2018年12月16日公開
2018年12月16日更新
モンテ・クリスト伯の映画あらすじをネタバレ!原作との違いや感想を紹介
モンテ・クリスト伯は2002年に公開されたイギリス・アイルランド・アメリカが製作した映画です。アレクサンドル・デュマ・ペール作の小説「モンテ・クリスト伯(巌窟王)」をもとに作られています。しかし、モンテ・クリスト伯の映画と原作では設定や登場人物が大幅に変更されています。この記事では、映画モンテ・クリスト伯が原作のストーリーとどのように違うのか、あらすじ・ネタバレや感想と一緒に紹介します。
目次
モンテ・クリスト伯の映画あらすじが気になる!
2002年に公開されたモンテ・クリスト伯は、原作に劣らず面白いと人気の高い映画です。原作を読んでいる人でも楽しめる映画となっていますが、設定や登場人物が違うところも多々あります。そこでモンテ・クリスト伯の映画がどのような内容になっているのか、あらすじとネタバレを紹介します。
モンテ・クリスト伯の映画あらすじをネタバレ!
時は19世紀。フランスの港町、マルセイユで育った航海士のエドモン・ダンテスは恋人のメルセデスとの結婚を控える中、同じく航海士であり幼馴染のフェルナン・モンデーゴと海を航ります。航海中に流れ着いたエルバ島で、王政復古により失脚し島へ追放されていたナポレオン・ボナパルトと出会います。ナポレオンは、友人であるクラリオンに手紙を渡してほしいと託します。
エドモンはその後マルセイユに戻り、時期船長に指名されます。さらに恋人のメルセデスとは結婚の話も進み、幸せで充実した日々を送っていました。しかし、何者かの陰謀によってエドモンは反逆罪で捕まってしまいます。実はナポレオンから託された手紙は友人に宛てた内容の手紙ではなく、クラリオンにエルバ島を脱出することを知らせる内容の手紙でした。
ナポレオンの手紙を密告したのは、エドモンを妬む会計士ダングラールと幼馴染で親友のフェルナンでした。裕福な伯爵の息子であったフェルナンは、表向きはエドモンと仲良くしていたものの、裏では蔑んでいました。お金持ちでもないエドモンが美しいメルセデスを手に入れたことや船長に指名されたことが気に食わなかったのです。
エドモンの取り調べを行っていた検事代理のヴィルフォールは、エドモンが字を読むことができないことを知り、釈放しようとしました。しかし、ナポレオンの手紙の宛先がクラリオンだと知り、ヴィルフォールは容赦なくエドモンをイフ城へと投獄しました。実はヴィルフォールはクラリオンの息子で、このまま手紙を残していると自分の身も危ないと思い、証拠隠滅を図ったのです。
エドモンがイフ城に追放された後、皮肉にも婚約者のメルセデスはフェルナンと結婚し、ダングラールは船長になります。ヴィルフォールも証拠隠滅が成功し、出世の道を歩みます。
イフ城に投獄されたエドモンはファリア司祭に出会います。ファリア司祭はイフ城から脱出すべく、トンネルを掘っていました。エドモンもトンネル堀りを手伝い、その傍らファリア司祭から読み書きや剣術・格闘について学びます。
しかし、あと一歩で脱出というところでトンネルが崩れてしまい、ファリア司祭は石の下敷きになってしまいます。亡くなる直前にファリア司祭はエドモンにモンテ・クリスト島に隠された財宝のありかを伝えました。
その後エドモンはファリア司祭の遺体と入れ替わり、イフ城からの脱出を成功させます。マルセイユに戻ると、フェルナンが自分を貶め、さらにはメルセデスが妻になっていることを知ります。復讐を心に決めたエドモンは、ファリア司祭に聞いたモンテ・クリスト島の財宝を手に入れます。やがてエドモンは「モンテ・クリスト伯」と名乗り、自分を貶めた人物への復讐を始めるのでした。
モンテ・クリスト伯の映画結末をネタバレ!
