【ドクター・スリープ】あらすじと結末をネタバレ!前作シャイニングとの関係は?

モダン・ホラーの開拓者である作家スティーヴン・キングの傑作『シャイニング』。映画化され話題となったその作品の続編『ドクター・スリープ』が映画化されました。ここでは『ドクター・スリープ』のあらすじと衝撃のラスト・結末をネタバレありで紹介していきます。ネタバレあらすじを見たくないという人はご注意ください。また、前作『シャイニング』との繋がりや、映画を視聴した人々からの評価なども紹介していきます。

【ドクター・スリープ】あらすじと結末をネタバレ!前作シャイニングとの関係は?のイメージ

目次

  1. ドクター・スリープとは?
  2. ドクター・スリープのあらすじ結末ネタバレ
  3. ドクター・スリープとシャイニングとの関係は?原作との違いも紹介
  4. ドクター・スリープの結末・ラストの意味をネタバレ考察
  5. ドクター・スリープの登場人物とキャスト一覧
  6. ドクター・スリープの見どころや魅力
  7. ドクター・スリープはつまらない?感想や評価を紹介
  8. ドクター・スリープのあらすじネタバレまとめ

ドクター・スリープとは?

ドクター・スリープの映画の概要

映画『ドクター・スリープ』は、アメリカ合衆国の作家スティーヴン・キングが書いたホラー小説『ドクター・スリープ』を原作としています。映画が公開されたのは2019年11月。スタンリー・キューブリック監督によって映画化された作品『シャイニング』の続編にあたる物語で、世界観は『シャイニング』の40年後となっています。

監督・脚本・編集を担当したのは、数々のホラー映画を世に送り出してきたマイク・フラナガン。配給はワーナー・ブラザースでした。前作『シャイニング』の要素が作中に取り入れられており、『シャイニング』ファン、スティーヴン・キングの間で話題となった作品です。

ドクター・スリープの原作情報

映画の原作となった本『ドクター・スリープ』はスティーヴン・キングによって生み出され、2013年9月24日に発行されました。発行元はスクリブナー。ジャンルはホラーで、ページ数は531ページです。

1977年に発表されたホラー小説『シャイニング』の40年後を描いた続編ということで、スティーヴン・キングのファンはもちろん、多くの読書家から注目を集めました。本作は2013年にブラム・ストーカー賞小説部門を受賞しています。日本で邦訳版が発売されたのは2015年。文春文庫から出版されました。

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ドクター・スリープのあらすじ結末ネタバレ

あらすじネタバレ①殺害されたヴァイオレット

1980年、フロリダ州にてヴァイオレットという少女が殺害されました。犯人は、ローズ・ザ・ハットという女性が率いる謎の集団。ヴァイオレットは、前作『シャイニング』に登場した少年ダニー・トランスと同じ超能力「シャイニング」の持ち主でした。ローズたちはシャイニングを持つ特別な子供を狙っており、そのためヴァイオレットは捕まって殺されてしまったのです。

あらすじネタバレ②大人になったダニー

かつてオーバールック・ホテルで錯乱した父に殺されかけ、母親と共になんとか逃げて生き延びたダニー。彼は大人になり、ダンと名乗って生活していました。過去のトラウマは事件から数十年の時が経った現在でもダンを苛み、彼は父親と同じようにアルコール依存症を抱え、さらに薬をやったり女と遊んだりするなど、堕落した日々を送っています。

彼は今でも超能力「シャイニング」を持っていました。シャイニングによって、ホテルで殺されてしまった元シャイニング保持者の死者ディック・ハロランと会話することができたダン。ダンの前に現れ彼を導くディックは、堕落した生活を送るダンに正しい行いをするよう告げます。その言葉を受けて、ダンは今の生活を変える決意を固めました。

あらすじネタバレ③目覚めたアンディ

所変わって、ニューヨーク州ロングアイランドにある映画館。自分の言葉に他人を従わせることができる少女スネークバイト・アンディは、今日も人を操って思うままにしていました。その力を高く評価し目をつけたのが、ローズたちです。ローズたちはアンディを拉致し、彼女に自分たちの仲間になるよう迫りました。自分たちの仲間になれば、今の若さを長く保てるというのです。ローズたち集団の名前は「トゥルー・ノット」。

