パルプ・フィクションを徹底解説!意味・テーマやあらすじまとめ

1994年に公開された映画『パルプ・フィクション』。クエンティン・タランティーノが描く斬新な群像劇として世間から好評を博しました。ジョン・トラボルタやブルース・ウィリスを始めとする豪華キャストでも話題を呼び、彼らが作中で見せる様々な行動が強烈に印象に残る映画でもあります。今回はそんな『パルプ・フィクション』を取り上げ、あらすじや意味、映画全体のテーマなどを徹底的に解説します。

パルプ・フィクションを徹底解説!意味・テーマやあらすじまとめのイメージ

目次

  1. パルプ・フィクションとは?あらすじや意味・テーマなどネタバレ解説!
  2. パルプ・フィクションのあらすじをネタバレ!
  3. パルプ・フィクションの結末をネタバレ!
  4. パルプ・フィクションの意味・疑問点を徹底考察!
  5. パルプ・フィクションの名言3選!
  6. パルプ・フィクションの出演者を紹介!
  7. パルプ・フィクションを見た人の感想・評価を紹介!
  8. パルプ・フィクションはタイトルの意味とは違い面白い映画だった!

パルプ・フィクションとは?あらすじや意味・テーマなどネタバレ解説!

『パルプ・フィクション』は1994年に公開されたクエンティン・タランティーノ監督の映画です。キャストはジョン・トラボルタに始まりユマ・サーマンやブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソンなど豪華な顔ぶれが揃い、世間での注目を集めました。

しかし、『パルプ・フィクション』が公開されてまもなく、世間はその脚本と構成に驚きました。この映画はただのオールスター映画ではなく、一人の主人公、1つの物語でもありませんでした。豪華キャストたちがそれぞれくだらないことや汚らしいことをし続ける大胆で退廃的な群像劇だったのです。

このセンセーショナルな群像劇は瞬く間に議論を呼びました。『パルプ・フィクション』は1回観ただけでは理解しきれない部分が多く、あらすじを書き出したり、台詞の意味や挟まれたシーンを考察するファンが多く出現しました。それほどこの『パルプ・フィクション』は意味深で難解なテーマな映画なのです。

今回はそんな『パルプ・フィクション』についてあらすじをご紹介し、この映画に隠されたテーマや不可解なタイトルの意味を徹底的に解説します。この記事はネタバレのほか、映画の性質上グロテスクなシーンや暴力シーンの解説も含みますのでご注意ください。(『パルプ・フィクション』は現在のレーティングだとR15に相当します)

パルプ・フィクションのあらすじをネタバレ!

まず始めに、映画『パルプ・フィクション』のあらすじをネタバレ込みでご紹介します。この映画は短編集のようなつくりになっており、各話のタイトルと共に違った主役の物語が始まります。短編の順番は時系列順になっておらず、最後まで観てようやく正しい順番がわかるようになっています。そのため、ここではわかりやすいように各短編ごとのあらすじをご紹介します。

登場人物の整理

最初に登場人物を整理します。各短編は時系列こそ違えど、全ての登場人物がなんらかの形で繋がっています。「1つのくだらない話を視点と時間を変えながら撮られた映画」だと思うとイメージしやすいかもしれません。

主役のような扱いになっているのはビンセントというギャングです。ビンセントはまだ若く、すぐ頭に血が上りやすいチンピラのような男です。次にジュールス。ジュールスもギャングであり、ビンセントの先輩にして相棒。作中では引退を決意しています。

ビンセントとジュールスの上司がマーセルスです。マーセルスはギャングを取り仕切るボスですが、妻のミアを溺愛しており、彼女には逆らえません。ミアは元女優の美女ですが薬物中毒者でもあります。

マーセルスに八百長試合を依頼された不運なボクサーがブッチ。彼は八百長を引き受けたフリをして負ける予定の試合に勝ちました。この件の賭けでブッチは大きな利益を得ます。その後は恋人と共にマーセルスからの逃亡を図ります。

プロローグとエピローグで強烈な印象を残すのがパンプキンとハニーバニー。二人は強盗カップルで、ヴィンセントとジュールスが立ち寄ったレストランで強盗を始めます。直接的に本筋には関係ない二人ですが、この映画のテーマに関わる重要な要素の1つだと言われています。