モンテ・クリスト伯の映画のあらすじでは、社交界で伯爵としてデビューしたエドモンが復讐への道に進んだ経緯が分かりました。そんなあらすじから復讐のラストはどうなってしまうのか、映画モンテ・クリスト伯のネタバレを紹介します。
モンテ・クリスト伯となったエドモンは着々と復讐を進めていきます。そんな折、フェルナンの妻となったメルセデスに、モンテ・クリスト伯の正体がエドモンであることを簡単に見破られてしまいます。実はフェルナンと結婚する前、メルセデスのお腹にはエドモンの子どもがいました。子どもの名前はアルベール。真実を知ったエドモンはメルセデスとの愛を再熱させます。
エドモンはフェルナンとの決着を心に決め、フェンシングの一騎打ちによってフェルナンを刺殺。その後エドモンとメルセデス、そして息子のアルベールと一緒に海外に逃げます。エドモンはイフ城を取り壊すために島ごと買い取り、ファリア司祭の教え通り善に生きると誓うのでした。
モンテ・クリスト伯の映画と原作の違いとは?
モンテ・クリスト伯の原作と映画の話の大筋はそこまで変わりません。しかし、肝心の結末や細かい設定が異なってきます。実はあらすじやネタバレを見るだけでも、原作と映画ではストーリーが違うことが分かります。モンテ・クリスト伯の映画と原作では、具体的にどんなところが違ってくるのでしょうか。原作のネタバレ・あらすじと一緒にわかりやすく解説していきます。
原作ではノワルティエ宛ての手紙がクラリオン宛てだった
原作ではナポレオンはノワルティエに手紙を送っています。映画のあらすじも登場していたクラリオンという人物は、そもそも原作には登場していません。映画に登場するクラリオンはナポレオンの信奉者。エルバ島の監視体制に関するナポレオンからの手紙を受け取るためにモレル海運商社を訪れます。
原作のクラリオンの位置にいるノワルティエも、反王党でナポレオンの信奉者です。しかし脳卒中によって全身不随となっており、身動きをすることも喋ることもできません。作中では視線や瞬きによって、限られた人のみと意思疎通をしています。
ファリア司祭が石の下敷きになって息を引き取る
原作ではイフ城で隣の独房に投獄されていたファリア司祭と出会います。博識のファリア司祭はエドモンの話を聴き、三人に騙されたのだと諭します。ファリア司祭はエドモンの才能を見抜き、勉学や戦い方を教えます。最期は病に倒れ、モンテ・クリスト島の財宝についてエドモンに託して息を引き取ります。
映画ではあらすじで紹介した通り、トンネルを掘って脱獄しようとしているファリア司祭と出会います。フェリシア司祭は、脱獄用トンネルを掘るのを手伝ってもらう代わりに勉学や戦い方を教えます。最期はトンネルが崩れて石の下敷きになり、息を引き取りました。
ヤコボ(ジャコポ)がモンテ・クリスト伯に救われる
原作に登場するジャコポは、イフ城から脱出したエドモンを救った船員でした。出会ったのはまだエドモンがモンテ・クリスト伯と名乗る前です。エドモンを救ったことをきっかけに友人となり、復讐の協力者となります。映画ほどエドモンとは関わっていませんが、後に復讐相手の一人であるダングラールの銀行経営悪化の一因を作ります。
しかし映画では名前がヤコボに変更されており、海賊の一味という設定。海賊の頭領が奪った金を独り占めしようとヤコボを殺そうとしていたところを、エドモンに命を救われます。その恩によりヤコボはモンテ・クリスト伯に忠誠を近い、復讐に協力するのでした。ヤコボに関しては名前も設定も映画では大幅に変更されています。
