関ヶ原の映画の評価・感想まとめ!疑問点やあらすじなどもネタバレ考察

2017年に公開された映画『関ヶ原』。司馬遼太郎の人気原作小説を元に制作され、石田三成役を岡田准一が、徳川家康役を役所広司が務め、話題となった映画です。本記事では映画『関ヶ原』の評価や感想などのまとめの他、あらすじやネタバレ考察などについて調べました。司馬遼太郎著作の中でも特に人気のある作品のため、映画については評価・感想ともに賛否両論あるようです。本記事は映画『関ヶ原』についてのネタバレ内容も含みますので、映画未視聴の方はご注意ください。

関ヶ原の映画の評価・感想まとめ!疑問点やあらすじなどもネタバレ考察のイメージ

目次

  1. 関ヶ原の映画評価や感想まとめ!あらすじもネタバレ考察!
  2. 関ヶ原とは?
  3. 関ヶ原の映画の原作本とは?
  4. 関ヶ原の映画の出演者を紹介!
  5. 関ヶ原の映画あらすじをネタバレ紹介!
  6. 関ヶ原の映画の疑問点をネタバレ考察!
  7. 関ヶ原の映画評価や感想を紹介!
  8. 関ヶ原の映画評価や感想まとめ!

関ヶ原の映画評価や感想まとめ!あらすじもネタバレ考察!

本記事は、監督・脚本を原田眞人が務め、2017年に公開された映画『関ヶ原』についての評価や感想についてのまとめ記事です。その他にも映画のあらすじやネタバレ考察についても調べています!司馬遼太郎の人気小説が映画化されたということで話題となった映画『関ヶ原』ですが、評価や感想についてはかなり賛否両論あるようです。

果たして映画『関ヶ原』とはどのような映画なのか?本記事で映画『関ヶ原』について、様々な角度から詳しく調べてみました。映画ストーリーのあらすじなどネタバレ内容を含みますので、映画未視聴の方はご注意ください。

映画「関ヶ原」公式サイト

関ヶ原とは?

映画『関ヶ原』は、2017年8月26日に公開された日本の時代劇映画です。1600年に実際に日本で起こった合戦「関ヶ原の戦い」をベースに描かれた司馬遼太郎の小説が原作となっています。物語の主人公である石田三成役を岡田准一、そして東の総大将である徳川家康役を役所広司が演じています。その他にも、有村架純や東出昌大、松山ケンイチ、西岡徳馬など名だたる俳優が出演しています。

映画『関ヶ原』の監督は?

映画『関ヶ原』の監督・脚本は原田眞人が務めています。1949年7月3日生まれで、本業は映画監督・脚本家ですが、俳優業も行っており、映画「ラストサムライ」に出演した経験を持ちます。映画「伝染歌」や「クライマーズ・ハイ」などの数々の人気作の監督・脚本を務め、2018年には木村拓哉と二宮和也のW主演で話題となった映画「検察側の罪人」のメガホンも握っています。

今回の映画『関ヶ原』は原田眞人監督にとって初の時代劇映画制作となり、なんと映画化の構想に25年の月日をかけて制作されたそうです!こぼれ話としては、当初、映画の構想では徳川家康を主人公に考えていたそうですが、その後小早川秀秋に変わり、最終的には原作通りの石田三成になるという紆余曲折があったそうです。

関ヶ原の映画の原作本とは?

映画『関ヶ原』の原作者は司馬遼太郎

映画『関ヶ原』の原作本は司馬遼太郎の小説「関ヶ原」になります。「週刊サンケイ」にて、1964年7月~1966年8月の約2年間かけて同誌にて連載された小説で、雑誌掲載後、単行本と文庫本の累計発行部数は合わせて580万部を突破した大ベストセラー作品です。

上中下と3部作で構成されており、オリジナル要素を含みながらも「関ヶ原の戦い」の様子が史実に沿って描かれており、「国盗り物語」や「新史太閤記」とともに司馬遼太郎の描く「戦国三部作」の1つと言われています。また、徳川家康についても事細かく描かれていることから、「覇王の家」や「城塞」とともに「家康三部作」のうちの1作にも数えられています。

原作者・司馬遼太郎って?

