全の準備をして臨むといいかもしれません。

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