ガリレオシリーズでドラマ化・映画化された作品一覧！原作の順番やおすすめは？

ミステリー作家として超有名な東野圭吾の代表作といえば、天才物理学者・湯川学の活躍を描いた「ガリレオシリーズ」！福山雅治さん主演のドラマが大ヒットし、映画もつくられました。短編集の中でいくつか映像化されていない短編があるものの、なんと短編5冊、長編3冊と８冊ある原作すべてが映像化された人気シリーズです。「実に面白い」「ありえないなんてことはありえない」ドラマではこんな名言も飛び出しました。

ここでガリレオシリーズ全体のストーリーを少しご紹介。シリーズの主人公は天才物理学者の湯川学で、帝都大学理工学部物理学科の准教授です。彼が刑事からの依頼を受け、解決不可能に思われた不可解な事件を華麗に解決していく、というのが主なストーリー。このシリーズの中で出てくるトリックは、どれも一般的とは言えない科学技術や知識をフル活用したものになっています。一応理論的にはすべて実現できるトリックなんだとか。

ガリレオシリーズのドラマでは、まず第1シーズンで『探偵ガリレオ』『予知夢』。特別編では『ガリレオの苦悩』のうち「落下る」「操縦る」が映像化。第2シーズンでは『ガリレオの苦悩』の「指標る」「密室る」「攪乱す」、他に『虚像の道化師』、『聖女の救済』、『禁断の魔術』の「曲球る」「念派る」が映像化。ガリレオの映画は2作制作され、『容疑者Xの献身』『真夏の方程式』の2作の長編が映画となりました。

ドラマでは、原作を順番通りに放送していったわけではありません。ここで、原作の順番を確認しつつ、そのあらすじやおすすめポイントを紹介していきます！

伝説の始まりとも言える1作目、「探偵ガリレオ」。やはり順番としては最初の作品ですし、短編集で読みやすいということもあり、ガリレオシリーズを読み始める最初のとっかかりとしておすすめです。ドラマと原作では湯川のイメージが少し違う、という声もよく聞くのでそのあたりも注目です。この短編は「燃える（もえる）」「写転る（うつる）」「壊死る（くさる）」「爆ぜる（はぜる）」「離脱る（ぬける）」の5編を収録。

「燃える」深夜、たむろして騒いでいた若者の内１人の頭が発火。若者は焼死しました。この人体発火は偶然？それとも人為的？「写転る」中学生が池で見つけ、型を取って展示したデスマスクは、行方不明になっていた男性と同じ顔。池からはその男性の遺体が見つかります。このデスマスクはどのようにできたのでしょう？「壊死る」浴槽で死んでいた男性は、心臓だけが腐っていました。どうして心臓だけが腐っていたのでしょう？

「爆ぜる」男性の撲殺死体が見つかり、男性が湯川のいる帝都大学にある駐車場の写真を持っていたことから草薙が湯川の元を訪れます。湯川は海水浴中に爆死した女性について調べていました。この2つの事件の関係性とは？「離脱る」殺人容疑がかかった容疑者のアリバイが崩れず、捜査が難航していたところに目撃者が現れます。しかしその目撃情報は、幽体離脱をして得たというもの。幽体離脱は本当に起こるのでしょうか？

2作目「予知夢」も短編集です。短編集だと、時間が空いた時にさっと読めるのでおすすめです。この短編は「夢視る（ゆめみる）」「霊視る（みえる）」「騒霊ぐ（さわぐ）」「絞殺る（しめる）」「予知る（しる）」の5編が収録されており、すべてがドラマ化されています。

「夢視る」屋敷に侵入した男は、その理由をモリサキレミという女性と結婚する運命だったからと供述。男が小学生のときに書いた文集にもその名前はあり、その頃は生まれていなかったモリサキレミは確かにその屋敷に住んでいました。これは本当に運命なのでしょうか？「霊視る」女性が殺害され、ほどなくして犯人は捕まります。しかし、女性が殺害されたはずの時刻に別の場所で被害者の目撃情報が。この目撃情報の真実とは？

