2019年03月04日公開
2019年03月04日更新
エンゼルハートをネタバレ解説!映画のあらすじと見所は?【ミッキー・ローク】
「人間には、知ってはならないことがある」世界中を恐怖に陥れた問題作「悪魔のバイブル」を基に制作されたアメリカ映画「エンゼルハート」。2枚目俳優として全盛期を迎えていたミッキー・ローク主演のオカルトホラー作品は、卓越した映像美と音楽演出により、ホラー映画に革新を与えました。今回は、映画「エンゼルハート」のネタバレを交えたあらすじと衝撃的な結末、作品の見どころ等を紹介します。
エンゼルハートとは?
「人間には、知ってはならないことがある」というキャッチコピーと、細部にまでこだわりが詰まった映像美や音楽、そして主演・ミッキー・ローク、ロバート・デ・二―ロを始めとする名優たちの迫真の演技が、観る者を恐怖に陥れるアメリカの映画「エンゼルハート」のあらすじ・結末・みどころをネタバレを交えて紹介します。
エンゼルハートの作品情報
1987年に公開された映画「エンゼルハート」は、小説「堕ちる天使」を原作とする映画作品です。本作品は、高度な映像技術と音楽演出に定評のあるアラン・パーカー監督により制作されたオカルトホラー作品で、従来のホラー作品にはない卓越した技術力が、後の映画界に大きな影響を与えたと言われています。
そして、映画「エンゼルハート」の原作となった小説「堕ちる天使」は、これまでにない過激な描写により廃刊運動まで巻き起こった問題作であり、後に「悪魔のバイブル」と呼ばれました。
エンゼルハートの予告映像
廃刊運動まで巻き起こった問題作「堕ちる天使(悪魔のバイブル)」の紹介から一変して、映画の予告動画が次々と映し出されます。一見すると、ありきたりなミステリー映画のように感じてしまうでしょうが、例えようのない恐怖心をあおる音楽が加わることで、予告映像を視聴しただけも、とてつもない恐怖を覚えるでしょう。
エンゼルハートの映画あらすじネタバレ
映画「エンゼルハート」は、後の映画作品に大きな影響を与えた映像技術や音楽により、日本でも人気の高いホラー映画として知られています。まずは、映画「エンゼルハート」の気になるあらすじと衝撃的な結末を、ネタバレを交えて紹介します。
あらすじネタバレ:探偵ハリー・エンゼル
時代は遡ること1955年、ニューヨークのブルックリン私立探偵ハリー・エンゼル(ミッキー・ローク)は、謎めいた上流階級風の紳士ルイ・サイファーから人探しの依頼を受けます。依頼人ルイ・サイファーが探し求めている人物は、第二次世界会戦前に人気歌手として活動していたジョニー・フェイバリットでした。ジョニーは、戦争により精神を患って以降、入院生活を送り続けていました。
ある日、彼の弁護士が、知り合いのサイファーに病院を訪れること頼まれます。しかし、病院にジョニーの姿はなく、不信に思ったサイファーによって、人探しの依頼がハリーの元に届きました。
あらすじネタバレ:ジョニーの行方
ジョニーの行方を聞き出そうと主治医に問いただすも、ジョニーは転院したと言い張り、その様子は怪しさを漂わせていました。そこで、ハリーは無断で医師の自宅を漁り、治療以外の用途と思われるモルヒネを発見し、モルヒネを盾にジョニーの居場所を聞き出します。
弱みを握られた医師は、ジョニーは正体不明の男女に連れ去られたことを白状します。しかし、食事のために一旦、医師宅を離れたすきに、何者かによって医師が銃殺されてしまいます。異変に気付いたハリーは、すぐさま自分が居た証拠を隠蔽し、捜査の打ち切りをサイファーに連絡します。しかし、サイファーは、事件をことを意に介さず、茹卵を片手に金額を釣り上げて、捜査続行を再開させます。
あらすじネタバレ:ブードゥ教の儀式
サイファーの懇願により捜査続行を余儀なくされたハリーは、ジョニーの婚約者・マーガレット、彼の愛人でエバンジェリンと彼女の忘れ形見・エピファ二ーを探し当てますが、有力な情報は得られませんでした。そして、ジョニーの友人であるトゥーツは、ジョニーの名前を聞いただけで、ハリーに警戒心を見せます。トゥーツの様子を怪しんだハリーは、トゥーツの跡をついていきます。
そして、辿りついた先で、ブードゥ教の儀式を目撃します。ブードゥ教の儀式参加者の中には、先ほど聞き込みを行なったトゥーツやエピファ二―の姿も見えました。人びとは、鳥の血を浴びた狂人と化し、昼間聞き込み調査を行なったトゥーツやエピファニーからは想像がつかない彼等の変わり果てた姿に、ハリーは寒気を覚えます。
