あゝ、荒野のあらすじをネタバレ！キャストや寺山修司の原作小説も紹介

2017年、菅田将暉とヤン・イクチュン主演で話題となった、寺山修司の小説原作の映画『あゝ、荒野』のあらすじをネタバレしていく。

寺山修司の小説原作の映画『あゝ、荒野』のあらすじをネタバレしていく前に、出演しているキャスト陣を紹介する。

1993年2月21日大阪府箕面市出身。日本の俳優、歌手。2007年、アミューズが行なったオーディションで応募者65,368人の中からファイナリスト31人まで選ばれるが、落選する。翌年、2008年に第21回ジュノンボーイコンテストでファイナリスト12人に選出され、これをきっかけに現在の事務所トップコートに所属が決まる。2009年「仮面ライダーW」で桐山漣とダブル主演を務め連続テレビドラマ初出演、初主演を果たす。

その後、様々な映画やドラマに出演し色々な賞を受賞する。デビュー当初はアイドル的な仕事が多かったが、映画「共喰い」に出演してからは、文芸作品や単館系作品に数多く出演し、自分のホームと呼んでいる。その一方で漫画の実写化の出演なども多く、アイドル性と演技派の２面性を併せ持つと言われている。

幅広い役柄を演じることで知られ、貧困家庭のチンピラ役から総理大臣役まで、いわばヒエラルキーの底辺から頂点まで演じている。俳優業のみならず、歌手業もしており、2013年都内で開催した20歳の誕生日イベントではピアノの弾き語りを披露し、映画「キセキーあの日のソビトー」では、劇中でGReeeeNの前身グループグリーンボーイズを結成し、2017年1月24日にCDデビュー。

その後、ソロでもデビューを果たし、2018年現在４枚のシングルを発表。BillboardJapanHot100では、最高11位まで行き、アニメソングチャートHotAnimationでは最高2位を記録した。今作『あゝ、荒野』では主人公新宿新次を演じる。

 1975年10月19日韓国出身。韓国の俳優、映画監督。公州映像大学演芸演技科を卒業し、21歳で兵役についたの後演劇を学ぶ。アクターズ21アカデミーをへて、俳優業を開始。「息もできない」では長編映画の監督に初挑戦。監督、製作、脚本、主演、編集までを手がけ、キネマ旬報ベスト・テン外国映画ベスト・テン第1位・外国映画監督賞を獲得する。

日本の作品にも出演し、活動の幅を日本にも広げている。2018年8月より、日本の芸能事務所ユマニテとエージェント契約を交わす。今作『あゝ、荒野』では新次と同じ海洋拳闘クラブに所属するバリカン健二を演じる。

1971年3月12日大分県出身。日本の俳優、タレント、司会者、歌手。本名は中山裕介。中学2年までを大分市立王子中学校で過ごし、3年の１学期に大分市立碩田中学校に転入。その後大分東明高等学校に進学し卒業。地元大分で「XYZマーダーズ」というバンドを結成し、コンテストなどで人気が上昇するが、高校卒業と同時に解散。その後、すぐにグループサウンド全開のロックバンド「NUTTIES」を結成。

クラウンレコードよりCDも発表する。ソロ活動としてもFM88で「８８ロックファクトリー」の司会も務める。1990年代は、上京して、ラテンロックバンド「BINGO BONGO」のヴォーカル・司会として加入し、音楽もCMに使われた。当時から司会や仕切りがうまく、1995年からは、ウルフルズのトータス松本とコンビで2時間の生放送番組「夕陽のドラゴン」の司会を務める。

その後、様々なドラマや映画、バラエティなど活動の幅を広げる。今作『あゝ、荒野』では新次と健二をスカウトする片目を演じる。

1950年1月23日福岡県筑紫野市生まれ、中間市育ち。日本の俳優で元お笑い芸人。本名は緒方義博。高校卒業後に、渥美清に憧れ上京し、弟子入りをお願いしようとするが、本人に会えずに断念する。しかし、東京にいれば何かしらのチャンスがあると思い、丸井に就職。丸いで4年ほど働いていた時、後輩が劇団ひまわりの募集広告を見つけ、それをみたでんでんは退社し劇団ひまわりに入団する。

エキストラなど3ヶ月ほど活動したのち、退団。その後4年ほどは雀荘やパチンコに入り浸りプータロー生活を送る。その後このままだとやばいと思い、30歳の時に「お笑いスター誕生！！」に出演し、素人ながら８週連続勝ち抜き金賞を勝ち取ったことを機に芸能界デビュー。

