美女と野獣のフランス版映画を紹介!あらすじやディズニー版との違いは?

ディズニーのアニメ映画『美女と野獣』。2017年にはエマ・ワトソン主演の実写版も公開され、話題になりました。『美女と野獣』と言えば、美しく聡明な主人公ベルだけでなく、ルミエールやポット夫人など、脇を固める愉快なキャラクター達も人気があります。ですが、このイメージはあくまでディズニー版の『美女と野獣』のものだというのはご存知ですか?実は『美女と野獣』の原作はフランスの童話で、すでに何年も前からフランスでは実写化されています!ディズニー版と比較しながら、フランス版『美女と野獣』の魅力をご紹介します!

美女と野獣のフランス版映画を紹介!あらすじやディズニー版との違いは?のイメージ

目次

  1. 美女と野獣のフランス版映画のあらすじを紹介!ディズニー版との違いも比較
  2. 美女と野獣のフランス版映画のあらすじを紹介!
  3. 美女と野獣のフランス版映画とディズニー版との違いを比較
  4. 美女と野獣のフランス版映画も魅力的な内容だった!

美女と野獣のフランス版映画のあらすじを紹介!ディズニー版との違いも比較

『美女と野獣』と言えば、多くの人がディズニー版のベルと野獣の姿を思い浮かべるでしょう。聡明で美しい主人公ベルが、魔法で野獣の姿になった王子や、家具の姿になった召使たちと心を通わせて…というあらすじをご存知の方も多いはず。ディズニーらしく、ミュージカルシーンが多く挿入されているのも特徴です。

『美女と野獣』は2014年にフランスで映画化されています。ベルと野獣の愛の物語、というところはディズニー版と同じですが、細かい設定で違いがあるところもたくさんあります。本記事では、ディズニー版との違いを挙げながら、あらすじを紹介し、フランス版『美女と野獣』の魅力をたっぷりご紹介します。

Thumb美女と野獣のあらすじとバラについて考察!原作とディズニー版との違いも比較 | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]

美女と野獣のフランス版映画のあらすじを紹介!

あらすじ紹介:商人の家に生まれた末娘ベル

フランス版美女と野獣の違いを紹介する前に、あらすじを紹介していきます。フランス版『美女と野獣』の主人公ベルは、商人の家の末娘です。父親は大きな商船を持つ裕福な商人で、3人の兄と双子の姉のきょうだいがいました。父親は6人の子ども達の中でも、心やさしく愛情深いベルを特に可愛がっています。

ある時、父親の商船が嵐で行方不明になり、一家は破産の危機に陥ります。仕方なく一家は都会から田舎に引っ越し、つつましい生活を送ることになりました。不満をあらわにするきょうだい達の中で、唯一ベルだけは家族と一緒に過ごす時間が増えたと喜ぶのでした。

あらすじ紹介:野獣との出会い

ある日「行方不明の船が見つかった」と連絡があり、父親は勇んで船を引き取りに町へ出かけていきます。家を出る時、双子の姉には宝石やスカーフを、ベルにはバラを一輪持って帰る約束をしました。しかし、船は借金のカタに取り上げられてしまいます。失意のうちに家に帰ろうとした父親は、雪の中で道に迷ってしまいます。

歩き回っているうちに、父親は古い城にたどり着きます。城の中には双子の姉に頼まれた宝石などが置いてあり、父親はそれを馬に積んで家に帰ろうとします。ふと、庭に赤いバラが咲いているのに気づいた父親は、ベルへのお土産としてそれを摘み取ります。すると突然野獣に襲い掛かられ、殺されそうになります。

野獣は父親に一日の猶予を与え、戻ってこなければ一家を殺すと脅します。父親は家に戻り、子どもたちに事情を話します。優しいベルは父親の代わりに野獣のもとへ行く決意をし、一人で城に向かいます。野獣を恐れていたベルでしたが、危害を加えられることはなく、城での生活を始めました。

あらすじ紹介:野獣の過去を知り、惹かれてゆくベル

ある夜、ベルは寝ている間に城の主だった頃の王子の姿と、その妻であった美しい王女の夢を見ます。それがとても夢とは思えなかったベルは、野獣の許可を得て城内を歩き回り、何か野獣の過去が分かるものがないか探し回ります。

