スターウォーズ・アニメ版のクローンウォーズとは？あらすじをネタバレ紹介

『スターウォーズ』シリーズは1977年に第一作『スターウォーズ4』が公開されてから今日まで、四十年以上人気の衰えない一大作品です。2017年に放映された『スターウォーズ8』も話題になりました。ルーク・スカイウォーカー、アナキン・スカイウォーカー、レイら魅力的な登場人物や、重厚なストーリーがとても魅力的です。また本編8作のほかにも『ローグ・ワン』や『イウォーク』などのスピンオフ作品も数多く作られています。

ですがそんな『スターウォーズ』のスピンオフ作品に『クローンウォーズ』というアニメ版があるのはご存知でしたか？　『スターウォーズ』と言えば実写のイメージが強いから意外だと評判です。しかも単なるスピンオフではなく、『スターウォーズ』の本編に強く関わる内容です。今回はそんな『クローンウォーズ』のあらすじや登場人物をネタバレしていきます！

『クローンウォーズ』は『スターウォーズ2』と『スターウォーズ3』の間の3年間に起きたクローン戦争で起きた様々な戦いを描いた3DCGアニメで、シーズン1から6まで計121話が放送されました。ジョージ・ルーカスが製作の総監督として携わり、『スターウォーズ』の正史(カノン)に定められています。つまり『クローンウォーズ』は『スターウォーズ』の世界観を形作る正統な作品ということです。

スターウォーズのスピンオフは、クローン戦争を描いた2Dアニメ作品『クローン大戦』があります。『クローンウォーズ』は『クローン大戦』の好評を受けて作られました。英語では『クローンウォーズ』は『The Clone Wars』、『クローン大戦』は『Clone Wars』と、theの有無で区別します。あらすじや登場人物は同じですが、時間的な制約のない分『クローンウォーズ』が登場人物やエピソードが詳細に描かれています。

『クローンウォーズ』の魅力はなんといっても、『スターウォーズ2』と『スターウォーズ3』の間を補完するところにあります。『スターウォーズ2』では正義の心を持っていたアナキンが、どうして『スターウォーズ3』ではダークサイドに傾き、『スターウォーズ4』ではついにダース・ヴェイダーとなってしまうのか、と言うファンなら垂涎の描写も時間をかけてたっぷりやってくれます。

『クローンウォーズ』では本編では描き切れなかった登場人物も掘り下げています。例えば敵対するドゥークー伯爵やグリーヴァス将軍、あまり出番のないほかのジェダイ、クローントルーパーなどもシーンを割いて魅力を描写しています。また『スターウォーズ1』でオビ=ワンによって殺されたと思われていた登場人物ダース・モールも『クローンウォーズ』では登場するなど既存のファンにはありがたい作りになっています。

更に『クローンウォーズ』にはオリジナルの登場人物としてアソーカ・タノというキャラがいます。彼女はアナキンの弟子としてストーリーに深く関わり、そして『スターウォーズ3』の登場人物としては姿を表しません。アソーカはいわば『クローンウォーズ』のもうひとりの主人公としての役割を果たします。

加えてアニメなので実写の『スターウォーズ』よりも戦闘シーンが派手に描かれています。登場人物も上手くデフォルメされており、一部の登場人物は『クローンウォーズ』のほうがかわいらしく思えてきます。そのため『スターウォーズ』好き、特に旧三部作や旧三部作の登場人物が好きな人には、ぜひ『クローンウォーズ』はおすすめの作品だと言われています。

『クローンウォーズ』シーズン1は『スターウォーズ2』で銀河共和国と独立星系連合が惑星ジオノーシスで衝突して以降、各銀河へクローン戦争の火種が広がったところから始まります。ジェダイが多くのクローン・トルーパーを指揮する共和国に対し、独立星系連合はドロイド軍で対抗します。クローン戦争は当初銀河共和国が優勢でしたが、独立星系連合は大型イオン・キャノンを搭載した戦艦マレヴォランスで反撃へ移ります。

銀河共和国は大きな被害を受けながらも独立星系連合のアサージ・ヴェントレスによるジェダイ抹殺計画や、脅威の生物兵器であるブルー・シャドウ・ウイルスを共和国の主要星系へ散布する計画をことごとく阻止します。アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービ、そしてアナキンの弟子であるアソーカ・タノ率いる部隊はドロイドの巨大修理施設であった惑星ライノスを解放。奴隷と化していた住人を解放することに成功したのです。