あらすじネタバレ:悪魔との契約
ブードゥ教の狂乱の儀式を間の当たりにしたハリーは、参加者のトゥーツ達を問い詰めます。すると、トゥーツ・エピファニー、彼女の母・バンジェリンは共に悪魔崇拝者、つまりブードゥ教の信者であることが明かされます。その翌日、ブードゥ信者のトゥ―ツとジョニーの婚約者・マーガレットが惨殺された姿で発見されます。ハリーはマーガレットの父・イーサンに問いただし、全てが明るみにされます。
出典: https://note.mu
ジョニーを病院を連れ出した正体不明の男女はイーサン達であったこと、そして、トゥール達に加え、イーサン自身もブードゥ教の崇拝者であることが明かされます。また、ジョニー自身も悪魔崇拝者であり、歌手として成功できた裏には、悪魔と契約を交わしていたことを知ります。取引には、自分の魂を渡す代わりに、別の人間たちの魂を多数渡すことが条件でした。
悪魔との契約など、空想を聞かされた気分のハリーは、イーサンの話を信じられずにいました。そして、エピファーの自宅を訪れると、彼女も無残に殺された跡でした。そして、ハリーの脳裏に何かが映し出され、その映像が何なのか分からずにいました。すると、そこへ依頼人サイファーが、ハリーの目の前に登場します。そして、ハリーに対して「思い出したか?」と笑顔で問いかけます。
あらすじネタバレ:ジョニー=ハリー
ジョニーの行方探索の依頼を頼んだサイファーの正体は、ルシファー(悪魔)でした。そして、過去にルシファーと契約を交わしたジョニーは、ハリー本人であることが明かされます。サイファーの一言と不気味な笑顔で、ハリーは全ての記憶を思い出します。それは、ジョニーとして戦前歌手として成功を収めることができた陰には悪魔との取引があったこと、そして、その代償が一連の殺人事件と繋がります。
結末ネタバレ:ハリー・エンゼル
自身の野望のために軽い気持ちで交わした悪魔との取引終了に伴い、ハリーは、悪魔ことルイ・サイファーに自身の魂を捧げることとなります。全てが思惑通りに進んだルイ・サイファーは、勝ち誇った笑みを浮かべながらハリー・エンゼルが警察に連行される姿を見送り、物語は結末を迎えます。
エンゼルハートの見どころ
依頼人・アイファーの要請で、悪魔を信仰するブ―ドゥ教の実態や残虐すぎる殺人事件、そしてそれら一連の事柄は、ハリー・エンゼルことジョニー・フェイバリットと悪魔との取引が全ての引き金だったというショッキングな結末に、例えようのない恐怖を感じさせます。以下では、映画「エンゼルハート」のみどころを9つに区分し紹介します。
見どころ①原作「堕ちる天使」
ミッキー・ローク主演の映画「エンゼルハート」は、ウィリアム・ヒョーツバーグ著の小説「堕ちる天使」を基に映画制作がなされました。原作となった「堕ちる天使」は1987年に刊行されたホラー小説であり、作中で表現された暴力・性的・宗教的描写が、非人道的過ぎるとの理由から廃刊運動が巻き起こった「悪魔のバイブル」として知られています。
みどころ②監督アラン・パーカー
世間で廃刊運動が起こるほどの過激な描写が多い「堕ちる天使」は、アラン・パーカー監督によって映像化されます。細部までこだわり抜いた演出・映像美、音楽の使い方などに定評のあるアラン・パーカー監督による映画「エンゼルハート」は、監督の腕が最大限に生かされた作品と言われており、「ホラー映画ではない」とその映像美が高く評価されている映画作品です。
みどころ③探偵ハリー・エンゼル
主人公ハリー・エンゼルを演じたミッキー・ロークの魅力も映画「エンゼルハート」のみどころの1つです。ミッキー・ロークは、その甘いマスクにどこか孤独な暴力を秘めたミステリアスな雰囲気で、当時はアメリカのセクシーシンボルとも呼ばれていました。アラン・パーカー監督によって引き出されたミッキー・ロークの魅力にも着目して映画「エンゼルハート」を見てみませんか。
みどころ④依頼人ルイ・サイファー
出典: https://note.mu
映画の結末にて正体が明かされた依頼人ルイ・サイファーを演じた俳優は、日本でも高い知名度・人気を誇るロバート・デ・二―ロです。今回は、ルシファー(魔王)役をいうことで、役作りから謎めいた雰囲気、そして結末で演じた悪魔の微笑みは、まさにアメリカを代表する名優の演技でしょう。