城の外で森を歩いていると、ベルは墓らしきものを見つけます。それは前の夜に夢の中で見た、あの美しい王女の墓でした。野獣は本当はあの醜い姿ではない、夢で見た王子なのだとベルは確信します。しかし、それ以上の証拠はつかめないまま、城での生活は続いていきます。

城内を散策したり、不思議な夢を見たりして数日間が経つうちに、ベルは野獣の過去について様々に思いをめぐらせるようになります。野獣に起こった悲劇を知って心惹かれていくベル。野獣の方も、ベルの優しさに触れて心を開くようになります。少しずつ近づく2人の関係はどうなっていくのでしょうか。そして、「真実の愛」が実ったときに起こる奇跡とは…?

あらすじ紹介:暗躍するベルの兄、マキシム

その間も、家に残されたベルの父親ときょうだい達は貧しい生活を続けています。家族のことが気がかりなベルは、野獣の許可をとって一日だけ家に帰ります。久しぶりにベルに会ったに乱暴者の兄、マキシムはベルの服についている立派な宝石を見て驚愕。借金を返すために宝を奪ってやろうと、仲間をつれて野獣の城を襲いに行ってしまいます。

ベルを野獣のもとに送ったことで心を痛めた父親は、病気で寝ついていました。父親の看病をしながら眠っていたベルは、野獣の姿が変えられた理由を夢に見ます。真実を知ったベルは、兄のあとを追って城に引き返します。果たして、ベルは兄マキシムの手から野獣を救い、呪いを解くことができるのでしょうか…?

美女と野獣のフランス版映画とディズニー版との違いを比較

フランス版は、原作であるフランスの民話に忠実に作られている

あらすじでも紹介したように、フランス版『美女と野獣』は、原作であるフランスの童話を忠実に再現しています。現在、世界中で知られているディズニー版の方がアレンジだということです。フランス版の映画がディズニー版に比べると少しストーリーの起伏が平坦な感じがするのは、昔のお話をベースにしているからかもしれません。

もとの『美女と野獣』は、1740年にフランスで)は、ガブリエル=シュザンヌ・ド・ヴィルヌーヴ(ヴィルヌーヴ夫人)という女性によって描かれた童話でした。1756年には、その原作を短縮したバージョンをジャンヌ・=マリー・ルプランス・ド・ボーモン(ボーモン夫人)という女性が発表し、こちらの方が広く知られるようになりました。

フランス版『美女と野獣』は主に2つの原作のストーリーをなぞっていますが、ヴィルヌーヴ版とボーモン版ではラストシーンに違いがあります。どちらもヨーロッパのおとぎ話らしい物語です。

ヴィルヌーヴ版のラストシーン

ラ・ベルは瀕死の野獣に再会し、「これで幸せに死ぬことができる」という野獣に「いいえあなたはわたしの夫になるのです」とラ・ベルが叫ぶと野獣は本来の姿に戻る。

ベルの愛で野獣はもとの王子の姿に戻ることができます。絵本にもあるように、ハッピーエンドです。

ボーモン版のラストシーン

ヴィルヌーヴ版の話の最後に、王子を野獣に変えた妖女が再登場し、意地悪な二人の姉を石に変えるくだりが追加されている。

「末娘は心優しく姉たちは意地悪。最後に姉たちには天罰が下る」というところがヨーロッパの民話らしいところです。『シンデレラ』でも、原作では意地悪な義理の姉たちがひどく懲らしめられます。映画版は、野獣が魔法にかけられた理由や、ベルのきょうだい達が起こすトラブルなどのエピソードで肉付けされているところが、違いの一つです。

フランス版映画ではベルのきょうだいが登場する

ディズニー版『美女と野獣』ではベルと父親は二人で暮らしています。何よりも娘を愛する父親と、優しく父親思いのベルは助け合って生活していました。父親は発明家で、「風変わりな子」と町で噂されるベルのよき理解者でした。