ピン芸人として活動していたが、1981年に森田芳光監督の映画「の・ようなもの」で俳優に転向する。その後、様々な部隊や映画などに出演し芸歴31年目にして初めて賞をとる。今作『あゝ、荒野』では鬼コーチの馬場を演じる。

1992年12月31日熊本県出身。日本の女優。西日本短期大学附属高等学校を卒業し、福岡で演技を学んでいた時にスカウトされ、芸能界デビューする。小学生の時に地元の地域の子供達の劇に出演したのが初めて芝居をした時である。子供の頃から演技するのが当たり前だと思い、将来は女優以外は考えられなかったという。

高校時代は演劇部に所属し、演技側のみならず、裏方の仕事も一緒にやっていた。演技は杉だが、普段は人見知りで緊張しやすい方だという。今作『あゝ、荒野』では、新次の恋人、芳子を演じる。

1971年3月16日東京都出身。日本の女優。白百合学園高等学校を卒業し、その後昭和音楽芸術学院ミュージカル科を卒業。大学在学中から「美少女戦士セーラームーン」に出演するなど、舞台女優として活躍する。19歳から舞台に立っていたが、21歳とのきに父親が急逝し、バイトを3つ掛け持ちし家計を支える。

20代後半は働きすぎで睡眠時間が１〜２時間しかなかったという。2005年6月には電通の社員と結婚し、その後娘を出産する。今作『あゝ、荒野』では新次の母君塚京子を演じる。

1959年2月20日千葉県八街市出身。日本の俳優、コメディアン。本名は師岡三智雄。妻ははコメディエンヌ・女優の楠美津香。専修大学商学部在学中に劇団現代に入団し、その活動のかたわら、六本木のショーパブの立ち上げや、新宿のストリップ劇場、渋谷の道頓堀劇場などでコントをしていた。

1990年以降はコメディアンとしてテレビに出演し、1996年には北野武の映画に出演するなど多岐にわたる活動をする。テレビ、映画などでさりげない存在感を見せるかたわら、浅草東洋館などでコントや一人芝居を開催している。今作『あゝ、荒野』では健二の父親、二木建夫を演じる。

1989年6月15日神奈川県出身。日本の女優、タレント、グラビアアイドル。弟が2人いて、父親はタクシードライバー。父親は2010年サーフィン全日本選手権で優勝している。中学3年生の時にテレビ番組のフェロモン中学生というコーナーに出演したことがきっかけで芸能界デビューする。

湘南育ちで「フェロモンサーファー」というキャッチコピーがつけられ芸能人女子フットサルチームに所属するが、チームは2009年に一時休部となっている。2012年には日テレジェニックに候補生45名の中から選ばレル。また、翌月のロンドンオリンピックのサポーターガールも務める。

その後グリコ乳業のドロリッチにドロリッチガールのメンバーとして出演。それ以降の活動は勢いを増して雑誌グラビアで見えない日はないと評されるグラビアの1人なる。その後イメージガールや小説家デビューも果たし、現在は女優業に軸足を置く。今作『あゝ、荒野』では自殺サークルの一人の西口恵子を演じる。

1969年5月20日東京都世田谷区出身。日本の俳優、ギタリスト、声優、ベーシスト。6児の父親でもある。小さい頃からライブハウスを経営する父の影響で音楽に触れ、中学2年の時にジャニーズ事務所に入所する。そして男闘呼組のメンバーとなる。1988年には日本レコード大賞を受賞。

メンバー4人で主演した「ロックよ、静かに流れよ」で新人賞に輝く。その後1989年に日本武道館でコンサートを輝き、NHK紅白歌合戦にも２回出場する。1993年にメンバー4人で主演した舞台の終了後突然ジャニーズ事務所から解雇され、同時に男闘呼組も解散する。

その後、渡米して俳優修業をし、芸名を本名の高橋一也から高橋和也に変更し芸能活動を再開する。今作『あゝ、荒野』では健二を引き取ったジムのオーナー、宮本を演じる。

キャストを紹介したところで、寺山修司の小説原作『あゝ荒野』の映画のあらすじをネタバレしていく。以下ネタバレ注意。

東京オリンピックの終わった2021年の新宿。どこか悲壮感漂うこの街では色々な問題を抱えていた。少年院上がりの新次は詐欺グループの一員として荒稼ぎしていたが、仲間の裏切りによって、兄貴分を目の前で半身不随にするまで暴力を与えた祐二に復讐を誓う。祐二がボクシングを始めたと聞き、単身、そのボクシングジムに殴り込みに行く。