嫉妬が原因でフェルナンはエドモンを貶めた
原作ではフェルナンがメルセデスに恋をしています。フェルナンはメルセデスの恋人であるエドモンがとても邪魔でした。そのためにナポレオンの手紙を密告し、邪魔者であるエドモンを排除したのです。メルセデスはエドモンがイフ城送りにされた後も彼を忘れられずにいましたが、間もなくして従兄のフェルナンと結婚することになりました。
映画ではここの設定が少し違います。フェルナンはメルセデスに恋をしていたのではなく、「船長に指名されたこと」や「メルセデスという美女と結婚すること」に嫉妬したために憎み、貶めました。そのため、浮気癖があったフェルナンとの結婚生活はすぐに破綻してしまいます。映画で二人の愛が再び復活したのも、この設定の違いが影響しているのではないでしょうか。
アルベールが映画ではエドモンの子どもだった
映画のネタバレでは、メルセデスがフェルナンと結婚する前にエドモンの子どもを妊娠していました。メルセデスがフェルナンと結婚したのもエドモンの子を妊娠したことが大きく関係しています。また、エドモンにとってアルベールの存在はメルセデスとの絆を深め、さらにフェルナンに対する復讐への決意を強くするものでした。
原作のアルベールは、実はエドモンの息子というわけでもなく、正真正銘フェルナンの息子です。フェルナン失脚後アルベールはモンテ・クリスト伯に決闘を挑みますが、母メルセデスから真実を聞かされ決闘を取りやめます。フェルナンの息子でありながらモンテ・クリスト伯の父への復讐は正当であると認めるのです。
映画ではエデが登場せずメルセデスと結ばれる結末
原作ではギリシャの太守の娘、エデが登場します。エデの父親はフェルナンの裏切りによって殺害されていました。それにより奴隷にまで身分を落とされてしまうのですが、モンテ・クリスト伯によって地位を取り戻すことになります。エデはフェルナンの悪業を告発し、失脚させる復讐にも一役買っている重要な登場人物です。エデは物語の最後でモンテ・クリスト伯と結ばれます。
映画ではネタバレにもあったように、モンテ・クリスト伯の正体がエドモンだと気づいたメルセデスと再び愛を深めます。フェルナンを刺殺した後はメルセデスと息子のアルベールと共に幸せに暮らす結末。一方原作では、メルセデスはエドモンと結ばれることなく、夫フェルナンを捨て、アルベールと故郷でひっそりと暮らします。エデが登場しないことで結末が全く違うものとなっています。
フェルナンの最期は自殺ではなく刺殺だった
原作ではフェルナンは自殺しています。フェルナンの悪逆非道はエドモンに対するものだけではありませんでした。数々の裏切り行為を働き、貴族院議員の地位を確立します。しかし、エデの告発によってフェルナンの地位は失脚してしまいます。
それを仕掛けたのがモンテ・クリスト伯だと知り、決闘を辞退した息子に代わって自ら決闘を申し込みます。しかし、モンテ・クリスト伯の正体がエドモンであると分かると、逃げ出してしまいます。その後、妻にも子どもにも見捨てられてしまったフェルナンは、最期に自殺という手段を使って人生の結末を迎えるのでした。
映画での結末はネタバレでも紹介したように、真実を知ったモンテ・クリスト伯とフェルナンがフェンシングで対決します。原作ではじわじわと追い詰める復讐劇でしたが、映画では主人公と嵌めた本人の堂々たる対決が描かれています。映画では自分で決着をつけましたが、原作ではモンテ・クリスト伯が自ら手を下していないところが違います。
モンテ・クリスト伯の映画を観た感想とは?