ヴァンパイアが人の生き血をすすって長い時を生きるように、シャイニングを持つ子供を拷問・殺害することで得られる白い気体「スチーム(生気)」を食らうことで、長い時を生きてきた人ならざる者たちの集まりです。アンディはトゥルー・ノットの儀式を受け、ローズたちの仲間になりました。言葉で人を操れるアンディを仲間にしたことにより、ローズたちはよりシャイニングを持つ子供たちを誘拐しやすくなりました。

あらすじネタバレ④猫の不思議な力

ダンはニューハンプシャー州にあるフレイジャーという田舎町にやってきました。そこで親切な男ビリー・フリーマンと出逢い、彼に住む場所と仕事、さらにアルコール中毒者の更生を後押ししている支援団体も紹介してもらいます。カウンセリングに参加したダンはそこでジョン・ダルトン医師と知り合い、彼の誘いでホスピスでの仕事も得ることができました。

そのホスピスには、アズリール(アジー)という猫が住んでいました。アジーは時折、ふらりと患者の部屋を訪れます。アジーが訪れる部屋の患者は死期を迎えた者ばかりで、アジーは死を司る猫として知られていました。ダンはアジーの後を追って患者の部屋に入り、今正に死を迎えようとしている患者と言葉を交わします。

死ぬことを受け入れながらも死を恐れる患者に、ダンはシャイニングを使用して死が恐れるべきものでないことを説明。その心に寄り添いました。永遠の眠りに就く者たちを慰めるダンは「ドクター・スリープ」と呼ばれるようになり、アジーと共にいくつもの死を見届けていくことになります。一見、人の死ばかり見る辛い仕事ですが、シャイニングで死の向こう側の世界を見てきたダンにとっては、ぴったりの仕事でした。

そしてこの頃、ダンの部屋にある黒板に何者かがメッセージを書き込むようになります。それは部屋に入って書かれたものではなく、どこか遠くからテレパシーを使って書かれた文字。ダンよりも強いシャイニングの能力を持つ少女からのメッセージでした。

あらすじネタバレ⑤8年後

ダンが新しい生活を始めて8年の歳月が流れました。ある日、久しぶりに黒板に新しいメッセージが書き込まれます。一方その頃、ローズたちトゥルー・ノットは相変わらずシャイニングを持つ子供を探し求めていました。彼女たちの悩みのタネは、昔に比べて現在はシャイニングを持つ人間が減っており、飢餓状態になりがちだということです。トゥルー・ノットの者たちは不死ではありません。

よく食べなければ、その生命を保てないのです。アイオワ州の町で、ローズたちはシャイニングを持つ1人の野球少年を拉致し、彼を痛めつけて皆で生気を貪っていました。それを遠く離れた場所から視ている者がいました。その人物こそ、ダンの部屋の黒板に遠隔でメッセージを書き込んでいた強いシャイニングの持ち主アブラ・ストーン。どこか遠くで起こっている凄惨な出来事に、アブラは苦しみます。

そして彼女の苦しみはダンにも伝わりました。突如、部屋の黒板に「REDRUM」(MURDER〈殺人〉)の文字が現れ、ダンはアブラを通して誰かが殺害されたことを知ります。アブラの強いシャイニング能力は、野球少年を殺していたローズにも知られることになりました。遠い場所からローズたちを視ることができる強いシャイニングの持ち主の出現に、ローズたちは驚き、必ずその子供を捕まえることを決意します。

あらすじネタバレ⑥更なる危険

殺された野球少年の遺体は見つかっていませんでした。遺体だけでも見つけてあげたいアブラはネットとシャイニングを駆使して少年を特定し、さらにローズが今いるスーパーに精神を降り立たせます。ローズはアブラに気づき手を伸ばしましたが、アブラはそれを拒否してローズを吹き飛ばしました。予想以上の彼女の力に、ローズはアブラを絶対に捕まえなくてはいけないと決意を強くします。

