2019年11月16日公開
2019年11月16日更新
グリーヴァス将軍は最強のサイボーグ!元々は人間?強さの秘密や咳の理由を考察
多くの人々に愛される一大スペースオペラ作品『スター・ウォーズ』。その映画第4作目にあたる『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』で圧倒的な存在感を放ったヴィラン「グリーヴァス将軍」。猫背で咳をしている姿も印象深い「グリーヴァス将軍」の正体はなんとサイボーグ!?『スター・ウォーズ』の魅力的な世界観を盛り上げている最強と名高いサイボーグ「グリーヴァス将軍」の卓越したライトセーバーの使いこなしと咳や強さの秘密を徹底解説していきましょう!
目次
グリーヴァス将軍は最強のサイボーグ
最新作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が2019年12月20日に公開予定の一大超大作シリーズ『スター・ウォーズ』。そのスペースオペラシリーズの4作目にあたる『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』には4本のライトセーバーを同時利用するという一等ユニークなヴィランが登場します。
その名も「グリーヴァス将軍」(英語表記:Grievous)。猫背をたっぷりとしたマントでライトセーバーを覆い隠し、爬虫類のような金色の目を光らせる彼は、シリーズ最強のサイボーグとして多くのファンを魅了しています。今回はそんな「グリーヴァス将軍」の強さや魅力に迫っていきます。
スター・ウォーズの概要
まずは「グリーヴァス将軍」が登場する作品『スター・ウォーズ』の簡単な概要を確認しておきましょう。『スター・ウォーズ』はジョージ・ルーカス監督の構想によって1977年から製作されたシリーズ作品です。テーマ曲と『遠い昔、遥か彼方の銀河系…』という言い出しからはじまる構成は多くの作品でパロディをされているので誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
『スター・ウォーズ』は様々な種族が存在する銀河系のなかで繰り広げられる群像劇のなかで、「銀河帝国」によって支配される星々を巡りながら自由と平和を求めて奔走する「ジェダイ騎士団」や「レジスタンス」たちを描いています。特殊な能力である「フォース」や、星ごとにことなる異種族の交流、そしてダイナミックな宇宙船によるチェイスシーンなどが特徴的です。
シリーズは更に細分化されており、「ルーク・スカイウォーカー」を主人公とする「オリジナル・トリロジー」と、ルークの父にあたる「アナキン・スカイウォーカー」を主人公とする「プリクエル・トリロジー」。そして新作の『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が含まれる「レイ」が主人公の「シークエル・トリロジー」に大きく分類することができます。
都合、3世代に渡って繰り広げられる物語は戦記ものに近い様相を呈しており、「クローン戦争」など劇中の大きな戦争や出来事を中心にしながら進んでいきます。アニメ、小説、コミック、ゲームなど映画だけでは語りつくせないまさに一大叙事詩となっているのです。
また、配給会社が「20世紀フォックス」から「ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ」に変わったことでスピンオフ作品のなかでも設定矛盾や歴史の改変がおきており、「カノン」(ディズニー傘下作品)と「レジェンズ」(ディズニー傘下の作品以外の解釈)という区分けによってマルチバースな並行世界も存在してしまっているなど、同じキャラクターでも作品によって経歴や顛末が変わっていたりします。
Tips:フォースとともにあれ(May the force be with you)
「フォース」とは銀河の森羅万象をあまねく包み込んでいるエネルギー体のことで、精神的な鍛錬と集中力、そして天性のセンスによってその流れを感じ取ったり利用することが出来るとされています。この「フォース」を正しく冷静に扱うことで「ライトサイド(光明面)」の能力を発揮し、逆に憎悪に任せて扱うことで「ダークサイド(暗黒面)」に堕ちるとされています。
『スター・ウォーズ』シリーズには欠かせない要素で、この「フォース」を正しく使うことで平和をもたらすと考える「ジェダイ騎士団」と暗黒面の力を使用することで世界を(独裁的に)治めようとする「シス」の水面下の闘いが主人公たちを翻弄します。また、近年の「シークエル・トリロジー」では「人と人との絆」のような解釈で扱われることもあり、「フォースとともにあれ」というセリフは作中の重要なキーになっているのです。
グリーヴァス将軍は最強サイボーグ
そんな膨大なサーガのなかで今回注目するのは「プリクエル・トリロジー」に含まれる『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の登場人物、銀河帝国の発足間近の「クローン戦争」で圧倒的な強さをみせたヴィラン「グリーヴァス将軍」です。
グリーヴァス将軍は「分離主義勢力」と呼ばれる銀河共和国の転覆を狙う勢力に属しており、「独立星系連合」という派閥のドロイド軍団を率いて銀河共和国の首都「コルサント」への奇襲や銀河元老院最高議長「パルパティーン」の誘拐、ジェダイ騎士団のメンバーの殺害など多くの作戦に従事し、その強さから「ジェダイ・キラー」の異名も冠しています。
特徴的なのはサイボーグとしての身体を最大限に利用した4本のライトセーバーを使用する戦術です。これはシスの「ドゥークー伯爵」に師事して得た剣術であり、4本のライトセーバーを扱うために脳も電子脳を追加で埋め込んでいます。余談ながら、正史とは別のマルチバース扱いのアニメ版『スター・ウォーズ クローン大戦』(2003~)などでは複数人のジェダイマスターを相手に圧倒するなど、強さを前面に押し出したヴィランとして描かれています。
グリーヴァス将軍は人間(ヒューマノイド)だった?