司馬遼太郎は小説家で、1923年に大阪府大阪市に誕生し、1996年に72歳でこの世を去りました。産経新聞社記者として在職中に、京の都で暗躍し闇に生きる忍者を描いた「梟の城」で直木賞を受賞し、一躍有名になります。その後も様々な歴史小説を執筆し、代表作は坂本龍馬を描いた「竜馬がゆく」や、新選組を描いた「燃えよ剣」、斎藤道三と織田信長を描いた「国盗り物語」など多数に渡り、特に戦国・幕末・明治頃のものをテーマに扱った作品が多いと言われています。

小説「関ヶ原」の特徴は、今まで”徳川家康に無謀な戦いを挑んだ”や”豊臣秀吉亡き後に政権を握ろうとした”と、裏切者であったり奸臣扱いされていた石田三成を、”豊臣家を守るために奔走した正義の人”として描いた点にあります。また、初めて石田三成を本格的に主人公にして描かれた小説にもなり、根強いファンが多い小説です。

映画化の前に『関ヶ原』はドラマ化されている?

実は小説「関ヶ原」は今回の映画化より前に、ドラマ化がされている作品でもあります。1981年にTBSテレビにて東京放送創立30周年記念番組として3夜連続で放映されており、石田三成役を加藤剛が、徳川家康役を森繁久彌が演じており、その他、三國連太郎や三船敏郎など名だたる俳優が出演しています。

原作小説の根強い人気や、先に制作されていたドラマ化との比較で、今回の映画『関ヶ原』の評価や感想は賛否両論に分かれたようです。果たして映画『関ヶ原』とはどんな出演者がいて、どんな物語だったのでしょうか?続いてそちらについてもご紹介していきます。

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関ヶ原の映画の出演者を紹介!

続いては映画『関ヶ原』の出演者について一覧でご紹介していきます。数々の映画やドラマで大活躍の名だたる俳優や女優が出演しています!

映画『関ヶ原』石田三成役・岡田准一

幼い頃から豊臣秀吉に仕え、その後政権の実務を担う五奉行となった石田三成。関ヶ原の戦いでは西軍の主導者として暗躍し、打倒豊臣をもくろむ徳川家康の野望を止めるために立ち上がった義の人と描かれた本作の主人公です。「軍師官兵衛」や「天地明察」など様々な時代劇の主人公を演じてきた岡田准一が担当しています。石田三成の墓前で「三成公に喜んでもらえるように演じます」と誓ってから映画の撮影に臨んだそうです。

映画『関ヶ原』徳川家康役・役所広司

「海道一の弓取り」の異名を持ち、織田信長や豊臣秀吉など名だたる武将と雌雄を決してきた武将・徳川家康。「関ヶ原の戦い」では東軍の総大将を務め、目ざわりな豊臣家を滅ぼし、戦国時代を終結させて泰平の世を築くために、様々な策を講じて決戦に挑みました。NHK大河ドラマ「徳川家康」にて織田信長役を務めた役所広司が、映画『関ヶ原』では徳川家康役を演じています。

映画『関ヶ原』初芽役・有村架純

ヒロインの初芽は、原作では武家の「間者」という設定でしたが、映画『関ヶ原』では「伊賀忍び」として登場しています。ひょんなことから石田三成に仕え、次第にその”義”の心に惹かれていきます。初芽役を演じたのはNHK連続テレビ小説「ひよっこ」や映画「ビリギャル」などの主役を務める若手実力派女優の有村架純です。彼女にとって時代劇映画の出演は、映画『関ヶ原』が初めての作品となりました。

映画『関ヶ原』島左近役・平岳大

大和国・畠山氏や筒井氏などを渡り歩き、その後石田三成に仕えたことで、「治部少(石田三成)に過ぎたるものが二つあり。島の左近と佐和山の城。」と称されるほどの武将であった島左近。「関ヶ原の戦い」では様々な知略で主君・石田三成のサポートを行い、勇猛果敢に戦に挑みます。映画『関ヶ原』にて島左近役を演じているのは平岳大(ひらたけひろ)で、NHK大河ドラマ「篤姫」や「真田丸」などにも出演しています。

