2018年09月07日公開
2018年09月07日更新
そして父になるのロケ地を紹介!病院や電気屋・TSUTAYAの撮影場所は?
「そして父になる」は福山雅治主演、是枝裕和監督・脚本による映画で、第66回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞しました。6歳になる我が子が実は出産後すぐに他の赤ちゃんと取り違えられており、血の繋がりがないことが分かった2組の夫婦が苦しみ悩みながら、親子とは、家族とは、その絆を考える作品です。この作品は病院や電気屋「TSUTAYA」など群馬県前橋市を中心としたロケ地も話題になりました。今回は「そして父になる」の撮影で使われたロケ地についてご紹介していきます。
目次
そして父になるのロケ地まとめ!病院や電気屋TSUTAYAなど
出典: https://eiga.com
是枝裕和監督・脚本による大ヒット映画「そして父になる」は群馬県前橋市を中心としたロケ地での撮影が行われました。「そして父になる」のお話の軸となる、野々宮家ともうひとつの家族である斎木家の息子が生まれ、取り違えられた病院や、斎木家の住居兼店舗である電気屋TSUTAYAなど、「そして父になる」の作品の中でも印象的なシーンに使われたロケ地をご紹介します。
そして父になるとは?
「そして父になる」は是枝裕和監督・脚本による2013年公開の映画です。第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したことでも大変話題になりました。日本国内でも多数の賞を受賞しています。「そして父になる」は出産から6年後に発覚した、赤ん坊の取り違えという事件に翻弄される2組の家族の葛藤や親子、家族の絆とは何かを問い掛けるヒューマンドラマです。
そして父になるの野々宮家
「そして父になる」のあらすじをご紹介します。大手の建設会社でエリート建築家として働く野々宮良多(福山雅治)は再開発プロジェクトに関わるなど仕事は順風満帆で、都心の高級タワーマンションで妻のみどり(尾野真千子)と6歳になる一人息子の慶多(二宮慶多)と何不自由なく暮らすいわゆる勝ち組でした。慶多はピアノを習ったり、私立の名門小学校を受験して合格するなど、エリートの息子といった教育を受けています。
しかしエリートとしての自尊心が強い良多は息子の慶多がおっとり優しい性格であることに少々もどかしさを感じており、慶多とも、また妻ともあまり向き合おうとしていませんでした。それでも表面上はいい家族として過ごす野々宮家でした。そんなある日、慶多を出産した群馬県の病院から「重要な話がある」という胸の知らせが届きました。みどりは地元の群馬県の病院で出産をしていたのです。
出典: https://eiga.com
病院へ行くと、なんと出産したばかりの頃に我が子が他の子供と取り違えられていたことが判明するのです。斎木という、同じくその病院で出産をした夫婦が、息子の血液検査をしたところ両親の血液型と一致せず、病院に問い合わせたことから病院側が調査し、同じ日に生まれた子供である慶多と斎木家の子供が取り違えられていたことが分かったのです。そこでDNA鑑定をすると、慶多は良多とみどりと血が繋がっていなかったのです。
そして父になるの斎木家
「そして父になる」のもうひとつの主人公である斎木家は雄大(リリー・フランキー)とゆかり(真木よう子)夫婦に、慶多と同じ日に生まれた長男の琉晴(黄升炫)と、その下に長女の美結と次男の大和、そして祖父の6人家族で、群馬県にある電気屋TSUTAYAを経営しながら店舗兼住居のそこに暮らす一家です。古めかしい雰囲気のいわゆる街の電気屋さんであるTSUTAYAでにぎやかな庶民的な生活をしています。
良多とみどりは斎木夫婦と対面し、病院側から子供の将来のためにもどうするか早く結論を出したほうがいいと言われたこともあり、まずは交流を始めました。良多は当初から田舎の病院で出産することを反対していたため、「母親なのになぜ気づかなかったのか」と自分を責めて苦しむみどりのそばで、「やっぱり」という言葉を発したのでした。慶多のおっとりして少し不器用な性格が自分とは似ていないと思っていたからでした。
斎木家はあまり裕福ではなく、雄大やゆかりも庶民的なため、良多が内心彼らを見下している様子をみどりは嫌っていました。みどりはゆかりとは母親同士でそれなりにいい関係を築きつつあったのです。しかし賠償金の話などを出してくる斎木夫婦に対して良多はあまりいい感情を持っていません。良多は病院を相手どり訴訟を起こしますが、そこで「そして父になる」のメインとなる赤ん坊の取り違えが故意に行われていたことを知ります。
そして父になるの軸となる、赤ん坊の取り違え
当時の看護師(中村ゆり)が、その当時に結婚した相手の継子の子育てがうまくいかず、裕福で一番高い個室を使うなどする野々宮家のしあわせそうな様子にイライラしてわざとやったと証言したのです。しかしもう時効が成立しており、彼女の罪を問うことができず、良多たちは愕然とするのでした。そんな中で良多は家計に余裕のなさそうな斎木家に対し、相応のお金を払うので子供を両方引き取ると提案したのです。
当然雄大とゆかりは「お金で解決できるものではない」、「人の気持ちが分からない」と激怒し、みどりも夫の言葉に愕然とするのでした。それでも帰り道に「なんで電気屋にあんなことを言われなければならないのか」と憮然としている良多でした。その後、「強くなって大人になるミッションだ」と称して、両家はお互いの子供を相手の家に泊まらせることにしながら、今後どうしていくかを決めることにします。
そして父になるのメインテーマである親子の絆とは?