プロローグ

とあるレストランでパンプキンとハニーバニーは強盗の計画を立てていました。パンプキンは今すぐこのレストランを襲おうと提案し、ハニーバニーもそれに乗ります。二人は銃を取り出し、怒鳴り始め、すぐに強盗が開始されました。

そこから少し時間が巻き戻りビンセントとジュールスの視点へ。ビンセントとジュールスは任務の真っ最中で、組織を裏切った若者たちを殺してボスのアタッシュケースを取り戻します。

VINCENT VEGA & MARSELLUS WALLACE'S WIFE

ここで「VINCENT VEGA & MARSELLUS WALLACE'S WIFE」(ビンセント・ベガとマーセルスの妻)という短編が始まります。ビンセントはボスのマーセルスから一晩だけ妻の面倒を見てほしいと頼まれます。マーセルスが妻に近寄った男を殺すことを知っているビンセントは気乗りしませんが、断れるわけもありません。

ビンセントはマーセルスの妻ミアの要求どおりに過ごし、ツイスト・ダンスまで披露しました。異例の任務も無事に終わるかと思ったそのとき、ミアが薬物過剰摂取で危篤状態に陥ります。これでミアが死んだら俺はボスに殺されると、ビンセントは大慌ててでミアを蘇生しました。

THE GOLD WATCH

次に始まるのは「THE GOLD WATCH」(金時計)という短編です。主人公はボクサーのブッチ。彼はマーセルスから八百長を依頼されこれを承諾しますが、実は負ける気などさらさらなく、逆にこの仕込みを利用して賭けで大儲けします。そしてマーセルスに報復される前に恋人と街を出ようとしますが、彼は父の形見の金時計を忘れたことに気づきます。

彼が自分のアパートに戻ると、そこには既にマーセルスの部下ビンセントが居ました。ブッチは行き当たりばったりですがビンセントの射殺に成功します。「こりゃツイてる!」とブッチは喜び金時計を持って引き返しました。

再び車を走らせるブッチの目の前に、ハンバーガーをテイクアウトしたマーセルスが通りかかりました。ブッチはこの機に乗じてマーセルスを轢き殺そうとしましたがマーセルスはギリギリ生き延びます。ブッチは慌てて近くの質屋に逃げ込み、マーセルスも後を追いました。

ところがこの質屋というのが“イカレて”おり、店主と店員によって二人は監禁されてしまいます。マーセルスは手足を縛られレイプされ、店中に叫び声が響き渡りました。ブッチは自分の番が来る前に奮起し、商品の日本刀でめちゃくちゃに斬殺。マーセルスを助け出します。

マーセルスはブッチに恩を感じ、八百長の裏切りは水に流すと伝えました。ブッチは安心した表情で恋人を連れてどこかに消えていきました。

THE BONNIE SITUATION

次は「THE BONNIE SITUATION」(ボニーの件)という短編が始まります。裏切り者たちからボスのアタッシュケースを取り戻したビンセントとジュールスは、奇襲を受けますが奇跡的に無傷で済みました。二人は「神の思し召しだ」などと言いながら現場に居合わせたマーヴィンという男を連れてその場を後にしました。

ビンセントは車の中でマーヴィンをからかいます。銃を突きつけてくだらない意地悪をしていましたが、そこでうっかり射殺してしまいます。顔面に銃弾を受けたマーヴィンは即死。車内に脳みそが飛び散りました。仕方なく車をジュールスの友人の家に隠しましたが、当然ながら激怒され、二人はウルフという男に死体と車の処理を頼みました。

エピローグ

全ての短編が終わり、エピローグにシーンが移ります。プロローグで強盗を始めたパンプキンとハニーバニーでしたが、たまたま居合わせたジュールスとビンセントがその場を収めようとします。ジュールスは聖書の一節を二人に語り、強盗をやめさせました。

各短編の順番は?

ここまで各短編ごとのあらすじをご紹介しました。あらすじだけ見ても作中の順番が時系列どおりじゃないことがわかります。この映画は意味深なシーンやセリフで混乱しがちですが、ビンセントの死を基準に考えると整理しやすいです。

時系列順に並べると「THE BONNIE SITUATION」→プロローグ→エピローグ→「VINCENT VEGA & MARSELLUS WALLACE'S WIFE」→「THE GOLD WATCH」になります。時系列どおりだと、短気なギャング・ビンセントの日常から、ビンセントの死によってブッチに主役が交代する、という流れになっていることがわかります。