みどころ⑤占い師マーガレット
ジョニー・フェイバリットの元婚約者で、心臓をえぐり取られた残虐な方法で殺された謎の占い師・マーガレットを、シャーロット・ランプリングが演じました。作中での登場シーンから目立った役柄でもないことから、他の女優の起用がささやかされましたが、シャーロットの女優としての実力に目を着けたパーカー監督の思惑により、占い師マーガレット役に起用されたエピソードを持ちます。
みどころ⑥巫女エピファニー
「ザ・コスピー・ショー」でお茶の間のアイドル的存在だったリサ・ボネットですが、映画「エンゼルハート」では、昼間は純粋そのものの性格を演じ、夜には、ブードゥ教の巫女として狂乱に満ちた儀式を行なう演技を見せました。このように異なる人格を自在に演じたリサ・ボネットの演技力の高さも、映画「エンゼルハート」の見どころの1つです。
みどころ⑦映像演出
卓越した映像美に定評のあるアラン・パーカー監督が「エンゼルハート」に施した映像演出は、後の映画作品に大きな影響を与えました。例えば、映画冒頭のシーンにて、一見すると何気ない光景が映し出されますが、徐々に例えようのない不安や恐怖を視聴者に植え付ける不思議な魅力を秘めています。
みどころ⑧恐怖を倍増させる音楽
映画「エンゼルハート」は、映像技術だけでなく、それらに合わせる音楽にも視聴者に恐怖を与える要素をはらんでいます。例えば、映画の前半シーン、主人公・ハリー(ミッキー・ローク)が車を運転しながら下手な口笛を吹くシーンさえ、後に起こる恐怖を予感・倍増させるきっかけを作っています。このように、映像と音楽の絶妙な掛け合わせが、映画全体に恐怖感を与えています。
みどころ⑨迫力のあるストーリー
卓越した映像と音楽、俳優陣の演妓は勿論、映画全体の迫力あるストーリーが、「エンゼルハート」の最大のみどころです。序盤の恐怖を誘う演出から、視聴者の予想を裏切る結末は、主演ミッキー・ロークの気迫ある演技を最大限に引き立て、観る者を映画の世界に引き込んでしまうストーリー展開で、日本でも根強い人気を誇るホラー映画です。
エンゼルハートの登場人物・キャスト
あまりにも過激な描写から廃刊運動まで起こった問題作「堕ちた天使」を原作とする映画「エンゼルハート」は、アラン・パーカー監督が選び抜いた「最高のキャスト」によってホラー映画界に革新をもたらしました。以下では、「エンゼルハート」の主要キャスト4人を紹介します。
ハリー・エンゼル/ミッキー・ローク
主役ハリー・エンゼル役を演じたミッキー・ロークは、1952年生まれ、ニューヨーク出身の俳優で、1979年に映画デビューを果たします。1981年公開の映画「白いドレスの女」にて注目を集め、アメリカのセクシーシンボルと呼ばれました。当時、人気絶頂のさなかだったミッキー・ロークの俳優としての実力が、映画「エンゼルハート」にて観ることができます。
ルイ・サイファー/ロバート・デ・二ーロ
「ゴットファーザーPart2」を始め、日本でも人気を博した映画作品に多数出演するロバート・デ・二ーロは、1943年生まれ、ニューヨーク出身の俳優で、「デ・二―ロ・アプローチ」と呼ばれる程の徹底した役作りが有名です。彼の役作りにかける情熱は「エンゼルハート」でも存分に発揮され、結末で正体が明かされたルイ・サイファーの存在だけで、作品全体に恐怖を与えています。
エピファニー/リサ・ボネット
エピファニーを演じたリサ・ボネットは、1967年生まれ、カリフォルニア出身の女優です。映画「エンゼルハート」は、リサ・ボネットの劇場映画出演の第1作目を飾りました。作中では、昼間の顔と巫女としての変貌ぶりに恐怖を覚えた視聴者も多いでしょう。リサ・ボネットが演じたエピファニーという名は、「神聖なるものの顕見」を意味します。
マーガレット・クルーズマーク/シャーロット・ランプリング
退廃の空気漂う美人占い師マーガレット・クルーズマークを、イギリス生まれの女優シャーロット・ランプリングが演じました。数か国を自在に操るマルチリンガルに加え、その知性と物憂げな眼差しが、シャーロットが演じるマーガレットの存在を際立たせ、出番の少なさに無残な最期を迎える役を演じることができる女優は、彼女しかいないと評されています。
エンゼルハートを観た人の感想や評価は?