映画『関ヶ原』小早川秀秋役・東出昌大

豊臣秀吉の正室・北政所の甥にあたり、小早川隆景と養子縁組したことで小早川家の当主となった小早川秀秋。金吾中納言の通称を持ち、齢19歳にて「関ヶ原の戦い」の命運を握った人物になります。そんな小早川秀秋役を映画『関ヶ原』にて演じたのは、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」やNHK大河ドラマ「花燃ゆ」などに出演している、歴史好きとしても有名な東出昌大です。裏切者の小早川秀秋を見事に演じ切ってみせました。

映画『関ヶ原』直江兼続役・松山ケンイチ

上杉景勝に仕え、智将と名高い直江兼続。原作・史実ともに石田三成とは交流があり、それぞれが掲げる”義の心”に惹かれ合っていたのではと言われています。「関ヶ原の戦い」のキーマンの1人で、徳川家康を倒すために直江兼続によって直江状が送られ、上洛を拒否したことで合戦の発端と言われる会津遠征を引き起こします。直江兼続役を演じたのは松山ケンイチで、代表作は「デスノート」や「ノルウェイの森」などです。

映画『関ヶ原』大谷刑部役・大場泰正

三成と同じく豊臣秀吉の家臣で、越前敦賀城主であった大谷吉継。兵法の天才とも言われており、「紀之介(大谷吉継)に100万の軍勢を与えて、自由に軍配を指揮させてみたい」と秀吉に言わしめたとの逸話を持ちます。映画『関ヶ原』では、盲目ながらも、友である石田三成を支えるため戦場で奔走します。大谷刑部役を演じたのは大場泰正で、NHK大河ドラマ「葵 徳川三代」や映画「日本のいちばん長い日」などに出演しています。

以上、映画『関ヶ原』の出演者の紹介でした。歴史の偉人たちを見事に演じた俳優たちの評価は高く、キャスティングについてもぴったりだとの声が多く見受けられました。上記以外にも、映画『関ヶ原』では東軍・西軍ともに様々な俳優が出演しています。気になる方はぜひHPなどをチェックしてみてください!

関ヶ原の映画あらすじをネタバレ紹介!

続いては映画『関ヶ原』のあらすじをネタバレ込みで紹介していきます!原作小説と少し改変されている内容がありますので、そこが映画『関ヶ原』の評価や感想が賛否両論に割れた原因の1つのようです。そこにも注目です!またネタバレを含む内容ですので、映画未視聴の方はご注意ください。

映画ネタバレ・始まりは3杯の茶から

物語は作者である司馬遼太郎が、石田三成と豊臣秀吉が出会ったとされる寺に訪れ、石田三成と豊臣秀吉に思いをはせるシーンから始まります。織田信長に仕え、長浜城主となった豊臣秀吉は鷹狩の帰りにある寺に訪れ、茶を出すように命令します。そこに茶を持って現れたのが、寺に奉公に来ていた佐吉という子どもでした。

佐吉は1杯目に大ぶりの茶碗にぬるめの茶を一杯に入れて出します。喉の乾いていた秀吉は勢いよくそれを飲み干すと、もう1杯出すように佐吉に伝えます。佐吉はそれに答え、2杯目は1杯目よりも小さめの碗にやや熱めにした茶を出します。それも一気に飲み干してしまった秀吉はさらに茶を所望します。それに対し、佐吉は3杯目に小ぶりの茶碗に熱くした茶を出してきます。

「この子どもは相手の様子を見て、その相手が欲しているものを適切に出している」と佐吉の心遣い関心し、彼を気に入った秀吉は、その子どもを連れて帰り自分の家来にします。その子どもこそが、のちに豊臣秀吉の大黒柱である五奉行の一人となり、徳川家康と天下分け目の戦いをすることになる石田三成でした。