上記のような各短編のあらすじだけでは情報が少ないですが、実際に映画を観るとロケーションや背景の動きでさらに詳細な時系列を追うことが出来ます。

まず1日目、ビンセントとジュールスがアタッシュケースを取り戻しマーヴィンを連れて帰ります。その途中でマーヴィンを殺してしまい、慌てて車と死体を処理します。

2日目、スーツをダメにした二人はラフな格好でレストランで朝食をとります。ここで強盗が発生し、ジュールスが阻止しました。ビンセントとジュールスはそのままボスのマーセルスところへ戻ります。マーセルスはブッチと八百長の打ち合わせ中でした。マーセルスはそのままビンセントにミアの面倒を命令。ビンセントはミアに振り回され、なんとかミアを死なせずに帰ります。

3日目以降、ブッチは八百長の試合を裏切り、賭けで儲けて逃亡します。ビンセントはマーセルスの命令でブッチのアパートに行ったところブッチの手で射殺。その後ブッチはマーセルスの殺人未遂を経て質屋の一件、マーセルスから許しをもらい街を出ます。

ブッチの部分はマーセルスがお昼ご飯にハンバーガーを買ったらしい姿や、モーテルに戻ってる移動時間を含めると1日の出来事ではないと考えられます。しかしビンセントは結局「THE BONNIE SITUATION」で無傷を喜んだ数日後にブッチに撃たれて死んでいるのです。

また、ビンセントが一人でブッチのアパートに居たことから、ジュールスは強盗を諌めたあとギャングを引退してしまったと推測されます。つまり、ジュールスはビンセントが死んだことを知らない可能性が高いです。

パルプ・フィクションの結末をネタバレ!

ここまで各短編のあらすじと、時系列順に並べた際の一本のあらすじをご紹介しました。しかし、登場人物がそれぞれどうなったかという点はそれでもわかりにくいのがこの映画『パルプ・フィクション』です。ここでは、登場人物ごとの結末をネタバレします。各人物の行動に焦点を当てることでよりこの映画のテーマに迫りやすくなります。

強盗カップル:パンプキンとハニーバニー

パンプキンとハニーバニーがプロローグとエピローグに登場する強盗カップルでした。二人は犯罪者でありながらお互いを真に愛している様子が伺えます。強盗時の二人の連携も見事なものでした。

この強盗カップルは偶然居合わせたジュールスの言葉によって考えを改め、レストランの強盗を中止しました。その後は手に入れた金を持って再び各地を転々としていると推測されます。

短気なギャング:ビンセント

『パルプ・フィクション』の主人公に数えられるビンセントは短気で浅慮なギャングでした。相棒のジュールスを慕っており、ジュールスが引退をほのめかすと必死に止める健気なところもあります。また、要領は悪いですが命令された仕事をしっかりこなそうという気持ちもあるようです。

ビンセントは単独でブッチのアパートを捜索してるところ、ブッチに鉢合わせしてあっけなく射殺されてしまいます。無防備な姿でブッチの前に立ってしまった理由がトイレで用を足していたから、というものなのであまりに間抜けな最期だったと言えます。ビンセントはマーヴィンの誤射、ミアのオーバードーズなど、作中では1つもまともに仕事をこなせていません。

ビンセントの相棒:ジュールス

ジュールスはビンセントの相棒にして先輩のギャングです。ビンセントと比べて冷静に仕事をこなす実力を持っていますが、出来の悪いビンセントを嫌っている様子はありません。むしろビンセントのミスにも渋々ながらカバーに回る姿が目立ちます。

しかしそんなジュールスは引退を考える時期に至っていました。ビンセントの引きとめる声にもあまりいい反応はしません。そしてジュールスは偶然居合わせた強盗に身を持って説得に行き、聖書の一節を引用して彼らを説得しました。その後ビンセントと行動をしてる姿が映らないため、本当に引退してしまったという見方が強いです。

殺人ボクサー:ブッチ

ブッチは一般人でありながら作中でビンセント並に人を殺します。マーセルスのときは未遂に終わりましたが、殺しのバリエーションも豊富です。しかしそれが功を奏して最終的にはマーセルスに八百長の件を水に流してもらうことができました。

ブッチはろくでなしのボクサーですが、父の形見の金時計をわざわざ取りに帰るという善良な面も見せます。この金時計は幼少期に父の知り合いだった軍人から父の死の知らせと共に渡されたものでした。結局ブッチは何人もの殺人を重ねたにも関わらず、金時計と恋人と共に無事に街を出ました。

パルプ・フィクションの意味・疑問点を徹底考察!

