ファニーゲームのあらすじ結末・感想ネタバレ!後味の悪い傑作映画を紹介

『ファニーゲーム』は1997年に公開されたオーストリア映画です。ある日突然訪れた青年たちによって事件に巻き込まれるという作品で、多くのあらすじのネタバレが語られていますが、その結末、特徴的な撮影シーンによって、「トラウマ映画」とも「胸糞映画」とも呼ばれています。この記事では『ファニーゲーム』のあらすじのネタバレとともに、映画の解説や観た人の感想についても取り上げていきます。

ファニーゲームのあらすじ結末・感想ネタバレ!後味の悪い傑作映画を紹介のイメージ

目次

  1. ファニーゲームとは?
  2. ファニーゲームのあらすじネタバレ
  3. ファニーゲームの結末ネタバレ
  4. ファニーゲームのキャスト
  5. ファニーゲームにはグロシーンがある?
  6. ファニーゲームのリメイク映画
  7. ファニーゲームに関する感想や評価
  8. ファニーゲームのあらすじ・結末や感想まとめ

ファニーゲームとは?

ファニーゲームの映画情報

『ファニーゲーム』は1997年にフランスで公開されたオーストリア映画です。2001年には日本でも劇場公開されました。しかし、あまりの内容にカンヌ映画祭の際には批評家や観客が席を立ったとも言われ、ロンドンではビデオの発禁運動が起こるほど、様々な意味で話題となりました。

そのあらすじや結末の衝撃さから様々な感想を持ち、『ファニーゲーム』は今でも「トラウマ映画」「胸糞映画」の代表格として挙げられることが多い作品でもあります。そんな危険な映画『ファニーゲーム』のネタバレ解説をしていきます。

ファニーゲームの監督情報

『ファニーゲーム』の監督は、ミヒャエル・ハネケ監督です。ドイツのミュンヘンで生まれ、オーストリアで育ちました。父親は俳優兼映画監督、母親は女優という家庭環境で育ったハネケ監督は、1989年に初の長編映画『セブン・コンチネント』を発表しました。

2001年には『ピアニスト』でカンヌ国際映画祭では、男優賞・女優賞・審査委員グランプリを獲得しました。2009年の『白いリボン』、2012年の『愛、アムール』の両作品でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞しています。

また、2008年には『ファニーゲーム』をハリウッドでセルフリメイクした『ファニーゲームU.S.A』を発表し、前作同様に物議を醸し、多くの国でレーティングが設けられ、映画を視聴する際に年齢制限がかけられました。

ファニーゲームのあらすじネタバレ

あらすじネタバレ:別荘で休暇

ショーバー一家は休暇を過ごすため、夫のゲオルグと妻のアナ、そして1人息子のショルシは、愛犬のロルフィを連れて別荘へやってきました。隣の家には若者の姿が見えましたが、親戚だろうと思いました。

父親はゴルフクラブを用意して、持ってきた船の手入れをし、ショルシもそれを手伝います。アナは友人と電話をしながら夕食の準備をしており、それぞれがのんびりとした穏やかな別荘での暮らしを始めました。

あらすじネタバレ:奇妙な青年達

隣の住人が若者を連れてきました。「パウル」と名乗った青年は、見たところ普通の若者のようでしたが、白い手袋をしていました。ほどなくして、もう1人の青年「ペーター」が「卵を分けてほしい」と言ってアナの元を訪ねました。彼もまた、白い手袋をしていました。

彼の口調は丁寧で笑顔も見せたので、アナは気を許して家の中に招き入れます。世間話をしながら、彼女はペーターに4つ卵を渡しました。

ペーターが卵を持って帰ろうとした時、彼は卵を落として割ってしまいました。ペーターは申し訳なさそうにしていますが、再び卵を分けてほしそうにもしていました。アナが卵を包もうとすると、ペーターは電話を水の中に落としてしまいます。

ペーターが卵を持って別荘をでますが、ロルフィが庭で吠えています。ほどなくして「すいません」とペーターが戻ってきました。そこにはパウルも一緒でした。どうやら、ロルフィに追われて家の中に逃げ込んできたようでした。

パウルはゲオルグのゴルフクラブに目を付け、「試し打ちがしたい」と言います。アナが許可すると、ボールを1つ持って庭へ向かいました。船の手入れをしていたゲオルグとショルシにもロルフィが過剰に吠えているのが聞こえました。ずっと吠えていたロルフィの鳴き声が不自然に止みました。

