ヴィデオドロームのネタバレ感想!伝説的カルトムービーのあらすじと結末は?

『ヴィデオドローム』は、1983年に公開されたデヴィッド・クローネンバーグ監督の映画です。難解な内容のため、興業的には失敗しましたが、ビデオ化されたことによって徐々に人気が出てきて、今では「カルト映画」の代名詞ともなっています。この記事では、映画の基本情報やクローネンバーグ監督の紹介とともに、難解な内容の『ヴィデオドローム』のあらすじや結末のネタバレ解説をしていきます。

ヴィデオドロームのネタバレ感想!伝説的カルトムービーのあらすじと結末は?のイメージ

目次

  1. ヴィデオドロームとは?
  2. ヴィデオドロームのあらすじネタバレ
  3. ヴィデオドロームの結末ネタバレ
  4. ヴィデオドロームの監督
  5. ヴィデオドロームの主要キャスト
  6. ヴィデオドロームに関する感想や評価
  7. ヴィデオドロームのあらすじ・結末のネタバレまとめ

ヴィデオドロームとは?

ヴィデオドロームの映画情報

『ヴィデオドローム』は、デヴィッド・クローネンバーグ監督のカナダ映画です。1983年に公開された『ヴィデオドローム』は、クローネンバーグ監督の代表作となりました。

約592万ドルで作られましたが、あまりに難解な内容のため、当初は製作費の半分も回収できませんでした。しかし、後にビデオ化されたことで「カルト映画」として人気が高まりました。

あらすじは難解ながらも惹き込まれ、クローネンバーグ監督の肉体破壊描写も相まって、万人受けはしないまでも人気のある映画です。また、現実と幻覚が曖昧になっていくというテーマは、現在のインターネットやVRを予見した、という声もあります。

ヴィデオドロームのあらすじネタバレ

あらすじネタバレ:リアルすぎる映像

小さなケーブルTV局「シビックTV」の社長のマックス・レンは、自社で流すビデオ映像を探していました。特に彼が求めていた物は、ポルノや暴力映像などの過激な題材でした。「過激な映像が暴力衝動を助長する」と非難されても、彼はより過激な映像を求めていました。

会社のエンジニアのハーランに頼み、衛星放送を盗み見ると、ある番組を目撃しました。その映像にはあらすじのようなストーリーはなく、ただひたすらに拷問や殺人の映像が流れ続けていました。

あらすじネタバレ:ヴィデオドローム

『ヴィデオドローム』という名前の海賊番組は、海外からのように偽装されていましたが、アメリカのピッツバーグから放送されていました。ごく一部の人たちは知っていましたが、業界の中でも知っている人は少数です。

マックスはなんとかしてヴィデオドロームの映像を手に入れようとします。しかし一向に正体は掴めず、ガールフレンドのニッキーは興味から「出演したい」と言い、ピッツバーグへ向かいます。マックスは同業者に調査を依頼しますが、「ヴィデオドロームに関わるのはやめた方がいい」と忠告されます。

ヴィデオドロームで流されている映像は、演技ではなく本物です。実際に人が拷問され、人が殺されています。それを聞いてもなお、マックスはヴィデオドロームへの興味が尽きません。マックスはヴィデオドロームの生みの親と思しき人物として、1人の名前を聞きます。

「オブリビアン教授」それは、マックスがTV出演した際にブラウン管越しに登場した人物でした。

あらすじネタバレ:ブラウン管伝導所

マックスはオブリビアン教授に会うために「ブラウン管伝導所」という場所へ向かいます。そこは薄い木の板などで区切られた多数の区画に、ブラウン管テレビがおいてあり、浮浪者たちがテレビを眺めている異様な施設です。

「浮浪者がああなったのはブラウン管との接触が少ない」ため、彼らを助けるための施設です。マックスはオブリビアン教授とも会えず、娘のビアンカにヴィデオドロームについて聞きますが、彼女は知らないと答えました。

しかし、家に帰ると秘書が荷物を持ってきました。荷物はオブリビアン教授からのビデオテープでした。ビデオを手にした瞬間、ビデオカセットが生きているように動きました。この頃から、マックスは徐々に幻覚を見るようになります。

あらすじネタバレ:生きてるビデオ

届いたビデオテープをデッキにセットすると「テレビの画面は、心の目の網膜だ」と、オブリビオン教授は彼がよく言うフレーズを口にします。単なるビデオメッセージだと思い、マックスは鼻で笑いますが、次の瞬間オブリビオン教授が「マックス」と名前を呼びました。

オブリビアン教授はテレビの中から語りかけ、マックスはすでに半分はビデオの幻覚世界に入っていると言い、完全にビデオの幻覚世界に入る危険があるとも言っていました。教授は「脳腫瘍を取り除いたら、それがヴィデオドロームだった。私がヴィデオドローム最初の犠牲者だ」と言い、背後から現れた黒い頭巾を被った人物の殺されます。

