2018年09月22日公開
2018年09月22日更新
真夏の方程式のあらすじ・結末と感想をネタバレ!子役などキャストも紹介
「真夏の方程式」はTVドラマ版ガリレオシリーズの劇場版第二弾。シリーズの主人公である物理学者の湯川学は海底鉱物資源開発の説明会にアドバイザーとして出席するために玻璃ヶ浦に向かう途中の電車内で恭平と知り合います。もともと理屈が通じない子供を苦手とする湯川ですが恭平少年には何故か拒絶反応を起こしません。玻璃ヶ浦では開発を巡って地元同士の対立が続き、湯川は開発推進派のダシにされたのですが、翌日に事件に巻き込まれます。湯川と恭平少年との友情を描いた異色作が「真夏の方程式」です。
目次
真夏の方程式のあらすじや結末と感想をネタバレ紹介!
今回はテレビドラマ「ガリレオ」シリーズ劇場版第二弾「真夏の方程式」をご紹介いたします。美しい夏の海で変人湯川学准教授と恭平少年との一夏の交流。そして、ある秘密をひた隠しにする一家。
ここでは「真夏の方程式」をネタバレあらすじで解説し、キャストのご紹介や映画「真夏の方程式」に寄せられた評価と感想をご紹介し、最後にまとめます。ミステリーもののネタバレあらすじは謎説きという作品の根幹をぶち壊しにする行為ですので、これ以上のネタバレあらすじは視聴する意欲を奪うと感じた処で注意書き致します。それではしばらくおつきあいください。
真夏の方程式とは?
ガリレオシリーズとは?
ガリレオシリーズは東野圭吾のミステリー小説。2018年9月現在までに八冊刊行されています。ドラマ版は福山雅治主演でフジテレビ月9枠にて柴崎コウ演じる内海薫が相棒の「ガリレオ」第1シーズン、更に吉高由里子が新たな相棒役となった岸谷美砂役の第2シーズンが放映され、いずれも高視聴率を得ています。
「真夏の方程式」は東野圭吾原作のガリレオシリーズの第6弾。シリーズ3作目の長編小説です。また、「真夏の方程式」は「ガリレオ」テレビ第2シリーズの後に起きたという設定のミステリー映画です。
原作「ガリレオシリーズ」とテレビドラマ「ガリレオ」シリーズの相違点と柴崎コウ降板の訳
原作小説では主人公で探偵役となる湯川学の相棒は草薙俊平です。同じ大学の同期であり、在学中に湯川の推理で助けられたことのある草薙は警察官となった後に難事件に遭遇すると湯川の助言を仰ぐという展開の推理小説です。ドラマ化にあたっては湯川学役には福山雅治がキャストされました。女子学生を虜にするイケメンで冷静沈着、かつ変人というキャラクターはこうして誕生したわけです。
ドラマ化にあたって米国のドラマ「NUMBERS 天才数学者の事件ファイル」がモデルにされました。こちらは刑事の兄と数学者の弟というコンビが事件を解決します。しかし、ガリレオのドラマ化にあたり男同士のコンビでは画にならないという理由で草薙俊平は既に湯川とのコンビで活躍して昇進し、女刑事の内海薫とのコンビで解決するという方式をとることになり内海薫役には柴崎コウがキャストされました。
福山と柴崎のコンビは評判が良かったのですが、先に劇場版「真夏の方程式」が先行して製作され、後から第2シリーズの製作公開という段取り。ドラマ終了直後に「真夏の方程式」を公開するという手法が取られたのです。このオファーがあった段階で柴崎コウ側から降板の申し出がありました。揉め事があったわけでなく、「湯川に振り回されるのはやはり若い女の子の方がいい」という理由。つまりシリーズを愛する故に身を退いた形。
しかしドラマシリーズには柴崎コウ演じる内海薫のファンも多かったので、「真夏の方程式」の映画宣伝を兼ねた「ガリレオXX 内海薫最後の事件 愚弄ぶ」が2時間枠で放映されたわけです。そして、柴崎の後任には吉高由里子が岸谷美砂役としてキャストされました。キャリアを鼻に掛けた生意気娘で福山演じる湯川は時々、内海とのコンビを懐かしく思い出すという形にされました。
劇場版第一作「容疑者Xの献身」について
ガリレオ劇場版第一作「容疑者Xの献身」は各賞を総なめにし五冠達成という偉業を成し遂げた原作小説を映画化した作品。湯川学の大学時代の親友で、天才数学者と湯川が認める石神哲哉がある親娘を守ろうと苦闘する物語。高校数学教師の石神哲哉役を堤真一が、彼が必死に守ろうとする隣人女性の花岡靖子役を松雪泰子が熱演し、絶賛されました。
どんな事件においてもトリックを物理学的に暴く事だけに執心する湯川が石神との心理戦になり、初めて「何故?」という動機を理解しようとする気にさせられる。感動出来るミステリーでした。「真夏の方程式」はこの映画の続編となるので最初からハードルが高かったわけです。
劇場版「真夏の方程式」の概要
「真夏の方程式」は2013年6月29日公開。監督は「ガリレオ」第1シーズンの演出担当だった西谷弘。2013年4月からガリレオ第2シーズンが開始され、シリーズ終了と共に公開されました。累計興収33.1億円で2013年度の邦画実写第1位となりました。
正に制作側の狙い通りで、第2シーズンのドラマ、内海薫のスピンオフ、「真夏の方程式」と間髪入れずに立て続けに放映されたことがヒットの要因となったわけです。
真夏の方程式のあらすじをネタバレ!