卓越した映像技術と音楽による演出、監督アラン・パーカーが選び抜いたキャスト陣の迫真の演技が、映画「エンゼルハート」の恐怖心を序盤から結末に至るまで引き立て続けました。以下では、映画「エンゼルハート」に関する感想や評価を紹介します。
感想1:ミッキー・ロークの全盛期を知ることができる作品
今日の1本
— ともちNOTE (@dougahaishin_ex) October 24, 2018
「#エンゼル・ハート 」
ミッキーロークの全盛はナインハーフではなく、こっちな気がする。
重厚なこの映画の主役が張れるのも、彼しかいないだろうなぁ
何度も見返す映画のひとつです
「人間には、知ってはならないことがある」https://t.co/hHToS64Dpt pic.twitter.com/og1jiVQCtu
甘いマスクにセクシーな魅力で人気を博した2枚目俳優ミッキー・ロークの実力が存分に発揮された作品と言われる映画「エンゼルハート」は、彼の代表作の1つに数えられています。映画ファンの間では、ミッキー・ロークの全盛期は、「ナインハーフ」ではなく、シリアスな雰囲気漂う「エンゼルハート」ではないかとも評されています。
感想2:ロバート・デ・二―ロのサイファー役に対する情熱を感じた
そして男は罪を認め、電気椅子へ向かうのであった。いやァ面白かったー!デニーロは相変わらず映画毎に別人だ~。ミッキー・ロークは凄くカッコよくてもうダメ・・・ #エンゼル・ハート
— 千住担当 (@tyanhigu) August 2, 2011
2枚目俳優として人気を博すミッキー・ロークの演技は勿論、爪の先まで徹底した役作りで「デ・二―ロ・アプローチ」という造語まで生まれたロバート・デ・二―ロの演技にかける情熱も見どころの1つです。映画「エンゼルハート」では、悪魔の正体を持つ上流階級風の紳士役としての振舞いや、人の死にも動じずゆで卵を食べるシーンは、静かな恐怖を視聴者に植え付けました。
感想3:原作「堕ちる天使」も合わせて読みたい
『 #エンゼル・ハート 』
— マチルダBABY226⭐️桑田さん大大大好き⭐️🐕🐥🐈 (@machildababy226) June 5, 2018
私が昔 大大大好きだった#ミッキー・ローク 主演#ロバード・デ・ニーロ 出演
オカルトホラー?かな?
私は原作を読んでから作品を観ました😭とにかく怖かった覚えがあります😭昔の私ってばもう😭😭 pic.twitter.com/en0KvwwZ1E
映画「エンゼルハート」のあらすじの基になった原作「堕ちる天使」は、あまりに過激な描写から廃刊運動まで巻き起こった問題作です。映画「エンゼルハート」の評価について、オカルトホラー作品で最も怖いとの感想が多く見られますが、原作「堕ちる天使」は、映画以上の恐怖を読者に与えるでしょう。おそらく世界一恐ろしいあらすじと称される「堕ちる天使」の世界も、勇気を振り絞って体感してみませんか。
エンゼルハートの映画ネタバレまとめ
発表間もなく廃刊運動まで引き起こされた問題作「堕ちる天使(悪魔のバイブル)」を原作とする映画「エンゼルハート」のネタバレを交えたあらすじや結末、気になる見どころ、出演キャストについて紹介しました。原作や映画での描写は全てフィクションですが、予告映像で流れた「人間には、知ってはならないことがある。」は、現実世界で起こる本当の恐怖を示しているでしょう。