2018年11月07日公開
2018年11月07日更新
ストロベリーナイトの映画の結末と犯人は?ネタバレあらすじ【インビジブルレイン】
2013年に公開された映画『ストロベリーナイト』は、誉田哲也の人気警察小説『姫川玲子シリーズ』を原作に、竹内結子主演で女性刑事の姫川玲子の活躍を描いていたテレビドラマの劇場版です。テレビドラマから始まった『ストロベリーナイト』ですが、映画版はより多くの登場人物で、複雑な人間関係が描かれていますが、犯人は誰だったのでしょうか。映画の詳しいあらすじ、結末のネタバレや、観客の感想も紹介します。犯人のネタバレ含みます。
目次
ストロベリーナイトの映画の結末と犯人が気になる!
映画『ストロベリーナイト』は、誉田哲也の人気警察小説『姫川玲子シリーズ』を原作に、竹内結子主演で、女性刑事の姫川玲子の活躍を描いていたテレビドラマの劇場版です。テレビドラマから始まった『ストロベリーナイト』ですが、映画版はより複雑な人間関係が描かれているようで、犯人や結末はどう描かれているのでしょうか。ネタバレしながらも詳しいあらすじと結末を紹介します。
ストロベリーナイトとは?
ストロベリーナイトの原作
『ストロベリーナイト』は、誉田哲也(ほんだてつや)の『姫川玲子シリーズ』という、シリーズ累計400万部以上売り上げている日本の警察小説を原作としています。映画『ストロベリーナイト』の原作は、小説のシリーズ第4作の『インビジブルレイン』となっています。大まかなあらすじは原作の通りとなっているようですが、結末は少し違うようです。
ストロベリーナイトのドラマ
最初に映像化されたのは、2010年11月にフジテレビ系列にて放送されたスペシャルドラマです。このドラマの原作は、『姫川玲子シリーズ』のその名も『ストロベリーナイト』でした。そして、2012年1月に、その続編が連続ドラマとして放送されました。連続ドラマでは、シリーズの『ソウルケイジ』『シンメトリー』『感染遊戯』を原作に展開し、これまでにシリーズに6作品とスピンオフ1作品が発表されています。
主人公は、竹内結子演ずる姫川玲子という、警視庁捜査一課・殺人犯捜査係の主任である警部補です。まだ30歳ですが、ノンキャリアから27歳で警部補に昇進するという異例のスピード出世を遂げ、捜査一課で姫川班を率いています。姫川には、男勝りの行動力もさることながら、抜群のプロファイリングセンスによって犯人の行動を見抜くことができ、犯人を捜して結末を迎えるあらすじとなっています。
ストロベリーナイトの魅力
刑事ドラマとしては、個人やバディが軸となるものとは異なり、一個班の結束で、難事件や組織に立ち向かっていく所が面白さの一つです。姫川玲子という異例のスピード出世を遂げた女性刑事が、警察署内でも、女性であることの偏見にも戦いながらも、男性部下らを束ねて、姫川班として結束しながら、事件を解決しようとします。
部下の男性刑事を、西島秀俊、宇梶剛、小出恵介、丸山浩平が演じており、現実には決してあり得ないレベルのイケメン揃いだということも、魅力です。姫川を始め、着ているスーツもスタイリッシュでシャープな印象を受けます。
また、映像化が不可能だと言われた原作の遺体のシーンや殺人シーンの描写を、原作の世界を損なわずに、テレビ映像として見せることができた手法も大変評価されています。血が激しく流れる所は、モノクロや全体を真っ赤に見せる、切り取ったような描写もユニークな表現でした。
それから、姫川玲子を巡る密かな恋愛関係も面白さの一つです。テレビドラマからずっと竹内結子演じる姫川玲子を支え続けてきた、部下の菊田和男を西島秀俊が演じており、上司と部下を超えている愛があるようなないような、それ以外には目立った恋愛シーンがないドラマの中で、この2人の関係は、胸キュンシーンとなっています。
映画版『ストロベリーナイト』のあらすじに触れることになるのですが、その姫川と菊田の2人の関係に答えを出してしまうようなことが起こります。結末の見どころの一つでもありますが、姫川を巡る、菊田と新たな登場人物となる牧田という人物の三角関係が、映画では焦点があてられて描かれています。ネタバレはあらすじ内で紹介します。
ストロベリーナイトの映画キャストを紹介!