その事件の翌日、アブラは力を使ってダンの住んでいる場所を特定し、学校をサボってダンに会いに来ました。少年の遺体を家族に返してあげたいアブラは、ダンに協力を求めに来たのです。しかしダンはそれに首を振り、シャイニングを狙っている連中に見つからないよう、極力シャイニングを使わずにじっとしているよう言いました。一度は協力することを断ったダンでしたが、その夜、ダンの前にディックが現れました。

シャイニングを持っていたディックは、生前オーバールックホテルで幼いダニーを助けてくれました。かつて自分がそうしたように、今度は大人になったダンが同じ力を持つ少女を守る。それがダンの運命だというのです。その頃、ローズはアブラを探すために精神を飛ばしていました。アブラを見つけるのですが、それはアブラの罠。逆に頭の中に入り込まれ、しかも怪我まで負ったローズは激昂します。

アブラから話を聞いたダンは、怒り狂ったローズたちトゥルー・ノットがいよいよアブラを捕まえに来ることを確信しました。ダンは今や親友であるビリーに事情を話し、彼と共に野球少年の遺体を探しに行きます。アブラから聞いた場所で少年の遺体を発見した2人は、その後アブラの父親にも事情を話し、皆でトゥルー・ノットを撃退する作戦を決行することにしました。

アブラの力でローズ以外のメンバーを森の中におびき寄せることに成功したダンたちは、そこでトゥルー・ノットたちを次々と撃ちました。撃たれたトゥルー・ノットたちは煙になって消えていくのですが、最後の最後にアンディの言葉の力でビリーが自殺してしまいます。さらに問題が起こりました。

トゥルー・ノットのメンバーが1人だけ別行動をしており、アブラが捕まってしまったのです。薬を打たれて力が使えなくなったアブラは、車で連れ去られてしまいました。ダンは自身のシャイニングを使ってアブラが乗った車に精神を飛ばし、アブラの体を借りて事故を起こさせ、誘拐犯を倒すことに成功します。

あらすじネタバレ⑦オーバールック・ホテルへ

残るトゥルー・ノットはローズのみ。彼女を倒すためにダンが考えた策は、かつて自分と母親が父親に襲われた恐怖のホテル「オーバールック・ホテル」に行くことでした。オーバールック・ホテルは、ダンやアブラのようなシャイニングを持つ者を欲している危険なホテルです。

ダンたちにとって危険だということは、すなわち同じ力を持ち、多くのシャイニングを吸収することで生き長らえてきたローズにとっても危険だということでした。ホテルに到着すると、ダンはまずアブラを車に残してホテルに入り、ホテルを「起こし」ます。やがてローズがホテルに現れ、ダンはアブラと共にホテルの中で彼女を迎え撃ちました。

子供の頃、ホテルから逃げたダンには、ホテルにいた亡霊がついて回っていました。ダンはそれらをディックからのアドバイスで、自分の頭の中にある「箱」に閉じ込め、そのおかげで大人になるまでホテルの亡霊に襲われずに済んでいました。ダンはローズも箱に閉じ込めて封印しようとしますが、それは失敗。

そこでダンは、亡霊たちを閉じ込めてきた箱を開放します。ローズがシャイニングを持つ子供たちを殺すことで得た生気を狙って、開放された亡霊たちはローズに襲いかかりました。ローズは生気を吸い尽くされてしまいます。

あらすじネタバレ⑧ハローダニー

ローズの生気を吸い尽くした亡霊たちの次なる獲物はダンでした。亡霊たちはローズ同様ダンにも覆い被さり、その生気を奪い取りにかかります。その頃、ダンに逃げるよう言われたアブラはホテルの中を移動していました。

様々なホテルの亡霊と邂逅するアブラ。やがてアブラの前に、斧を持ったダンが現れ、襲いかかってきます。鬼の形相でアブラを追うダンの姿は、かつてダニーを追いかけ回した父親そっくりでした。ダンの精神はホテルの闇に支配されていたのです。