そんな中、父の日に慶多は両方の父親に折り紙で作った花をプレゼントします。そうして良多は今まで向き合ってこなかった息子というものを改めて考えていくことになります。6年間の絆か血の繋がりか、両家は悩み抜き、やがて本来の家庭で引き取り育てていくという結論に至ります。それで野々宮家に琉晴がやってきますが、馴染めずに抵抗をする琉晴に良多は「自分が本当の父親だ」と告げるのでした。
そんな時、取り違えを起こした看護師からの誠意だというお金を返しに彼女の家を訪れた良多は彼女を責めました。それを看護師の継子が間に入り、彼女を庇うのです。「関係ないだろう」と言う良多にその子は「僕のお母さんだから関係ある」と言い返し、良多は血の繋がらないその親子の絆を目の当たりにしました。「そして父になる」の軸とも言える親子の絆がそこにはあったのです。
そんな中、琉晴が一人で家を出ていってしまいます。斎木家に一人で帰っていたのでした。良多が斎木家に琉晴を迎えにいくと、慶多は押し入れに隠れて出てきませんでした。うまくいっていないなら自分たちが両方引き取ってもいいとゆかりに言われてしまいますが、良多は大丈夫だと言い、琉晴を連れて愛車のレクサスで帰るのでした。良多は琉晴に、子供の頃に自分も家出をしたことがあると話します。
実は良多の親は彼が幼い頃に離婚し、良多は父親が再婚した後妻に育てられていました。それで本当の母親に会いたくて良多は家を出たことがあったのです。それから野々宮家では良多とみどり、琉晴がだんだんと仲良くなっていき、絆を深めていました。
しかしある日琉晴は「帰りたい」と言って泣き、みどりも琉晴をかわいいと思うようになるにつれて慶多を裏切っているようで苦しいと良多に吐露するのでした。そして良多は翌朝、何気なく自分のカメラに入っている写真を見ます。
そして父になるの結末
そして良多は翌朝、何気なく自分のカメラに入っている写真を見ます。そこには自分が知らないうちに慶多が撮っていた良多の写真が何枚かあり、知らなかった慶多の思いに触れ、良多は涙するのでした。そして琉晴を連れ、斎木家を訪れます。すると慶多は逃げ出してしまい、良多は後を追いました。振り返らずにどんどん歩いていく慶多を追いかけながら良多は話しかけます。しかし慶多は「パパなんかパパじゃない」と言うのでした。
良多は「6年間はパパだったんだ。出来損ないだけど、パパだったんだよ」と必死に思いをぶつけ、慶多に駆け寄ると「もうミッションなんか終わりだ」と言って抱きしめました。「そして父になる」のメインテーマである過ごした時間か血の繋がりか、というもののひとつの答えが良多の中では出たのです。そして二人でいっしょに斎木家へ戻っていくのでした。
そして父になるのロケ地・病院はどこ?
そして父になるのロケ地:群馬中央病院
「そして父になる」のロケ地をご紹介していきます。まずはみどりとゆかりが慶多と琉晴をそれぞれ出産した病院です。作中では前橋中央病院という名前で登場しますが、ロケ地となったのは群馬中央病院です。
群馬県前橋市にあり、群馬中央総合病院という名称で長らく市民に馴染みのある病院でしたが、「そして父になる」の公開翌年である2014年に群馬中央病院に改名されました。この病院がロケ地となり、野々宮家の長男・慶多と斎木家の長男・琉晴の取り違えの事実が明かされたのです。
そして父になるのロケ地:蓮田病院
また、「そして父になる」では埼玉県蓮田市にある蓮田病院も撮影協力としてクレジットされています。こうした施設をロケ地にする場合、シーンごとに違う場所を使うことが多く、群馬中央病院だけではなく蓮田病院でも撮影が行われました。
今日の「そして父になる」で、でてくる病院の入口蓮田にある
— かとだい️🗽 (@DAIKI06911151) September 16, 2017
蓮田病院らしいです笑
蓮田病院は地域の中核病院として機能する病院です。また、テレビ埼玉にて毎年元日に放送される「埼玉県財政界人チャリティ歌謡祭」では蓮田病院の理事長の出演がおなじみとなっています。
そして父になるのロケ地・電気屋TSUTAYAはどこ?