さて、「真夏の方程式」原作の紹介とシリーズの概要や劇場版製作までの過程などの解説があらかた終わりましたので、ネタバレあらすじに入らせて頂きます。
前もってお断りした通り、ネタバレあらすじが佳境に入った段階で注意喚起します。既に結末を知っている方は再確認のためお読み頂き、まだという方はネタバレあらすじを途中で飛ばし、結末まで進んでください。
1998年冬
1998年2月17日、三宅伸子という元ホステスの女性が歩道橋の上で何者かに刺殺された事件で仙波英俊という家電量販店の店員が逮捕されました。
電車内にて
湯川学は電車内でクロスワードパズルに興じていました。すると携帯電話の着信音。背後の座席に座っていた恭平少年に母親から電話。老夫婦に注意されて電源を切るように促されますが、電源が切られると両親のもとにメールが届く仕組み、湯川は恭平の食べていたおにぎりのアルミホイルで携帯を包みます。
「こうすれば携帯の電波は遮断される」。恭平は魔法使いでも見たかのように湯川に尊敬の眼差しを向けます。恭平少年は湯川の行動を眼で追いつつ、迎えに来た川畑一家に迎えられます。
説明会
海底鉱物資源開発の説明会は開発反対派の川畑成実による質問攻めで紛糾していました。そこに湯川が遅れて現れます。湯川は開発推進派の唱える海底生物調査に疑義を唱えるのでした。
緑岩荘と居酒屋
湯川の泊まった宿は「緑岩荘」という鄙びた民宿。食事を済ませた湯川は日本酒の美味しい店を尋ね、案内を待つ間に新聞を読んでいた湯川はそこで恭平少年と再会するのでした。一方、元刑事を名乗る客が宿の女将である川畑節子と揉めていました。「昔のことをほじくり返そうというのではない」と言う元刑事ですが、節子は動揺するのでした。
恭平少年は宿の主・川畑重治に誘われて花火に興じます。居酒屋で一杯呑んでいた湯川は開発反対派の仲間と呑んでいた成美に見咎められます。成美は湯川に突っかかりますが、湯川は「選択の問題」だと成美を突き放すのでした。
殺人事件か事故か
恭平少年はサイレンの音で目を覚まします。窓から見下ろすと何台ものパトカー。慌てて階下に下りると節子が警察への対応に追われ、成美が事情聴取を受けていました。元刑事を名乗っていた男が防波堤から転落して死んだのでした。
恭平少年は「博士」こと湯川に相談に行きますが、湯川は朝食に夢中で全く取りあいません。「理科なんかなんの役に立つんだ」と言う恭平少年は「博士」を無視して出ていきます。しかし、湯川は恭平少年と会話しても蕁麻疹が出ないことに驚きます。
警視庁
警視庁では元刑事こと塚原正次の死に騒然としていました。草薙俊平は岸谷美沙に玻璃ヶ浦行きを命じます。タメ息混じりに応じる岸谷。なぜなら宿泊名簿に湯川の名前があったからでした。
夕方の海
少年探偵恭平は事件の推理に行き詰まっていました。下駄履きで防波堤に登れるようなものではない。そこに湯川が現れます。恭平は玻璃ヶ浦の由来が水晶なのだと湯川に教えます。
しかし、海の底が見えるのは沖合200mだけで恭平は船酔いすることから断念します。湯川は恭平の好奇心に対し応え、理科ならぬ科学の面白さを伝えたいと考えるのでした。
岸谷合流
成美は節子に塚原がなぜ緑岩荘に泊まったのか尋ねます。言葉を濁す節子ですが、腕を軽く負傷していました。そのとき、湯川が大荷物と共に宿に戻ります。「1.5ℓのペットボトル数本が欲しい」湯川の要求に成美が応じたとき、岸谷が現れます。
岸谷は塚原殺人事件の概要を話します。塚原の死因は一酸化炭素中毒。そして、塚原が仙波英俊を逮捕したのでした。塚原は仙波に会うために家にも行った。その後変死を遂げたのでした。しかし、湯川の興味は恭平との実験にありました。