グリーヴァス将軍はカリーシュの将軍だった
グリーヴァス将軍は本名を「カイメイン・ジャイ・シーラル」といい、もともとはワイルド・スペース領域の惑星「カリー」に住まう爬虫類型のヒューマノイド種族「カリーシュ」(上図)のなかでも異才を放つ軍事指導者でした。近隣の星のなかでも険悪的であった惑星「ハック」との星間戦争を勝利に導くなど星の英雄であったカイメインには妻子もいましたが、そんな彼は闘いのなかでの誇りを重んじるがゆえにシス卿に翻弄されていくのです。
グリーヴァス将軍がサイボーグになった経緯
カイメインはカリーの戦士たちのなかでも最も偉大な指導者として君臨しましたが、その活躍がインターギャラクティック銀行グループという「独立星系連合」に組する勢力の耳に入り、彼を祖国の負債と引き換えに買い取った上で、シャトルを墜落させるという卑劣な手によって肉体の95%をサイボーグ化することになりました。
その後、シスの「ドゥークー伯爵」のもとに送られ、「分離主義勢力」におけるドロイド戦力の中核になってきます。また、この際に裏で手を引いていたインターギャラクティック銀行やシスに関する記憶を塗り替えらており、故郷の戦士でありつづけ闘い続けるという虚栄心に取り憑かれジェダイマスターたちと敵対していくことになります。
グリーヴァス将軍の強さの秘密や咳の理由
ここでは更に、グリーヴァス将軍の映画版『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』で度々描写された「咳」の真相や、強さの秘密について解説していきましょう!
グリーヴァス将軍の強さの秘密
グリーヴァス将軍の強さはまずその体躯の性質にあります。全高2.16mの巨躯に分離変形式の副腕を備えたサイボーグ改造手術はもともと戦闘能力と闘争心に優れたカリーシュの戦士を強者を屠り続ける殺戮マシーンへと変貌させています。
この手術はインターギャラクティック銀行グループと惑星「ジオノーシアン」のドロイド工場の天才技術者によるもので、この際に瀕死状態のカイメインは強靭な戦闘センスをもって驚異的な身体能力を手に入れることになるのです。また、フォースは使用できないものの、奪ったライトセーバーを同時に最大4本まで使用して高速回転させる戦法は非常に強力で、獰猛さをより際立たせています。
ライトセイバーで戦うのにはフォースが必要ってのは、「内部で複雑な挙動をするジャイロを制動する集中力」と「ブラスター弾を弾くのには未来予知が必要」って話なんだよな。だから4本のライトセイバーを高速回転させて戦うグリーヴァス将軍の戦闘スタイルはフォースの素養が無いならかなり合理的
— ミジンコ爆破セレモニー (@jin_no_pho) November 15, 2019
その高い戦闘能力は映画版でいうところの『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002)の「ジオノーシスの闘い」の舞台裏で生還者0という恐ろしい戦績を挙げていることなどからも読み取れ、この闘いで狩り取ったライトセーバーはのちに彼の「トロフィー」としての「ジェダイ狩り」趣味へと繋がっていきました。
また、単独での強さだけでなく軍の運用にも優れており、人海戦術でジェダイマスターを追い詰めるなど狡猾さがみられます。
映画ではあっさりライトセーバー戦に破れたグリーヴァス将軍だけどアニメ『クローン大戦』では評議会メンバーのキ=アディ=ムンディを含むジェダイたちを圧倒する強さを見せていた。
— Taku@DCアンバサダー (@batmanight) September 5, 2019
正史じゃ無くなってしまったけど…#スターウォーズ pic.twitter.com/iz6SIVu3SW
