2019年05月20日公開
2019年05月20日更新
【Netflix映画】軽い男じゃないのよのあらすじをネタバレ!男女の立場が逆転?
Netflix映画「軽い男じゃないのよ」のあらすじを結末までネタバレ解説!キャスト情報や、世界観の考察、視聴者の感想も合わせて紹介します。「軽い男じゃないのよ」はNetflix配信のフランス映画です。主人公ダミアンは、女性を軽視する男。彼は頭を打った拍子に別の世界に迷い込みます。そこは男女の力関係が逆転した世界でした。そこで生活するうちに、ダミアンにも変化が訪れます。
目次
軽い男じゃないのよ(Netflix映画)とは?
男女の立場が逆転したパラレルワールドを描き、現実社会の性差別を浮き彫りにしたユニークな映画『軽い男じゃないのよ』が話題となっています。『軽い男じゃないのよ』には何が描かれ、視聴者はどんなメッセージを受け取ったのでしょうか。ここではまずNetflix映画『軽い男じゃないのよ』の基本情報を見ていきましょう。
軽い男じゃないのよの作品情報
『軽い男じゃないのよ』はNetflixオリジナルのコメディ映画です。2018年4月13日に全世界に同時配信されました。本作はNetflix製作の初のフランス映画となりました。性差別のデリケートな問題を風刺的に描く本作は、様々な反響を呼びました。本記事ではNetflix映画『軽い男じゃないのよ』のあらすじをネタバレ含めて解説します。
軽い男じゃないのよの概要
『軽い男じゃないのよ』の監督は、女優、脚本家としても活躍するエレノア・プリアットです。作中では主人公ダミアンの精神科医役で出演しています。『軽い男じゃないのよ』はプリアット監督が2010年に撮影した短編映画『Majoritéopprimée(圧倒的多数派)』がアイディアの元になっています。
『Majoritéopprimée』は男女の役割が逆転した世界での結婚生活を描くコメディでした。2014年に英語字幕付きでYouTubeにアップされ話題となり、Netflix側から監督に長編のオファーが舞い込みました。そうして生まれた作品が『軽い男じゃないのよ』です。
軽い男じゃないのよの予告編動画
Netflix映画『軽い男じゃないのよ』のあらすじが紹介された予告編動画です。行く先々で女性を無神経に見下す男、ダミアン。ある日頭を打ち、男女の役割が逆転したパラレルワールドに迷い込んでしまいます。そこは女性が上位に立ち、男性が女性に従う世界。最初は戸惑うダミアンですが、次第に社会に溶け込もうと自分を変化させていきます。次項より、あらすじネタバレを解説していきます。
軽い男じゃないのよのあらすじネタバレ
あらすじネタバレ①ダミアンが遭遇した異変
ダミアンはアプリ開発会社に勤める有望社員。彼は5歳のとき、好きな女の子の気を引くため舞台で白雪姫役を引き受け、笑われて死ぬほど恥ずかしくなったトラウマがありました。彼は無神経に女性を差別する男です。ある日、友人の作家クリストフのサイン会に参加します。そこにいた助手のアレクサンドラにセクハラまがいのナンパをしますが、相手にされませんでした。
クリストフとの帰り道、ダミアンは美しい女性に気を取られて電柱に頭をぶつけました。目覚めて帰宅し、翌朝出勤したダミアンは異変に気付きます。職場には女性ばかり。ボスだった男性社員がお茶汲みをしています。女性上司はセクハラ発言し、女性社員の仕事ばかり評価されます。反発したダミアンはクビになります。彼は男女の立場が入れ替わった世界に来てしまったのです。
あらすじネタバレ②軽い男じゃないのよ
ダミアンはガールフレンドのシビルに呼び出されます。待ち合わせ場所は、男性がポールダンスを踊るクラブでした。シビルと体を重ねようとしますが、脱毛していないので拒否されます。クリストフの家では、クリストフの妻ロロがソファでスポーツ観戦をしていました。クリストフは一人で甲斐甲斐しく家事をしています。
ロロが出産したので、クリストフは育児休暇を取ることになりました。ダミアンは自分が代わりを務めることを決めます。クリストフの仕事は作家のアレクサンドラの助手でした。ダミアンは女性ウケするため、体を脱毛して、短いパンツを履いていきます。アレクサンドラは高圧的な女性で、ダミアンにコーヒー淹れなど雑用を命じます。ダミアンは怒って仕事を辞めます。
ダミアンは職場のセクハラに抗議する「男性支援団体」に加入しました。一方、アレクサンドラはお金で男性を買う孤独な日々を送っていました。アレクサンドラはダミアンをバーに呼び出します。ダミアンは、彼女に自分がいた世界の話をしました。興味を持ったアレクサンドラは、彼を小説の題材にすると決めます。タイトルは「軽い男じゃないのよ」です。
あらすじネタバレ③アレクサンドラへの恋
アレクサンドラは、ダミアンを倒錯したバーに連れて行きました。そこでは女性が長い髪をしてスカートを履き、男性はひげを生やして現実世界の「男らしい」服装をしていました。二人はキスをし、恋に落ちます。ダミアンはアレクサンドラを失うことを恐れます。
ある日、アレクサンドラの書斎でダミアンが留守番をしていると、スイセンという男が訪ねてきました。スイセンは壁に落書きし、「アレクサンドラは男を物扱いする」と泣き出します。彼女が壁に飾っているビー玉の入った瓶は、これまで寝た男の数を記録するものでした。ダミアンは失望して彼女と別れます。