竹内結子/姫川玲子
映画『ストロベリーナイト』のストーリーは複雑で、登場人物も多いです。テレビドラマからの登場人物に加え、映画版の重要人物もあり、かなりの豪華キャストとなっています。映画のあらすじは、下記で詳しく紹介しますが、映画の主要キャストをここでは紹介します。
『ストロベリーナイト』で主人公の姫川玲子を演じている竹内結子は、1996年にテレビドラマで女優デビューしてから、数々のドラマや映画等に出演されています。1999年のNHK連続テレビ小説『あすか』の主演、2001年のTBS系列ドラマ『白い影』のヒロイン役を務め、数多くのドラマや邦画に出ている日本の実力派女優の一人です。
西島秀俊/菊田和男
『ストロベリーナイト』では、巡査部長で、姫川に部下として以上の恋心を持つ菊田和男を演じているのは、西島秀俊です。1993年のテレビドラマ『悪魔のKISS』で、新興宗教にハマる青年役や、『あすなろ白書』での同性愛者役で注目を集め、1999年に映画『ニンゲン合格』で主演をしています。主演のみならず、多くの個性的な役柄も演じており、数多くの邦画やテレビドラマで活躍している俳優です。
大沢たかお/牧田勲
『ストロベリーナイト』には、映画のみの登場となる暴力団の若頭補佐という役どころの大沢たかおは、1987年にモデルデビューをしてから、1992年に俳優に転向し、テレビドラマ『星の金貨』で注目を集めました。1995年に映画『ゲレンデがとけるほど恋したい。』で主演を務めてからは、邦画に多く出演しています。2009年のテレビドラマ『JIN-仁-』は8年ぶりに連続ドラマへの出演となりましたが、大ヒットとなりました。
小出恵介/葉山則之
『ストロベリーナイト』で姫川班の一員である巡査部長を演じるのは、小出恵介です。2005年の映画『パッチギ!』への出演で話題を集めました。その後もテレビドラマや映画に出演し活躍していましたが、2017年6月以降は不祥事により、芸能活動を休止されています。
宇梶剛士/石倉保
『ストロベリーナイト』で、巡査部長でベテラン刑事ですが、姫川班メンバーの一人を演じているのは、宇梶剛士です。錦野旦と菅原文太の付き人をしながら、長い下積みの後、1980年代後半になり、多くのテレビドラマに脇役で出演するようになると、注目を浴びるようになり、今では日本のテレビドラマや映画には欠かせない役者さんです。
武田鉄矢/勝俣健作
捜査一課殺人犯捜査五係の勝俣班を率いる警部補で、ガンテツと呼ばれ、検挙率のためには手段を選ばない刑事で、姫川にとってもライバルを演じるのは、武田鉄矢です。歌手であり、俳優としても有名ですが、このガンテツ役で影のある刑事を存在感たっぷりに演じています。
染谷将太/柳井健斗
『ストロベリーナイト』の映画版の登場人物で重要な役どころである、柳井健斗を演じているのは、染谷翔太で、7歳の時から子役として、数多くの映画作品に出演しています。2011年の映画『ヒミズ』や、2012年の『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』でその演技で、国内外で幾つも賞を受賞しています。
金子ノブアキ
『ストロベリーナイト』の映画版のみの登場人物で、ネタバレですが、映画内ではあまり登場シーンが多くはないのですが、大変重要な役どころを演じているのは、金子ノブアキで、ロックバンドRIZEのメンバーで、ドラマーとしての評価がものすごく高いミュージシャンですが、1994年からテレビドラマにも俳優として出演されています。
ストロベリーナイトの映画あらすじをネタバレ!