しかしダニーが父親から追いかけられたときとは状況が違いました。アブラはダニーよりも強いシャイニングを持っていたのです。アブラはシャイニングの力と強い精神力でもって、ダンを正気に戻しました。ダンはアブラをホテルから脱出させ、自身はボイラー室に行き、ボイラーを爆発させてホテルを燃やしました。恐ろしいホテルは炎によって浄化され、アブラは無事に救出されます。

あらすじネタバレ⑨後日

衝撃の結末で幕を下ろした、トゥルー・ノットとの、そしてホテルとの戦い。後日、アブラの自室にはアブラとダンの姿がありました。2人は以前と変わらず穏やかに会話を続けています。そこにアブラの母親が食事の支度ができたことを告げに来ましたが、ダンの姿はありませんでした。ダンとアブラはこれからも交流を続けるでしょう。しかし、それは生者同士の交流ではなく、生者と死者の交流です。

かつて、ダンに死んだディックが寄り添っていたように。これまで、自分が持つシャイニングのことを、アブラは親に話していませんでした。アブラはこれからは力のことを隠さないことを決意し、母親にこの世にはいないダンと話していたのだと正直に告げます。

母親は戸惑いながらも否定することはなく、それを受け入れました。再度食事を促す母親に、アブラは少し待つよう言ってバスルームに向かいます。バスルームの扉の向こうには、オーバールック・ホテルにいた老婆の亡霊が存在していました。これが『ドクター・スリープ』の結末・ラストです。

ドクター・スリープとシャイニングとの関係は?原作との違いも紹介

ドクター・スリープと前作シャイニングとの関係

映画『ドクター・スリープ』は、映画『シャイニング』の40年後を描いた作品です。重要なのは、映画『ドクター・スリープ』は純粋な意味で原作本『ドクター・スリープ』を映像化したわけではなく、映画『シャイニング』の続編として作られたということです。原作者であるスティーヴン・キングが、キューブリック監督が手掛けた映画『シャイニング』を批判していたというのは有名な話。

原作者が認めなかった映画『シャイニング』の続編として映画『ドクター・スリープ』は作られたため、ファンの間では不安と期待が渦巻きました。しかし結果として、映画『ドクター・スリープ』は前作『シャイニング』の要素を引き継ぎながらも、原作本の良さをしっかりと取り入れた作品に仕上がっており、高い評価を得ています。映画『シャイニング』を嫌っていたスティーヴン・キングすら高評価する出来栄えでした。

ドクター・スリープの原作小説と映画の違い

映画『ドクター・スリープ』は、原作本『ドクター・スリープ』とは違う展開が見られます。映画『ドクター・スリープ』は原作とは違う展開・結末にして原作者から酷評された映画『シャイニング』の続編として作られているため、どうしても原作小説の通りには作れなかったのです。

ここからは、前作である映画『シャイニング』が原作から離れた結末・ラストを迎えたがゆえに、同じく原作とは違う展開となった映画『ドクター・スリープ』の、原作本とは違う箇所をチェックしていきます。

違い①オーバールック・ホテル

映画版『ドクター・スリープ』のラストでは、ダンがアブラと共に再びオーバールック・ホテルを訪れます。しかし、このオーバールック・ホテルの存在そのものが、原作小説と映画の違いです。何故なら原作版『シャイニング』では、ラストでオーバールック・ホテルが炎上。既にこの世から姿を消しており、続編である原作版『ドクター・スリープ』では当然ホテルは存在していません。

映画版『シャイニング』では原作版での結末が採用されず、ホテルは残ったままダニーたちが逃げ出すという結末に変えられました。そのため映画版『ドクター・スリープ』ではまだオーバールック・ホテルが残っており、ゆえにローズとの最終決戦の場として再びホテルが登場したのです。ホテルが炎上し消失するという原作版『シャイニング』の結末は、時を超えて映画版『ドクター・スリープ』で採用されたということになります。

違い②ハロランの生死

映画版『ドクター・スリープ』では、死してなおダンに寄り添い彼を導く存在として描かれたディック・ハロラン。彼の設定も映画版『シャイニング』で原作とは違う描かれ方をされたため、それがそのまま映画版『ドクター・スリープ』に引き継がれ、原作版『ドクター・スリープ』とは異なるものになっています。