黒い頭巾を取ると、それはニッキーでした。「待っている」とニッキーは語っています。マックスはテレビに近付くと、まるでテレビが生きているように様々な部分が盛り上がります。ニッキーの吐息に合わせて、血管のようなものまで浮き出してきます。ニッキーの唇がアップで映された画面に、マックスはまるで誘われているように顔を埋めます。

あらすじネタバレ:幻覚を見るマックス

届いたビデオをビアンカの元に持っていきました。すると、彼女からヴィデオドロームの危険性について聞かされます。見る者に脳腫瘍を起こすことが分かったマックスは、ヴィデオドロームを見てから幻覚が始まったと気付きます。

そして、オブリビアン教授の部屋へ通されますが、そこにあったのは無数のビデオテープでした。教授は11ヶ月前に死亡しており、生前遺したテープの中からビアンカが選び出して生きているように見せていました。マックスはビアンカから、これから起こる出来事を知るためにビデオテープを受け取ります。

教授のテープを見ると、再びマックスは幻覚を見ます。マックスの腹部が割れていました。拳銃を手にした手で腹を探っていると、割れ目に腕まで入りました。腕を引き抜いた時には、その手に拳銃はありませんでした。

あらすじネタバレ:世界浄化計画

拳銃を探しているマックスの元へ、バリーと名乗る人物からの呼び出しがありました。車に乗り込むと車載モニターには「スペクタキュラー・オプチカル 世界に目を」という眼鏡店のロゴが浮かび上がります。

モニターに現れたバリーは、マックスを自分たちの集団に招きたいと言います。バリーはヴィデオドロームを「巨大な幻覚製造機」にしようと考え、その電波を捉えたマックスに目を付けました。記録のために、バリーは装置でマックスの幻覚を分析しようとします。

しかし、ヴィデオドロームの電波は存在せず、バリーとハーランがマックスを利用するために仕組んだ映像だったと知らされます。彼らの目的はマックスの会社のチャンネルを介して世界中にヴィデオドロームを流し、世界を浄化させようとしていました。

ヴィデオドロームの結末ネタバレ

結末ネタバレ:洗脳されたマックス

バリーはマックスの腹の裂け目にビデオテープを入れると、会社を乗っ取るために「会社の人間を殺せ」と洗脳していきました。マックスの手には、自分の腹部に消えたはずの拳銃が握られていました。そのまま会社へ行くと、銃を発砲して重役2人を殺害しました。

パニックに陥る会社から逃げ出したマックスは、そのままブラウン管伝導所へと向かいます。彼の頭の中には「ビアンカを殺せ」を鳴り響いていました。

結末ネタバレ:連続殺人犯・マックス

ビアンカを殺すため、マックスは建物に忍び込みました。しかし、ビアンカはマックスが殺しに来たことを察していました。彼女はマックスにニッキーがヴィデオドロームで殺されている映像を見せます。

すると画面が肉塊のようなものが伸びてきて、先端から発砲してマックスを撃ちます。そしてビアンカは、マックスはビデオ人間という新人間になったと告げると、逆にヴィデオドローム側の人間を殺そうとしてマックスを洗脳します。

翌日、警察の捜査が始まっている中、スペクタキュラー・オプチカルへと乗り込んでハーランを殺害すると、バリーを探しにスペクタキュラー・オプチカルが開催している見本市ショーの会場へと向かいます。

そして、マックスはショーのステージに登場してきたバリーを射殺します。「ヴィデオドロームに死を!」マックスはそう叫んで会場を後にします。殺されたバリーの体からは生物のようなものが食い破ってくるように蠢いていました。

結末ネタバレ:マックスの最期

寂れた港にある接収船の中で、マックスはテレビ画面に映ったニッキーと会話をします。「死は終わりではない」と言うニッキーが映っている画面は変わり、そこにはマックスが映っていました。銃をこめかみに当てて引き金を引くとテレビが爆発し、画面から内臓のようなものが飛び出してきました。

マックスはまるで操られているように、画面に映った通りに行動に移します。こめかみに銃口を当てると「新人間よ、永遠なれ」そう言って引き金を引きました。

ヴィデオドロームの監督

デヴィッド・クローネンバーグ

デヴィッド・クローネンバーグ監督は1943年、カナダのトロントで生まれました。子供の頃は、記者をしていた父親の影響で物語を書いたり、バレエ団でピアニストをしていた母親の影響でクラシックギターをたしなんでいます。大学在学中に短編小説で賞を受けるなどの才能を見せました。

