映画「CURE」のあらすじを結末までネタバレ!残る謎を考察・感想や評価も

映画「CURE」は、結末までを鑑賞しても多くの謎が残される作品として様々な評価を受けています。今回はそんなCUREという映画について、ネタバレ満載のあらすじから結末までをご紹介します。更に実際にCUREを観た人の感想や、残されている謎についての考察などもまとめています。サスペンス映画好きであれば必見のあらすじとなっていますが、鑑賞前と後ではあらゆる意味で予想を裏切られる作品かもしれません。

映画「CURE」のあらすじを結末までネタバレ!残る謎を考察・感想や評価ものイメージ

目次

  1. 映画「CURE」とは?
  2. 映画「CURE」のあらすじネタバレ
  3. 映画「CURE」の結末ネタバレ
  4. 映画「CURE」の残る謎を考察
  5. 映画「CURE」の登場人物とキャスト
  6. 映画「CURE」に関する感想や評価
  7. 映画「CURE」のネタバレまとめ

映画「CURE」とは?

サスペンススリラー系の映画を好んで観るという人も多い筈ですが、「CURE」という映画はご存知でしょうか?今回はCUREのあらすじから結末までをじっくりご紹介すると共に、CUREという作品に残された謎や映画への評価、感想から出演している俳優陣に関する情報などについてもまとめています。物語の気になる結末や謎を解き明かした時、CUREという映画にどの様な感想を抱くのでしょうか?

映画「CURE」の作品情報

CUREは1997年に公開された映画で、とある連続猟奇殺人事件を追う刑事を中心として描かれた物語となっています。役所広司さんを始めとする豪華俳優陣が勢揃いの映画でもあり、恐ろしい事件の裏で起こる思わぬ展開に最後まで目が離せない内容の作品です。緊迫感のあるサスペンス映画でありながら、タイトルのCUREには真逆とも思える「癒し」という意味を持つ言葉でもあります。その意味はきっと鑑賞すればわかる筈です。

CUREの概要

とある街で、売春婦の惨殺事件が発生します。遺体の首から胸元にかけてはX字の様な切り傷が付けられており、犯人は現場で逮捕されていました。しかし犯人には事件を起こすだけの動機も手口も記憶に無く、そんな不可解な事件が立て続けに起こっていたのです。手がかりも無い奇妙な猟奇殺人事件を追ううちに、やがて刑事は事件に関りがあると思われる一人の男の存在に辿り着く事となり、事件に深く巻き込まれていきます。

CUREの監督

映画CUREの監督を務めるのは、黒沢清さんです。黒沢清さんは映画監督として以外にも、脚本家や小説家としても活躍している人物で、CUREは出世作にもなった作品です。以降も様々な映画作品を制作しており、「回路」「ドッペルゲンガー」「トウキョウソナタ」「クリーピー 偽りの隣人」などが代表作となっています。近年では2019年6月14日に女優の前田敦子さん主演の「旅のおわり世界のはじまり」が公開されたばかりです。

東京国際映画祭へ出品

CUREの製作会社である大映の社長が、ゼネラル・プロデューサーであった事がきっかけで、東京国際映画祭のコンペ部門への出品が決定となりました。これによりCUREで主演を務めていた役所広司さんが評価を受け、最優秀男優賞を獲得する事となります。またフランスの映画批評家であるジャン=ミシェル・フロドンがル・モンド紙で映画を大々的に取り上げ評価した事により、黒沢清監督が海外進出をするきっかけとなりました。

映画「CURE」の予告編動画

あらすじを知る前にCUREの予告編動画を観てみると、その独特の空気を感じる事ができる筈です。目を覆いたくなる様な連続猟奇殺人事件が起こる中で、複数いる犯人に共通点や動機は見当たらず、不気味な恐怖だけが広がっていきます。古い作品ではあるものの面白さは間違いなく、予告編を観てCUREという作品が気になった人は、是非自分の目で映画を鑑賞して評価してみる事をおすすめします。

映画「CURE」のあらすじネタバレ

続いては早速、CUREのあらすじをネタバレと共にご紹介します。謎が多い事件を主人公はどの様に解決していくのか、あらすじを見るだけでも手に汗握る緊張感が続く展開となっていますが、ネタバレを知りたくないという人は閲覧にはくれぐれもご注意ください。感想には賛否両論ある作品でもありますが、何故そういった評価をされているのかあらすじを知ればきっと理解する事ができ筈です。

あらすじネタバレ①遺体発見

とあるホテルの一室で、女性の遺体が発見されます。主人公であり刑事の高部が現場に向かうと、そこには喉から胸元にかけてX字に身体を切り裂かれ死亡した売春婦の姿がありました。桑野という名の犯人は全裸の状態でホテル内で発見され、事情聴取を受けています。警察はこれまでにも同様の手口で起こった殺人事件を捜査していましたが、犯人は別人でありました。奇妙に思った高部は、精神科医の佐久間に相談を持ち掛けます。