ペットボトルロケットの実験
殺人事件の捜査と開発説明会が進行する中、湯川の興味と情熱は恭平少年とペットボトルロケットで海中探査をすることに注がれていました。
何度も失敗を重ねながら実験に成功した湯川と恭平。恭平少年はペットボトルロケットに取り付けられた携帯電話のカメラと自身の携帯電話をテレビ電話で繋ぎ、海の中を見られたことに興奮します。しかし、湯川は恭平少年との会話で別の事実に気づいてしまいます。
「博士」と少年探偵の捜査
恭平は海の底を見られておおはしゃぎしますが、節子は湯川が殺人事件について何か言っていなかったか恭平に尋ねます。屋外から宿の構造を把握した湯川は重治が入浴している間に、恭平にマスターキーを持ち出させて、警察が封鎖線を張った二階を捜索します。湯川は塚原の宿泊していた「虹の間」でなく「海原の間」を捜索するのでした。
仙波の行方と川畑家の秘密
湯川は岸谷の許に電話を入れます。岸谷たちの捜査で仙波は刑期を終えて出所後にホームレスになっていました。そして、塚原は仙波を探し回っていた。もし塚原が仙波を発見していたら病院に入院させている筈だということで岸谷たちは都内の病院をくまなくあたっていました。
捜査の盲点は川畑一家が1998年当時都内で生活し、その後家族で玻璃ヶ浦に移住したことでした。仙波は冤罪で刑に服し、三宅伸子殺害の真犯人は別にいる。それに気づいた塚原は玻璃ヶ浦を訪れた結果殺されたのだという仮説でした。
草薙は湯川に塚原殺しの犯人は誰か知っているのか尋ねます。湯川はキッパリとある人物の名を告げるのでした。
調査船での二人
湯川は海洋調査に同行する際に成美と二人きりになります。恭平少年への好意の実験には感謝しますが、海洋調査そのものは海の環境を破壊すると成美はいきり立ちますが、湯川は無人探査船に掘削能力はなく航行が環境破壊に繋がることはないと断言します。
湯川は突然成美にカメラを向けて撮影した後、成美のブログ「マイ・クリスタル・シー」について尋ねます。地元の人間でもないのに環境保護活動に熱心な成美は一体誰のために玻璃ヶ浦の海を守ろうとしているのでしょう。
人間関係整理
ここで人物の関係図を改めて確認しておきましょう。登場人物を並べるとこのような関係図となります。
恭平との夕食
恭平は「博士」に夢中で湯川と一緒に食事をしたいと重治に申し出ます。湯川も了解し二人で夕食のお膳を食べていました。「好奇心は人間を成長させる糧になる」湯川は恭平少年にテーブル中央にある鍋の材質を尋ねます。「紙」と応える恭平。湯川はライターで紙製だということを証明するために火をつけて燃やします。「では、なぜこの紙鍋は下から熱しても燃えない?」
恭平少年は紙鍋の中に入っているものを一つ一つ挙げダシ汁という答えに辿り着きます。水の沸騰温度は100度ということは恭平少年も知っています。湯川はだし汁が沸騰して気化しないから紙鍋は燃えないのだと解説します。「だったらこれは」と濡れたコースターをロウソクに燃える火に近づけると湯川は慌てて「海老フライが冷めてしまう」と恭平の手を止めるのでした。
「注意」ここから先は物語の核心部分と結末になります。一度ご覧になられていてあらすじのネタバレも構わない方は最後まで読み進めてください。忘れているからラストシーンまでネタバレあらすじして欲しくないという方や、まだご覧になっていない方は続きのネタバレあらすじを飛ばして結末に進んでください。結末以降の項目では犯人やトリックなどはわからないものにしてあります。
1998年の真実と仙波英俊