ここまでは映画『パルプ・フィクション』の各短編のあらすじや時系列の整理、登場人物ごとの結末をご紹介しました。これらの内容を踏まえて、次は『パルプ・フィクション』にまつわる疑問点を考察します。この映画はファンの間でいまだに多くの議論がなされており、映画に託されたテーマやセリフ・タイトルの意味などが長く考えられています。

タイトルの意味・テーマとは?

『パルプ・フィクション』の考察でまず挙がるのがこのタイトル、パルプ・フィクションの意味です。パルプ・フィクションはアメリカの三文雑誌(パルプ・マガジン)から転じて「くだらない話」「意味のない話」というような意味を持つ言葉です。

映画『パルプ・フィクション』もおそらくそのとおりの意味でつけられたと考えられます。各短編のあらすじはくだらない、なんの意味もない汚らしい人間たちの話ばかりです。作中の人物はなんの重みもないように命を落としていきます。そしてなにより、登場人物たちは常にくだらない話をしているのです。

この映画の特徴は「くだらない話」の合間に挟みこまれる「人間の死」にあります。登場人物たちの会話は観客にも覚えがあるような中身のない話題ですが、作中の人物はそれと同じくらいの軽さで殺人をやってのけます。その日常と非日常の繰り返しが『パルプ・フィクション』を異様で鮮烈な作品にしているのです。

もう1つ、「パルプ・フィクション」には意味があります。元の意味からさらに転じてトイレットペーパーという意味があるのです。作中ではビンセントのトイレシーンが複数回写されます。そしてこの映画における「トイレ」は嫌なことが起こる前兆です。とりわけビンセントの死因は「ブッチのアパートで用を足したこと」です。

ここに着目して、この映画は全て「トイレに行かなければ起きなかったこと」を表していると考えるファンも居ます。『パルプ・フィクション』のテーマは「くだらないことで取り返しの付かないことになる人生」であり、タイトルはその象徴である「パルプ・フィクション(トイレットペーパー)」なのだというのです。

アタッシュケースの中身は?

次にビンセントとジュールスが取り戻したアタッシュケースについて考察します。このアタッシュケースに何が入っているのかは作中で一切説明されません。しかし裏切り者たちが盗み、それを殺してまで奪い返すほどのものです。ファンの中にはこのアタッシュケースこそこの映画のテーマであると主張する人も居ます。

アタッシュケースは作中で「666」の番号で開くとわかります。666は悪魔を表す不吉な番号です。そしてアタッシュケースが開かれるとき、必ず中が発光し、見た人物が言葉を失う様子が描かれます。具体的なケースの中身はまったく写されませんが、尋常でないものが入ってるということはわかります。

この演出から、アタッシュケースの中身は「マーセルスの魂」だとする説があるのです。作中でマーセルスが後頭部に絆創膏を貼っているカットが写されますが、悪魔は後頭部から魂を吸い出すと言われています。そのため、「マーセルスは悪魔に魂を売ったが、土壇場になってそれを取り戻そうとした」と解釈されているのです。

ただし、後にマーセルスが絆創膏を貼ってるのは役者のヴィング・レイムスが頭を剃るときにカミソリで切ってしまっただけという真相が明かされ、この説はほぼ否定されました。しかしサミュエル・L・ジャクソンがケースの中身についてタランティーノ監督に尋ねたところ、「お前が強く望むものだよ」と意味深な答えを返されたといいます。

こんな議論自体がパルプ・フィクション

『パルプ・フィクション』は本当に文字通りなんの意味もテーマもない映画だと考察する声もあります。たしかに、『パルプ・フィクション』の短編を時系列どおりにしてあらすじを見ると、そこには小汚いギャングやボクサーが右往左往するだけの三文芝居が浮き上がります。

しかしその現実に向き合わず、意味のありそうなシーンやセリフを抜き出してああでもないこうでもないと議論する我々が居ます。そのような無駄な議論をする我々(観客)を含めて全てパルプ・フィクション(くだらない話)なのだ、というのがこの考察の核心です。つまり、『パルプ・フィクション』は「この映画を観て大真面目に考察する馬鹿な観客が出てくることまで見越して作られたのだ」という説なのです。

もしこの考察が真実ならば、20年以上経った今もこの映画のテーマ性や意味を論じているこの状態は全て監督の思惑通りということになります。しかし、現在もタランティーノ監督はあらゆる考察に対して明確なレスポンスをしていません。おそらくこの先も『パルプ・フィクション』のテーマや多くの意味深なシーンに対して明言される可能性は限りなく低いと見られます。

パルプ・フィクションの名言3選!