フランス版『美女と野獣』では、父親は裕福な商人で、6人の子だくさんです。ベルには3人の兄と双子の姉がいるのですが、ベルが一番心優しく、家族思いという設定で描かれています。双子の姉は自分の婿探しに忙しく、生活が困窮しても、着飾ったり贅沢をすることばかりを考えています。まるでシンデレラの義理の姉のようにも見えます。

3人の兄のうち、長男のマキシムは金遣いが荒く、乱暴者として描かれています。長男のため兄弟の中でも威張っており、映画の後半ではマキシムの行動のせいで、ベルの家族と野獣は危機に陥ってしまいます。ディズニー版では悪役キャラのガストンが担っている役割ですが、フランス版『美女と野獣』では、実のきょうだいがその役に当たっています。

フランス版映画ではポット夫人などの家来が登場しない

ディズニー版『美女と野獣』では、城の召使である「ルミエール」「コグスワース」「ポット夫人」などのキャラクターがお話をにぎやかに演出してくれますが、フランス版では家具に姿を変えられた召使は登場しません。城には野獣とベルの2人きりで、もと家来だった人間たちは喋らない彫像に姿を変えられています。

その代わりに城でベルになぐさめを与えてくれるのは、犬のような見た目をした、妖精のような動物たち。長い耳と大きな目が愛らしいです。この生き物がたくさんいて、家来のようにベルの食事や生活のお世話をしてくれます。喋ることはできませんが、まるでベルの気持ちが分かるかのように、彼女に寄り添っています。

にぎやかな家来たちがいないので、物語は静かに進んでいきます。ディズニー版の見どころでもあるミュージカルシーンが全くないのは少し寂しいですが、フランス版で注目すべきはその映像美です。ベルが探検する城の内部や庭、泉の美しさは圧巻です。

フランス版でバラの持つ意味とは?

『美女と野獣』のモチーフといえば「バラ」です。ディズニー版では、バラの花びらが全て散ってしまう前に野獣が真実の愛を見つけなければ、永遠に王子の姿には戻れなくなるという設定でした。そのため野獣は自室でバラの花をガラスの中に入れ、大切に保管していました。

フランス版『美女と野獣』では、ディズニー版のようにバラと野獣の呪いに直接の関係はありません。父親が野獣の庭でバラを摘んだことが、ベルを野獣のもとへ向かわせる原因になっています。フランス版では様々なシーンでで真っ赤なバラの花が登場しますが、どれも背景の色とのコントラストで非常に美しい場面になっています。

フランス版では野獣が呪われた理由が違いの一つ

ディズニー版『美女と野獣』では、野獣はもともと自分勝手な王子として描かれており、その傍若無人なふるまいの報いとして魔女に呪いをかけられていました。また、外見の美しさに執着する人間であったために、醜い野獣に姿を変えられました。ディズニー版では、王子は自分の悪行のせいで魔法をかけられています。

フランス版では、王子はもともと悪い人間としては描かれていません。かつて鹿狩りをしていた時に獲物として射殺した鹿が、実は森の妖精だったため、怒った妖精の王に野獣にされてしまうのです。確かに妖精を殺してしまったとはいえ、何も知らなかった王子はむしろ被害者と言えるかもしれません。

フランス版ではベルと野獣が恋に落ちるシーンが違う

ディズニー版の『美女と野獣』では、ベルと野獣は城で共に生活することで、召使たちの助けを借りながら少しずつ距離を縮めていきます。話をしたり、好きなものを共有したりすることで、お互いのことを理解しあって恋に落ちていくのです。野獣がベルに図書館を贈ったり、ベルが傷ついた野獣の手当をするシーンは有名です。

フランス版の『美女と野獣』では、ベルと野獣が会話らしい会話をするシーンはほとんどありません。野獣は毎晩7時にベルの夕食に現れたり、寝る前に挨拶に来るだけで、一緒に何かをする場面は見られません。

ベルと野獣がダンスをするシーンはありますが、それも家に帰りたいベルの「取引の一部」であり、映像は美しいものの、ディズニー版のようにロマンティックな雰囲気はあまり感じられません。