映画ネタバレ・憎まれやすい石田三成

豊臣秀吉に忠誠を誓う石田三成は、五奉行として幕府を支えるほどの人物に成長し、秀吉からも絶大な信頼を得ていました。しかし、真っすぐすぎる性格で融通がきかず、物事を白か黒かで判断する仕事ぶりから、他の武将からあまりよく思われておりませんでした。特に石田三成と同じく幼少期から秀吉に召し抱えられていた、加藤清正や福島正則などとは犬猿の仲でありました。

さらには豊臣家では、正室の北政所と側室の淀君との間に権力争いがありました。秀吉の部下たちも、加藤清正や福島正則など尾張出身者が多く集まる武闘派の北政所派と、石田三成や大谷刑部などの近江出身者が多く集まる文治行政官派の淀君派という風に、二極分裂が起きていました。

そんな中、1595年に秀吉と溺愛していた側室の淀君との間に秀頼が生まれると、秀吉は跡継ぎにするために養子にしていた豊臣秀次に謀反の罪を着せて、切腹させてしまいます。そして秀次の妻子達も公開処刑をするように命令します。

映画ネタバレ・三成の人生を変える2人との出会い

その処刑に立ち会っていた石田三成は、そこで後の自分の人生に大きく影響する2人の人物と出会います。1人は秀次の側室である最上家の駒姫のお付きとして雇われていた忍びの初芽でした。殺されそうになった姫を守り、また自らが生き延びるために戦いますが、最後は捕らえられてしまいます。しかしその動きを見た石田三成は彼女に興味を持ち、初芽を引き取ることにします。

もう1人がのちの石田三成の右腕となる島左近です。処刑場に姿を見せ、豊臣家のやり方に疑問を呈しその場を去る島左近を追いかけ、自分の家来になって欲しいと頼み込みます。当時石田三成は4万石の城主でしたが、その半分の2万石を渡してでも召し抱えたいという男気と、その真っすぐな”義の心”に惹かれ、島左近は石田三成に仕えることになりました。

映画ネタバレ・動き出す徳川家康

豊臣秀吉の死後、豊臣家に不穏な空気が流れだしました。犬猿の仲であった加藤清正ら武闘派と石田三成ら文治行政官派の間に、さらなる火花が散るようになります。それに目を付けたのが徳川家康でした。織田信長の死後、ようやく自分の時代が来たと考えていたところを、アッという間に天下をかっさらっていった秀吉に従わざるを得なかった屈辱を晴らす時がようやく来たのです。

豊臣政権でNO,2を担っており、武闘派・文治行政官派の間を取り持っていた前田利家が亡くなったのを機に、家康は動き出します。豊臣家を守ろうと、天下を狙う自分に対して敵意をむき出している石田三成を排除するために、石田三成と敵対する武闘派の武将を懐柔したり、秀吉の正室の北政所に近づいたりなど、様々な手段を使って自分の味方を増やしていきます。

映画ネタバレ・危機を迎える初芽と石田三成

それに対して石田三成も様々な策を打ち、豊臣を守るために奔走します。しかし、実直すぎる性格から誤解されやすく、恨みを買われていた石田三成に味方する人物は少なく、苦労をします。味方になってくれるのは昔からの盟友である、大谷刑部や直江兼続など限られた人物のみ。自分の人脈の弱さに三成は苦悩します。

それを支える初芽は、石田三成の命により、彼の盟友である大谷刑部の元へ向かうこととなります。そこで三成は任務に向かう初芽に思いを告げ、必ず生きて帰ってくるように伝えます。もちろん初芽の気持ちを三成と同じでした。しかし初芽は帰り道に家康側の忍びに襲われてしまい、そのまま消息を絶ってしまいます。

その一方で、三成は家康によってけしかけられた武闘派の武将たちによって襲撃を受けていました。島左近の策略で石田三成は徳川家康の屋敷に逃げ込み、その場は丸く納められましたが、騒ぎの原因を作ったということで、石田三成は故郷の佐和山城へと蟄居を命じられました。