ここで一旦テーマの考察からは離れて、映画『パルプ・フィクション』における名ゼリフをご紹介します。『パルプ・フィクション』は印象的なセリフが次々飛び出しますので、そこに注目して鑑賞するのも面白いのです。

「チーズ・ロワイヤルさ」

セリフの大半が「くだらない話」である『パルプ・フィクション』において、最も印象的な「くだらない話」がこのセリフです。ヨーロッパから帰国したばかりのビンセントが「ヨーロッパの連中はメートル法だから、クォーターパウンダーなんて言ってもわからないのさ」と言い出し、ジュールスが「じゃあなんて言うんだ?」と聞くと「チーズ・ロワイヤルさ」と返すのです。

この返しはジュールスには大ウケで、さらに二人のマクドナルド話は続きます。ファンの間でも愛されているセリフであり、2007年の映画雑誌「プレミア」では映画の名ゼリフランキング81位にランクインしています。

「ああ、ハッピーだ」

実際、アタッシュケースの中を見た二人はなぜかうっとりした表情を浮かべて中身に釘付けになります。しかし結局作中でも監督のインタビューでもケースの中身が何なのか明らかになることはありませんでした。

裏切り者たちからアタッシュケースを取り戻し、ジュールスとビンセントがケースの中身を確認したときにビンセントが発したのが「ああ、ハッピーだ」でした。直前にジュールスに「ビンセント!ハッピーか?」と聞かれた答えです。この意味深なセリフが、『パルプ・フィクション』におけるアタッシュケースの中身論争に発展したのでした。

「うわーマーヴィンのドタマにブチ込んじまった」

ビンセントがうっかり車内でマーヴィンを射殺してしまったときのセリフが「うわーマーヴィンのドタマにブチ込んじまった」です。人を殺しておいて真っ先に出たのが「うわー」なのがビンセントの性格をよく表しています。直後に「は!?何だと!?」と驚くジュールスもまた笑いを誘います。

マーヴィンの死によってビンセントも車内も血と肉片まみれになり、作中でも印象的なゴアシーンとなっています。タランティーノ監督の作品は『パルプ・フィクション』のみならず、こういったゴアシーンがよく登場します。

「前を吹き飛ばして、ケツを拷問してやる!」

ブッチに助けられたあと、マーセルスが自分を犯した男をショットガンで撃ったあとのセリフが「前を吹き飛ばして、ケツを拷問してやる!」でした。ギャングのボスであるマーセルスにとって、質屋の店員風情に監禁され、あまつさえレイプされたというのは相当な屈辱でした。

しかし、このセリフはブッチの「このあとどうする?」という質問に対する返答です。ブッチは「(俺たち)このあとどうする?」と聞いたつもりでしたが、マーセルスの頭は目の前のレイプ犯でいっぱいでした。そのため「前を吹き飛ばして、ケツを拷問してやる!」と誰も聞いてないことを答えてしまったのでした。

パルプ・フィクションの出演者を紹介!

一見して下世話なあらすじを持つ『パルプ・フィクション』がここまでテーマ性を考えられるようになったのは、やはり実力のある役者たちを揃えたおかげです。ここでは『パルプ・フィクション』を演じた豪華キャストをご紹介します。

ジョン・トラボルタ(ビンセント・ベガ役)

ビンセントを演じたのはジョン・トラボルタです。『パルプ・フィクション』までの彼はいかにも青春といったあらすじの『グリース』『サタデーナイトフィーバー』などのヤング向け映画が代表作でした。これらの作品も非常に高い評価を得ましたが、『パルプ・フィクション』で見せたトラボルタの新たな演技はそれまで以上にファンを魅了しました。

トラボルタはここから『ソードフィッシュ』『パニッシャー』など悪役と演者としてもキャリアを重ねました。トラボルタがアイドル俳優というイメージを払拭するきっかけとなったのがこの『パルプ・フィクション』だったのです。

ちなみに、トラボルタが作中で披露するツイスト・ダンスは先ほど記載した彼の代表作『サタデーナイトフィーバー』のパロディです。まったく違う役どころながら、アイドル時代と遜色ないキレのあるダンスを披露しました。