1998年2月の夜、仙波英俊は三宅伸子と飲んでいて写真を落としてしまいます。それは幼い成美を抱いた節子の写真でした。伸子はそれで成美の本当の父親が仙波だと気づいたのです。伸子は節子から金を脅し取ろうと川畑家に押し入ります。そこにいたのはまだ中学生の成美だけでした。家族写真を持ち出し、節子に預金通帳を用意するように言い放つ伸子を危険だと判断した成美は家にあった包丁で刺殺したのです。
翌日、事件を知った仙波は節子に電話します。節子が成美の部屋に入ると血の付いた包丁と憔悴しきった成美が、仙波と節子は証拠品の受け渡しをし、その場で成長した成美の姿を見せます。こうして仙波は自首しましたが、仙波を逮捕した塚原刑事だけは妙だと感じていたのです。重治は節子からの連絡で事件の詳細と裏側を知って退職し、家族で玻璃ヶ浦に移住したのでした。
湯川と岸谷はホスピスで療養中の仙波英俊と会います。しかし、仙波は事件について一切語らず、湯川が見せた成美のブログ「マイ・クリスタル・シー」を示されて、「玻璃ヶ浦の海を守ってくれてありがとう」と伝えて欲しいとだけ語ります。
塚原殺害のトリック
川畑重治は意図的に一酸化炭素を発生させ、塚原正次を殺しました。その方法とは「恭平に殺させる」というものでした。花火の前に宿の中にロケット花火が飛び込んでは危ないと窓を閉めさせ、更には濡れた段ボール箱で屋上の煙突をも封じました。結果的にボイラーは不完全燃焼を起こして屋内に籠もり睡眠薬で眠らされた塚原は中毒死しました。花火の後の後片付けで恭平は煙突の封も片付けたのです。
湯川は恭平少年がペットボトルの実験から戻った際に警察の現場検証をみて煙突のことを指摘しました。そのとき湯川はトリックに気が付いたのでした。
成美の贖罪と課せられた使命
こうして川畑重治は過失致死罪と死体遺棄罪で、川畑節子は死体遺棄罪で逮捕されます。節子との接見で成美は自分も過去の罪を贖うと言いますが節子は「ちゃんとご飯食べなさい」と言うのでした。湯川と成美はスキンダイビングで玻璃ヶ浦の海に潜ります。その際、成美はゴーグルを外して海の底に沈んでいきます。
心配する湯川の目の前で成美は浮かび上がって泣きます。罰を受けようという成美に湯川は「玻璃ヶ浦の海を守ってくれてありがとう」という仙波からの伝言を伝え、恭平を守ることが使命だと伝えます。恭平は自分のしたことの因果関係に気づき始めていました。湯川を必死に捜し回る恭平。
いつか恭平少年が大人になり「真実を知りたい」と聞いてきたとき、事実を包み隠さず話すことが成美の使命なのだと湯川は語るのでした。
少年と「博士」の別れ
恭平が父親に連れられて帰る日、駅では湯川が待っていました。「花火をやってはいけなかったのかな?」という恭平に湯川は「楽しかったな」と言います。
「この夏休み、君は色々なことを学んだ。だけどそれはすぐには導き出せるとは限らない。これから先、君はそういうことを幾つも経験していくだろう。それは僕も同じだ。でも焦ることはない。僕たち自身が成長していけば、きっと答えは見つかる筈だ。君がその答えを見つけるまで僕も一緒に考える。一緒に悩み続ける。忘れるな、君は一人じゃない」
電車の中で湯川が恭平少年に渡したレポートを見て恭平の父、敬一は「なんのことだかサッパリわからない」と首を傾げています。しかし恭平の心には「博士」とした実験のこと、そして一緒に観た青い海の想い出。最後に「博士」が掛けてくれた言葉の意味がわかっていました。
真夏の方程式の結末は?
さて真夏の方程式のネタバレあらすじは如何だったでしょうか?恭平役を演じた子役の山崎光くんが「博士」こと湯川との別れの会話の途中で涙をツーと流すシーンはとても自然で、この子はひょっとしたら物凄い子役から役者になるのではと思った方も多いのではないでしょうか?