映画ネタバレ・関ヶ原の戦いへ

蟄居中ながらも石田三成は直江兼続や毛利家と画策し、家康を打つために立ち上がります。まずは直江兼続らが家康を焚き付け、家康が上杉征伐に出兵した後に石田三成が佐和山城で挙兵し、家康を2軍で挟撃する戦略が立てられました。しかしそれは家康も想定済み。挟撃は上手く機能せず、東北から踵を返してきた家康と三成は、日ノ本の中心である関ヶ原で相まみえることとなったのです。

その頃家康の忍びに襲われた後、奴隷として売られていた初芽は戦場に連れてこられており、戦場にて甲冑や武具を略奪するように命じられていました。しかし初芽は隙を見て逃げ出し、再び三成に会うたびに戦場を駆け抜けていきます。

1600年9月15日、戦の狼煙が上がり、東西15万ものの兵が関ヶ原の地にてぶつかり合います。最初は西軍が優位に動いていました。それにヤキモキした家康は裏切るようにけしかけていた小早川秀秋の元へ早馬を飛ばします。同時に島左近の息子も、小早川秀秋に早く徳川陣営に攻撃を開始するようにと訴えにきていました。

映画ネタバレ・裏切者の続出

当主の小早川秀秋は徳川家の脅しに肝を冷やしながらも、石田三成は豊臣家にとって必要なのではとうろたえます。なかなか裏切らない様子に激怒した家康は小早川秀秋の陣営に銃撃を打ち込み、それに反応した部下たちは、泣いて止めようとする小早川秀秋の命を聞かず、西軍の陣地に襲い掛かかっていきました。

それに呼応して、家康によって懐柔されていた西軍の脇坂安治、小川祐忠、赤座直保、朽木元綱なども次々と裏切り、そのまま西軍を勢いよく飲み込んでいきます。裏切り者が出るのではと睨み、小早川陣営の近くに控えていた大谷刑部は何とかして裏切者たちを食い止めようとしますが、奮戦むなしく命を落としました。

東軍の勢いは止まらず、そのまま西軍は次々と敗戦していきます。その様子に気づいた島左近は、石田三成に逃げ落ちるように告げ、自らが殿となってその場に留まります。そして見事に石田三成を逃し、その命を関ヶ原の地にて散らしたのでした。早朝の開戦から早半日。天下分け目の戦いは東軍の勝利で幕を閉じました。

映画ネタバレ・石田三成の最後

逃げ落ちた石田三成は、自身が納める領地の農民に命を救われます。三成を匿ったことでその農民の命が狙われることを恐れた三成は、最後まで自らの”義”を貫き、自ら姿を現し東軍兵士に囚われます。さらし者として城門前に置かれた三成に対し、悪態をつくものが多い中、小早川秀秋だけが懺悔するシーンが印象的です。

処刑場所である六条河原に向かうため、馬に乗せられ、市中を連れまわされる三成の元に若い女性が現れます。関ヶ原の地で三成と再会することが叶わなかった初芽でした。彼女は三成と見つめ合った後、全てを受け入れように、「大一大万大吉」と三成が掲げていた旗印の言葉を呟き、彼の最期を見送ります。

「1人が万民のために尽くし、万民が1人のために尽くすことで、皆が幸せな世をになる」という意味の「大一大万大吉」を掲げ、死ぬまで豊臣家に忠誠を誓い、”義”を貫いた男・石田三成の最期でした。

以上が映画のネタバレ込みのあらすじ紹介になります。原作小説と映画が大きく異なるところは、初芽に関するシーンが非常に多く、映画の評価や感想についての賛否両論が大きく分かれたところになります。ネタバレあらすじでは書ききれない描写も数多くありましたので、気になる方はぜひ映画をご覧ください!

関ヶ原の映画の疑問点をネタバレ考察!

続いては映画『関ヶ原』の疑問点をネタバレ考察していきます。北政所の言葉の真意や島左近と柳生家との繋がりなどを紐解いていきます。歴史の物語の背景には何があったのか?映画『関ヶ原』についてのネタバレ内容を含みますのでご注意ください!

映画考察・島家と柳生家の関係は?