ここ2ヶ月のうちに3件目となる事件でありながら、犯人同士の接点も無ければ、佐久間は取り調べを受ける容疑者を見て異常は見られないと話します。手口の一致は偶然であり魔が差した犯行であるとの見解に、高部は納得できずにいました。その頃健忘症を患う間宮という男が、学校教師の花岡と会話をしていました。その中で花岡の妻の話が持ち上がり、後日花岡の妻はX字を刻まれ殺害されてしまいます。その犯人は夫の花岡でした。

あらすじネタバレ②催眠術

高部の妻は精神疾患による通院をしており、高部にとっては悩みの種でもありました。花岡の事情聴取を行っていた高部ですが、やはり他の犯人と同様に動機は不明であり、捜査は行き詰ります。やがて高部は、とある人物が催眠術を使い複数の人物に殺人を行わせているのではないかと考えます。また別の場所では、警察内部でも被害者が出てしまいます。交番勤務の大井田巡査が、勤務中に同僚の警察官を射殺してしまったのです。

取り調べを受ける中で、大井田巡査がペンライトの点滅に反応した事に気付いた高部は、やはり催眠術の線が強いと判断します。佐久間と共に大井田巡査に詰め寄ると、事件を起こす前に大井田巡査が間宮という男と話をしていた事がわかりました。間宮は事件の前に屋根の上から飛び降りをしており、その間宮を確保した大井田巡査は話を聞いていたのです。間宮は病院にいる事がわかり、高部は病院へと急行します。

あらすじネタバレ③メスマという本

署に連行された間宮ですが、奇妙な魅力の持ち主で会話はすぐに間宮のペースに引き込まれてしまいます。間宮は留置所へ入れられ、高部が家宅捜索を行うと「メスマ」という一冊の本を見つけます。佐久間の調べによれば、メスマは世界で初めての催眠療法を行ったとされる医師の名前でした。間宮は医大生で催眠療法の研究をしていましたが、鉄工所で働く最中に背中に大火傷を負いそこからの記憶が無いのだと話します。

映画「CURE」の結末ネタバレ

謎の男、間宮の登場により事件が少しずつ明らかになっていく事となるCUREですが、あらすじを見ててもその結末がどうなるのかは予測がつかないという人も多い筈です。続いてはいよいよあらすじに続くCUREの結末についてもネタバレと共にご紹介します。様々な評価のあるCUREですが、期待通りの結末となっているかは是非自分の目で確かめてみたくなる映画でもある筈です。

結末ネタバレ①佐久間の死

高部は事件解決までの間、妻を精神病院へ預ける事とします。佐久間は間宮が危険であると感じ取り、高部がこれ以上間宮に関わらないよう佐久間を病院へ移送していました。しかし高部はその事実を知ると激怒します。後日遺体となり発見された佐久間は、自殺と断定されますが喉にはX字が刻まれています。既に精神が異常な状態となっていた高部は、廃屋の病院でナースや患者の姿を見ていました。

病院から間宮を逃がした高部は、廃屋で間宮と二人きりで対峙をします。自分が催眠療法を行っていた男の意思を継ぐ伝道師なのだと話す間宮ですが、高部は何発もの銃弾によって間宮を撃ち殺してしまいます。院長室にあった蓄音機を再生すると男の声で催眠術が流れ出し、高部はそれをただ静かに聞いていました。

結末ネタバレ②レストランの高部

間宮の死により全てが解決したかに思われた後、病院にいた高部の妻が喉をX字に切り裂かれる手口で殺害されていました。一方の高部は通い慣れたファミレスで食事をしていますが、食べ残していたこれまでとは違い料理を全て完食しています。食器を片付けたウエイトレスがコーヒーを持ってくると言い、カメラはその姿を追いかけます。そのウエイトレスは、店長へと包丁を向けていたのでした。

映画「CURE」の残る謎を考察

ネタバレとなるあらすじを見てもなお、多くの謎が残るCUREという作品はかなり奥が深いストーリーである事がわかります。続いてはCUREという映画に残された様々な謎について、考察をご紹介します。同じ作品を観た人であっても感想には違いが出てくる作品ですが、謎に対する考察を読んだ上で映画を鑑賞し直してみると、始めには気付かなかった発見なども出てくるかもしれません。

考察①黒沢監督が目指したもの

CUREという映画において、黒沢清監督が目指したものはリアルな表現でした。日常の中で突発的に非日常的な出来事が起こった時、そこに編集が加わってしまっては説得力が弱まります。決定打となるシーンに対して編集という手を加えず、ワンカットで映像を撮影する事に黒沢清監督は強いこだわりを持っていたのです。