しかし、見事に負けた新次はジムの前でティッシュ配りをしていた吃音と赤面対人恐怖症をもつ健二に出会う。建二は床屋で働いているが、その収入は酒浸りの父親に奪われ、さらに虐待も受けている。2人はたまたまその場でボクシングジムの会員募集のチラシを配っていた男、堀口にスカウトされる。

行き場のない2人は翌日、そのボクシングジムを訪れる。2人は堀口の指導のもと厳しい特訓をスタート。復讐に燃える新次と内気な性格を治したい建二はしだいにプロという目標を掲げ、友情を育みながらがむしゃらに特訓の毎日を過ごす。

新次はジムのオーナーのツテで痴呆の老人を受け持つ介護センター勤務するが、そこは忍耐力がないと続けられない過酷な職場だった。同じ頃、仲の良い友人を自殺で亡くした学生たちによる、自殺サークルが街頭で自殺志願者にインタビューを行う。その途中、公園で自殺未遂をする建二の父・建夫の姿もあった。

建夫は妻が亡くなった後、しょぼくれている建二に虐待をし続けた。しかし、建二が家から出て行ってからは、常に死ぬことばかりを考え、そんな時自殺防止サークルの人たちに出会う。一方、新次と建二はプロボクサーの試験に見事合格し、晴れてプロとなる。お祝いのためあるラーメン屋に行くと、そこには新次と以前一夜を共に過ごしお金を持ち逃げした芳子が働いていた。

新次は怒るも、彼女に交際を申し込む。ジムには堀口が読んだ鬼コーチ馬場がやってくる。同時に2人のデビュー戦も決定する。デビュー戦で負けた上に気絶したふりをした建二に、馬場は怒りをあらわにする。一方、新次は相手を秒殺し華々しいデビュー戦を飾る。そんな仲、新次がランニングをしていると、たまたま復讐の相手、祐二にあう。祐二は誰にも認められないことから、新次と兄貴分を襲ったのだった。

自殺サークルは文化祭で自殺志願者をステージに立たせステージ上で自殺するという出し物をする。リーダーの川崎はそれぞれに自殺を促していくが、みんなに拒否をされる。建二の父、建夫は川崎の意見を反対、否定しステージから降りてさっていく。建夫の意見に共感した観客からはブーイングが起こり、川崎はステージ上で自殺をする。

新次は次の試合で、わざと相手に打たせるような手を抜いた試合をするが、会場に祐二がいることを知ると今までやったことのないサウスポーで戦っていたことが明らかになる。その後、あっという間に相手をK,O,し、倒れた相手を何度も殴り続けた。新次は祐二と試合をするときには殺してやると絶叫をする。

時が過ぎ、2021年新次の復讐の相手、祐二は一足早くポロボクサーとして台頭していた。新次はいつか決着をつける日を待ち望み日々トレーニングに明け暮れた。ある日、建二は書店で妊婦の恵子が倒れているのを助け病院に連れていく。恵子の命は助かるが、お腹の子供は手遅れだった。

一方、介護施設で働く新次の元に、昔自分を捨てた母、京子が現れ帰還兵の闇という本を置いていく。自殺した新次の父親の上司は建二の父、建夫であり新次は建夫に会いにいくことにした。建夫は全身がガンになっており、いきている間に建二に連絡を取ろうとする建夫に「自分で言えよ。バリカン（建二）は戦ってんだよ」と伝える。その後建夫は目をかいたことが原因で両目を失明する。

ある日、新次の恋人の芳子の母が東北から上京してくる。芳子の母は、友人や親戚を東日本大震災で亡くしており、芳子を探しに上京してきたのだった。やがて、祐二との対戦が決まった新次はより一層練習に熱が入るようになる。そんな中、ジムに宮木社長が海洋拳闘ボクシングジムの会長の息子を連れてきた。落ちぶれたボクシングジムをたたむ話が水面下では行われ、2代目は健二の素質に目をつけていた。

そして遂に迎えた新次と祐二の対戦の日。序盤から白熱した試合になったが、次第に喧嘩のような試合になり、結果は僅差で新次が判定勝ちになったが、心は晴れなかった。ジムに戻った新次は、建二が山寺ジムに移籍したことを聞かされる。建二は新次に置き手紙を残しており、そこには「新次と戦いたいという目標ができた」と書かれていた。