複雑な内容のため、あらすじを詳しく紹介します。ある雨の夜、暴力団龍崎組の下部構成員であった小林充(金子ノブアキ)の刺殺体が発見されます。遺体の状況は、別の2つの暴力団員殺しと共通性があり、連続殺人として、警察は合同特別捜査本部を設けて捜査する中、姫川玲子(竹内結子)が、小林殺しの犯人は、柳井健斗(染谷将太)であるという匿名の密告電話を受けます。
しかしながら、警察上層部からは、柳井に関しては追及しないようにと不可解な命令が下されます。柳井健斗は、9年前に殺害された柳井千恵の弟で、警察は、この時の容疑を柳井健斗と千恵の父親に掛け、追及したのですが、父親は否認したまま署内で拳銃自殺し亡くなっていました。彼の死後、容疑は誤認で、真犯人は、当時の千恵の恋人だった小林だったのではという疑惑がありました。
警察上層部は、この事件を封印していましたが、柳井健斗が姉への復讐で、小林を殺害したとなれば、この隠ぺいしていた不祥事が世間に明らかになってしまいます。自らの保身を考えた上層部の部長が、今回の事件を単純な暴力団の抗争として処理するように圧力を掛けていたのです。もちろん姫川はそれに反発します。部下に迷惑が掛からないように、姫川班としてではなく、単独で捜査を始めます。
龍崎組の若頭補佐である牧田勲(大沢たかお)は、情報屋として裏の顔を持つ柳井と連絡が取れなくなっていたため、柳井の部屋を訪れていました。その場で、姫川と出会います。牧田は、不動産会社の社員と身分を偽り、柳井を探す姫川と連絡を取り合う関係になります。そんな中、龍崎組の若頭が何者かに射殺され、連続殺人は4人目となってしまいます。
姫川と菊田(西島秀俊)は、牧田の正体を知ることになります。姫川が牧田に抗争のために利用されていると考えた菊田は、牧田の所に乗り込みますが、姫川への男としての気持ちを見抜かれ、挑発されてしまいますが、何もできず出て行きます。
一方、姫川は牧田に柳井との関係を問いただし、柳井は情報屋として働き、彼が若頭の情報を調べていたことなどを聞き出し、取引用の偽名口座番号を手に入れます。牧田は、姫川が抱える心の闇も見抜きます。その心の闇がある故に、自分に惹かれていることを指摘し、2人は車の中で体を重ねます。姫川の身を案じて追ってきた菊田は、雨の中、その情事をただ見つめるばかりでした。
姫川の単独行動は刑事部長にも知られ、事件の捜査から外されてしまいますが、諦められない姫川は、ライバル刑事でもある勝俣(武田鉄矢)に牧田から聞き出した口座番号を託し、アジトが判明します。
ストロベリーナイトの映画結末をネタバレ!犯人は誰?
先ほどのあらすじを受けて、完全ネタバレの結末を紹介します。姫川が聞き出した柳井の偽名の口座番号を元に、アジトが判明するのですが、そのアジトで、柳井は一連の殺人が自分の単独犯行だという遺書を残し、遺体となって発見されます。姫川の部下たちは彼女に捜査指示を求め、一致団結した姫川班は小林殺しの真実を知ります。
柳井は、牧田の協力で、確かに小林を殺そうとしていたのですが、殺すことができなかったのです。その場で小林が柳井のことや彼の家族を侮辱した態度に激高した牧田が、小林を殺害していたのでした。牧田には、柳井に同情するような暗い過去があったのです。
姫川は一人で牧田に会いに行き、出頭するように説得しようとしていました。が、その時、牧田の部下である川上という男に牧田は刃物で刺されてしまいます。小林を除く一連の殺人は、牧田にとって邪魔だと思う人たちを排除していた川上の仕業だったのです。それらの犯行を全て柳井がやったと見せかけようとしていたのでした。泣き叫ぶ姫川の腕の中で、牧田は微笑みながら亡くなるのでした。
この事件は、そのまま警察内で隠蔽されるかに見えましたが、記者会見の席で、捜査第一課長により、9年前の柳井の姉の事件と、今回の連続殺人の関連が暴露され、不祥事の責任を関係者全員が負うと発表します。
姫川班のメンバーは、それぞれ所轄に異動となり、4年6か月を共にした姫川班は解散となります。青空の下、姫川と菊田は異動の挨拶を交わしそれぞれの道を行くという結末です。
ストロベリーナイトの映画を観た感想や評価とは?