考察②メスメリズムの意味

間宮の部屋には、メスマーの本がありました。メスマーとはフランツ・アントン・メスメルの事で、メスメルはグラス・ハーモニカを治療に使用していました。メスメリズムは動物磁気の事であり、動物から発せられている自然エネルギーの一つであると提唱しています。その動物磁気のバランスを整える過程で、目には見えない催眠というものの存在が証明されたと言われています。

考察③X字と猿のモチーフの意味

犯行の手口として身体に刻まれるX字は度々登場しましたが、間宮の部屋にあった猿のミイラもまた、手足を交差させてX字を描いていました。螺旋やDNAの交差点であるといった考察もある一方で、CUREは癒しを意味する事からも、悩みや鬱憤といったマイナスの感情から切り離す事を目的としてX字が刻まれているのではないかといった考察も見られます。しかし作中ではX字や猿のモチーフの謎については明らかにされていません。

考察④文江を殺した人物

高部の妻である文江もまた、X字を刻まれて殺されてしまいました。文江を殺した犯人については作中で明かされる事はありませんでしたが、あらすじからもわかる様に、精神疾患であった妻に煩わされていたのは高部です。更に催眠術の伝道師であるとする間宮と深く関わりを持っていた事からも、文江を殺害したのは夫である高部であったのではないかという可能性が、最も濃厚であると推測されています。

考察⑤ラストの高部刑事

ラストシーンで、高部はウエイトレスと言葉を交わします。始めの脚本では、高部は間宮と同様に記憶喪失の様な終わりを迎える予定であったそうです。しかし間宮よりも上の存在とする為に、黒沢清監督は最終的にファミレスでのラストへと変更していました。自分のした事を忘れてしまう間宮とは異なり、高部は自分が何者であるのかを理解した上で、間宮と同じ様な行動を起こしていました。

考察⑥カットされていたラストシーン

CUREのラストシーンには、実は続きがありました。当初はウエイトレスがナイフを使い相手を刺し殺した後、死体を処理するというシーンがあったのです。しかし結果的にその場面はカットされ、観客の想像に委ねられる事となりました。ラストで注目すべき点は他にもあり、ウエイトレスがナイフを手にする前には高部が煙草を吸っています。これにより催眠術の引き金が煙草の火であったのではないかと考えられています。

考察⑦伯楽陶二郎

間宮の部屋にあった参考文献の一つに、「邪教」というものがありました。そこには伯楽陶二郎という名前が記されています。伯楽陶二郎はメスメリズムを日本に広めた人物でもあり、明治時代において実在した「気流の会」という精神医療グループのリーダーを務めていた人物です。高部が聞いていた蓄音機から催眠術を流していた謎の男の声は、この伯楽陶二郎であったと予想されています。

映画「CURE」の登場人物とキャスト

全編に散りばめられた謎の考察も面白いCUREですが、作品の面白さをより膨らませているのは、やはり出演しているキャストの迫真の演技も大きい筈です。続いてはCUREの登場人物及びキャストについても順番にご紹介します。登場人物をしっかりと把握しておいた方が、より物語に入り込んで楽しむ事ができるかもしれません。

高部賢一役/役所広司

主人公の刑事である高部を演じていたのは、俳優の役所広司さんです。元々が公務員であった役所広司さんですが、とある舞台を観劇した事をきっかけに役者の道を志す事となりました。主な出演作品は「タンポポ」「Shall we ダンス?」「失楽園」「THE 有頂天ホテル」「それでもボクはやってない」「十三人の刺客」「日本のいちばん長い日」「三度目の殺人」などが挙げられます。

間宮邦彦役/萩原聖人

連続猟奇殺人事件の犯人達の共通点である、謎の男・間宮を演じたのは、俳優の萩原聖人さんです。定時制高校を中退した後に短期間の渡米をし、ニューヨークでの映画鑑賞が役者を志すきっかけとなりました。主な出演作品は「はいすくーる落書2」「若者のすべて」「私が恋愛できない理由」「トレース~科捜研の男~」「マークスの山」などが挙げられ、テレビアニメや海外作品の吹き替えなどでも活躍している人物です。

佐久間真役/うじきつよし

高部と行動を共にする精神科医の佐久間を演じていたのは、俳優のうじきつよしさんです。俳優としてだけでなく、ミュージシャンやギタリストとしても活躍している人物です。俳優としての主な出演作品は「あいつがトラブル」「もしも願いが叶うなら」「サービス」「ゲゲゲの女房」「盲導犬クイールの一生」「3年B組金八先生 第7シリーズ」「226」「八つ墓村」などが挙げられます。