映画を撮り始め、短編映画やテレビ用の作品を作成しました。映画監督の他にも脚本も手掛け、俳優としても出演をしています。

また、実息であるブランドン・クローネンバーグが、2013年『アンチヴァイラル』で監督デビューを果たしました。父親同様、今後の活躍が楽しみな監督です。

クローネンバーグの主な監督作品

1980年、スキャナーと呼ばれる超能力者たちの戦いを描いた『スキャナーズ』を製作しました。特殊メイクを駆使したショッキングな映像はたちまち人気を博し、『ヴィデオドローム』の製作へと至りました。

『ヴィデオドローム』の他には、1958年にヒットした『ハエ男の恐怖』をリメイクした『ザ・フライ』とその続編『ザ・フライ2 二世誕生』が有名で、クローネンバーグ監督の代表作の1つとなっています。『ヴィデオドローム』同様に、後味の悪い結末や特殊メイクなどは、現在でも十分衝撃的です。

また、『裸のランチ』や『スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする』、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』などの映画を監督し、コアなファンを生み続けています。

ヴィデオドロームの主要キャスト

ジェームズ・ウッズ

『ヴィデオドローム』で主演のマックス・レンを演じたのは、ジェームズ・ウッズです。1947年生まれで、軍人だった父親の影響で空軍士官学校に入学を予定していましたが、事故に遭い入学を断念しています。

IQは180と高い知能をもっており、大学進学適性試験では満点である800点を取っています。マサチューセッツ工科大学へ進学しますが、後に中退し、舞台役者としてデビューします。

クエンティン・タランティーノ監督の映画『レザボア・ドッグス』のオファーがあったものの、提示額が低かったためにエージェントが勝手に断った、というエピソードも残っており、彼は後にエージェントを買い越しています。ウッズにオファーがあったのはミスターオレンジで、ティム・ロスが演じています。

デボラ・ハリー

ニッキー役を演じたのは、デボラ・ハリーです。1945年生まれのミュージシャンです。1974年にロックバンド「ブロンディ」を結成しました。デボラの唇に保険がかけられるほど人気で、ブロンディの全世界のアルバムセールスは4000万枚以上で、2006年にはロックの殿堂入りもしています。

デボラ・ハリーは女優としても活躍しており、映画では『ヴィデオドローム』以外にも『ヘアスプレー』のヴェルマ・フォン・タッセル役や、『死ぬまでにしたい10のこと』では主人公アンの母親を演じています。

現在73歳ですが、年齢を感じさせないデボラ・ハリーは、まさに「美魔女」と絶賛する声もあります。

ヴィデオドロームに関する感想や評価

強烈な映像がクセになる

クローネンバーグ監督の作った『ヴィデオドローム』のストーリーは、決して分かりやすいものではありません。しかし、そのクセになる強烈な映像は多くの人を惹きつけています。

「内容はよく分からないけど、とにかく記憶に残る」というのがクローネンバーグ作品には多くあり、特に『ヴィデオドローム』はそう言った声があります。特殊メイクによる肉体破壊描写もたっぷり描かれており、まるで劇中のヴィデオドロームのように、観客にショックを与え続けています。

さらに、衝撃的な結末を評価する声もあります。現実と幻覚が曖昧になっていくマックスの様子は、まるで観客が疑似体験しているような感覚に陥ります。どこまでが幻覚なのかも曖昧まま自ら命を絶ったマックスの姿は哀れでもあり、いつか自分にも降りかかるかもしれないという恐怖も感じます。

また、『ヴィデオドローム』を推す人たちにはクローネンバーグ監督のファンも多く、いかに『ヴィデオドローム』が人々に強烈な印象を与えたかが分かります。ショッキングな結末も、気味の悪さをより一層掻き立てています。

『ヴィデオドローム』がきっかけでクローネンバーグ監督の虜になる人も多いのですが、カルト映画なためレンタル店にあまり置いていない場合もあるようです。大型の店舗や品揃えのいいレンタル店を探すが、DVDやブルーレイを買う必要も出てきます。

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クローネンバーグ作品を観るのは意外と難しいかもしれませんが、他の映画にはない独特でエキセントリックな映像がそこにはあります。ファンは親しみをこめて「変態」と呼びますが、ショッキングな結末や唯一無二の独創性はその名に恥じない個性です。

ヴィデオドロームのあらすじ・結末のネタバレまとめ

『ヴィデオドローム』は、今でもカルト映画としての地位を確立しています。不気味な映像、衝撃的な結末、そしてクローネンバーグ監督が描く独特な映像は、一度観たら忘れられません。

映画を観るだけで、現実と虚構の狭間がなくなっていく感覚を味わえる『ヴィデオドローム』は、これからも有名なカルト映画として語り継がれていくでしょう。

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