その戦闘の際たる一戦がアニメ版『スター・ウォーズ クローン大戦』でも描かれている「ハイポリの戦い」ではキ=アディ=ムンディをはじめとするジェダイ7名とクローントルーパーを圧倒し、ジェダイマスター2名を殺害、2名を重症、1名を行方不明に貶めて部下のクローントルーパーたちを壊滅させています。
グリーヴァス将軍の咳の理由
グリーヴァス将軍の咳については作品によって多少理由が異なりますが、サイボーグ強化の際に強靭な肉体能力の代償として呼吸器の機能が低下していたという共通項を持ちます。そして、『スター・ウォーズ クローン大戦』25話ではコルサントへの奇襲の際にジェダイマスターの「メイス・ウィンドゥ」と対峙しその際に呼吸器を含む内臓をフォースによって傷つけられたとする設定があります。
いずれにしても、最強のサイボーグと謳われるグリーヴァス将軍はその類稀なる戦闘能力を手に入れた代わりに呼吸困難と咳に悩まされることになり、これが致命的な急所をオビ=ワンに悟られる原因となり死へと繋がっていくのです。
余談ながらこの咳は、映画監督であるジョージ・ルーカスが当時患っていた気管支炎の咳を加工したもので、設定の凶悪さに反して咳き込み猫背で顔をそらすことの多いグリーヴァス将軍はどこか哀愁漂うものがあります。また、製作陣による思惑上も完全無欠な悲劇の英雄というよりは「小狡賢い小悪党」「虚栄心に駆られる暴君」といった側面が強く、映画版の咳をしながら逃げ回る姿は何処かコミカルでもあります。
グリーヴァス将軍のかっこいい魅力
かっこいい魅力①宿敵はオビ=ワン・ケノービ
グリーヴァス将軍は映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』だけでなく、カノン作品にあたる3DCGアニメ『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(2008~)でもジェダイマスターの「オビ=ワン・ケノービ」と死闘を繰り広げています。映画版では防戦一方に近い形でしたが、ファンの心を掴む激戦はアニメ版などだとより詳しく描写されているのです。
かっこいい魅力②ライトセーバーの秘密
グリーヴァス将軍の持つライトセーバーは、前述の通り彼にとってはトロフィーであり、マスター未満の修行中の身であるパダ=ワンと呼ばれる人々やジェダイマスターなど彼の餌食になった人々の武器をそのまま流用しています。元来、フォースが扱えなければ運用が困難とされるライトセーバーを使いこなせたのもひとえにシス卿である「ドゥークー伯爵」による教えもそうですが本人のポテンシャルによるものが大きいと考察されます。
具体的に言うと、もともと5本指だったものを6本に改造し、かつその腕を2分割して下記の動画のように2対4本の腕に各3本の指でそれぞれひとつづつ武装を展開出来るように訓練と改造を施したのです。またこの4本の武装に加えて劇中では足の指を器用に使って足でもライトセーバーを扱うシーンすら存在しその変幻自在な白兵技術は他のドロイドの追随を許さないものとなりました。
その証拠に、「ドゥークー伯爵」のもとでドロイド軍の司令官を決定する際に同じ弟子兄弟にあたる「アサージ・ヴェントレス」との決闘で彼女を下しており、持って生まれた闘争本能とサイボーグ化し咳をともなう呼吸困難に陥ってもなお闘うことでしか満たされない底なしの虚栄心によって4本のライトセーバーを同時運用するに至ったとも言えるのです。
かっこいい魅力③ペットの「ゴア」
ほとんどの記憶と感情を捻じ曲げられ冷酷非道な殺戮マシーンへと変貌したグリーヴァス将軍にはジェダイ狩り以外にもちょっとした趣味があります。それがペットのログウォート「ゴア」との交流であり、グリーヴァス将軍の苛烈に日常的な姿が垣間見えファンをクスリとさせることになりました。
4.5mという巨体に非常に獰猛で肉食性の高い猛犬のような性格ながら、グリーヴァス将軍にとって妻子に変わるわずかな日常を支えてきた「ゴア」はジェダイマスターの「キット・フィストー」によって殺されてしまい、グリーヴァス将軍が激怒するシーンが存在します。画像はファンアートですが、ペットを可愛がるヴィランという絵柄は何処か日曜のお父さんのようでありファンの心をくすぐっています。