そして父になるのロケ地:電気屋TSUTAYAは群馬県前橋市
「そして父になる」の重要なロケ地となった斎木家である電気屋TSUTAYAです。こちらは群馬県前橋市にある電気屋TSUTAYA(つたや商店)です。店舗兼住居であるここで斎木家は暮らしています。是枝監督はロケ地を探した際、この電気屋TSUTAYAの存在感に惹かれ、「そして父になる」のメインの舞台を群馬県前橋市にしたといいます。
食事はみんなで大皿のおかずをつつく、お風呂はいっしょに入るなど、野々宮家とは真逆のにぎやかな生活に最初は戸惑っていた慶多でしたが、大らかな雄大、肝っ玉母ちゃんで優しいゆかりの元でだんだんと楽しく暮らすようになっていきます。また、お風呂のシーンの撮影では、こちらのお風呂が撮影するには狭く、近所の家のお風呂を借りる準備もしていましたが、是枝監督がTSUTAYAの家のお風呂にこだわり、撮影をしました。
そして父になるの他のロケ地を紹介!
そして父になるのロケ地:イオンレイクタウンmori
「そして父になる」のロケ地となったイオンレイクタウンmoriは埼玉県川越市にあります。イオンレイクタウンは巨大なショッピングモールで、kaze、mori、アウトレットという3棟からなっています。「そして父になる」のロケ地になったのはmoriの中にある花の広場とフードコートでした。
子供が取り違えられたという事実を知った2家族は交流を持って少しずつ慣れていきながら今後のことを考えようとしていました。それでまず会うべくして待ち合わせをしたのがイオンレイクタウンmori内にある花の広場でした。
待ち合わせで合流をした2家族はその後、mori内にあるフードコートで飲食をし、子供たちはすぐに仲良くなって遊び始めます。良多はじっと、本当の自分の息子であるという琉晴を見つめていました。
そして父になるのロケ地:コンフォリア新宿イーストサイドタワー
「そして父になる」の主人公・野々宮良多が一家で暮らす高級タワーマンションのロケ地として登場したのは東京都新宿区にあるコンフォリア新宿イーストサイドタワーという都市型賃貸マンションです。エリート建築家として仕事で成功し、見晴らしのいい高層階に住むいわゆる勝ち組として良多という人物像は描かれています。タワーマンションに住む、というのは現代では成功者の証のようになっています。
群馬県で庶民的な暮らしをしている琉晴には刺激的な風景であったのですが、やはり元いた自分の家である斎木家に帰りたくなってしまいます。良多もみどりも代々裕福な家庭で育ったわけではなく、ごく一般的な生活レベルの家の出身ですが、仕事で成功し、今の地位を築いた良多にとってはそれがプライドであり、それができない人間を見下してしまう節があるのでした。
そして父になるのロケ地:ベイコック東部バイパス店
「そして父になる」のロケ地として登場する、斎木家の妻・ゆかりのパート先である弁当屋です。ベイコックは群馬県前橋市や高崎市に店舗を置く弁当屋で、ロケ地として使われたのは前橋市にあるベイコック東部バイパス店です。
ベイコックは唐揚げが特に人気で、大きな唐揚げが蓋が閉まらなくなりそうなほどたくさん詰まった唐揚げ弁当や、のり弁と唐揚げがいっしょになっているのりから弁当が人気です。「そして父になる」の公開を記念して、当時はロケ弁やロケ丼といったメニューも販売されました。
そして父になるのロケ地:荒川河川敷(埼玉県大里郡寄居町)
「そして父になる」のロケ地として、もうひとつご紹介するのは荒川河川敷の埼玉県大里郡寄居町付近です。八高線の鉄橋が見える位置です。ここでは野々宮家と斎木家が交流を深めるために川遊びをし、バーベキューをした場所です。「そして父になる」のキービジュアルとしてもよく知られる2家族の集合写真を撮影したのもここです。
「そして父になる」の軸となる、過ごした時間か血の繋がりかで悩むそれぞれの親たち。複雑な思いを抱きながらこの川原で過ごしてそれぞれの子供を見つめ、思い出を作るためにも野々宮家と斎木家はここを訪れて家族としての時間を過ごしたのでした。
そして父になるのロケ地:利根川自転車道 石倉町付近
「そして父になる」のロケ地として、クライマックスに登場するのがこの利根川自転車道です。このサイクリングロードは群馬県渋川市吾妻川公園から埼玉県行田市武蔵大橋までの全長67.7kmのコースで、良多と慶多が歩いていたのは並行する遊歩道です。
「そして父になる」のクライマックスで、慶多が撮っていた自分の写真を見て慶多の自分への思いに気づかされた良多は、慶多の父になるべく必死に思いをぶつけながら慶多を追いかけ、ここで慶多を強く抱きしめたのでした。「そして父になる」のタイトル通り、ここで良多は初めて慶多の父になったといえます。
そして父になるのロケ地についてまとめ
今回は「そして父になる」のロケ地についてご紹介しました。国内外で数々の映画賞を受賞し、2家族の親子の絆にとても感動する作品です。親子でいっしょに「そして父になる」を見たり、ロケ地巡りをして、親子の絆を深めるいい機会になる作品です。