この映画『ストロベリーナイト』の観客の感想は、賛否両論のようです。俳優陣の豪華さと演技の上手さに満足されている人も多いですが、その反面、ストーリーや演出には批判もあるようです。そもそも、テレビドラマ『ストロベリーナイト』の完成度が高かったがゆえに、期待値がすごく高かったこともあるようなのですが、映画ではなくスペシャルドラマでよかったのではという意見は多く見られました。
『ストロベリーナイト』連続ドラマやスペシャルドラマの時は面白かったのに今回の映画はなんだかな〜。私が菊田びいきだからか?w映画でするほど?って感じで少し残念。映画よりもシーズン2のドラマで見たい。 http://t.co/FcQp6FAr7l
— なか吉 (@mimakiti) November 24, 2013
演出面ですが、映画仕様になったことに対する批判が目立ちます。テレビドラマで評価されていた、過激な描写をテレビで放送できるように加工する手法がなくなったことや、映画の最後以外は雨を降らしたという安易なお金の掛け方に疑問が持たれています。その割に、主人公姫川を演じる竹内結子と、暴力団の若頭補佐である牧田を演じる大沢たかおに抱かれるシーンでは服を一切脱がないことにも文句が見られました。
演じる竹内結子も、監督がこれだけ頑張っているのだから率先して映画らしい激しい濡れ場をやればいいのに、そのシーンだけは相変わらずの清純仕様。
ストーリー展開に関しては、突っ込みどころ満載だという意見も見受けられました。原作の小説も、テレビドラマ『ストロベリーナイト』も、映画版の役者も芸達者揃いの豪華であるにも関わらず、映画の2時間弱では描き切れていない内容が多く、観客も何でこの人物はこういった行動を起こしたのだろうか?と置いてきぼり感が強かったようです。
「インビジブルレイン」は、原作自体そもそもキーとなる登場人物が多い。
映画ではそこにさらにレギュラーフルキャストにしていたため、エピソードが多くて散漫になった印象を受けました。
ドラマでは姫川を批判するような動きをしていた個性派揃いの刑事らも、映画版では、姫川を援護するような動きが目立ったのも不可解だったようです。また、原作ではきちんと描かれていた、姫川がなぜ牧田に惹かれていくのかの心理描写が映画では描き切れなかったため、牧田に抱かれるのかは唐突な印象を残したようです。これまでのドラマでの菊田の恋愛感情が人気でもあったので、菊田ファンからの反発も多いです。
一番不可解なのは、結末の犯人の動機だという意見も見られました。敬愛する牧田のために人を殺している理由はおろか、最後に牧田を刺したのはなぜなのかと疑問を持った方が多いようです。
ヒドいといえば、犯人の動機である。牧田に親分になってほしくて、裏で人をバンバン殺していたのに、なんの説明もなくその心酔している牧田を刺すという行動がまったくわからない。これまでの苦労はなんだったのか。
ところが、違う結末の解釈の仕方もあるのです。解釈の問題ではあるのですが、犯人が最後に牧田を刺した時、邪魔な刑事として、姫川を狙っていたという説もあります。犯人が最初から牧田を狙っていたのか、刑事の姫川を狙っていたのか、わからないことは演出上意図したものなのかは不明です。ここのネタバレを希望する人が多いようです。
ストロベリーナイトをみてきました。原作をかなり端折ったら、ああいう構成になるのは仕方なく、映画としてはうまくできているのでは。原作も破綻はいろいろあるしねw脱がない西島秀俊もアリということでwww
— いーたん (@eegoroku) January 26, 2013
結末に関する考察が分かれるのと同様、映画の感想も色々分かれてはいますが、楽しめたという感想が多いことも事実です。この映画の場合、ネタバレとなりますが、テレビドラマではあまり焦点のあてられなかった、姫川の女性としての部分が強調されて描かれており、部下の菊田と、同じような暗い過去を持つ牧田との三角関係を切なく楽しめた人も多かったようです。
ストロベリーナイトの映画の結末まとめ!
以上、映画『ストロベリーナイト』の俳優、あらすじ、結末ネタバレを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。映画はもちろんのこと、テレビドラマの評価の高さから、テレビドラマやスピンオフ作品も見直して観てはいかがでしょうか。芸達者な役者さん揃いの、面白い作品となっています!