サミュエル・L・ジャクソン(ジュールス・ウィンフィールド役)

ジュールスを演じたのはサミュエル・L・ジャクソン。サミュエルは『パルプ・フィクション』の前年に公開されたタランティーノ監督の映画『トゥルー・ロマンス』にも出演している監督お気に入りの役者です。ジュールス役として哀愁を背負ったギャングを見事に演じました。

現在サミュエル・L・ジャクソンと言えば『アベンジャーズ』のニック・フューリー役が当たり役となりましたが、本来はバイオレンス映画の演技派として有名な役者でした。

ユマ・サーマン(ミア・ウォレス役)

ミア役を演じたのはユマ・サーマン。美人で妖艶なミアがオーバードーズで痙攣する演技は観客の度肝を抜きました。『パルプ・フィクション』ではポスターにも採用された美しい喫煙姿が印象的です。

しかしユマは今年(2018年)の2月に『パルプ・フィクション』の制作会社の代表者であるハーヴェイ・ワインスタインから過度のセクシュアル・ハラスメントを受けていたことを告発しました。『パルプ・フィクション』の公開当時、ユマが宿泊していた部屋に来たワインスタインが局部を見せつけようとしてきたとユマは語っています。

ブルース・ウィリス(ブッチ・クリッジ 役)

ブッチ役はブルース・ウィリス。既に『ダイ・ハード』『ダイ・ハード2』を経ていぶし銀のアクション俳優のイメージを固めていた彼でしたが、『パルプ・フィクション』で演じたのは汚い落ち目のボクサーでした。

正義側として人を殺すシーンは多々あるブルースでしたが、『パルプ・フィクション』での追い詰められたネズミが如く、がむしゃらに人を殺す際の演じ分けは見事なものでした。ブッチは彼の演技力の高さが伺える役の1つです。

クエンティン・タランティーノ(ジミー役)

タランティーノ監督も脇役として出演しています。タランティーノの「出たがり」は今やファンの間ではおなじみの光景です。彼が演じたジミーはジュールスの友人であり、マーヴィンの死体と血まみれの車をガレージに置かれた不幸な男でした。

タランティーノの演じるジミー、そして主役のビンセントは映画『レザボア・ドッグス』の登場人物と血縁関係であるという裏設定があります。ビンセントはヴィッグ・ベガの弟、ジミーはラリー・デミィックと親戚です。『レザボア・ドッグス』はインディペンデント映画ベスト50で第1位に選ばれるほど高い評価を得た作品でした。

パルプ・フィクションを見た人の感想・評価を紹介!

最後に、『パルプ・フィクション』を実際に観た人たちがどんな感想を持ったのかご紹介します。映画にこめられた意味、テーマへの考察は観た人によって様々です。ここではその中でもよく見られる感想をご紹介します。今まで解説したあらすじも踏まえてご覧ください。

脚本がユニーク!

『パルプ・フィクション』で最も評価される点が脚本のユニークさです。あえて時系列をバラバラにした群像劇は当時としては新鮮でした。これ形式は後の映画界、テレビ界にも大きな影響を与え新しい群像劇のスタイルとなりました。この映画がテーマ性について議論される大きな要因もこの脚本にあります。

キャストが素晴らしい!

『パルプ・フィクション』は豪華なキャストでも有名です。1994年当時はもちろん、今観ても驚くようなキャストがスクリーンに飛び出します。加えて役者の新たな一面を見出すような配役も高く評価されています。

シーンが強烈!

くだらない話であるにも関わらず、この映画には強烈に印象に残るシーンが数多く含まれます。例えばレイプされてしまうマーセルスや、突然頭を撃たれるマーヴィンのシーンなどです。どれも従来のバイオレンス映画を覆す斬新な暴力シーンばかりでした。

パルプ・フィクションはタイトルの意味とは違い面白い映画だった!

いかがでしたでしょうか?『パルプ・フィクション』は現在もなお、多くのファンによってあらすじの並び替えやシーンの解説、テーマの議論などが成されています。このコンテンツの多さは『パルプ・フィクション』が非常に面白い映画であること、そしてファンが是非より多くの人に観てもらいたいと思っていることに他なりません。

動画配信サイトで過去の映画がどんどん配信されるようになった今の時代、『パルプ・フィクション』も気軽に観れる過去の名作の1つになりました。これからもこの映画を観て感嘆し、隠されたテーマを考察したがる人々が増えていくに違いありません。

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