映画「関ヶ原」の中で、島左近と柳生石舟斎が雨の中で密会をし、徳川家康と石田三成のどちらに付くか話し合うシーンがありました。柳生石舟斎は剣豪として名高く、剣術指南役として徳川家に召し抱えられるほどの実力者です。実は彼らは大和国の筒井家に仕えていたことがあり、島左近とは元同僚の仲です。さらには島家と柳生家は家族ぐるみで付き合いがあり、島左近の娘は柳生石舟斎の息子・柳生利厳と婚姻関係にありました。

島左近から石田三成側についた報告を聞いたことで、柳生石舟斎は2人の息子を徳川家へ仕えさせる決心を固めます。三男・柳生宗矩は徳川家康に、四男・柳生宗章は小早川秀秋の元に付くことになり、島家と柳生家は敵同士になってしまいます。

これは親や兄弟などが分かれて東軍・西軍についた関ヶ原を主張するようなエピソードの1つです。恐らく優秀な島家の血筋を残すために、島家の娘を嫁に迎え入れていた柳生家があえて東軍についたのではということが考えられます。六文銭で有名な真田家も血筋を途絶えさせないために、父・真田昌幸と弟・真田幸村が西軍、兄・真田信之が東軍へと分かれていたと言われています。戦国の世ではよくある出来事だったようです。

映画考察・北政所が三成の子孫を救った理由は?

映画「関ヶ原」の中で北政所は、豊臣家を守ろうとする石田三成に対して冷酷な態度を取り、すり寄ってくる徳川家康を受け入れ、東軍に味方する描写が描かれていました。実子がいなく、秀頼を生んだ側室・淀君の権力が豊臣家内で強くなっていく中で、正室の立場として複雑な心境であったのでしょう。それ以上に、秀吉が亡くなった後、この戦国の世を治めることができるのは徳川家康しかいないと考えていたのでしょう。

実際に加藤清正や福島正則などは北政所の助言があったことから徳川家康の味方につき、結果豊臣家を裏切る形になります。豊臣家の武将を数多く傘下に収め、自身が官軍で、石田三成が賊軍であることを示したかった家康は北政所にすり寄って利用していたと考えられます。しかしそんな中、北政所は映画の中で、「三成の血は残したほうがええ」と言い、実際に三成の娘を養子に迎え入れていました。

史実でも三成の子どもたちは処刑されず、名を変えて別の大名に仕えたり、僧侶になったりなどして生き延びています。さらになんと、石田三成の次女の孫が徳川家3代目将軍の家光の側室となり、家光の長女・千代姫を産んでいた事実があります。北政所は石田三成を気に入ってはいなかったものの、その能力や忠誠心は今後の日ノ本の未来にとって必要なものだと考えていたのかもしれません。

映画考察・なぜ三成は自害しなかったのか?

映画『関ヶ原』でも史実でも石田三成は自害せずに捕縛され、六条河原にて処刑されます。盟友である大谷吉継は、武士らしく戦場にて自害しましたが、三成は落ち延びて最後まで生きようとしました。なぜ石田三成は生き延びること選んだのでしょうか?原作では、生き延びることに執着した理由として、「最後まで諦めることなく、反撃のチャンスを待っていた」とされていました。

その中の有名なエピソードとして、処刑に向かっている最中、三成が水を欲したところ柿を勧められますが、「柿は痰の毒だから食べない」と断ったものが有名です。殺される直前でも、大義を果たすために首をはねられる瞬間まで命を大切にし、本望を達成しようとする三成の意志の強さが分かる逸話となっています。映画ではストーリーの都合上カットされたそうですが、実はこのエピソードに関しても撮影が行われていたそうです。

一方で、映画では原作から視点を変えて、生き延びることに執着した理由として、「死ぬ前に最後に大切な人に会いたかった」とされています。大切な人とは自身の愛する女性・初芽や裏切り者の小早川秀秋、さらには敵の大将である徳川家康です。彼らと最後に会うことで自らの義について再認識し、悔いを残さずその生涯を閉じたのでしょう。

関ヶ原の映画評価や感想を紹介!

最後に、映画『関ヶ原』についての評価や感想を一覧にてご紹介します。元が上中下と3巻に分かれている長編映画だったたため、2時間半の映画に収めるのは難しいのではと言われてた映画『関ヶ原』。twitterや口コミレビューは果たしてどんな評価や感想になっているのでしょうか?