「騒霊ぐ」行方不明になった男性がよく訪れていた老婆は最近亡くなり、その家に住み始めた甥家族は毎日決まった時間に外出します。この行動の理由とは？「絞殺る」当初絞殺体と思われた男性には、不審点が多くありました。首の絞め痕はなぜすり切れたのでしょう？「予知る」不倫相手への当てつけで首つり自殺したと思われていた女性が死ぬ2日前に、首を吊る姿を目撃したという少女が現れます。これは予知だったのでしょうか？

ガリレオシリーズ初の長編になります。この作品は2008年に公開され、興行収入は約49.2億円を記録する大ヒット作となりました。天才数学者の石神哲哉役を、堤真一さんが熱演しています。人気は日本だけにとどまらず、中国版、韓国版も作られました。映画しか観たことがない、という人には、原作小説で細かい心情描写を読むことをおすすめします。そのあともう一度映画を観れば、また違った楽しみ方ができるはずです！

離婚したはずの元夫につきまとわれ、突発的に元夫を殺してしまったシングルマザーの花岡靖子。そこへ、隣人の石神哲哉が現れ、花岡親子のアリバイ作りを行うなど隠ぺいに協力し始めます。実はこの石神は湯川の友人で、湯川が天才と認める人物でした。石神が絡んでいることに気づいてから湯川は調査に乗り出します。石神はどうしてこの親子を助けるのでしょう？湯川はもう一人の天才にどう挑むのでしょう？

また今度は短編です。少し前作の「容疑者Xの献身」と繋がっている箇所があるため、順番としては先にそちらを読むことをおすすめします。こちらに収録されているのは「落下る（おちる）」「操縦る（あやつる）」「密室る（とじる）」「指標す（しめる）」「攪乱す（みだす）」の5編で、シリーズ2作目と同じく全てドラマ化されています。

この作品のもう1つのおすすめポイントは、ドラマでおなじみの、女刑事の内海薫が初登場する作品ということ。ドラマを始めるときに、女性のキャラクターを出したいという話になり、東野さんが先に本で出したいと希望して内海薫が誕生した、という順番だったようです。

「落下る」女性が転落死し、捜査をする中で他殺の線が浮上。しかし容疑者にはアリバイがありました。離れたところから転落死させることはできるのでしょうか？「操縦る」密室で火事が起き、死因は焼死かと思われましたが、検視の結果刺殺であることが発覚。密室の真相とは？「密室る」転落死した男性の生前の行動を怪しみ、湯川に相談した藤村は、突然調査を中止するよう頼んできました。男性の死の真相とは？

「指標る」資産家の老婆が殺害され、老婆の飼っていた犬は行方不明に。容疑者と疑われた女性の娘が、ダウジングで犬の死骸を見つけ、真犯人が見つかります。ダウジングは本当に正しかったのでしょうか？「攪乱す」湯川に届いた挑戦状。その内容は、自分は自在に人を殺すことができるというものでした。その後予告したとおり死亡事故が起きます。犯人は一体どうやって事故を起こしたのでしょう？

ガリレオシリーズでは長編2作目です。容疑者Xの献身のときと同じく、最初から犯人がわかっていて、どんなトリックを使ったのかを探っていく、という順番になります。この作品は映画化ではなくドラマ化され、2013年から放送されていたガリレオの第2シーズンの最終回を前後編という形で飾りました。犯人の真柴綾音は天海祐希さんが見事に演じています。最終回の視聴率は19.1%という高い数字を記録しました。

この作品のおすすめポイントは、ドラマでは描かれなかった、草薙が綾音に抱いてしまった恋心です。一目見て惹かれてしまった彼ですが、小説を読み進めていくとその理由も明らかになっていきます。

資産家の男性が猛毒の亜ヒ酸により殺害され、離婚することになっていた妻の真柴綾音に疑いが向きます。しかし、真柴綾音には死亡推定日に遠く離れた北海道に帰省していたというアリバイがありました。死亡した真柴義孝がどうやって毒物を飲んだのかも不明のまま。一方、一目見てから真柴綾音に心惹かれてしまった草薙は苦悩します。アリバイを崩すことはできるのでしょうか？毒物の混入経路とは？草薙の恋心の行方は？

前作と同じく長編で、3作目になります。こちらは2013年に映画化され、前回からは5年ぶりの映画化でしたが同じく人気作となりました。映画観客動員ランキングでは初登場で1位に輝き、興行収入でも2013年に公開された邦画の中で1位を勝ち取りました。