フランス版『美女と野獣』では、「夢」が重要なキーワードにです。城で生活するうちに、ベルは野獣の過去に関する不思議な夢を見るようになり、その謎を解こうと城を探索することで、野獣への理解を深めます。野獣の真実の姿を知った時、ベルの中に愛情が芽生えるのです。

フランス版映画では野獣が既婚者

ディズニー版では、野獣のもとの姿は美しさに執着しすぎたために醜い姿に変えられてしまった若い王子です。もちろん独身で、美しい王子の姿に戻ったあとでベルと結婚することになります。「真実の愛」をみつけて2人が結ばれるシーンは感動ものです。

フランス版『美女と野獣』では、王子はなんと既婚者です。もともと美しい女性を妻としていたのですが、その女性は実は森の妖精で、王子を愛するゆえに人間に変身していたのです。そうとは知らない王子は、狩りの途中で鹿の姿になっていたその妖精を射殺してしまいます。

妖精の父親である妖精の王に野獣にされてしまった王子はベルとの生活を始めますが、ベルと野獣の妻の容姿はよく似ています。野獣が既婚者だと分かってしまうと、2人の関係を見る目も少し変わってきます。

フランス版のベルはプリンセスにはならない

ディズニー版では、ベルは王子の姿に戻った野獣と結婚し、プリンセスとして幸せに暮らします。野獣がもともとは王子だったという設定を考えれば当然のことですが、実はフランス版ではラストシーンも違います。

フランス版『美女と野獣』では、ある家で母親が2人の子どもに寝る前のお話を聞かせているところからお話が始まります。このお話が本編になるのですが、最後のシーンで、物語を読み終えた母親に子どもが「ベルはどうなったの?」とたずねます。

それに対して母親は、「父親は花屋になり、兄は印刷所を経営し、双子の姉は結婚した」と言って部屋を出ます。その後、物語の中でベルの父親である男が椅子で居眠りをし、家の外では遠くに男が働いている場面が続きます。

母親は男のもとに駆け寄り、真っ赤なバラに囲まれた花壇で2人は抱き合います。つまり、母親はベル、男は野獣で、寝かしつけられた子どもたちはベルと野獣の子どもなのです。呪いが解けたあと、二人はつつましくもあたたかい家庭を築き、平和に暮らしていることが分かります。

フランス版にジブリが影響を与えている?

フランス版『美女と野獣』では、森や精霊が重要な役割を果たしています。人間に豊かさをもたらす半面、大きな力で支配することもできる自然の神聖さも描かれていますが、この世界観には日本のアニメや宮崎駿監督のスタジオジブリ作品が影響を与えていると言われています。

ガンズ監督は「宮崎監督作品の人と自然のかかわりや、自然の神聖さが大好きなので、この作品にもすごく影響しています」と力説。 
 具体的には、森や精霊といった作品全体のテーマは『もののけの姫』の影響を受けており、劇中に登場する小さな生き物は『となりのトトロ』の“まっくろくろすけ”がネタ元。 

ヴィルヌーヴ版『美女と野獣』には神話の要素がふんだんに取り入れられています。ガンズ監督は「人間と自然のつながりを描こうとした」とも述べています。『もののけ姫』『風の谷のナウシカ』など、森や精霊の不思議な力がよく登場する宮崎監督の作品に共感するところがあったのでしょうか。

他にも、ベルのドレスは日本の折り紙からインスピレーションを得ていたり、日本の特撮映画を参考に取られたシーンもあるそうです。意外なところで様々な日本文化が取り入れられているようです。

映画『美女と野獣』公式サイト

美女と野獣のフランス版映画も魅力的な内容だった!

フランス版『美女と野獣』はディズニー版ほど有名ではないものの、海外でも良い評判を得ているようです。特に、原作を忠実に再現したストーリーと映像美は高く評価されています。

いかがでしたか?ディズニー版とは雰囲気が違いますが、フランス版もおとぎ話の世界を忠実に再現した魅力的な映画です。夢いっぱい…というより、ちょっとダークなシーンもある大人向きの童話といった趣です。ぜひ、ディズニー版と比べながら楽しんでください!

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