あらすじネタバレ:青年にビンタ

ペーターは「犬のせいで卵を落とした」と言って、また卵を分けてもらおうとします。さすがにアナも我慢の限界でした。ロルフィの鳴き声が止んだのを不審に思ったのか、ゲオルグがやってきます。

「帰ってくれ」と言うゲオルグに対して、2人の青年はそれでもなお卵を受け取ろうとします。2人がゲオルグを挑発したため、ゲオルグはとっさにパウルにビンタしました。「出ていけ」という彼に向かって、ペーターはゴルフクラブを手にすると、ゲオルグの膝を打ち付けました。

ゲオルグを椅子に座らせ、医学部を名乗るペーターが傷を見ようとします。ゲオルグは拒絶しますが、電話は水没してしまったため、救急車や警察を呼ぶことができません。手当をさせるようにと2人の青年は迫ります。

やがてパウルが「別のゲームをしよう」とポケットからゴルフボールを出しました。「ゴルフボールがなぜあるのか」とパウルが答え、「別のものを打ったから」とペーターが答えました。

あらすじネタバレ:殺害された愛犬

アナはその場所に案内させようとしましたが、パウルははっきり場所を言おうとしません。近いことを「暖かい」、遠いことを「寒い」と言って、アナを誘導させようとします。

アナが車に近付くと、「暖かい」と言いました。恐る恐る車のドアを開けると、そこからはぐったりしたロルフィの死体が出てきました。

あらすじネタバレ:恥辱的な命令

身動きのとれないゲオルグに、2人の青年は礼儀正しく握手しようと手を伸ばしますが、彼は応じません。夫に鎮痛剤を飲ませようとしたアナを殴り、掴みかかったショルシを軽くあしらうと、別荘内を支配しはじめます。

「仲良くしようとしただけ」と、2人はまったく悪びれる様子はありません。それどころか身の上話をして「ペーターはヤク中で神経がおかしい」と、本当か嘘かも分からないことばかり言います。

そしてパウルが「12時間後に生きていられるか、賭けをしよう」と言ってきます。そして手始めにアンに向かって「相手をしろ」と言いました。ショルシに「袋の子猫ごっこ」と言い、頭からクッションカバーを被せると、ゲオルグに「脱げ」と命令させるように促します。

拒絶していたゲオルグですが、子供を人質に取られており、彼も手が出せません。ついにゲオルグは「脱げ」と言わされます。アンの裸を見たパウルは「贅肉ゼロだな」と言うと、今度は「着ろ」と命令します。

隙を見て、ショルシは逃げ出しました。両親の悲鳴が聞こえる中、二階の窓から別荘を出ると、湖を渡って隣の家へと逃げ込みます。背後からはパウルが迫ってきます。

あらすじネタバレ:息子の死

ショルシが二階で隠れていると、暗闇の中に落ちている銃を見つけました。奥の部屋には殺害されて血まみれになった住人の姿もありました。

銃を拾って迎え撃とうとしますが、パウルに見つかります。撃鉄を起こして構えるショルシにパウルは近付きます。引き金を引きますが、銃には弾が込められていませんでした。

パウルが別荘にショルシを連れて帰ってくると、11時を過ぎていました。「賭けの仕上げだ」と言い、銃に弾を装填しました。ペーターに銃を預け、パウルはキッチンへ食事を作りに行きました。すると、一発の銃声が響きます。ショルシが撃たれて殺害されました。壁やテレビにも血が飛び散っています。

あらすじネタバレ:青年達の言い争い

2人の青年は言い争いを始めます。殺す順番が違ったようで、「逃げようとしたから撃った」と言い訳をしますが、「こいつらには用はねえ、ずらかろう」と、2人の青年は別荘を出ていきます。部屋には撃ち殺されたショルシの遺体と、動かなくなったゲオルグ、そして縛られたまま動かないアンが残されていました。

車の音が遠ざかり、青年たちが去っていったことを確認すると、アンは拘束を解き、ゲオルグも動き出します。そして、息子が殺されたことを深く悲しみます。しかし、いつ青年たちが戻ってくるか分かりません。2人で逃げようと、アンがゲオルグに肩を貸しながら脱出を図ります。