ディック・ハロランが映画版『ドクター・スリープ』でダンの導き手となっているのは、前作である映画版『シャイニング』のラストでダンの父親に殺害されてしまったからです。しかし原作版『シャイニング』では、ディックは死んでいません。そのため原作版『ドクター・スリープ』でも、ディックは生者として存在しています。

違い③ラストの結末

原作版と映画版の大きな違いの1つに、ラストの結末が挙げられます。映画版『ドクター・スリープ』では、ラストにダンが自らの意思でホテルを燃やしそのまま死亡するという悲しい結末となっていますが、原作版ではダンが生存しているという結末になっているのです。

実は、映画版のラストでダンが取った行動は、原作版『シャイニング』でダンの父親が取った行動と同じでした。原作版『シャイニング』の最も重要な部分である結末が映画版『シャイニング』では描かれなかったため、フラナガン監督はあえて原作版『シャイニング』の結末を映画版『ドクター・スリープ』の結末として採用したのです。この変更がスティーヴン・キングに高く評価されました。

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ドクター・スリープの結末・ラストの意味をネタバレ考察

ネタバレ考察①終盤でのダンと父ジャックの会話の意味

再びオーバールック・ホテルに足を踏み入れることになったダン。彼はホテル内のバーカウンターで、バーテンダーに扮した亡き父ジャックと顔を合わせます。映画『シャイニング』を観たことがある人ならわかるでしょうが、映画『シャイニング』の中でジャックもこのバーを訪れていました。ジャックがバーに来た際、彼を迎えたのはバーテンダーのロイドという男でした。

ジャックはロイドに勧められるまま酒を飲み、禁酒を破ってしまいます。映画『ドクター・スリープ』では、ジャックがロイドの立場に、ダンがジャックの立場になり、ジャックはダンにバーテンダーとして酒を勧めます。

しかしダンはかつての父親とは違い、酒を飲まず禁酒を貫きました。ダンとジャックの会話は、父のような人間にはならないというダンの決意を現すものであり、過去のトラウマにケリをつけるという意思の現れでもあったと考察できます。

ネタバレ考察②老婆の幽霊の意味

映画『ドクター・スリープ』にはバスルームにいる老婆の幽霊が度々現れます。この幽霊は映画『シャイニング』で登場した幽霊で、オーバールック・ホテルに存在した亡霊の1人でした。ダンは映画『シャイニング』の時代にホテルでこの老婆を目撃しており、ダンにとってバスルームの老婆はオーバールック・ホテルの恐怖を象徴する存在として、ホテルから逃げたあともダンを苦しめます。

ディックのアドバイスを受けたダンが「箱」に封印するまで、老婆はダンとダンの母親が暮らす家のバスルームに出没していました。注目すべきは、映画『ドクター・スリープ』のラストシーンでこの老婆が再び登場したことです。全てが終わって日常に戻ったはずなのに、アブラの家のバスルームに老婆はいました。アブラは老婆がいるバスルームに自ら入り、映画『ドクター・スリープ』は幕を下ろします。

このラストシーンに似たシーンが映画『ドクター・スリープ』内にあるのですが、それは幼いダンが、自分の家のバスルームにまでついてきた老婆の霊を、力を使って「箱」に封印するため、自らバスルームに入っていくというシーンでした。

恐らくアブラもダン同様、老婆を封印するために自らバスルームに入っていたと思われるのですが、これは彼女がこれからもシャイニングと共に生きていくという暗示であり、ずっと隠し続けていた能力を隠さずに生きていくという決意の現れであるとされています。

ドクター・スリープの登場人物とキャスト一覧

ダニー(ダン)・トランス役/ユアン・マクレガー

オーバールック・ホテルの惨劇を生き延び大人になったダニー・トランスを演じたのは、俳優のユアン・マクレガーです。ユアン・マクレガーは1971年3月31日生まれ、スコットランド出身。主な出演作品に『スター・ウォーズ』シリーズ(オビ=ワン・ケノービ)、『天使と悪魔』(パトリック・マッケンナ)、『美女と野獣』(ルミエール)などがあります。