子役の山崎くんあっての「真夏の方程式」です。正しく彼が演じた恭平少年こそが、この物語の真の主人公で「博士」と過ごした夏こそが「真夏の方程式」という少年の胸に刻まれた夏の想い出でした。
砂の器
ストーリーの類似性という点で松本清張の代表作「砂の器」が挙げられます。簡単に概要を説明すると元巡査が殺害され身元不明遺体として扱われます。被害者の三木は高名なピアニスト和賀の過去を知っており、和賀は自身の悲惨な過去や本名を知る者を消そうとして恩人だった三木を殺害。やがて捜査が進み、犯行動機が和賀が自身の過去を消し去るためだと判明して逮捕されるというストーリーです。
それにしても映画「砂の器」のキャストが物凄いこと。丹波哲郎さんに加藤剛さん、森田健作千葉県知事に島田陽子さん、緒形拳さん、渥美清さんまで出てます。正にオールスターキャスト。
真夏の方程式の子役などのキャスト一覧!
さて、ネタバレあらすじと結末の感想は如何だったでしょうか?ここからはキャストについて解説します。子役の山崎光くんについては前項で解説したとおりです。主要キャストのその後について特に子役の山崎光くんについては詳しく解説いたします。尚、ネタバレあらすじを飛ばした方でも読めるように重要事実は伏せます。
福山雅治さん演じる湯川学は帝都大学理工学部物理学科准教授。頭脳明晰、スポーツ万能で容姿端麗。女子学生に人気がある一方、人付き合いは苦手で女性にはモテるが交際経験もほとんどなく独身。理屈の通じない相手は特に嫌いで子供を見ると蕁麻疹が出るほど。友人も草薙と石神の二人しかいない。一見、不可能だったり超常現象に見えるものでも必ず物理学で説明出来るという科学信者。
北村一輝さん演ずる草薙俊平は貝塚北署に勤務していた刑事。大学の同期で湯川の数少ない友人の一人。湯川の協力で難事件を解決し、本庁(警視庁)に栄転。前任担当者の内海薫から尊敬されていましたが、事件を解決したのは湯川だと助言。以後内海は湯川の協力で難事件を解決し、草薙同様に栄転して海外研修に。異動する内海に岸谷を紹介し、岸谷が内海の後任として選ばれることになりました。原作では湯川の相棒です。
吉高由里子さん演じる岸谷美砂は帝都大学法学部卒。階級は警部補。入庁2年目で警部補に昇進したキャリア刑事。内海の後任として本庁(警視庁)から赴任し、内海本人から湯川の担当を命じられました。性格は度を超える程の自信家でプライドが非常に高く、自分より下と思う人には容赦無く見下しタメ口で会話します。
山﨑光くん演じる柄崎恭平は小学5年生。夏休みを親戚の経営する緑岩荘に泊るため、玻璃ヶ浦に遊びにきました。電車の中での出来事で湯川に尊敬の念を抱き「博士」と呼ぶようになります。宿題がはかどらず、特に理科が苦手でしたが、「博士」との出会いで少しずつ心境に変化が訪れます。
杏さん演じる川畑成美は緑岩荘を経営する川畑夫妻の一人娘。開発反対派の急先鋒で事ある毎に湯川と対立します。
風吹ジュンさん演じる川畑節子は緑岩荘の女将。昔は小料理屋の看板娘でマドンナ的な存在でした。殺された三宅伸子とは旧知の間柄。
前田吟さん演じる川畑重治は緑岩荘の主人。元はエンジン開発のエンジニアでした。右足が悪く杖をついて引き摺っています。1998年の事件発生当時は単身赴任中。
西田尚美さん演じる三宅伸子は元ホステス。殺害された当時は無職でした。結婚前の柄崎節子、仙波英俊、川畑重治とは節子が働いていた小料理屋での顔馴染みでした。雪の日に歩道橋の上で殺害されます。
塩見三省さん演じる塚原正次は警視庁捜査一課の元刑事です。定年退職後に唯一の心掛かりだった元ホステス刺殺事件について出所後の仙波英俊の行方を追い、事件の真相を知ろうと玻璃ヶ浦にやって来て殺害されます。
白龍さん演じる仙波英俊は1998年の事件で三宅伸子を殺害し、その後自首して刑期を終えた後にホームレスになっていたところをかつて自分を逮捕した塚原刑事のとりなしでホスピスで療養中です。先は長くないようです。
田中哲司さん演じる柄崎敬一は恭平の父親役です。川畑節子とは姉弟にあたり、緑岩荘での事件で心配して恭平を迎えに来ます。
子役・山崎光くんのその後
2013年に「真夏の方程式」で柄崎恭平役を演じて以降は「列車戦隊トッキュウジャー」「動物戦隊ジュウオウジャー」で登場人物の幼少期役を演じています。他にもテレビ東京のドラマ「最上の命医2016」で患者の合田合役を演じています。また、2019年公開予定の「まく子」では主演が決まっています。