別荘は外から鍵が掛けられており、窓から出るしかありません。ですが、ゲオルグの足では無理です。携帯電話も光は点くようになりましたが、未だに通話はできません。アナはゲオルグを置いて脱出するしかありませんでした。

ファニーゲームの結末ネタバレ

結末ネタバレ:脱出失敗

別荘から逃げ出したアンは周囲の家を訪ねますが、誰もいません。あちこち歩き回りますが、人のいる気配さえありません。道を歩いていると、目の前に車のライトが見えました。青年たちが戻ってきたかもしれない、と思い物陰に隠れます。

通り過ぎた車は青年が乗っていったショーバー家の車ではありませんでした。アンは物陰から飛び出して助けを求めますが、車は過ぎ去ってしまいました。再び歩き出すと、また目の前に車のライトが見えました。

一方、別荘に残ったゲオルグは、一向に直らない携帯電話から離れ、ショルシの遺体に布をかけていました。すると、物音がしました。アンが帰ってきたのかと振り向きますが、ゴルフボールが床に転がっていました。ゲオルグは嫌な予感に襲われます。

「プレイ再開だ」と言いながら2人の青年と、捕まって猿轡をされたアンが戻ってきました。彼らの「ゲーム」は、まだ終わっていませんでした。

結末ネタバレ:ナイフか銃か

彼らは「新しいゲームをしよう」と言うと、「ナイフか銃か、死ぬならどっち」と迫ります。ナイフでゲオルグを刺し、アナに「誰を」「どの方法で」殺すかを選ばせようとします。

隙をついて、アナは銃を奪うとペーターを撃ち殺します。パウルはリモコンを探し、逆再生ボタンを押すと映像が逆戻りし始めます。そして、銃を奪う直前まで戻ると、今度は奪われないようにパウルが銃を取る結末へと変わりました。そして、ゲオルグに向かって引き金を引きました。

結末ネタバレ:ボートに乗る青年達

翌朝、青年たちはボートに乗ります。縛ったままのアナも一緒でした。彼らは船を出しました。アナは船にあったナイフでロープを切ろうとしますがすぐに見つかり、ナイフを取り上げられてしまいます。

8時過ぎになって時間を確認すると、パウルはアナを湖に突き落としました。ペーターが「9時までは1時間もあったのに」と言いますが、パウルは「ヨットはかったるいし、腹が減ってきた」と返し、ペーターも「言えてる」と言うと、2人は笑い合います。

船を泊めると、別の別荘へと向かいました。「アナの使いですが、卵を2つ拝借できないかと」と言い、別荘の中へと入っていきました。彼らの新しいゲームが始まろうとしていました。

ファニーゲームのキャスト

キャスト:ウルリッヒ・ミューエ

ネタバレでは、膝を砕かれながらも立ち向かおうとしたゲオルグ役を演じたのは、ウルリッヒ・ミューエです。2003年の日本映画『スパイ・ゾルゲ』ではオイゲン・オットを演じました。

『善き人のためのソナタ』では各国で主演男優賞を獲得しています。1997年にアン役のスザンネ・ロータと結婚し、2児の子をもうけるも、胃がんのため54歳で亡くなりました。

キャスト:スザンネ・ロータ(スザンヌ・ロータス)

ネタバレの中でも理不尽な青年たちの暴力に巻き込まれるアンを演じたのは、スザンネ・ロータです。ミヒャエル・ハネケ監督の『白いリボン』や、『ピアニスト』などにも出演しています。

2010年の『オリエント急行殺人事件』ではヒルデガード・シュミット役を演じ、『アンナ・カレーニナ』にも出演しましたが、2012年に51歳で亡くなりました。

ファニーゲームにはグロシーンがある?

直接的なグロシーンはあまりない

あらすじのネタバレを読んで分かるように、『ファニーゲーム』は非常に過激な映画です。しかし、一般的なホラー映画のようにグロテスクなシーンを直接描いていません。グロシーンは描かなかったり、フレームの外で起こっています。

「あえて見せない」ことによって、観客の想像力を掻き立てています。観客の頭の中で起こっているであろうグロシーンと合わせて考えることで、『ファニーゲーム』の世界は完成していきます。