かっこいい魅力④フィギュア
グリーヴァス将軍のフォルムの美しさや、マントというふくよかなシルエットの内側に潜むシャープな無機質さ、見栄えの良さなどから国内外のフィギュアメーカーが何社もグリーヴァス将軍の精巧なフィギュアを製作しています。図のフィギュアは国内大手の「コトブキヤ」の1/10フィギュア。
こちらは本場アメリカのレジェンドメーカー「Sideshow Collectibles」の6万以上する1/6スケールフィギュアです。2.16mの痩躯がリアリティある質感で再現されており、ファンにも非常に人気のある商品になっています。
グリーヴァス将軍に関する感想や評価
グリーヴァス、まず捨てゴマの取り巻き(ドロイド)と戦わせて相手がバテてきてから自分が出るとか、やばくなったらあっさり逃げるとか、理想化されたサムライのアイコンみたいなジェダイと真逆の真の戦士なんだよな
— SUMIYU(脂肪肝) (@SUMIYUMAN) November 15, 2019
グリーヴァス将軍の闘い方について、戦術性が高いとの評価があがっています。特に、2002年のアニメ『スター・ウォーズ クローン大戦』でのドローンをつかった人海戦術と奇襲はまさしく「将軍」としての称号をほしいままにした一戦でしょう。
正史から外れたとはいえ、アニメクローン大戦のめちゃくちゃ強かったグリーヴァス将軍が大好きなのだ。
— こなすP (@P77041855) July 18, 2019
コルサントでメイスに内蔵潰されてEP3で弱体化してるのよね。たしか。 https://t.co/LRAT0EZj3j
アニメ『スター・ウォーズ クローン大戦』での印象深い強敵さと映画版の異様さはファンの心に強く残るキャラクター性だったようです。スピンオフ作品の製作を求める声も存在するほど、ファンにとっては「強くて魅力的なヴィラン」となっているのです。
ついに待ち望んだブラックシリーズのグリーヴァスが来た!!
— ろくいんち (@swCarp42) March 29, 2019
6インチの完成品グリーヴァスが発売したことがまず嬉しい!感謝!!
顔も目の部分はデジプリでリアルですし、腕は繋げて2本腕状態にも出来ますよ!
マントにはポケットも!
みなさん買いましょう!#スターウォーズ#ブラックシリーズ pic.twitter.com/zHmNE00KWi
前の章でも触れたようにフィギュアの細やかなディティールもまたグリーヴァス将軍を魅力的で愛されるヴィランへと昇華しています。塗装の泥臭さなども含めてリアリティあるものとして人気が高いのです。
PSVRでBeat Saberをプレイするグリーヴァス将軍。
— おかもち (@mochi_exe) October 9, 2019
超うまい。#オモ写 #スターウォーズ pic.twitter.com/tPbAAlXC05
グリーヴァス将軍のその特殊な造形はファンに様々な想像力を与え、たびたびこういった遊び心豊かなポーズをみせられます。ほかにも「咳をしているおじいちゃん」「紅茶が飲めないおじいちゃん」など様々ないじられ方をしているグリーヴァス将軍は強いだけではなく愛されるヴィランでもあるのです。
グリーヴァス将軍についてまとめ
膨大な作品数と重厚な世界観を持つ「スター・ウォーズ」の登場人物「グリーヴァス将軍」の強さや咳の真相についてはいかがでしたか?2019年3月には『エイジ・オブ・リパブリック グリーヴァス将軍』というコミックスなどでも主人公をつとめることになったグリーヴァス将軍は映画版で死亡が確認されてもなお未だに愛されるヴィランになっていますのでこれを機に「スター・ウォーズ」の世界に飛び込んでみると楽しいかもしれません。