写真は真夏の方程式から3年後のものです。現在はもう少し大きくなっているようです。今後はどのようなキャストになるか楽しみだと話題になっています。
福山雅治さんのその後
「真夏の方程式」の公開直前に是枝裕和監督の「そして、父になる」で第66回カンヌ国際映画賞審査員賞を獲得(5月18日に発表)し、世界的俳優となります。正にこの年はザ・イヤー・オブ・フクヤマ。また私生活でも正に独身貴族の代表格でしたが2015年に女優の吹石一恵さんと結婚。これは「福山ショック」「ましゃロス」といった社会現象に発展し、新居がマンション管理会社の社員に不法侵入されるなどの事件もありました。
結婚願望が強まった動機はやはり「そして、父になる」や「真夏の方程式」での子役との共演があったようです。「そして、父になる」で共演したリリー・フランキーさんとは当時はお互い独身でしたが結婚談義に花を咲かせたということ。是枝監督の現場が醸し出す空気感のせいで猛烈に家族が欲しくなると「万引き家族」でパルムドール受賞後のバラエティ番組出演時にリリーさんが語っています。
杏さんのその後
杏さんはご存じ世界的スター渡辺謙さんの娘で、俳優・渡邊大さんはお兄さんです。「真夏の方程式」公開直後の9月より放映開始のNHK朝の連続テレビ小説「ごちそうさん」のヒロインを演じ、劇中で夫婦役を演じた東出昌大さんと2015年の元日に結婚しました。東出さんとは同じ2013年初頭に放映されたWOWOWドラマの「ホリック」での共演もあり、ご縁があったということなのでしょう。
2016年に双子を出産。現在(2018年9月)は第3子を妊娠中とのことです。結婚後も三菱電機のテレビCMに出演中と人気が衰える気配は今のところありません。
吉高由里子さんのその後
2014年放送開始のNHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」ではヒロインで実在人物の村岡花子役を演じ、ドラマファンの知る女優から一気に国民的女優となりました。平均視聴率では杏さん主演の「ごちそうさん」をも上回りました。また現在(2018年9月)公開中の原田眞人監督作の映画「検察側の罪人」でもヒロインを演じて爆発的ヒットを記録しています。
真夏の方程式の感想や評価を紹介!
さて、ネタバレあらすじとキャストのご紹介とその後の活躍のご紹介が終わりましたので「真夏の方程式」についての感想や評価をご紹介いたします。原作本の感想が3に対して映画の方が3.5以上と上回っています。やはり子役の山崎くんの演技や小麦色した杏さんのナイスバディ、美しい海のロケーションなど視覚化、映像化したことで補完された要素は大きかったようです。
前作の方が面白かった。
とは言え、配役は実に絶妙で、旅館一家の演技力が最後の悲しみを数倍に押し上げます。最大の強敵は「観客の期待度」ではないかと。
「容疑者Xの献身」の感想と比較するのはちょっと酷ではないでしょうか?なにしろ原作が五冠達成という東野圭吾の数ある作品でも最高評価。劇場版は賞レースに絡まなかったこと自体が「全く理解出来ない」ですから。
少年と過ごす夏休み、事件は起こるけどメインは少年とのふれあい寄りかな?
世の中には焼いてみたら美味しかったシリーズがある。焼きチョコとか炙りサーモンとか。杏、焼いてみました映画。最高。〈追記〉杏ちゃん、メイクじゃなくて本当に日焼けして臨んだそう。凄い。最高。
子供をもった今観ると、本っっ当にあのオヤジが許せなくて涙が出てくる。観る度に怒りが増すような…そんな映画。でも、よくできたストーリーに毎回感心してしまう。観たことのない友人にもよく勧めている。
確かに前田吟さん演じる川畑重治のしたことは許せないというご感想に同意される親御さん方は多いのではないでしょうか?劇中で湯川が最も危惧していた「一人の人生が台無しになる」とは正にこのことでした。
真夏の方程式のあらすじや結末と感想まとめ!
さて今回は「真夏の方程式」をご紹介させて頂きました。感想にもありました通り、「アレはないよ」という方法。「ガリレオ」が人気ドラマシリーズで「容疑者Xの献身」が絶賛された中で作られた作品としては上々の出来だったという皆様のご感想にも頷けるのではないでしょうか?「期待値が最大の敵」というご指摘が的を射てます。では、最後の締めはロケ地となった西伊豆伊浜の美しい海で。