アレクサンドラは小説を書き進めますが、ダミアンがいない日々に空しさを感じていました。ダミアンの元に、浮気がバレて家を追い出されたロロが現れました。クリストフは心から愛してくれたと後悔するロロを見て、何かを決心したダミアン。アレクサンドラに会いに行き、彼女にプロポーズしました。アレクサンドラは承諾しました。
あらすじネタバレ④デモ活動
後日、ダミアンは支援団体のメンバーと男性の権利を訴えるデモに行きました。そこでアレクサンドラの担当編集者のアニーに会い、「アレクサンドラは結婚している」と告げられます。彼女は夫と別居中で、娘までいました。ダミアンは怒りとショックのあまりバーで酔っ払います。
アレクサンドラがバーに現れ、ダミアンに弁解をします。彼女が自分を小説のネタに使っていたことまで知り、ダミアンは激怒します。揉み合いになり、二人は互いに頭をぶつけて気を失いました。アレクサンドラは意識を取り戻し、自分が見知らぬ路上にいることに気付きます。女性の権利向上のデモが行われています。その向こう側で、ダミアンが彼女に呼びかけます。アレクサンドラは、ダミアンがいた世界に来てしまったのです。
軽い男じゃないのよの登場人物・キャスト
『軽い男じゃないのよ』は多くの演技派のキャストが出演し、SFチックなストーリーにリアリティを与えていました。ここからは『軽い男じゃないのよ』の主要キャストを紹介します。
ダミアン/ヴァンサン・エルバス
男女の立場が入れ替わった世界に迷い込むダミアンをコミカルに演じたのは、ヴァンサン・エルバスです。1971年2月3日、フランス・パリ生まれ。演劇学校「Cours Florent」で2年間学び、俳優活動を開始。何本か舞台に出演したあと、1999年『青春シンドローム』で映画デビューを遂げました。その後『原色パリ図鑑』『 Les Randonneurs』という二つのコメディ映画に出演し、広く知られるようになりました。
1998年『カジモド』でフランス語圏の若手俳優に贈られるジャン・ギャバン賞を授賞。その他に代表作は『マダム・マロリーと魔法のスパイス』など。リュック・ベッソンが手掛けたドラマシリーズ『ノーリミット』では、特殊部隊員の主人公を華麗なアクションで熱演しています。
アレクサンドラ/マリー=ソフィー・フェルダン
パラレルワールドでダミアンと恋に落ちる高慢な作家を演じたのは、マリー=ソフィー・フェルダンです。1977年生まれ。フランス・グルノーブル付近で4人姉妹の末っ子として育ちました。グルノーブル音楽院でヴァイオリンを学んだあと、リヨン高等師範学校に入学し、演劇に興味を持ちました。パリの国立劇場芸術技術学校で演技を学んだのち、俳優活動を開始。フランスの舞台やテレビシリーズで活躍しています。
クリストファー/ピエール・ベネジット
“男らしくない”ダミアンを女性にモテるよう指導するクリストファーを演じたのは、ピエール・ベネジットです。プリアット監督の短編映画『Oppressed Majority』では主演を務め、男女逆転した世界で追いつめられる主夫役を演じました。その他、出演作に『 La banda Picasso』『匿名レンアイ相談所』『スフィンクス 』などがあります。
軽い男じゃないのよの世界観を考察
『軽い男じゃないのよ』は男女逆転した世界を描くことで、私たちの社会がどれだけ差別的か問題提議しています。本作は「男らしさ」や「女らしさ」というものが生来の素質ではなく、社会から刷り込まれたものであることを教えてくれます。この項では『軽い男じゃないのよ』の世界観を作り出している要素を一つひとつ考察します。
世界観①異性に気に入られる服装
『軽い男じゃないのよ』に描かれる男女逆転の世界では、異性に気に入られる服装も我々の社会と異なります。主人公ダミアンは別世界に来た直後、クローゼットにカラフルで可愛らしい服しかないことに気付きます。この世界の男性は女性に気に入られるため過度に体を強調し、短パンやフィットするスエットを履いています。時には、ヒップをボリュームアップするためにパッドを入れることも
世界観②お手入れ
ガールフレンドとベッドインしたダミアンですが、体毛を処理していなかったためドン引きされてしまいます。現実社会での女性もワキや足の毛を処理していますが、逆転世界では同じことを男性がしています。女性に受け入れられるため、ダミアンは胸毛やすね毛などあらゆる場所の毛をお手入れしました。
世界観③男女が逆転した世界
ダミアンが迷い込んだのは「古来から女の方が強いので子どもを産み、狩りに出て、男は子どもたちの世話をした」世界でした。職場は女性ばかりで、女性社員の方が高く評価されます。男性はお茶くみや家事など雑用しかさせてもらえません。女性の性行為は一方的で、自分が満足したらさっさと寝てしまいます。
世界観④性差別
職場を初め、ダミアンは行く先々で女性に「可愛いね」などと茶化されます。これは非常に鬱陶しく、他人に「可愛い」などと言われても全く嬉しくないので、彼は苛立ちます。この世界で、男性は女性から同じ人間と思われていないのです。しかし、これは「キャットコール」と呼ばれる行動で、現実社会でも女性に対する迷惑行為として問題になっています。
その他にも、ダミアンは男性であることで話を聞いてもらえず、男女平等を訴えると「古臭い考え」などとあしらわれます。また、両親からは「早く結婚してほしい」と急かされます。ダミアンの話を聞いたアレクサンドラは「そっちの世界の女は男にチヤホヤしてもらえて、おいしい役どころだ」と言います。対等に扱ってもらえない苦しみが理解できないのです。
軽い男じゃないのよに関する感想や評価は?