高部文江役/中川安奈

高部の妻である文江役を演じていたのは、女優の中川安奈さんです。テレビドラマなど数々の作品に出演していた女優ですが、子宮体癌で闘病の末に、2014年に49歳という若さで亡くなられました。主な出演作品は「キャンプで逢いましょう」「びいどろで候~長崎屋夢日記」「大河ドラマ 炎立つ」「連続テレビ小説 あぐり」「愛の劇場 ママはバレリーナ」「木曜時代劇 風邪の果て」などが挙げられます。

宮島明子役/洞口依子

間宮に催眠術をかけられていた女医の宮島を演じていたのは、女優の洞口依子さんです。芸能界デビューはモデルとしてコンテストでの優勝をした事がきっかけで、黒沢清監督の「ドレミファ娘の血は騒ぐ」で初主演を務めます。主な出演作品は「君は裸足の神を見たか」「呪怨」「富江」「およう」「20世紀少年」「百合子、ダスヴィダーニヤ」「アントキノイノチ」などが挙げられます。

花岡徹役/戸田昌宏

催眠術により妻を殺害した教師の花岡を演じていたのは、俳優の戸田昌宏さんです。クォータートーンに所属する俳優で、「プリセタ」という演劇ユニットでは主宰を務める人物です。主な出演作品は「夢暦長崎奉行」「ジャッジ ~島の裁判官奮闘記~」「猿飛三世」「とと姉ちゃん」「脳にスマホが埋められた!」「笑顔の法則」「ルーズヴェルト・ゲーム」「コウノドリ」「ストロベリーナイト」などが挙げられます。

花岡とも子役/春木みさよ

花岡により殺害された妻のとも子役を演じていたのは、女優の春木みさよさんです。1988年に女優としてデビューを果たして以来、数々の作品に出演している人物です。主な出演作品は「純ちゃんの応援歌」「ほんまもん」「64(ロクヨン)」「禁じられた遊び」「君といた夏」「名前をなくした女神」「ラスト・プレゼント」「Zero WOMAN」「39 刑法第三十九条」「極道大戦争」などが挙げられます。

映画「CURE」に関する感想や評価

豪華俳優陣が勢揃いとなっているCUREですが、ネタバレや謎に関する考察を知った上で、実際に映画を鑑賞した人の感想や評価なども気になるという人は多いのではないでしょうか?続いてはTwitter上でのCUREに関する感想や評価などを少しだけご紹介します。自分一人で鑑賞した時とはまた違った視点からの感想などを見ると、作品に対する評価にも変化があるかもしれません。

自分の力だけで物語を読み解く事ができない人にとっては、厳しい評価の出る作品でもあるかもしれません。しかしハマる人にとっては邦画サスペンスの中でも傑作に分類される作品であり、不気味な空気に自分自身も催眠術を掛けられているかの様に、少しずつ引き込まれていくといった感想も見られました。結末は決してハッピーエンドではないものの、やはり全体的に評価の高い作品に仕上がっていると言えそうです。

近年ではサイコパスを題材とした作品も多く見られますが、CUREもまた理解不能なサイコパスといった種類の人間の姿を描いた作品でもありました。目に見えないものに恐怖を感じる人がいる一方で、やはり最も怖いのは人間であるといった感想も見られる映画となっています。催眠術の存在を信じるかどうかによっても、作品に対する評価が変わってくる事もあるかもしれません。

CUREはどのキャストに注目をするかによっても、見方が変わってくる映画かもしれません。謎の男であり事件の首謀者とも言える間宮を演じていた萩原聖人さんの、掴みどころの無い不気味な演技も秀逸だと評価する感想もありました。観客もまた本当に催眠術を掛けられている様な、恐怖したという感想が多いのも頷ける作品となっています。萩原聖人さんでなければ感じさせられなかった空気でもあるのかもしれません。

映画「CURE」のネタバレまとめ

CUREという映画について、あらすじをネタバレも含めてご紹介しましたが、これまでCUREという作品を知らなかった人も興味を持つ事ができたのではないでしょうか?鑑賞する人により感想や評価にも違いが出てくる作品ですが、作中で謎が全て回収されるわけではない事からも、鑑賞後にも想像を働かせて楽しむ事のできる作品となっている筈です。ネタバレを知った後からが本番とも言える映画かもしれません。

作品を鑑賞しただけではどうしても納得がいかない、気持ちが悪いという人は、実際にCUREを観た人の感想や考察などを調べてみるのも面白いのではないでしょうか?自分一人では気付く事のできなかった視点や、思わぬ発見をする事もあるかもしれません。作品で得たものだけで完結してしまうのではなく、鑑賞後に色々な人の考察を比較していくというのもまた、映画の一つの楽しみ方としておすすめです。

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