『クローンウォーズ』シーズン2賞金稼ぎの台頭は、アソーカ・タノが守るジェダイ公文書館に収められたジェダイの秘宝・ホロクロンが、ダース・シディアスに雇われた賞金稼ぎキャド・ベインによって盗まれたことから始まります。アナキンがホロクロンの奪還に奔走する最中、キャド・ベインはシディアスの闇の計画を進めるべく、クリスタルを盗み、フォースの素質のある子供を誘拐します。

一方、アナキンの妻パダメ・アミダラは元老院内部の分離主義勢力の陰謀を調査すべく、クローヴィスを調査します。クロ―ヴィスと分離主義勢力のつながりから分離主義勢力が共和国へ反旗を翻すと知ったアナキンたちは分離主義勢力の作ったドロイド工場を破壊しました。しかし工場のある惑星ジオノーシスに自生する寄生虫ブレイン・ワームに襲われ、銀河系への感染拡大を防ぐべく奮闘することになりました。

悪名高き賞金稼ぎジャンゴ・フェットの息子ボバ・フェットは父親の敵である銀河共和国のメイス・ウィンドゥ将軍を討つべく罠をしかけましたがR2-D2の献身でこれを回避します。アソーカは賞金稼ぎたちを倒すべく賞金稼ぎの船スレーブⅠへ乗り込んでスタビライザーを破壊し船を破壊してしまいました。

『クローンウォーズ』シーズン3暴かれた秘密では、共和国と分離主義勢力の戦いが激化の一途を辿ります。パドメとアソーカは戦争の激化を防ごうと政治的任務に忙殺される中、賞金稼ぎキャド・ベインとジャバ・ザ・ハットが手を組み、獄中のズィロ・ザ・ハットを救出する計画を実行します。そのころ分離主義勢力の中でも動きがあり、フォースのダークサイドの力を増幅させたヴェントレスが分離主義勢力のダース・シディアスの手で部隊を追われました。

ヴェントレスはかつての師であるドゥークー伯爵へ復讐するべく、ダース・モールの弟サヴァージ・オプレスを従者にし、協力者を経てドゥークー伯爵の新たな弟子として送り込みましたが暗殺には失敗してしまいます。一方、アナキンはアソーカが誘拐されたことをきっかけに暗い未来のイメージに圧倒され、フォースのダークサイドの力に目覚めかけますが、危ういところでダークサイドに落ちた記憶を消され、事なきを得ました。

ダークサイドに目覚めかけるほど危険な任務から帰還したアナキンとオビ=ワンは、休む間もなく捕虜となったイーヴン・ピール将軍を助けるべく分離主義勢力が支配する惑星ローラ・セイユーに築かれたシタデル刑務所へ侵入します。救出には成功しましたがピール将軍を失うこととなります。またアソーカは惑星トランド―シャンの月で交戦中に行方不明になりますが、ジェダイ訓練生と共に苦境を脱し、教えを施したアナキンとの師弟の絆を深めました。

『クローンウォーズ』シーズン4バトル・ラインは水の惑星のモン・カラマリとクオレンという種族の内紛を調停すべくパドメとアナキンが派遣されるところから始まります。内紛の裏には分離主義勢力の影があり、アナキンはリー=チャー王子と協力し、ドロイド軍を撃退しました。分離主義勢力の工作は惑星ナブーにも及び、人類とグンガンの関係が悪化しますがグンガンであるジャー・ジャー・ビンクスの策で内紛は回避されました。

シーズン4ではクローントルーパーの戦いにも焦点が当てられます。アナキンに代わり惑星アンパラの空軍基地の攻略を任されたポング・クレル将軍はクローントルーパーに高圧的で、創意工夫の足りない男でした。実はクレルには分離主義勢的な志向があり、これを見抜いたクローンキャプテンのレックスがクレルの命令に背き、射殺しました。戦いは激化を辿り、一時は和平の流れもありましたがすぐに頓挫してしまいます。

更に分離主義勢力は賞金稼ぎを使い、パルパティーン共和国議長の誘拐を計画します。国民的祭典へ議長が出席する際に賞金稼ぎ達は計画を実行に移しますが、アナキンとグループの一員になりすましていたオビ=ワンによって辛くも議長を守ることに成功しました。一方、身を隠していたヴェントレスの元にも分離主義勢力の手が及んだことで住処を追われ、賞金稼ぎの一団に加わりました。