Netflixでの配信以来『軽い男じゃないのよ』はネット上でも話題になっています。特にTwitter上では『軽い男じゃないのよ』の解説や考察、作品についての自分の感想を呟く人たちが多く見られました。ここではネット上にある『軽い男じゃないのよ』の感想や評価などを紹介していきます。
感想や評価:忘れられない映画
友達が面白いと言っていたネトフリの「軽い男じゃないのよ」https://t.co/aeS8flNMdD
— 藤河るり (@shika888) April 6, 2019
息抜きに見たけどこはすごい映画だ。おもしろかったけど笑えないけど笑える。最後がもう…ほんとディストピア感すごくて忘れられない映画
『軽い男じゃないのよ』は、衝撃的な内容が心に残ったという感想が多数上がっていました。基本的にはコメディなので笑えるシーンも沢山あるのですが、男女を逆転させたことにより性差別の残酷さがよりショッキングに映っていました。
感想や評価:色んな人に見てもらいたい
Netflixの「軽い男じゃないのよ」って映画、色んな人に見てもらいたい。現実の性差別をミラーリングした作品で、女をナンパしまくるミソジニストが男女逆転パラレルワールドに迷い込む話
— 鸚鵡 (@WZA607WD4shOq2h) September 12, 2018
普段やってたキャットコールやしつこい口説きが、される側になるといかに不快かわかってドン引きするシーンが秀逸
女性が日頃受けるキャットコールの迷惑さ、職場などで性的な目で見られる辛さは、体験しないとなかなか分かってもらえないものです。女性が受けている差別を疑似体験するような『軽い男じゃないのよ』を、色々な人に見てもらいたいという感想が上がっていました。また、性別で人を判断する愚かしさを描くのも本作の魅力です。
感想や評価:権力を持った集団が陥る傲慢さが描かれてる
真魚八重子さんのツイートで知ったNetflix「軽い男じゃないのよ」おもしろかった!もしもボックス的な女尊男卑世界が秀逸。よしながふみ先生の「大奥」と同様、女性や男性に善悪が属しているのではなく権力を持った集団が陥る傲慢さが描かれてる。装いの男女逆転が少しコメディ的だけど良作ですよ! pic.twitter.com/x9cCP3wwAR
— アコムギ (@akomugi) April 18, 2018
『軽い男じゃないのよ』で描かれているのは「人間は多数派になるといかに横暴になるか」ということでもあります。Twitter上には「権力を持った集団が陥る傲慢さが描かれてる」という感想も上がっていました。場所やルールが変われば、人はその社会の考えに影響されてしまう。そんな恐ろしさが描かれている作品です。
軽い男じゃないのよのネタバレまとめ
今回はNetflix映画『軽い男じゃないのよ』について、あらすじネタバレを含めて解説しました。『軽い男じゃないのよ』のあらすじは、女性を軽視する差別的な男ダミアンが、男女の力関係が逆転した世界に迷い込みます。彼は傲慢な作家のアレクサンドラと出会い恋に落ちます。
『軽い男じゃないのよ』ラストのネタバレは、アレクサンドラが頭をぶつけてダミアンがいた社会に迷い込みます。アレクサンドラに待ち受けるのは過酷な現実でしょう。楽観的ではない皮肉な結末となっていました。『軽い男じゃないのよ』を見た人たちからは「忘れられない映画」という感想や、「色んな人に見てもらいたい」といった感想が寄せられていました。
『軽い男じゃないのよ』は性差別を風刺的に描き、考えさせられるコメディ映画でした。本記事を読まれて『軽い男じゃないのよ』に興味を持たれた方は、この機会に是非本編をご覧になられてはいかがでしょうか。