ローズ・ザ・ハット役/レベッカ・ファーガソン

トゥルー・ノットを率いるローズ・ザ・ハットを演じたのは、女優のレベッカ・ファーガソンです。レベッカ・ファーガソンは1983年10月19日生まれ、スウェーデン出身。主な出演作品に『ミッション:インポッシブル』シリーズ(イルサ・ファウスト)、『グレイテスト・ショーマン』(ジェニー・リンド)などがあります。

アブラ・ストーン役/カイリー・カラン

強いシャイニングを持つために狙われる少女アブラ・ストーンを演じたのは、子役のカイリー・カランです。カイリー・カランは2005年12月10日生まれ、アメリカ合衆国出身。半年ものオーディションの末に抜擢された少女でした。

ビリー・フリーマン役/クリフ・カーティス

新たな土地に移住したダンに住む場所と仕事を与え、その後も度々ダンの力になってくれた親友ビリー・フリーマンを演じたのは、俳優のクリフ・カーティスです。クリフ・カーティスは1968年7月27日生まれ、ニュージランド出身。主な出演作品に『ダイ・ハード4.0』(ボウマン)、『MEG ザ・モンスター』(ジェームズ・"マック"・マックライズ)などがあります。

ディック・ハロラン役/カール・ランブリー

ダンを導いてくれる死者ディック・ハロランを演じたのは、俳優のカール・ランブリーです。カール・ランブリーは1951年8月14日生まれ、アメリカ合衆国出身。主な出演作品に『熱き愛に時は流れて』(ナーヴェル・ブルー)、『パシフィック・ハイツ』(ルー・ベイカー)などがあります。

スネークバイト・アンディ役/エミリー・アリン・リンド

言葉で人を操る能力を持つ少女スネークバイト・アンディを演じたのは、女優のエミリー・アリン・リンドです。エミリー・アリン・リンドは2002年5月6日生まれ、アメリカ合衆国出身。主な出演作品に『ライト/オフ』(少女時代のソフィー)、『レプリカズ』(ソフィ・フォスター)などがあります。

ジョン・ダルトン医師役/ブルース・グリーンウッド

ダンをホスピスの仕事に誘ってくれたジョン・ダルトン医師を演じたのは、俳優のブルース・グリーンウッドです。ブルース・グリーンウッドは1956年8月12日生まれ、カナダのケベック州出身。主な出演作品に『スター・トレック』シリーズ(クリストファー・パイク)、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(ロバート・マクナマラ)などがあります。

バリー・ザ・チャンク役/ロバート・ロングストリート

トゥルー・ノットの一員であるバリー・ザ・チャンクを演じたのは、俳優兼プロデューサーのロバート・ロングストリートです。主な出演作品はNETFLIX作品の『MIDNIGHT MASS』。2021年公開予定の『Halloween Kills』に出演するそうです。

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ドクター・スリープの見どころや魅力

見どころ①REDRUM

映画『ドクター・スリープ』で、ダンの部屋の黒板に現れた「REDRUM」の文字。この文字は逆に読むと「MURDER」となり、殺人を意味します。映画『シャイニング』ではこの文字を、幼いダニーがドアに描きました。映画『シャイニング』を観た人に強烈な印象を与えたこの文字が、映画『ドクター・スリープ』の見どころの1つとなっています。

見どころ②トゥルー・ノット

映画『ドクター・スリープ』に登場する敵「トゥルー・ノット」。シャイニングを持つ子供を次々と殺害し生きているこの集団の恐ろしさ、それと戦うダンとアブラが見どころの1つとなっています。トゥルー・ノットの存在が、ホテルにいる幽霊の怖さとは別の、狂信的集団の恐怖を視聴者に感じさせます。

見どころ③スティーヴン・キングの人生

アルコールと薬物の依存症に苦しんできたスティーヴン・キング。映画『ドクター・スリープ』には、そんなスティーヴン・キングの人生が投影されています。ダンは父親と同じアルコール依存症に苦しみながらも、それを乗り越えました。小説『ドクター・スリープ』を執筆した当時、スティーヴン・キングも酒を断っていたそうです。物語の向こうに垣間見えるスティーヴン・キングの人生も、作品の大きな魅力となっています。