かつてヴェントレスを裏切ったサヴァージも、行方不明の兄ダース・モールを探す旅に出ていました。歪められた惑星で異形と化した兄モールを見つけたサヴァージは兄を復活させると、兄と共にモールを倒したオビ=ワンへの復讐を誓います。

『クローンウォーズ』シーズン5はシーズン4のラストから続き、シスの兄弟から始まります。シスの兄弟は銀河で悪行の限りを尽くし、オビ=ワンとアディ・ガリアと対決します。オビ=ワンはガリアを失いますが辛うじてシスの兄弟を撃退しました。舞台は分離主義勢力に占領された惑星オンダロンへ移り、アナキン、オビ=ワン、アソーカらは反乱軍を訓練することになります。

オンダロン反乱軍は首都へ侵攻し、オンダロンの王ラムシス・デンダップを擁立し、分離主義勢力の占領から脱します。その後アソーカはジェダイ候補生のライトセイバーを製造する任務「ギャザリング」に候補生と共に当たります。帰還途中にアソーカが海賊団にさらわれるアクシデントや分離主義勢力との戦いもありましたが、無事にギャザリングをこなしました。

一度は撃退されたシスの兄弟ですが、放浪民族であるデス・ウォッチの首領となり犯罪帝国の建国をもくろみます。しかしダース・シディアスとしての正体を現したパルパティーンに屈してしまいます。またアソーカはジェダイ聖堂の爆破テロを捜査する過程で罪を着せられ共和国から逃亡しました。後に冤罪だと明らかになりますが、アソーカはジェダイ・オーダーから離脱します。

クローントルーパー・タップが不可解な精神病によってジェダイマスター・ティプラーを殺めてしまいます。原因は共和国のクローン・プログラムに存在した有機構造体でした。一方ヨーダ、アナキン、オビ=ワンは遠い昔に死んだはずのマスター・サイフォ=ディアスのライトセイバーが見つかったことから、サイフォ=ディアスの失踪の真実の調査を始めます。

調査を進めるうち、ヨーダは黄泉の果てからクワイ=ガン・ジンの声を聞き、自らがダークサイドに引かれている可能性を考えたヨーダはフォースに身をゆだね、銀河の中心へ向かいます。そして五人の女僧による試練を受けます。試練を乗り越えたヨーダは古代シスの故郷モラバンドへ向かい、古代の邪悪な存在と対峙しました。

シーズン6まで作られた『クローンウォーズ』ですが、実は未完成の部分を多く残して打ち切りの決まった未完の大作です。当初はシーズン7まで制作する予定だったのですが、放送途中の2012年10月にウォルト・ディズニー・カンパニーが制作会社のルーカスフィルムを買収してしまったのです。

ディズニーは続三部作である『スターウォーズ7、8、9』の制作を決定し、『スターウォーズ』シリーズの展開も抜本的に改めることとしました。そのため旧作のあらすじを汲んだ『クローンウォーズ』はシーズン5までで打ち切りとなりました。このような経緯のため作中には未回収の伏線もありますが、シリーズの主題であったアナキンとアソーカの師弟の分かれはシーズン5までで描かれています。

また『クローンウォーズ』自体はシーズン5で打ち切りとなりましたが、既に完成していたぶんだけは2014年2月15日から『ザ・ロスト・ミッション』という形で放送しています。その他の未完成作品も様々な形で公開されており、2014年9月25日にはCG未完成のウータパウ4部作が、2015年4月29日にはシーズン7のCG未完成のバッド・パッチ4部作が、それぞれ『スターウォーズ』の公式サイトで公開されています。

『クローンウォーズ』はアニメーション作品のほかにも、2014年10月14日にシーズン6のモール4部作が『Star Wars:Darth Maul:Son of Darthmir』というコミックで発売していたり、2015年7月7日にはシーズン7のアサージ・ヴェントレスとクインラン・ヴォス4部作が『Star Wars:Dark Disciple』という小説で発売しています。

今回は『スターウォーズ』のスピンオフ作品『クローンウォーズ』についてネタバレ込みで解説をしてきました。『クローンウォーズ』は本編では描かれない登場人物の魅力やストーリーを楽しめる作品です。『スターウォーズ』が好きな人でもし見たことがないならおすすめしたい作品ですし、『クローンウォーズ』単体でも面白い作品なので『スターウォーズ』に興味がある人は『クローンウォーズ』チェックしてみてください。