2代目のサポートを受けた建二は、才能を開花させ連戦連勝で次第にポロボクシング界を台頭していくようになる。一方新次は、有事と試合を終えたこと、ボクシングばかりで芳子から振られてしまったこと、ジムが倒産を避けられなくなったことからすっかり目標がなくなり荒れた日々を過ごすようになる。

寺川修司の小説原作の映画『あゝ、荒野』。前編では、2人の出会い、そしてプロボクシングになる。新次と建二は真逆のタイプに別れ、新次はどんどん力をつけ勝ち進み、健二は連敗していく。後編ではそんな2人のボクシングの関係性が逆になっていき、建二が才能を開花させ連戦連勝。一方目標を失った新次はあれた日々を過ごす。そんなラストまでのあらすじをネタバレし、衝撃のラストのあらすじをこの後ネタバレしていく。

あれた日々を過ごしていた新次だが、建二が2代目にお願いをしマッチメイキングしてもらい、遂に新次と建二の試合が組まれることになる。ポスターを見たマコトは建夫を建二の試合に連れていくことに。試合当日、新次の母、京子も観戦に訪れ、遂に新次と建二の市内のゴングがなる。第1ラウンドから激しい戦いになり、2人は拳を交えることにより「生きている」実感をする。

やがて、建二は新次の拳を受けるだけになりタオルを投げ込もうとする2代目を宮木社長が止める。リングの内のみならず外での攻防戦も繰り広げられる。そして、建二は新次の一撃にリングに倒れ、試合終了のゴングが音を鳴らす。試合終了後の控え室には、白い布をかけられた人物が横たわっている。医師は死亡診断書の名前のところに「二木建…」と書きかけたところで映画の幕が閉じる。

以上が寺川修司の小説原作の映画『あゝ、荒野』のラストまでのあらすじのネタバレである。

映画『あゝ、荒野』の原作は1966年に寺山修司が発表した、生涯唯一の長編小説。寺山修司曰く、設定などを一切決めずにモダンジャズの手法で描いたという本作『あゝ、荒野』。寺山修司が即興的に書き進めた結果長編小説になった『あゝ、荒野』。著者「寺山修司」のプロフィールを紹介するとともに、原作小説と映画の違いをご紹介。

1935年12月10日青森県弘前市生まれ。日本の歌人、劇作家。演劇実験室「天井桟敷」主宰。警察署勤務の父の転勤などで県内を転々とする。そのため寺山修司本人曰く「走っている列車の中で生まれ、ゆえに故郷はない」と記していたが、寺山修司自身の創作も入っていると考えられている。

戸籍上は1936年1月10日が出生日とされており、こちらが正しいとの説もある。中学2年生の時に京武久美と友人になり、句作をしていた京武久美の影響から俳句にのめり込む。文芸部に入り、俳句や詩、童話を学校新聞に書き続ける。

寺山修司は1954年、早稲田大学教育学部国文学科入学後、短歌にはまる。その後様々な賞を受賞するが、翌年1955年にネフローゼと診断され長期入院を余儀なくされ、在学1年足らずで大学を退学し、生活保護を受ける。その後ラジオドラマを書き始める。

寺山修司の原作小説と映画『あゝ、荒野』の違いは一体なんなのか？まずは設定が1966年の新宿であること。映画では2020年に東京オリンピックが開かれることから、それぞれの時代の東京オリンピックの終わった数年後の新宿を舞台にしている。

そして、建二はチラシを、新次はスカウトでボクシングジムに入り、そこで2人は出会う。結末は映画と同じく新次と建二の試合があり、最後に二木建夫の文字で幕を閉じる。

映画『あゝ、荒野』のあらすじをネタバレしたとこで、映画の評価や感想を紹介していく。

映画『あゝ、荒野』前編、後編合わせて、脚本やストーリーなど、心打たれる内容に感動している。しかし一方で前編は良かったが後編を批評している感想も目立つ。

寺山修司の小説原作の映画『あゝ、荒野』のあらすじを前編後編合わせてラストまでをネタバレしてきた。主人公の新次と建二の背景から2人の出会い、そしてそれぞれの変化などを前後編合わせて5時間の怒涛のストーリーで展開してく。一度映画『あゝ、荒野』を観た後でも、小説を見たくなったりその逆も然り。今の日本でも起こり得るような人間の心境を見事に描き出した『あゝ、荒野』。ぜひお見逃しなく。