この話では、小学5年生の少年、柄崎恭平を中心として物語が進んでいきます。子ども嫌いの湯川と少年との交流を楽しみながら読むのもおすすめです。最初はぎこちなかった2人ですが、物語が進むにつれて心を開いていきます。

小学5年生の柄崎恭平は、夏休みを1人伯母が経営する旅館で過ごすことになりました。仕事で訪れていた湯川は、気まぐれからその旅館に宿泊することに。翌朝、宿泊客の塚原正次が変死体で発見されます。転落死かと思われましたが、捜査が進む内に殺人の可能性が出てきます。しかも塚原は元刑事で、15年前に起きた殺人事件がえん罪ではないかと疑い訪れてきていました。塚原は殺されたのでしょうか？15年前の真実とは？

再びの短編集です。本当は「ガリレオの苦悩」で短編集は終わる予定だったのですが、東野さんが新たにミステリーを考えつき、思わず筆をとったという背景があるようです。この作品には「幻惑す(まどわす)」「心聴る(きこえる)」「偽装う(よそおう)」「演技る(えんじる)」の4編が収録されています。こちらも全てドラマ化されました。

「幻惑す」宗教法人の本部のビルから男が転落死。男は宗教法人の第五部長で、横領が発覚し追い詰められ飛び降りたかと思われましたが、教祖は自分の念によるものだと主張。念で人は殺せるのでしょうか？「心聴る」転落死した会社員の生前の行動には、多くの不審点がありました。捜査していた草薙は、その会社で何人かが幻聴に悩まされていたことを知ります。この幻聴の秘密とは？

「偽装う」ホテルで惨殺された夫婦。その場に居合わせた湯川と草薙は調査を始め、湯川は殺人現場が偽装されていることに気づきます。一体どのように偽装されていたのでしょう？「演技る」同じ劇団員の男性を刺殺した女優は、アリバイ工作を始めます。そのトリックが明らかにされていく中、湯川はそのトリックのさらに先にある真実に辿りつきました。その真実とは？

今まで順番に紹介してきましたが、こちらがガリレオシリーズ8作目で、最後の短編集となりました。現時点での発表では最後ということで、読んでおくことをおすすめします。この作品には「透視す(みとおす)」「曲球る(まがる)」「念波る(おくる)」「猛射つ(うつ)」の4編が収録されています。曲球る、念波るについてはドラマ化されました。

「透視す」クラブのホステスは、透視で湯川の名前や職業を言い当てました。そのホステスが殺され、犯人は透視で横領を見抜かれた男によるものと判明。彼女は本当に透視をしていたのでしょうか？「曲球る」プロ野球選手の妻が殺害されます。事件自体は早々に解決したものの、彼女が死ぬ間際に買っていた置き時計の謎は解かれずじまいでした。妻はどうして置き時計を買ったのでしょう？

「念波る」姉が意識不明の重体になったとき、そのことにいち早く気がついたのは妹でした。東京から離れた場所にいた妹ですが、テレパシーを受け取り気づいたと言います。テレパシーは実在するのでしょうか？「猛射つ」湯川の教え子が殺人を計画していることが判明。その計画では、湯川から教わった知識が使われようとしていました。湯川は彼を止めることができるのでしょうか？

ガリレオシリーズでの1番のおすすめ作品は、「容疑者Xの献身」です。この作品、なんと第6回本格ミステリ大賞、第134回直木三十五賞を受賞した他、本格ミステリ・ベスト10の2006年版、このミステリーがすごい！2006、2005年週刊文春ミステリベスト10に選ばれています。天才数学者石神哲哉と天才物理学者湯川学の対決や、ミステリーの終盤に向けて明らかになっていく石神哲哉の心情が切なくおすすめです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。ガリレオシリーズを順番に紹介してきましたが、いかがだったでしょうか？短編集も多いので、必ず順番通りに読む必要はありませんが、すべておすすめなので是非読んでみてください！ガリレオシリーズは「禁断の魔術」で最後とされていますが、続編が出るのを楽しみにしつつ、今出ている原作を楽しみましょう！それではまたどこかで！