モンテ・クリスト伯の映画は、「シン・レッド・ライン」や「オーロラの彼方へ」にも出演しているジム・カヴィーゼルさんが主演を務めているだけに、未だ人気の高い映画です。原作自体もオマージュ作品がたくさんあるほどの人気があり、度々話題となっています。実際に映画版はどのような評価がされているのか、映画モンテ・クリストの感想をまとめました。
モンテクリスト伯見た~控えめに申し上げてもジムカビがお美しすぎてファッッッ!!!!?ってかんじ~
— すな (@bottysuna) February 24, 2016
それにしてもヤコポはほんとにいいやつだ……とちゅうで裏切るかもしらんて不安になってごめんな。エドモンド愛され体質(監督命名)すごい pic.twitter.com/650bw7jQGW
モンテ・クリスト伯の感想の中でも、主演を務めるジム・カヴィーゼルの美しさに見惚れてしまうという方が大勢いました。また、ひたすらモンテ・クリスト伯に忠実なヤコボの人気も高いようです。親友のフェルナンが裏切り者だったために、忠実なヤコボは良い役回りをしているという感想も見られました。
小説が超長編だけあって、映画ではかなり圧縮されてにもかかわらず、とにかく話の筋に色んな要素があって面白い。
恋、成功者への妬み、冤罪、冒険、成功、復讐、出世の秘密などなど。
台詞に素敵な言葉が散りばめられている。
感想の中には、映画内に登場するセリフも印象的だと評価をする方がたくさんいました。ただ主人公の気持ちだけを述べるセリフだけでなく、誰かの受け売りを引っ張り出すところが物語に厚みを感じさせます。また、復讐を誓ってもなお愛を忘れないエドモンが描かれているため、胸糞悪さというよりもスカッとするストーリーとなっているのです。
モンテクリスト伯の映画で出てきた主従もよかったなー。これエデも出てこないしオリジナルも入ってるけども。部下が伯爵に従わなくてなぜだ!と責めると、「俺はあんたを守ると誓った。だからあんた自身からもあんたを守る」って言うの。復讐に囚われて自傷行為のようなことをする伯爵に。
— さんちょす (@gutwelt_tag) April 22, 2012
映画版のモンテ・クリスト伯はオリジナル性が強いですが、ヤコボとのやりとりがしっかりと描かれているところはとても評価されていました。ヤコボがいたからこそ、エドモンは復讐の鬼にはならなかったという感想もありました。
たまたまテレビでやってたので観た。
復讐が中々始まらなくてやきもき…エドモンは伯爵ぶって髭を生やしてからのほうがかっこいいです。
というかなんか見たことある人が…と思ったらエドモンはPOIで見たし、息子はヘンリーカヴィルで驚いた。
ヘンリーマジ紅顔の美少年やん…
モンテ・クリスト伯の映画は獄中の様子をしっかりと書かれているため、復讐までの道のりが長いと感じる方も多いようです。また、復讐が意外とあっさりとしていて物足りなさがあったという感想もありました。ちなみに、エドモンの息子・アルベール役を務めるのは、映画「スーパーマン」でも有名な俳優のヘンリー・カヴィルさん。今では大物俳優ばかりの豪華キャストにも注目です。
2002年ジム・カヴィーセル版『モンテクリスト伯』
— 🦄🍭🏳️🌈 (@s_4_tune) February 15, 2016
16歳の誕生日直前のアルベール役を19歳のカヴィルさんが演じてる。この役はビジュアル的に誰でも演じていい訳でなく、母と父両方の美貌が混じり、演技のえの字も知らない天使みたいやった… pic.twitter.com/mugQh8U1P5
モンテ・クリスト伯の映画は、ヘンリーさんが演じるアルベールも人気の登場人物です。この人でなければならないと言わしめる程の美貌に、思わずうっとりしてしまうといった感想も見受けられました。そんな当時19歳のヘンリーさんの演技も見どころの一つです。
モンテ・クリスト伯のネタバレまとめ!
モンテ・クリスト伯の映画のあらすじとネタバレをまとめてみると、原作とは全く違う構成になっている事がわかります。しかし、実際にモンテ・クリスト伯を見られた方の感想では、よくまとめられていて面白かったという評価がたくさんありました。もちろん、原作を読んでいない方でも充分に楽しめる作品となっています。評価の中にはキャスティングに熱烈な感想を寄せている人もいました。
2018年4月にはディーン・フジオカさん主演の日本版「モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-」が放送されていた、今注目のタイトルです。初見の方はもちろん、ドラマで興味を持った方や原作を読んでいる方でも一度モンテ・クリスト伯の映画をご覧になってみてはいかがでしょうか?