見どころ④ヒューマンドラマ要素

ホラー描写に特化した映画『シャイニング』と違い、よりキングの感性に寄せた映画『ドクター・スリープ』では、ヒューマンドラマの要素が多く組み込まれました。映画『シャイニング』と比べると恐怖感は薄れますが、その点が物語に深みを与えており、高く評価されています。

アルコール依存症に苦しむダンと、彼に手を差し伸べるビリーの関係。死にゆくホスピスの患者との対話や、ダンとアブラとの関係性など、人間同士の繋がりにも注目してみてください。

見どころ⑤シャイニングを持つ3人

本作ではシャイニングという能力自体にスポットが当てられており、シャイニングを強調するためにシャイニングを持つ3人の登場人物がメインとして描かれています。ダンとアブラ、そしてローズです。同じ超能力を持ちながら方向性が全く違う3人。その違いに注目してみると、また違った楽しみ方ができます。

見どころ⑥ダニー・ロイドのカメオ出演

映画『シャイニング』で母親と共に恐怖を体験する幼きダニー・トランスを演じたのは、当時6歳だった元子役俳優のダニー・ロイドでした。このダニー・ロイドが映画『ドクター・スリープ』にカメオ出演しているということで話題となりました。大人になったロイドは俳優を辞め、大学教授として働いているそうです。

ドクター・スリープはつまらない?感想や評価を紹介

前作である映画『シャイニング』では、ホラー要素に重きが置かれ、ダニーの持つシャイニングという能力についてはあまり触れられていませんでした。映画『ドクター・スリープ』ではホラー要素よりもシャイニングという能力について重きが置かれており、そこを評価する声は少なくありません。また映画『シャイニング』を観たことがあるファンにとって、ラストで登場するホテルでの決戦は興奮するものであったようです。

映画『ドクター・スリープ』のラストが恐ろしいというコメント。ホテルが燃えるという結末も衝撃的でしたが、視聴者が最も驚いたのが、アブラの家のバスルームにホテルの亡霊がいるというラストシーンでしょう。結末を迎えたようで実は何も終わっていないのではないか。そう考えさせられるラストシーンでした。

原作本を読んで映画を観た人と、映画だけを観た人では、映画に対して抱く印象や評価が異なるでしょう。こちらは、ラストは映画より原作のラストのほうを評価するという人のコメントです。原作のラストと映画のラストは異なり、それぞれに良さがあるので、どちらにも触れてみると良いでしょう。

原作小説を読んでいる人といない人の間で評価がわかれるのは仕方がないことです。また映画版『シャイニング』のホラー要素が印象に残っている人は、原作版の要素を取り入れた映画版『ドクター・スリープ』が物足りなく感じ、評価も低めになるかもしれません。特殊な作られ方をした作品なので、客の立ち位置によって評価は大きく分かれます。

映画『ドクター・スリープ』が、映画『シャイニング』とスティーヴン・キングの原作小説の良い部分をそれぞれ取り入れていることを高く評価するコメントです。映画ファンと原作ファン、双方を納得させる丁度良い出来栄えだったと評価する人は少なくありません。

映画『ドクター・スリープ』はつまらないという評価もあったようですが、これは前作である映画『シャイニング』と比較した結果であったようです。映画『シャイニング』のホラー感を気に入り、その続編として観た人にとってはつまらなかったかもしれません。

原作者の思いとは裏腹にとても評価が高いキューブリックの『シャイニング』。その一方で『シャイニング』よりもキング色を出した『ドクター・スリープ』のほうを評価している人もいます。

ドクター・スリープのあらすじネタバレまとめ

映画『ドクター・スリープ』のあらすじをネタバレありで紹介し、また映画の評価などにも触れてきましたが、いかがでしたでしょうか?映画『ドクター・スリープ』は観る側の立ち位置によって大きく評価が異なってくる作品です。しかし映画と原作の間を上手く繋いだ優秀な作品であることは事実。興味を持った人は、ぜひ映画『ドクター・スリープ』や前作の映画『シャイニング』、そして原作本などを見てみてください。

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