映画『関ヶ原』について良かった評価・感想

まず良かった感想として挙げられていたのは、役者たちの演技やキャスティングについてです。特に主演の岡田准一や、徳川家康役の役所広司、島左近役を演じた平岳大、小早川秀秋役を演じた東出昌大などが素晴らしかったとの声が多かったです。それぞれ物語のキーマンとなる人物なことから、どんな演じ方をしてくれるのだろうと期待していたファンたちを納得させる演技力だったようです。

名探偵コナンの安室透役の声優として人気の古谷徹も映画を視聴していたようで、twitterに感想の投稿をしていました。合戦シーンについても迫力があり、殺陣も素晴らしかったとの声が多かったようです。

タイミング的にNHK大河ドラマ「真田丸」が放映されていたことから、真田丸にて時代背景を知ってから映画を見た方も多かったようです。事前に少しでも関ヶ原までの時代背景が分かっていると、物語に入り込みやすく、映画を存分に楽しめるようです。

映画『関ヶ原』について悪かった評価・感想

やはり3部作の小説を1本の映画に詰め込んだことで、ストーリーに深みが出なかった点がよくなかったとの感想があります。原作を忠実に再現するためには、映画を複数に分けて制作した方が良かったのかもしれません。しかし出演者に対しての演技の評価はこちらでも好評でした。

石田三成と初芽の恋愛模様は原作小説でも展開されていますが、映画よりはその色が薄いです。歴史ファンや原作ファンとしては恋愛模様より、合戦や武将たちの駆け引きや友情についてもっと描いて欲しかったとの感想が多く見受けられました。また、緊張感を出すためもしくはストーリーを2時間半に収めるためなのかか、全体的に早口でセリフを聞き取れず理解できなかったとの感想もありました。

さらにはこんな感想も。歴史ファンは歴史について詳しい人が多いので、その時代の歴史背景と異なる描写がされていると気になってしまうようです。

また原作では描かれていた場面が、映画では映像化されていなく不満をもらしていたファンも多くいました。代表的なものとしては、徳川家康に「こんな無礼な書状を受け取ったことはない」とまで言わしめた直江兼続の制作した”直江状”のエピソードと、西軍が敗北したことから絶体絶命の中、島津軍が鬼気迫る勢いで戦場を駆け抜けて薩摩まで撤退していく”島津の退き口”のエピソードです。

歴史ファンや原作小説のファンからすると、見どころ部分を削られ、初芽との恋愛シーンが多く織り込まれたことが残念だった点のようです。また、ストーリー展開が早いうえに登場人物が多く、解説が少なかったことから、歴史をよく知らない人や原作小説を未読の人にとっては、映画を見るだけでは映画『関ヶ原』での人間関係やストーリーなどを理解することが難しかったようです。

映画『関ヶ原』の評価や感想の総括

感想を総括すると良かった点は、「キャスティングや俳優たちの演技」「合戦シーン」などの演技力やカメラワーク部分で、悪かった点は「尺が足りずに削られた部分が多かった」「ストーリーが理解しにくい」「恋愛要素はいらない」など、脚本や構成に関わる部分だったと言えるでしょう。

そのため、映画を視聴する場合は、原作小説を読む、もしくは関ヶ原についての歴史背景や登場人物について学ぶなどしてからの方が良いでしょう。事前準備を行ってから、歴史の偉人たちを見事に演じ切った俳優たちの姿を見て映画を楽しむことをおすすめします。

関ヶ原の映画評価や感想まとめ!

本記事では映画『関ヶ原』の評価や感想の他、ネタバレ込みのあらすじなどをご紹介してきましたがいかがだったでしょうか?原作小説に根強いファンが多いことから、映画としての口コミは厳しいものが多かったですが、俳優たちの演技力などはとても素晴らしいので、見て損のない映画だと言えるでしょう。未視聴の方はぜひこの機会に、映画・原作小説共に視聴して『関ヶ原』の世界観をお楽しみください。

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