グロより胸糞悪いシーンが多い

『ファニーゲーム』は、ネタバレ解説で読んで想像する以上にグロシーンは少な目です。しかし、グロシーン以上に観客の精神にダメージを与えるのは「胸糞悪いシーン」です。

ショーバー家の人々は、突然理不尽な暴力に巻き込まれました。ゲオルグやアンが実は裏で犯罪に手を染めていた、というわけでもなく、ごく普通の家庭でした。また、パウルやペーターの行動の動機も分からず、劇中ではあえて詳しく説明をしていません。

結末でも青年たちは裁かれることもなく、新しいゲームを開始するところで映画は終わっています。ネタバレ解説でも分かる通り、映画を観終わった後にスッキリするわけでもなく、感動するわけでもなく、ただただ憤りを抱えてしまいます。ですが、それこそが『ファニーゲーム』にしかない感想を抱く理由となっています。

さらに、「観客に向かって語りかける」「これは映画である」といった、いわゆるメタ表現がいろんなシーンに盛り込まれています。こういったシーンは「第3の青年」になったような感覚に陥ります。これによって、観客も共犯者にしてしまうようでもあります。

ファニーゲームのリメイク映画

ファニーゲームU.S.Aの映画情報

『ファニーゲームU.S.A』は2007年に制作された『ファニーゲーム』のハリウッドリメイク版です。監督と脚本をミヒャエル・ハネケ監督が担当していますが、セリフもドイツ語から英語へ変わり、撮影もアメリカのロングアイランドで行われました。

主人公のアンを演じたのは、ナオミ・ワッツです。2001年『マルホランド・ドライブ』の主役を演じて注目を集め、ハリウッドでリメイクされた「ザ・リング」で日本でも知名度が高まりました。

夫のショージ役は、ティム・ロスです。クエンティン・タランティーノ監督の『レザボア・ドッグス』『パルプ・フィクション』などに出演しています。2001年には『PLANET OF THE APES/猿の惑星』では、猿側のボスでもあるセード将軍を演じて話題にもなりました。

リメイク版は青年がイケメン?

『ファニーゲームU.S.A』の青年役を演じた2人は、オリジナル版よりもイケメンになっています。

オリジナル版のパウル役にあたるポールを演じたのは、マイケルピットです。2017年には『攻殻機動隊』のリメイク『ゴースト・イン・ア・シェル』のクゼ・ヒデオ役を演じています。

『ファニーゲーム』のペーター役にあたるピーターを演じたのは、ブラディ・コーベットです。2006年にテレビドラマ『24 -TWENTY FOUR-』のシーズン5でデレク・ハクスリーを演じたほか、2016年には『シークレット・オブ・モンスター』では、監督・脚本・プロデューサーとしてデビューを果たしています。

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ファニーゲームに関する感想や評価

感想は賛否両論

あらすじのネタバレや結末の通り、非常に衝撃的な内容の『ファニーゲーム』ですが、見る人によって賛否両論です。この手の「鬱映画」が好きな人の感想はおおむね好評のようです。

映画を観た人に「二度と観たくない」という感想を抱かせつつも、好きな人の心に爪痕を残して再度視聴させてしまうほどの中毒性を生んでしまうなど、ネタバレと同様に色んな意味で危険な映画と言えます。

ネタバレ終盤で、ペーターが殺されたシーンの巻き戻しの演出やメタ表現なども、感想が分かれています。「興ざめする」といった感想もあれば、「映画に対するアンチテーゼ」といった感想もあり、監督の演出面においても記憶に残る作品となっています。

ネタバレだけでも胸糞悪い

ネタバレだけでも胸糞悪い内容ですが、今は「胸糞映画」もしくは「鬱映画」という1つのジャンルとしてひっそりと語り継がれています。その手の映画には、実はファンが多くいます。

本編でもネタバレでも、良くも悪くも観客にトラウマを確実に植え付けている『ファニーゲーム』は、ネタバレ解説で読む以上に危険な映画と言えます。

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ファニーゲームのあらすじ・結末や感想まとめ

ネタバレも閲覧注意な「胸糞映画」

ネタバレでも解説したように、『ファニーゲーム』は多くの人が認めるほどの「胸糞映画」と言えます。その凄惨な内容や救いのない結末のため、気軽に他人にオススメできる作品ではありません。

しかし、一度観れば決して忘れることができない映画でもあります。観たら気分を害してしまう人もいるかもしれませんが、好きな人にはたまらない作品です。DVD購入やレンタルなどで見かけた際には、ちょっと身構えた方がいいかもしれません。

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